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「私、美味しいものやきれいなもの、心が気持ちよくいられるものが大好きなんです」キラキラした目でそう話してくれたのは、CARAMEL代官山店店長の大久保さん。
大久保さんがつくるお店は、そんな要素がぎゅっと詰まった宝箱のような場所でした。
取材したのは、イギリスからやってきた子ども服ブランドCARAMEL。
1999年の創立以来、世界中で評価されてきたブランドです。そのアジア唯一の旗艦店では今、大久保さんとともに働く人を探しています。

接客しながら、いろいろな経験ができるお店だと思います。
代官山駅を降りて、旧山手通りのほうへ進む。
週末は観光客で賑わうこのあたりも、平日はゆったりとした空気が流れていて、のんびり散歩するのにちょうどいい感じだ。
5分ほど歩くと、ヒルサイドテラスが見えた。建築家・槇文彦の代表作で、モダンな建物が青空と緑によく映える。このなかにCARMEL代官山店はある。

「おはようございます。今朝はいいお天気ですね」

案内されて奥へと進むと、広いフロアに子ども服と大人向けの服が気持ちよく並んでいる。
CARAMELは、子ども服への既成概念を壊したいという社長のエヴァさんの思いから始まったブランド。
デザイン性に乏しい大量生産された商品や、使いづらい高級品といった選択肢しかないと思われがちな子ども服の世界に『こんな選択肢もあるよ』とささやいてくるような、楽しい雰囲気がある。

「ここで働くまで、正直アパレルの経験はなかったんですよ。お散歩中に求人の張り紙が出ているのを見つけて。子連れの友人とお店に来てみたんです」
3年前にCARAMELを知ったのは、新婚旅行で世界一周の旅を終え、次の仕事をどうしようかと考えていたときのことだった。
外見からは想像もつかないけれど、大久保さんは冒険家のようなところがあって、学生時代にイギリスに留学したのを皮切りに、世界中をバックパックで転々としてきた。パティシエやインテリア家具の販売といった仕事をする合間にも、訪れた国は数知れない。
「私は自分が気持ちよくいられるところが好きなんです」
「このお店に初めて入ったとき、恋に落ちたようにここの雰囲気がしっくりきて。接客も含めてとてもいい気持ちで帰れたのが印象的でした」
そのときから、すでにCARAMEL独特の雰囲気があったそう。それってどういう感じなんでしょう。
「日本には『お客さまは神さまだ』みたいな考え方があるけれど、ここはイギリスの会社ということもあって、スタッフもお客さまも対等なつき合い方をしているんです」
対等なつき合い方。
「はじめて来たときに対応してくれたスタッフが、子どもをあやしてくれたんです。すごく自然体に楽しんでる様子で、それを見ている私も楽しかったんですよね」

「もちろん数字も意識して働かなければいけませんが、お客さまには、その人が素直に可愛いって思えたものを買ってほしいから、強く勧めたりはしませんよ」
「お話を伺って好みを察して、その方の好きそうなものを提案する。そういう小さなお手伝いを私たちはするだけ。押し売りはお互い気持ちよくないですもんね」
時間が止まったような、のんびりとした空気感。リラックスしているというか、そんな感じ。
そんなCARAMELを目当てに訪れるお客さんは後を絶たないし、常連さんも多い。
「お洋服1着を買ってもらうというよりも、お店の雰囲気をそのまま持って帰ってもらうようなイメージでいます。このいい雰囲気ごと楽しんでくれているお客さまが多いんじゃないかな」
大久保さんが店長として大事にしていることってありますか?
「お店の雰囲気はスタッフがつくっていくものだということ。自分たちがブランドを好きで、楽しく気持ちよくしていれば、それがお客さまにも伝わると思うんです」
子どもたちにはいつも明るく接するように心がけて、挨拶は「いらっしゃいませ」ではなく「こんにちは」と明るく言う。毎朝しっかりお店の掃除をして、ご近所のテナントさんとも何気ない会話を楽しんで。
小さなことの積み重ねが、このお店の居心地の良さをつくっているのだと思う。

子ども服のお店だからこそ『子どもたちがぐんぐんと成長する姿を見られることが楽しい』と大久保さん。きっとみんな、ここの雰囲気が気に入っているんだろう。そんな気がする。
「接客の経験がなくても、コミュニケーション能力があれば大丈夫。技術は伝えられますから」
今回募集するのはセールスアソシエイトという職種。メインの仕事となる接客以外にも、さまざまな仕事をすることになりそうだ。
「CARAMELの拠点は日本にここしかないので、事務仕事やプレス・PR・卸売対応など、さまざまなことに携わってもらいます。イギリスとのやりとりも毎日あるので、英語ができる方はより活躍できるし、正社員を目指すこともできますよ」
今、代官山店で働くスタッフは4人。雇用形態に関わりなく、皆さんさまざまなことを任されている。
「私以外のスタッフは、現在みんなパートタイムスタッフです。日本では少人数でブランドを運営しているため、まずは契約社員やパートタイマーとして慣れていただき、その後正社員、アシスタントマネージャーのポジションに就いていただきたいと考えています」
海外の会社だから、お休みをしっかりとれるぶん、みんなで臨機応変にシフトのフォローをし合わないといけない。それに、日本の会社では考えられないようなB級品が送られてくることもあるそうだ。
「開封作業や検品もありますから、力仕事もたまにはあります。男性も大歓迎ですよ」
CARAMELの雰囲気づくりを担っているスタッフの一人、山下さんにもお話を伺いました。

日々どんなことをしているんですか?
「メインは接客です。あとは、instagramのプランニング。今週はコートにフォーカスをあてよう、というように考えたりしています。それと、顧客情報データーの入力などのPC業務、在庫や予約の管理ですね」
CARAMELに入ったとき、山下さんが店長の大久保さんから言われたのは「ずっとお客さまをフォローするような居心地の悪い接客はしないでね」ということ。
「ここに来るのはこだわりがある方が多いので、基本は自由に見てもらうようにしています。必要なときに、その方に合わせたアドバイスをして。子ども服ならではのサイズ感の悩みを聞いたり、テキスタイルの種類をお伝えしたりしますね」
つかず離れずいながら、伝えることは伝える。そのバランスを取るのは難しそうです。
「そうそう。最初はそのバランスがよくわからなくて困りました。いつ声がけに行けばいいのかなって。でも働いているうちに分かるようになりますよ」
習うより慣れろ、ですね。
「もちろん初めは緊張しました。でも、お客さんに緊張が伝わってるなって思う瞬間があって。『やめた』って緊張するのを止めたんです(笑)こちらの雰囲気って伝わっちゃう。それ以来、自然体でいるようにしています」

そんな山下さんは海外に移住するため、来年の夏にはCARAMELを退職することが決まっている。
「本当は移住先にCARAMELがあったらそこで働きたいくらい。残念です」
CARAMELの魅力って何だと思いますか?
「子ども服とは思えないくらい洗練されているところ。あとは外資系企業ならではの風通しのいい雰囲気があって、忙しい中でも自然体でいられるところですね」
リラックスした店員といると、お母さんも、一緒に来た子どもたちも心を開いてくれる。子どもたちとのやり取りも仕事の面白いところだ。
「この間は、お買い物をした2日後に『ぬいぐるみを買ったから、お姉さんに見せたい』と言って来てくれた子がいました。子どもと接することが好きな人はきっと楽しいですよ」
この秋に入ったばかりだという佐藤さんも、CARAMELの魅力を味わっている一人。

代官山という場所がら、ゆっくりと買い物を楽しみたい人たちがやってくる。CARAMELの雰囲気を好意的に捉えてくれる人が多いので、接客のストレスはないそうだ。

「一番はCARAMELの服と雰囲気が好きな人。かつ俯瞰的になれる人だと思います」
俯瞰的になれる人。
「『可愛いね、すてきだね』だけでは仕事にならないと思うんです。みんな日々やるべきことはしっかりやる。想像していたより仕事はたくさんあります。ただ、それをストレスに思わないでいられるのは自然体でいられる環境があるという感じです」
なるほど。店長の大久保さんもお話してくれたように、接客以外の仕事もある。リラックスしているけれど、アジアの拠点という責任感は持っていないといけないということ。
「ここには海外のお客さまも結構いらっしゃいます。私は全然英語ができないので、それは皆さんにおまかせしてて。勉強しないとですね(笑)」
そう言って笑う佐藤さんもまた、飾らない人。
穏やかな気持ちよさがあるこのお店には、スタッフの皆さんの人柄がにじみ出ている。

興味のある方は、ぜひ一度CARAMEL代官山店を訪れてみてください。
(2017/11/16 取材 遠藤沙紀)