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移住の1歩、相談窓口

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

地方に移住をしたい。移住してもらいたい。

そう考える人が増えているような気がするけれど、みんなどうやって暮らす地域や仕事を決めているんだろう。

どうしようと困ったとき、まず最初に相談にのってくれるのが認定NPO法人ふるさと回帰支援センターです。

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ふるさと回帰支援センターは、移住したい人が地域の情報を探したり、不安に感じていることを相談できる場所。

今回募集するのは愛媛県、山口県そして熊本県の移住相談員。

さらにエリア担当として働く人や、イベント・セミナーの企画運営をする人、受付補助をする仲間も募集しています。

移住を考えている人、そして移住者を受け入れる地域をつなぐ仕事です。

  
ふるさと回帰支援センターがあるのは、東京・有楽町。駅からすぐの場所にあるから、気軽に立ち寄ることができる。

部屋の中に入ると45道府県のブースがずらっと並んでいて、北海道から沖縄まで、さまざまな地域の移住情報が溢れている。

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まずお話を伺ったのは、理事長の高橋さん。

最近の移住相談には、どんな傾向がありますか。

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「働き盛りの若者の移住とUターンが増えてきていること。これまでは定年後の農ある暮らしをしたいと中山間地域を希望する人が多かったけど、最近は地方都市で就職して働きたいっていうのが増えてます」

おもいっきり田舎暮らし、というわけではないんですね。

「なんで地方なのかっていうと、子育ての環境を考えたり、安心・安全思考が強まってるっていうのがあるだろうね。たとえば野菜は誰がどこでつくったか、つくった人の顔が見えるようなものを食べたいとか。価値観が変わって多様性が出てきていると思う。東京など、大都市だけじゃないってね」

「ずっと右肩上がりの経済を追い求めてきたけど、これ以上の経済成長は望めない。だから持つ者と持てない者の格差や、派遣などの不安定雇用なんかの問題が出てきて、若者ががんばっても報われない社会になってきている。社会全体が行き詰まっているなかで、若者たちが考えて地方に向かっているというこの流れは、あたらしい日本づくりにつながっていくと思っています」

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自分の価値観にあった場所に移っていく。いい流れのように感じますが、課題に感じていることはありますか。

「過疎化が目に見えて進んでいるのに、本気になって対策をとっていない地域が多い。全国に1740ある市町村のうち、この運動に参加しているのは約330。まだまだこれからなんです。もっと移住者を受入れたいという自治体を増やしたい」

「ようやく国が本腰を入れて、『まち・ひと・しごと創生本部』を立ち上げ、5年は取り組むって言っている。私たちはそのあいだに日本全国に移住者を受け入れてくれるネットワークをつくって、若者を送り出す体制をつくっていこうと思っています」

ある意味、大切な期間ですね。

「相談員っていうのはこの活動の中枢を担う人たちだから。1人ひとりの相談に対して、きちんと寄り添ってあげられる人に来てもらいたいね」

  
実際に相談員として働くみなさんにも集まってもらい、話を伺います。

広島市出身の吉岡さんは、地元の広島県を担当。2016年の夏からここで働いている。

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広島で4年ほど働いたあと、横浜にアートプロジェクトを展開するNPOに転職。ここで地域に関わりながら仕事をする経験をした。

「横浜での活動は地元住民の人たちと関わることが多かったんです。まちを盛り上げようと活動している人たちに会って、まちをつくるのはそこに暮らす、1人ひとりの想いなんだということを知りました」

地元の広島に、もっと関わることができないだろうか。そんなことを考えているときに見かけたのが、ふるさと回帰支援センターの求人だった。

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「出社したらメールのチェックをします。相談者からの質問にお答えしたり、新しい地域情報を伝えたり。そのあいだに相談者の方がふらっといらっしゃるので、お話を伺います」

みなさん、どんな相談をしていくんですか。

「通勤電車が大変とか、もっとのんびり過ごしたいとか、中にはカープファンだから広島に移住したいっていう方もいます。いろんな方がいらっしゃるので、その方に合った場所を一緒に考えて提案していくんです」

移住する場所のことから、心配事まで。まずはいろいろな話を聞いていくのが、相談員の仕事。

ほかにもイベントの準備をしたり、受け入れる地域の情報を集めたり。移住者を増やすためのパンフレットはどんなものがいいのか、自治体から相談を受けることもある。

「出張ついでに当センターに立ち寄ってくれる自治体の方々と話をします。それが、貴重な情報収集の場になっています」

情報をどう集めればいいか、相談にはどう対応すればいいか。最初はわからないことが多かったけれど、ほかの県の相談員にもアドバイスをもらいながら少しずつ相談員として自信を持てるようになった。

  
岐阜県の相談をしている岩瀬さんにも話を聞いてみます。岩瀬さんの出身は、埼玉です。

「1ヶ月もすれば、立派な相談員になれますよ。休憩中も仕事の話をするくらい、みんな地域の話が好きなんです。旅行に行っても、空き家や小学校があるかとか、暮らしに必要な情報が気になってしまうんです。職業病ですかね(笑)」

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ここでちょっと気になっていることを聞いてみる。

県ごとに相談員がいるけれど、移住希望者の取り合いになったりすることはないんでしょうか。

「よく聞かれるんです(笑)でもぜんぜん、そんなことないんですよ。むしろいろいろな県の話を聞いて、迷いに迷ってから行くところを決めてもらいたいです。ちゃんと考えてから動いたほうが、移住したあと後悔せずに済みますから」

たとえば、わさび農家になりたいという方が相談に来たときのこと。センター全体で声をかけあって、わさびを栽培している県のブースをいくつも回ってもらった。

移住をした人数も大事だけれど、常に移住希望者の立場になって考えることを大切にしていきたい。

「引っ越したいだけなら、不動産サイトを見ればいいですよね。でもここに来る人は住む場所を変えることで、今の生活からなにかを変えたいと思っているんです。いかに情報提供をして、考えてもらうか。それが相談員のいる意味だと思います」

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「移住の相談を受けるということは、人生相談のようになることも多いんですよ。その人に寄り添って、話を聞いていきます。なるべく腹を割って話してもらうんです。そうじゃないと地域には紹介できないですからね」

人が移住するということは、地域に変化が起きるということ。それまで心地よく暮らしていた場所が、1人の移住者が入ることでよくない方向に変わってしまうことだって考えられる。

相談に来た人が、地方への移住に向いていないんじゃないかと思うこともある。そんなときは相談内容によって、都内の相談窓口を提案することも選択肢に入れておく。

「移住者さんが地域に入って、5年や10年経ったときに『あの人が来たからよくなったよね』という話を聞くこともあります。1人の移住者でも地域は変わっていくんだなって」

移住先を紹介するということは、移住者も、受け入れる側の人生も変えてしまう、責任のある仕事。

「あの人につなげたら合うだろうな、と考えながら話を聞くこともあります。相談者も人生がかかっているので、知らない場所には紹介できません。受け入れに積極的な地域は、やっぱりいい人がいる。人が人を呼ぶんですよ」

岩瀬さんは岐阜に足をはこび、地域の方と直接話すこともあるんだそう。

「自治体の人から地元の農家さんまで、ものすごく知り合いが増えました。じっくり話をするから、情報量が多くなるんです。人が好きであればたのしい仕事だと思いますよ」

  
地元の熊本県を担当している池田さんも、この仕事のおもしろいところは人と接するところだと話してくれた。

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「母がピアノ教室をやっていたこともあって、音楽の勉強をするのに東京に来ました。正直、18歳までは地元の狭いコミュニティをわずらわしいと感じていたんです」

卒業してしばらくは、ピアノの演奏とアルバイトをしながら生活をしていた。両親を安心させようと就職をしたけれど、いそがしさに追われる日々を過ごしていた時期があった。

「そんなときに熊本ののどかな風景が懐かしく感じて。あのときは心に余裕もあってピアノも演奏できていたんだなって。それで、熊本に関わる仕事ができないかと思うようになりました」

今、移住相談員になって自治体・地域の人たちと連絡をとることで、熊本のいいところをたくさん知ることができた。熊本で感じていたわずらわしさは、温かさだったんだと知った。

「熊本が好きで、もっと良くしようと思っている人がたくさんいる。ここで働いてから、早く熊本に帰りたいと思うようになりました。今は移住者さんと同じように、自分は熊本でどんな暮らしをしようかと考えているところなんです」

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ここで池田さんが、印象に残っている相談者の話をしてくれた。

「熊本地震があったとき、家族や町の人も心配だし、自分自身も呆然としてしまって。こんな状態で熊本に移住したい相談者なんてこないだろう、と思いながら働いていました」

不安な時間をすごしていると、震災から2日後に相談者がやってきた。

「熊本に友だちがいてよく遊びに行っていたという、介護の仕事をしている20代の方でした。いつかは移住しようと考えていたそうで、自分のスキルを活かせるなら今だと思って来ましたって。相談を受けながら、泣きそうになりました」

移住をした人から絵葉書が届いたり、東京に来るときには立ち寄ってくれる人もいる。

今度はその人を先輩移住者として、相談してきた人に紹介することもある。

「熊本が好きだと言ってくれる相談者さんがいるから、私も続けられています。私、もともと人見知りなんですけど、今は人が大好きです。この仕事は人の想いに触れられるのが醍醐味だと思います」

  
相談員のみなさんが楽しそうに仕事のことを話すのが、とても印象的だった。

この話を読んでふと地元のことを考えたなら、まずは話を聞きにいってみるか、相談員が紹介されているWEBマガジン「Furusato」をのぞいてみてください。知らなかった日本の魅力に出会うことができるかもしれません。

(2017/2/14 取材 中嶋希実)