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4月に入り、新居で生活をはじめた人もいるかと思います。ひとり暮らしもいいし、仲のいい友だちとシェアハウスするのも楽しい。
けど、ひとり暮らしとシェアハウス、両方の良さを実現する居住スタイルがあるのを知っていましたか?
入居者が自由に利用できるラウンジやキッチンなどの交流スペースを設けたマンション「ソーシャルアパートメント」。
ワンルームの自室では自分だけの時間をつくることができるし、いつも誰かがいるラウンジでは気の知れた人たちと楽しい時間を過ごすことができる。
プライバシーを確保しつつ、世代や国籍を超えた交流ができる新しい居住スタイルとして注目されています。
ソーシャルアパートメントを運営するグローバルエージェンツのスタッフにも、そんな暮らしがしたいと実際に住んでいる人がいます。入居者からスタッフになったという方もいるそうです。
今回は、そんなソーシャルアパートメントに携わる、営業・運営・設計開発・バックオフィスを募集します。
グローバルエージェンツは2005年の創業の会社。以来拡大を続け、スタッフは現在約150名。
前回の募集からオフィスも変わり、この日は渋谷クロスタワーの25階を訪ねました。
東京の街並みを一望できる会議室。ここで、まずは代表の山崎剛さんに話をうかがいます。
一般的な社長のイメージより、山崎さんはずっとお若い。グローバルエージェンツを立ち上げたのは、山崎さんが大学4年生のときでした。
まだシェアハウスすら浸透していなかったこの時代、ソーシャルアパートメントをつくることになったきっかけは、大学生のときに渡ったイギリス・ロンドンにあったといいます。
隣人やオーナーとコミュニュケーションをとる、日本にはなかった経験。帰国してからも海外の人と一緒に住んでみたり、ゲストハウスなどに住んでみたりしたそう。
「ゲストハウスでは本当にお金がないような人もいれば、何でここに住んでいるんだろうっていうような一流流企業に勤める人もいて面白かったんですね。でも、みんなが思うことは建物が『汚い』こと」
それでも住む人たちがいるのは、コミュニケーションを取りたいという思いがあるから。
「多くの人が住みたくなるような環境や場をつくればもっと人が増えて、コミュニティにも多様性が生まれて面白くなるだろうなと。従来のような専有部だけしかないマンションではなく、共用スペースを充実させて集中投資することで、ラグジュアリーなデザイン空間をマンション内につくれば、非常に面白い住宅形態ができるんじゃないかなというのがはじまりでした」
最初に手掛けた「ソーシャルアパートメント蒲田」は全17室が1ヶ月ほどで満室に。手応えは十分にあった。
その後も都内の物件を中心に手掛け、これまで40以上ものソーシャルアパートメントをオープンしてきました。
いまでは「ずっと前からソーシャルアパートメントで暮らしたかった」という人もいるほど。
ビジネスとしての基盤が整いつつ、こんどはソーシャルアパートメント事業で培った「人を集める場づくり」を活かし、ホテル事業や飲食事業も展開。拠点も新たに神戸と沖縄に設けました。
新しい展開が増えていくなか、運営部ではルールづくりや標準化を進めることが急務です。
そこで今回の募集では、とくに運営部の人を求めています。
実際にどんな仕事をするのか。
運営部に所属する高梨翔さんに話をうかがいます。
高梨さんは現在入社3年目。大学生のころにもグローバルエージェンツでインターンをしていました。
そのときは営業を担当し、お客さまをご案内してソーシャルアパートメントの魅力を伝える仕事をしていたそう。
その後、高梨さんはグローバルエージェンツに新卒入社。まだ社員の少なかった時代から、運営の仕事を任されています。
単発の企画や開発で終わるのではなく、日々の運営を通じて一つひとつの事業を育てようとするグローバルエージェンツでは、運営スタッフを細かく配置しています。
清掃やお世話をする寮母さん的な管理人が1物件に1人。それに担当エリアを巡回して物件のチェックや修繕を行なうスタッフ。そして、高梨さんのように本社にいながら、入居者とのコミュニケーションを図るほか、運営上の意思決定やルールづくりを行なうスタッフ。
高梨さんは全ての物件状況を把握しながら、実際に現地を巡回し、現地スタッフでは対応できないことに出向いたりもしています。
「本当に幅広くて、毎日決まった仕事はないんですよ。僕の中での運営部の定義は『ソーシャルアパートメントがソーシャルアパートメントであり続けるために必要なことを全部する』ことだと思っていて」
昔はコミュニティを活性させるために、社員がソーシャルアパートメントに住んでいたこともあったけれど、いまはその必要がないくらい自然とコミュニティができあがるようになったそう。
そのため運営部は、より良い環境づくりが一番の仕事だといいます。
入居者が快適に暮らせるように、ソフト面ではルールをつくったりするし、ハード面では設備の改善や備品の導入も行なう。
また現地スタッフの業務も管理し、現場で気持ちよく働いてもらえるための環境を整えたりもする。
とあるメーカーから施設の備品を提供され、ソーシャルアパートメント内でプロモーションを手伝うこともあったそう。
「いろんなケースがありますよ。千葉のとある地域での開発計画が出されたとき、千葉市が若い人の意見がほしいということで、ソーシャルアパートメントの住人が意見を出すことになって。市長と住人の話し合いに、うちの社員も参加したんです」
様々な仕事の先に必ず住民がいる。日々触れ合ううちに、自然とスタッフ自身もコミュニティの輪に入っていくことになるそう。
「物件をまわっていると、誰かしら声をかけてくれて。この前も『こんどバーベキューやるから、よかったら来なよ』って」
高梨さんは運営する立場でありながらも、自身もソーシャルアパートメントで暮らしています。つまり、隣人は仕事上のお客さん。意識の切り替えとか、大変だったりしませんか?
「そんなことはないですね。むしろ楽しい。だって、商品に住めるって普通できないことだと思うんですよ。日々自分も暮らしながら商品の使い方が見えるというのは非常に面白いです」
そんな高梨さんが運営の仕事で一番難しいと話すのは、入居者間のトラブル。
「同じ問題はひとつとしてないし、正解はないので。人間関係の問題解決は非常に高度だなと思っています。人間力が求められるところですね」
住んでいる人の間で交流関係が深まったり、様々な情報が共有されるのはソーシャルアパートメントならではのこと。
ただ、それは運営する側にとってリスクもあるように思うけれど。
「もちろん我々にとってデメリットになることもあるんですけど、やっぱりそれがあるべき姿だと思っていて」と代表の山崎さん。
「歴史的に、マンションの管理会社というのは住人同士を交流させないようにしてきたんです。人によって賃料が違うとクレームに発展しやすいとか、その場しのぎの対応が共有されると都合が悪いとか、いろいろあるから。けど、そういうのってやっぱり本質的じゃなくて、お隣さんがいたらなるべくコミュニケーションをとるべきだし、ある程度どこに誰が住んでいるのか分かっていたほうが絶対いいに決まっている」
「そういったことが成立できるような体制・オペレーションを組めるようになれば、これほど強いことってないと思うんですよね。そこをいま我々は目指しているんです」
コミュニティを意識しながら、それを停滞させないようなルールづくりを進めていく。それはまるで“行政”のようだといいます。
「行政的知見でルールをつくって執行していく立場なんですね。単にアナウンスするときもあれば、きっぱりジャッジすることもある。入居者さんにとっていいことだけじゃなく、嬉しくないであろうことも伝えなきゃいけない」
「現在の入居者のことだけを考えるのではなく、未来の入居者、建物価値、そして収益性、様々な要素があるなかで最適な解を見出してジャッジしていくためには、広い視野とロジカルシンキングはもちろん、ルールメーカーとして物事を仕切っていけるだけの人間力も必要だと思う」
システムの力と人の力をバランスよく掛け合わせた、グローバルエージェンツオリジナルの運営方法。
これからより磐石にしていくため、論理的な思考力と人としての素養を兼ね備えた人材が必要だといいます。
そして何よりも重要なのは人に興味を持てることだと、高梨さんは話します。
「そんな人なら、コミュニケーションを通じて自分を深めて、仕事に活かすことができる。それとオンとオフを両方とも最大限楽しもうとする人だと、この会社の人たちと合うと思います」
「仕事も休暇も全力で思いっきり楽しむ。皆それぞれ趣味も持って打ち込んでいるし、長期休暇もしっかり取って海外へ行ったりしています」
昨年には沖縄で直営ホテルをオープンし、これから毎年1回は社員旅行で必ず沖縄へ行くのだそう。
ソーシャルアパートメントがだんだんと広まってきたとはいえ、まだまだ一部地域だけ。これから日本だけでなく、海外展開もあり得るかもしれません。
まずは運営の面からソーシャルアパートメントの礎を築いていく。その先に、ここで働く人にとっての可能性も広がっていると思います。
(2016/4/28 森田曜光)