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空間革命

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

自分の引越しが間近だということもあって、toolboxのウェブサイトをよく覗いています。

toolboxは自分の空間を編集していくための”道具箱”。新しい視点で不動産を発見していくR不動産がはじめたサービスです。

ガーゼカーテン、鉄製のテーブル脚、素焼のソケットランプなどの建材から「モルタルンバ」という床研磨サービス、それに1cm単位でサイズオーダーができたりと、空間をつくるための選択肢が幅広い。

日本仕事百貨のオフィスやリトルトーキョーでも、とてもお世話になっています。

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個人的にもともと好きだったtoolbox。

取材を通じて見えてきたのは、単に「いいものを揃えたネットショップ」ではないということでした。

真の目的は、住まい手に主導権のある空間づくり。誰もが自由に自分の空間をつくれるようになることを目指しています。

そんな考えに共感し、一緒に働きたいと思ってくれる人を求めています。

募集するのはカスタマーサービス。電話やメール、ショールームでの接客を通じて、商品とお客さんの間に立つ仕事です。

 

toolboxのオフィスは原宿駅から歩いて5分ほど。

1階には500以上もの商品を揃えたショールームがあり、どのお客さんもじっくりと眺めていました。

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ここで話を伺ったのは、取締役の荒川さん。

もともとはR不動産でリノベーションの設計をしていた方で、toolboxを立ち上げたメンバーのひとりでもあります。

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そもそもどうしてR不動産がtoolboxをはじめることになったのか。

最初に聞いてみると、荒川さん自身が設計の仕事をする上で感じていたことが、きっかけのひとつにあったといいます。

「お客さんにとっての最高の満足を本当に提供できたのか。そんな不安みたいなものが常に付きまとっていたんです」

「もちろん設計ではお客さんの要望を聞いた上でベストな提案をしていたし、結果的にお客さんも満足してくれていました。だけど自分が提案する以上、自分が答えをコントロールしてしまっていると感じていて」

たとえば、荒川さんが選択しなかった数百種類の壁紙の中に、もしかしたらお客さんがもっといいと思うものがあったかもしれない。

言いはじめたらキリがないことかもしれないけれど、自分の提案が本当の意味で正しかったのかどうかは、最後になっても分からないもどかしさがあった。

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そこで荒川さんが思いついたのは、もっとお客さんに空間づくりの判断を委ねてみることでした。

試しに、トイレットペーパーホルダーを30種類の中からお客さんに選んでもらうことにした。すると意外にも、お客さんは自分で選択できること自体をよろこんでくれたという。

その人は結局、荒川さんが提案したものでは満足いかず、自らネットなどを使って探しはじめることに。最後に決めたのは、なんとただのワイヤーをくくって取り付けるという、荒川さんなら絶対に思い浮かばないものだった。

「結果的には僕もすごくいいと思ったんです。空間に合わないかもって心配があったけど、それは供給側のエゴというか。バランスが崩れようが崩れまいが、住む本人が選択して本当によかったと思うのなら、それが最高に決まっている。その自由を実は僕らが奪っていたんじゃないかって気がして」

「だったら僕らがやるべきことは、照明でも電球でも、とにかくいろんなものの情報やアイディアを具体的に提供して、住まい手に知ってもらうことだろうと。そうやって空間づくりの手立てを得ることで、住まい手自身が自由に決めていけるようになると思ったんです」

だからtoolboxでは一般的には扱わないようなプロ仕様の商品をはじめ、いいものがなかったらつくってしまおうとオリジナルで開発した商品もたくさん揃えている。

たとえば金属製の棚受け。ほかにはないシンプルなデザインで人気の商品です。

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高級ブティックの内装に使う金物を製作している東大阪の町工場につくってもらっているのだそう。

こういった小規模かつ高い技術力のあるつくり手たちの協力を得ることで、普通だったらできないような1cm単位のサイズオーダーや1個からの受注生産をtoolboxでは可能にしている。

「内沼さんちの収納法」というタイトルのついた本棚は、もともとはnumabooksの内沼晋太郎さんのために建築家の田中裕之さんがデザインしてつくったものです。

建築家が施主にオリジナルの建具や家具をつくるのはよくあること。それを雑誌で見かけたりして欲しいと思っても、手に入れることなんてこれまではできなかった。

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ほかにもtoolboxでは使い方の紹介もしています。

本来はエアコンの冷媒管として使われる銅管で棚をつくったり、外壁の内側に貼る防水シートを壁紙として使ってみたり。

ショールームを見渡すと様々なアイディアがちりばめられている。

「壁には壁紙じゃなきゃいけないなんて、誰も決めてないんですよね」

「お客さんには自分がいいと思えるものを見つけてほしいし、そもそも空間づくりってそうやって決めていけばいい。それを面白がれたらすごく楽しいんだよっていうメッセージなんです」

こういった考え方や価値観は徐々に浸透し、いまではtoolboxで紹介した内装を取り入れるお店が現れたり、商品の新しい使い方を教えてくれるようなお客さんまでいたりする。

toolboxが立ち上がってから今年で7年目。リノベーションやDIYといった言葉が一般的になった背景には、toolboxの活躍が少なからずあると思う。

「R不動産で仕事をしているときはDIYで部屋をかっこよくしているお客さんがたくさんいて、その価値観がもっと広がるといいなと思っていました。ただ、借主がいじれる物件を増やすだけでは足りなくて、もっと全体を底上げできる方法はないかと思っていたんです」

「toolboxが起爆剤となって住まい手の欲求が高まっていけば、今度は箱をつくるデベロッパーや賃貸オーナーが意識を変えていかなきゃいけない。結果的に東京の風景がちょっとずつ変わっていくんじゃないかと思っています」

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そんなことを思い描きつつも、会社はまだまだ人手が足りなくて、体制の追いついていない部分もある。

今後よりよいサービスを提供していくためには、磐石な体制づくりが必要です。

荒川さんはどんな人に来てほしいですか?

「内装、空間、家というものに対する興味が半端ない人」

半端ない。

「ミーハーだと困るなと思って。というのも、扱っている商品が一般的なものではないので、専門性が極めて重要になってくるんです」

「何の素材なんだろうとか、この溶接いいよねとか、そもそもの興味がないと、お客さんに送るメールひとつにしても流れ作業的になって辛くなるかもしれない。だから生半可じゃない人がいいですね」

 

生半可じゃないといえば、カスタマーサービス担当の柳澤さんは本当に楽しそうに商品の説明をしてくれる。

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「toolboxの商品がすごく好きなんですよ。好きなものに囲まれて仕事しているのが本当にうれしくて」

柳澤さんが一番好きな商品って何ですか?

「ありすぎて迷うなぁ(笑)たとえばこれは、アメリカのコットン工場で使われていたファクトリーフローリングっていう床材で。意図的には表現できない傷とか、何の油だろうっていうのが染み込んでいたりして、大好きなんです」

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こんな商品まであるんですね。

「そうなんです。ただ、この床材は触ると手が汚れちゃうんですね。そういうのって商品ページに細かく書いていても、知らずに注文されるお客さんもなかにはいらっしゃって」

「だから注文ひとつにしても細心の注意を払っていないと、後のクレームにつながったり、結果的に仕事を増やしてしまう。ご注文いただいた商品の内容から、お客さんがどんなふうに使うのかを推測して、起こり得ることを事前に連絡するっていうのがすごく大事です」

それは、商品知識が十分に備わっていないとできないことでもあると思う。

下地にはどのくらいの強度が必要か、商品によっては施工時の注意点もあるため、かなり専門的なことまで覚えなければならないという。

また、お客さんの多くはプロではない一般の人たち。最近はDIYの流行でライトユーザーも増えたこともあって、より一層丁寧なフォローが必要です。

「私たちの仕事って、ただ電話で受け答えしたり、メールを処理していればいいわけじゃないんですね。朝から晩まで本当にフル稼働なので、スピーディーに捌くことも大事。けど一番は、人の体温が伝わるネットショップでありたいと思っています」

わざわざ施工後の写真を送ってくれたり、自分の名前を覚えてくれるお客さんもいる。

相手の顔が見えない仕事だけれど、純粋に感謝されることが多いのは大きなやりがいだという。

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カスタマーサービスの担当者は、柳澤さんを含めて全部で4名。

toolboxは体制を強化していくために、カスタマーサービスをチーム制に変更することになりました。

販売のスペシャリストチームとして、今まで以上にお客さんの悩みに応えられるようになり、ショールームでの接客ももっと楽しんでもらえるような形に変えていく。

ゆくゆくはオフィスを飛び出て、設計事務所や施工会社に対して営業していくことも期待されています。

法人営業の経験がある人が加われば、その人を中心に早めに動き出す可能性があるかもしれません。

「うちはベンチャー企業なので自由度が高い。やりたいって声をあげればできる環境だと思うんです。上下関係もなくフランクに話せるので、新入社員とか関係なく積極的に発信してほしいです」

そう話すのは、柳澤さんと同じくカスタマーサービスを担当する滝沢さん。

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電話対応にしても、これまで未経験の人たちで試行錯誤してやってきたものだから、経験のある人が来てくれると大いに助かるのだという。

「見積りをつくるのに図面が必要な商品があるんですけど、私たちは図面が描けないからそういった商品は任されていなくて。これからチームとして全商品を扱えるようになるためには、図面を描ける人や施工に詳しい人もいるといいなと思っています」

「あとは外国語ができる人。海外からわざわざ日本へやってきてショールームを訪ねるお客さんもいるんですけど、うまく伝えることができない。中国で開発している商品もあったりするので、中国語が話せたら現地へ行って商品開発に携わることもできると思います」

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女性のイメージが強い仕事だけど、男性でもまったく構わないといいます。

しっかり仕事をしてくれる人には、働き方の相談にも柔軟に対応したいとのこと。

いろんな人にとってチャンスがある募集だから、我こそはと思う人にぜひチャレンジしてほしいです。

(2017/5/18 森田曜光)

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