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「僕らの役割は潤滑油みたいなものなんです。あいだに入ることによって、物事がスムーズに動き出す。それは会社ができたときから、ずっと言い続けていることかな」そう話すのは、代表の齊藤さん。
誰かの気持ちを理解して、別の誰かに橋渡しする。言葉にならない漠然とした想いを、アイディアというかたちにして伝える。
時には、話にじっくりと耳を傾けることもあるかもしれません。
目の前の相手の気持ちや地域のこと、その先にいる人々のことを想像しながら、人と人をつないでいく仕事です。
株式会社サンプラックスは、様々な場面を企画立案から実施運営、フォローアップまでトータルでプロデュースしている会社。
1日限りのイベントから、丸の内朝大学などの7年目を迎えるプロジェクトまで、手掛けているものはさまざま。
ここで一緒に働く仲間を募集します。
経験は問いません。自分が関わることで誰かを笑顔にしたり、より良い関係性を生み出していく。そんなことに興味があったら、ぜひ続きを読んでみてほしいです。
淡路町駅から5分ほど歩いたところに、株式会社サンプラックスはある。
取材前に会社のまわりを歩いていると、淡路小学校跡地に立つWATERRAS(ワテラス)が見えてきた。まちの魅力を発信しつつ、新たなコミュニティを生み出す場です。
サンプラックスは、ここで行われる催事の管理も委託されている。
平日の夕方にもかかわらず、開かれていたマルシェはスーツ姿のサラリーマンや子どもを連れたお母さんたちなど、多くの人で賑わっていました。
今回はWATERRASでお話を伺うことに。まずは、代表の齊藤さん。
もともとはディスプレイや舞台をつくる仕事を経て、イベント制作会社で勤務していたという。
丸の内朝大学の前身である「朝EXPO in Marunouchi」との出会いをきっかけに、2008年に独立し、サンプラックスを立ち上げた。
丸の内朝大学は、大手町・丸の内・有楽町エリアをキャンパスに見立て、朝7時台から開校する市民大学。
学部もソーシャルビジネスから、地域、食、からだまでと幅広い。約30のテーマでクラスが催されている。
たとえば、東北の農業経営者と連携して新しい農業ビジネスを生み出し、震災復興に取り組むクラスや、公園の一角を借りて、からだと心を整えるZEN呼吸法クラスなど。
年齢も肩書きも、地域も関係ない人たちと出会い、自分自身も変わっていく。
300人ほどの参加者からスタートした丸の内朝大学は、今では年間3,000人以上が参加するコミュニティに成長しました。
「参加される方の申込みや問い合わせに対応したり、授業にも立ち会います。企画や講師、場所、参加者など、関連するさまざまなものをつなげる潤滑油としての役割を事務局が担い、運営するというやり方を一つひとつつくってきました」
事務局の実施運営と並行して、サンプラックスではイベントの企画制作も多く手掛けてきた。
「大型の展示ホールをつかった展示会や企業のセミナー、株主総会も担当させていただきました。お客さまの口コミから、さまざまなイベントに携わらせていただきましたよ」
事務局運営とイベント制作。どちらもここまでの広がりをみせたのはどうしてなんだろう。
「たとえばイベントの運営は、何度もやっていると慣れてしまう部分がある。過去の経験に当てはめて考えてしまうのが一番怖いんです。『去年もやったから、同じでいいや』ではなく、常に新しい気持ちでやっていく」
「規模を広げるというより、磨くっていう感じなのかな。イベント制作と事務局、どちらもテコ入れをして、クオリティを高くしていきたい。そうしてもっとみなさんに喜んでもらえるようなものをつくっていきたいです」
齊藤さんの話を聞いていると、常に『人』に向き合い、思いを巡らせながら仕事をしているのだなと感じる。そんな姿勢だから、一緒に仕事をしたいと思うのだろうな。
実際に働いている方にも、お話を聞いてみます。
イベントのプロデュース・ディレクションを担当している玉田さん。
大学院でまちづくりを専攻していたことから、最初は丸の内朝大学に興味を持ち、サンプラックスへやってきた。
入って1年ほどは、丸の内朝大学の事務局のアシスタントをしながら、それ以外の案件で齊藤さんについて仕事の段取りを覚えていったそう。
「クライアントとの打ち合わせに同行したり、どういうかたちで業者に発注するのか、制作物はどうつくるのかというところを一から学んでいきました。合間に少しずつイベントの企画もやりましたね」
イベント制作は、ある程度やりたいことの方向性が決まっている場合と、『こういうプロジェクトをやりたいんだけど、どうしたらいい?』とゼロベースから企画が持ち込まれる場合があるという。
玉田さんはどちらかというと前者に関わることが多かったそうだ。特に印象に残っているイベントとして、ある企業の式典での話をしてくれた。
「今年は過去に比べて規模も大きく、2000名くらいが一堂に会するような場だったんです。そんな規模での仕事は、僕自身初めてで。クライアントがいて、代理店がいて、その下に僕らを含めていろいろな役割の会社が集まり、チームとして働く」
「そんな中、運営という中心的な立場で参加していました。歯車のように、僕らが機能しないと全体が動かないという役回りだったんです」
たとえばステージの仕様や出演者が変わったとき。その都度、細かい調整を繰り返していく。
そのほかにも、式典中にVIPやタレントをどのルートで誘導すればいいのかをまとめた動線図づくり。事前にトラブルのもとを潰しておくために、できることはたくさんあるという。
「動線図など事前に資料があったことで、担当者が迷わずに誘導することができたと喜んでいただけました。ですが当日は、想定外のことも沢山起きてしまった。まだまだ反省点が多いです」
もちろん事前に全体を把握できていれば一番いいけれど、玉田さんのように想定外の出来事が起きても、どうすればいいのか柔軟に考え、対応していく力が求められます。
一方で、演出を担当する会社や会場側と連携を取ることも必要。
限られた時間の中で、プロジェクトやイベントの形に落とし込むことが必須となる。とはいえ、各社がいろいろなことを言ってきて、なかなかまとまらないんじゃないかなと想像する。
そんなときはどう対応しているんだろう。
「やっぱりすべての人が完全に納得した上で進めることは難しいですね。軸になるのはクライアントの想いです。そこからずれているようなら、考えを説明して参加者目線を考えながらハンドリングする。最終的には自分で方向性を判断していく必要もあります」
「クライアントがやりたいと思っていることでも、会場側からNGが出ることもある。そういうときは別の視点から実現方法を考えたり、すべてにおいて提案を繰り返していきます」
なんのために、誰のためにイベントをやるのかという部分は、軸としてぶれないようにいつも考えていると玉田さん。
「イベントを盛り上げたいという想いを、噛み砕いてかたちにしていく。それは作業としては大変ですけど、すごくやりがいになるんです」
「僕自身、やったことのない出来事の連続ですよ。ホームページのディレクションやキャンペーン事務局をやったこともありますし。でもできないとは言わずに、まずはやってみると言える人と一緒に働きたいですね」
もう一人、丸の内朝大学を担当する山本さんを紹介します。
入社4年目。前職では元プロ野球選手を全国の少年野球教室へ派遣するマネジメントの仕事をしていたそう。
7年目を迎える丸の内朝大学の事務局で、リーダーとしての役割を担っている。
明るい笑顔で、しっかりと目を見て話してくださる姿が印象的でした。
プログラムづくりや、外部と連携しての制作物づくり。受講生の方と直接話す機会も多く、仕事内容は多岐に渡る。
「いつも気をつけているのは、細かいことをおろそかにしないということ。大きなコミュニティになってきているので、ちょっとした一言が意図とは違うニュアンスで伝わって、傷つく人や不快に思う人が出ないように」
「一方で、今あるコミュニティをただまわすだけでは、魅力を感じてもらえなくなってしまう。コミュニティを守りながら、新しい企画も考えて変化を促していく。両方をやっていくのが大変であり、楽しいところでもあります」
変化を促す。
「たとえば今後は丸の内だけにとどまらず、もう少し国際化に向かいたいです。外国人の方も参加してくれるようなコミュニティになったらおもしろいですね」
「ほかにも、今年から丸の内エリアの企業の方が参加している“丸の内軟式野球大会”の事務局をはじめたりと、つながりが広がっています。いろいろな人たちを巻き込んで、刺激を受けながらやっていきたいです」
どんな人が向いていると思いますか。
「なにかトラブルがあっても、そこから好転できるような人がきてくれるといいかなと思います」
「たとえば、対応次第では迷惑をかけてしまった方と仲良くなって、逆に仕事につながるということもある。タフさと柔軟さ。スキルよりもそういうマインドが必要ですね」
事務局のスタッフは、メールでの問い合わせ対応など地道な作業も多い。みんなでコミュニケーションをとりながら、気持ち良くすすめていけたら、と山本さん。
「地道な作業が続くと、イベントに関わったという大きな達成感を感じられないこともあるでしょう。でも朝大学の仕事のやり方を覚えたら、ほかでも通用すると思いますし、すごくいい経験になるんじゃないかな」
まだまだ小さい会社だからこそ、それぞれが担う役割も大きい。自分で考えながら動いていければ、活躍の幅はどんどん広がっていくと思います。
最後に、齊藤さんからメッセージを。
「社員それぞれが、自分自身が窓口になり、クライアントの想いをかたちに出来てきていると感じています。これからはさらに、一人ひとりの色を出しながら自分を磨いていってほしいですね。新しく入る人にも明るく、内に篭らずコミュニケーションをとりながら働いてほしいです」
自分の行動が、誰かの変化のきっかけになる。
イベントを通していろいろな人や価値観と出会う。そんな環境に身を置くことで、自分自身も今までとは違う自分に出会うかもしれません。
玉田さんと山本さんは今この記事を読んでいるみなさんと同じように、日本仕事百貨を通じてこの世界に入りました。
興味があったら、ぜひお二人のようにこの環境に飛び込んでみてください。
(2015/12/14 並木仁美)