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一緒にキャビンライフ

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「ラフなんだけど、愛のある場にしたいです。折り目正しくサービスするよりも『待っていたよ!』って笑顔で迎える場所にしたい」

長野県は蓼科(たてしな)湖畔。

自然豊かなこの土地に、湖畔の小さなロッジと、芝生を囲む幾つものキャビンからなる宿泊施設『HYTTER LODGE & CABINS(ヒュッター ロッジ アンド キャビンズ)』が今年7月オープンします。

ホテルよりも気軽に、キャンプよりも軽装で利用できる場になりそうなこの場所。

今回は、この場を料理・飲食の面から支えるスタッフと、運営スタッフを募集します。接客業や宿泊業の経験は問いません。

マニュアルを完璧になぞるよりも、お客さんとのちょっとした会話を楽しめたり、少し失敗してしまってもお客さんと一緒に笑い飛ばせるような。

そんな温かさのある人を探しています。

この日の待ち合わせ場所は、長野県・茅野駅。

新宿駅で特急あずさに乗って2時間と、思っていたよりも近い場所にある。

改札を抜けるとあいにくの雨だったけど、普段は晴天がとても多い地域なのだそう。

「こんにちは、はじめまして!遠いところありがとうございます」

そう笑顔で迎えてくれたのは、株式会社キャンプサイトの代表・内田さん。さっそく車に乗せてもらい、今回の舞台である蓼科へと向かう。

キャンプサイトは、内田さんが2011年に設立した会社。

リノベーションに特化した建築設計とデザインを手がけていて、設計チームと場の運営チームで構成されている。

「もともと建築家になりたくて、大学でも建築を学んで。でも次第に、箱そのものよりも、ハードをどう動かすかというソフトのほうに興味を持つようになりました」

なかでも自然豊かなところで場づくりをしたいと考えていたそう。小学生のときからボーイスカウトをしていて、自然は身近な存在だった。

「キャンプでもホテルでもない、自然の良さと利便性がうまく組み合わさった場所があればって思いがベースにあって」

「半年前にアメリカ西海岸を1週間旅していたとき、さまざまな価格帯のロッジがあって、利用している人たちも多様なのを見て。若いカップルもいれば、ファミリーもいる。いろんな人たちが同じレストランや暖炉の前で過ごしているんです。そういう世界を見て、あらためていいな、って思って」

自然が感じられて快適だし、料金もそんなに高くなく、日常的に使うことができるような場所。

そんな場をつくりたいという話を様々な人にするなかで、ようやくここだと思える土地と出会う。

「それが今から向かう蓼科です。自然豊かで使いやすい。そんな条件が、偶然ぴったり合ったんです」

車は、ビーナスラインを高地へと進んでいく。

駅を出発しておよそ20分。蓼科に到着した。

ここまで来ると標高は1300mほどで、夏も夜は肌寒いくらいだそう。蓼科湖の目の前にそびえる温泉旅館に車を停める。

「この旅館は、新たにレイクサイドロッジになります。天然温泉もあるんですよ。裏にはプールもあるから、冬には氷を張ってスケート場にしてもいいかもしれない」

「元旅館だから、自然に親しみつつも、きちんとした部屋と寝具でゆったり過ごしてもらえます」

そう言って、晴れた日の写真を見せてもらった。

現在は、ランドスケープを含めたリノベーション工事をしているところ。

ロッジの1階には、暖炉やカウンター、居心地の良いソファやテーブルも置く予定だ。

さらに湖を背にして奥に3分ほど歩くと、キャビンが並ぶ広々としたエリアに到着。

こちらも現在は工事車両が多く停まっていて、50棟ほどあるキャビンのうち20棟ほどを再生しているところだ。

小屋の中は至ってシンプルで、基本は洗面所ひとつとコンセントのみ。ここにコットという折り畳みキャンバスベッドや寝袋を敷いて眠る。

「ホテルでもキャンプでもない、質の高いコテージを目指していて。キャンプよりも軽装備で来て、自然で遊んだあとは心地良い寝具で眠って、おいしい食事をとれる場になります」

ロッジ、キャビンの両方がB&B、つまりベッドアンドブレックファーストを採用。朝食はローカルフードやクラフトフードというものを大切にして、体が喜ぶメニューを提供する。

夕食は予約制でBBQを用意。自分たちで済ませるお客さんには周囲のおいしいお店を案内したり、場内で自炊をしてもらう予定だ。

一通り施設を回り終えたところで、気になったことを尋ねてみる。

内田さんは、ここをどんな場にしたいのでしょうか。

「うーん、まだうまく言えないんだけど…自由になれる場をつくりたいです」

自由になれる場。

「そう、都会はルールが多くて窮屈だなって。だからここは芝生を裸足で走り回っても、ハンモックを吊るしてもいい。近くの川で泳いでもいいし、何もしなくてもいい。そんな場にしたい」

「スタッフはそのメンターのような役割かな。高級、完璧な場をつくろうとは思っていなくて。いらっしゃいませじゃなくて、待ってたよ!って迎える感じで、ラフだけど愛があるサービスにしたいんです」

せっかく来たのだからとあれこれレジャーを提案するのではなく、満天の星空を眺めながら横たわることを勧めてみたり、ときには一緒に焚き火を囲んでお酒を飲んだり。

すべてが用意された場所ではなくて、余白を残す。そうすることで思いもしなかった遊び方や使い方が生まれてくるかもしれない。

「だから僕らは、この場所を『HYTTER(ヒュッター)』と名付けました。ノルウェー語で『小屋』や『山小屋』を指すhytteの複数形で、『ヒュッテをする人』っていうもう一つの意味もあります」

ヒュッテをする人?

「小屋を使って自由に遊ぶ人って意味です。ヒュッターたちがこの場所でいろんな可能性を開発してくれるといいなと思っているんです」

そんなHYTTERの飲食をプロデュースするのが、株式会社WAT。

カフェを通じたコミュニティづくりのプロデュースを専門にする会社で、内田さんとは旧知の仲だ。今回はメニューやオペレーションなど5名ほどのチームで構成されている。

そのうちの一人、宮原さんはメニュー開発の担当。皆から「ボブさん」と呼ばれる、柔らかな物腰が印象的な方だ。

「WATで作成したメニューやオペレーションを、今回募集するスタッフに落とし込む形です。もうお任せできるだろうってところまで一緒にいます」

すでにメニュー提案は終わっていて、今は詳細を詰めているところ。

今回募集する人には、まずは夕食のBBQと朝食を見てもらいたい。

「BBQも朝食もすごくシンプルです。なるべく地元産で、生産者の顔が見えるもの。でもこだわり過ぎても大変なので、雨で野菜が全然とれなければスーパーで買ってもいいってくらいの緩さで食材も選びました」

キャビンエリアで行うBBQは、まずは1日30名ほどの受け入れからスタート。反響に合わせて規模を変えていく。

「小さくまとまるのではなく、自由にダイナミックに。お肉のカットは最低限にして、野菜は丸々、たとえばトウモロコシだったら皮ごと焼いて。スモークグリルで長時間燻した大きなスペアリブも出します」

グリルは1グループ1台ではなく、30名ほどで使える大きなもの。グリルを囲うようにテーブルを設置して、グループそれぞれで焼いてもらう。

スタッフは問題が起きていないか確認しつつ、困っている人がいたら、もちろん手助けをする。

「スタッフは半袖短パンで、大きなスペアリブを転がしているイメージです。見た目だけじゃスタッフと分かってもらえないだろうけど、すごいおいしい肉を焼くことで気づいてもらえたらいいな(笑)」

朝食はビュッフェ形式で、ロッジ、キャビンすべてのお客さんがロッジの1階に集まる。

メニューは、パンにサラダにスムージー。オリジナルのドレッシングにジャム、バター、そしてオムレツだ。

パンは地元のパン屋さんから仕入れたものを提供する。BBQ用のスモーカーを使えば、自家製ソーセージやベーコンも出せそうだ。

「調理はロッジにある調理室で行って、会場へ持っていくスタイルです。オムレツだけカウンターで調理して、温かいものを出すことを考えています」

コック帽をかぶって辣腕を振るう、というイメージではない。もっとお客さんに近い存在になると思う。

「そうですね、本当にラフです。シンプルなんですけど、一番おいしく食べられる方法を提供してくれる人という感じでしょうか」

「BBQが少し焦げちゃっても、ごめん、焦げちゃった!って言えるような(笑)そんな空気感がある人がいいですね」

最後にご紹介したいのが、前回の日本仕事百貨の記事で入社した千明さん。HYTTERのコアメンバーの一人で、笑顔がまぶしい看板娘だ。

「7月にはお客さんが来ると思うと、もうそわそわしてしまって。でもすごく楽しみです」

旅やアウトドアが大好きで、小さなころから山やキャンプ場でよく遊んでいた。前職を退職して、今後を考えていたときに募集を知る。

「チームで楽しくやろうって雰囲気が伝わってきて、いいなあって。ページを閉じても、気づけばもう一度開いていたりしました」

縁あって、今年の2月に入社。同時に進んでいたコワーキングスペースの立ち上げに携わった。

「HYTTER立ち上げの予行練習でしたね。やっぱりすごく大変でした。たとえば、難しい言葉が並ぶ規約も一から自分たちでつくらなきゃいけなくて。施設管理者としての立場、お客さんの立場。とにかく考える必要がありました」

「立ち上げって、本当に想像力との戦いです。私たちも、宿泊業どころか場の運営自体がはじめて。壁にぶつかるたび、皆で一つずつ解決していくことが求められる」

そういえばこの日も、スタッフが2人以上集まると自然に話し合いがはじまっていた。

カウンターの長さはこのままでいいのか、食器洗浄器で洗えないBBQの網はどう片付ければいいか。

誰かが案を出せば、ほかの人が呼応するように代案を出す。

「まだいろんなことが決まっていなくて。仕事の範囲も具体的には決まっていないし、考えるべきところは盛りだくさんです」

飲食部門のWAT、アクティビティーのアウトドアフィットネスなど、外部協力者も多いこのプロジェクト。

ただマニュアルをそのまま受け継ぐのではなく、自分たちで運営しながら柔軟に仕組みを変えていくこともあると思う。

とくに最初は、自分から率先して動く必要がありそう。指示を待っているだけでは置いていかれてしまうかもしれない。

それに宿泊業だから勤務も不規則になるだろうし、はじめのうちはトラブルだって少なくないはず。居心地のいい場所をつくるために、汗をかく毎日になると思う。

ただ、千明さんはそれらをすべてひっくるめて楽しみだと笑っている。

「毎日すごくわくわくしているんです。学生の合宿みたいに、皆で一つのものをつくり上げていく。チームになればどんなことも解決できるんだなって」

そんな話を受けて、内田さん。

「8割は大変な仕事なんです。でもここには残りの2割を楽しんでくれる仲間がいて、僕はそれがすごく心強い」

「一緒に、前向きにこの場を楽しんでくれる人に出会えたら、本当にうれしいですね」

(2018/5/9 取材 遠藤真利奈)

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