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「寺田は、ローマ字で『TERRADA』と表記されるのですが、これはラテン語の『Terra(大地・地球)』を合わせた造語なんです」「この1年は海外への広報に力を入れているため、メディアの方に『寺田倉庫さんは国内事業と海外展開、どちらのウェイトが高いのですか?』と質問される機会が増えてきましたが、私たちはそこに国境はあまり意識していません」

そんな新しい価値を生み出し続けているのが寺田倉庫株式会社です。
ワイン、絵画、音楽媒体、映像フィルムなどの保管事業をはじめ、近年では画材メーカーと作家をつなぐ画材ラボ「PIGMENT(ピグモン)」や、春にオープン予定の建築模型を展示しながら保存する「建築倉庫ミュージアム」など、アートにまつわる事業にも力を注いでいます。

余白とは何もない空間や物理的な余裕ではなく、安心や信頼によって得られる心の置き場のような、価値のある余白を指しています。
今回募集するのは、まさに余白を伝える寺田倉庫の広報チームのPR担当と制作担当です。
そこには、自分たちの仕事も余白からつくり出せる姿勢がありました。
モノレールにゆられ、着いたのは天王洲アイル。
時間より早く着いたので、周辺を歩いてみることに。
運河の手前にはカフェやレストラン、ギャラリーや画材ショップといったお店が目に入る。
1950年の創業以来、幅広い視点で最適な環境をつくることに意識してきた寺田倉庫は、天王洲の風景をも構想する。
かつては倉庫が立ち並んでいた景色も、新たなアイデアを加えることでさまざまな可能性や価値が集まる場に変化しつづけています。
そんな街の中心にある建物へと向かい、はじめに広報チームのチームリーダー脇山さんから話を伺いました。

ただ、クルーズという商材はターゲットがシニア層だったため、新聞や雑誌といった紙媒体でのPRが主流だった。
「これからの時代を生きるPRはWeb広告の知見もないと通用しないと危機感を感じ、ウェブ広告会社へと転職しました」
そこでは国内広報、海外広報業務に加え、従業員満足度を高めることを目的としたインナーコミュニケーションや企業理念「クレド」プロジェクトなどにも、携わることができたそう。
ウェブ広告会社はとても恵まれた環境だったという。
ではなぜ寺田倉庫で働こうと思ったのでしょうか。
「『寺田倉庫』という名前を聞いた段階では、正直ピンとこなかったんです。ただ、想像していた倉庫業とかけ離れた事業内容に興味が湧いて、話だけでもお伺いしたいと思ったのがきかっけです」
「実際に天王洲に訪れ、面接を通してお話を伺ったことで、うっすらと感じていた予感が確信に変わりました。自分が挑戦したい環境はここにあると思いましたね」
挑戦したい環境。
「寺田倉庫が挑戦し続けている姿勢が、外の世界に十分に伝わりきれていないと感じました。自分が培ってきた経験すべてを駆使して、この取り組みを効果的に外の世界に伝えたい。そう思いました」

24倍。その数字を生みだすには、かなりの努力が裏付けられていた。
なかでも戦略的におこなったのは海外メディアへの掲載。
「国内の認知度が十分でないなか、海外にプレスリリースを打って『はい、海外展開できました!』、という訳にはいきません」
自分たちが掲載したい海外メディアをリサーチし、直接コンタクトを取るというアナログな方法ながらも熱意を持って取り組んだことで、多くの海外メディアと関係性をつくることができた。
「PR会社を介さずに、自分達でやり遂げたことは、チームメンバーの自信にもつながったと思います」
具体的にどのように海外メディアとの関係性をつくったのでしょうか。
「たとえば、まったく面識のない海外メディアに対して『はじめまして、寺田倉庫といいます。こんなことをやっているのですが良かったら取材してください。プレスリリース添付しますね』と連絡を取っても、なかなか難しいかと思います」
まずはそのメディアがどんなことに興味を持っているのかに注目する。
そこに親和性を見出すことで 「こういうかたちで記事にしてみてはいかがでしょう?」というアプローチをおこない、コミュニケーションが加速していく。
「掲載後の反応、たとえばFacebookのシェア率が高い場合はプレスツアーを組んで寺田倉庫の取り組みについてご案内します」

「上からの指示をただ待つのではなく、チーム内でリズムよく動ける空気をつくり続けるのが重要ですね。そういう意味では寺田倉庫のことを好きじゃないと辛いと思います」
自信をもって薦められるように、寺田倉庫のことをくまなく知りたいと思えるかどうか。
「生まれたてのサービスをどのように発信すればお客様への需要を取り込めるか考えることも、私たちの仕事になります」
「ですから、各部門の定例には参加し、そこで得た情報を広報チームで共有しています。コミュニケーションは情報をキャッチするために非常に重要です」
チームの連帯感を高め、新しく得た情報はどんなに小さなものでも雑談形式で良いので随時共有する。
「雑談がかなり多いので『広報チームの席周辺はいつも騒々しい』と思われているかもしれません」

自分の仕事に型をはめずに挑戦する姿勢は自分の力量を広げられる一方で、大変さにもつながっていると言います。
「寺田倉庫は原則19時には消灯します。広報チームはあらゆる部門を横断しているため、脳の処理能力はかなり鍛えられると思います。毎日が完全燃焼です」
上司や部下が残業しているので帰りにくいといったシチュエーションもなく、時間を有効活用することが習慣付けられていきます。
「前職のウェブ業界では遅くまで残っている社員も多かったです。そういう意味では、時間を有効に使える環境は本当にありがたいですね」
また、自由かったつな意見交換ができる風土もある。失言を恐れてためらっていると、チャンスを逃してしまうことも。
「言いたいことは言う。知りたい情報は聞く。失敗を恐れずに何でも挑戦する。今ここにないものは自分たちでつくる。そんな果敢な姿勢が求められると思います」
続いて話を聞いたのは人事グループの木場さん。

「『創業66年』と『寺田倉庫』。この言葉とホームページを見たときのギャップにとても惹きつけられました」
「個性ある人事制度を面接で聞いていくなかで、『自分がぜひやってみたい人事はここでできる!』と感じました。今思えば、制度にも『寺田らしさ』が出ていますね」
寺田らしさ?
「寺田倉庫は社歴があるベンチャー企業と言えます。『他社がやっていないから、寺田倉庫がやる』。それが『寺田らしさ』です。もちろん、バックオフィス部門である人事も例外ではありません」
「そのような姿勢も、今の社長に代わってから更に舵を切りはじめました。事業や制度が変わり、従業員の意識もより一層変わってきています」
5年後、10年後にみえてくる景色はさらに変わってくる。
今回募集する広報は、そんな寺田倉庫が手がけるブランディングを伝えていく最先端にいるようなイメージとのこと。

たしかに、「わかる」と「できる」は同じようで、感覚も動き方もまったく変わってくる。
ここでは誰もが率先して行動を起こす能力が求められるのかも…と考えていると、あるエピソードを話してくれました。
「寺田倉庫の人事制度の一つに従業員個々のキャリアを応援するものがあります。入社から5年タームで自分のキャリアを考え、そして卒業、転職、起業などを選択する場合に退職金をプラスアルファするという制度です」
「だらだらと働き、気づいたら定年まで務めていた。そんな働き方は求められていません。その考え方を理解できないと大変かなと思います」
なんとなく5年10年勤めたいという考え方よりも、やりたいことをし続けたら5年が経過していた、といった印象なのかも。
「決して会社に依存してほしくないということですね。『創業66年』『老舗』『不動産』『いろんな事業を展開していて楽しそう』っていうワードだけを摘むと誤解してしまうのかも」

社内で面白い話を聞いたら「なにか新しいことやっているの?」と、自分で情報を取りに行くようなスタンスが重要になってくるのかもしれません。
「スピードと多様性の2点がとくに求められる役割なので、社外と社内のコミュニケーションも意識的に取り組んでほしいと思います」
「だからこそ、これからの寺田倉庫をつくっていく広報は『面白そう』で終わるのではなく、自分が主体となって面白いことを探り、生み出せる人がいいですね」
「面白そう」っていうのは、あくまで客観的な立場での感想。
複雑な立場のなかでどれだけクリエイティブなことができるかは、かなり意識的な要素だと感じました。
お二人の話には、自ら動いたという強みと魅力が共通している。
ここで働く人は、そんな主体となって寺田倉庫をつくっていく人たちになっていく気がします。
帰り際、改めて寺田倉庫の文字を見上げる。

そういったことに挑戦するには不安や緊張はつきものだけど、寺田倉庫で働くということは、そんな気持ちをも大事にできる人が向いていると思います。
(2016/6/3 浦川彰太)