求人 NEW

ドラマチックに
まちを変える
ワクワクの仕掛け人

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「すべての人はクリエイター、という信念があります。僕たちは、まちに暮らすみんなが自分の個性を発揮できる場をつくっていきたいと思っています」

まちづくり会社ドラマチック代表、今村ひろゆきさんの言葉です。

まちづくり会社ドラマチックは、都内のシェアアトリエ『インストールの途中だビル』や、コミュニティスペース『SOOO dramatic!(ソードラマチック)』をはじめ、場のプロデュース・運営を中心とした街の活性化に取り組む会社です。

創業からおよそ10年。場づくりの仕事はその枠を超えて、地元企業との共催イベントや公共施設のコミュニティ運営・カフェ運営など、行政や外部の企業を巻き込んだまちづくりにも広がり、地域も東京に限らず千葉や高知など多拠点となってきています。

今回は、まちづくりディレクターを募集します。

各拠点の運営やイベントの企画、行政・企業・大学・市民との細かなやりとりまで。まちづくりに一気通貫で関わるような仕事です。


平日の昼間、京成大久保駅。

改札を抜けると、目の前にはにぎやかな商店街が続いている。

大学生や買い物帰りの人たちに混じって進んでいくと、1分ほどで真新しい建物が見えてきた。

今年11月にオープンした公共施設、プラッツ習志野だ。

待ち合わせ場所は、「フューチャーセンター」という名前の部屋。

扉をノックすると、「はーい!」と返事がかえってきた。

迎えてくれたのは、まちづくり会社ドラマチックの代表・今村ひろゆきさん。

いただいた名刺の裏には、プロジェクトのロゴがずらりと並んでいる。

シェアアトリエ、イベントスペース、カフェ…。いろいろな場の運営を手がけられているんですね。

「何屋さんなんですか?って聞かれることも多くて(笑)。まちづくりの会社と言ってもピンと来ないかなと思って、『シェアオフィスとかイベントスペースとか、場を運営する仕事です』と伝えています」

「でも本当は、場の運営はあくまで一つの手段でしかなくて。まちに暮らす誰もが、個性や才能を発揮しながら活動できるプラットフォームをつくる。そしてまち全体を盛り上げていくことが、僕たちの仕事だと思っています」

今村さんがこの会社を立ち上げたのは、2010年のこと。

まちづくりコンサルティング会社で商業施設のプロデュースに携わりながら、二足のわらじを履く形で起業したそう。

「コンサルの会社では大規模な企画を提案したり、面白い活動をしている人たちとコラボレーションしたり。かなり大変だったけど、すごく楽しかったです。でもだんだんとモヤモヤが生まれてくるようになって」

モヤモヤ、ですか。

「大規模商業施設に入れるのは、基本的に資本力のあるチェーン店が中心で。どうしても画一的になってしまいます」

街に目を向ければ、古民家を改装した雰囲気のいいお店や、規模は小さくともユニークなオーナーのいるお店はある。

「なにもお店だけじゃなくて、まちには自分の個性や才能を発揮したい人、面白いアイデアを持っている人、新しいことをはじめたい人がたくさんいるはずで。僕はそういう人たちこそ応援したいと思うようになりました」

そんな想いで立ち上げたドラマチック。

「最初は予算がほぼない状態だったので、アイデアを売りにしていて。僕らの拠点の一つ、品川のシェアアトリエ『インストールの途中だビル』も、元はボロボロのビルでした」

オーナーから相談を受けて現場を訪ねたところ、ビルの中は居抜きの状態で雑然としていた。一からリノベーションしたのでは、膨大な時間とお金がかかってしまう。

「それなら、入居者自身でつくってもらう空間にしようと思って。僕らは最低限の掃除とブースの設置だけして、常駐もしない。そのぶん賃料は抑えて、DIYで自由に空間をつくれますよ! 24時間365日作業できます! 横のつながりが生まれます!と打ち出したんです」

アイデアは功を奏し、現代美術家やファッションデザイナー、建築家などさまざまな人が集まる「美大生の部室が集ったような空間」に。

運営方針は、自主自立・コラボ歓迎。ドラマチックは、メンバーミーティングやイベントのサポート役に徹している。

ただ、誰でも受け入れるわけではない。自分たちの活動を発展させたい、周りとつながりたい、という人にだけ鍵を渡しているそう。

「僕らが入居者同士の出会いをコーディネートすることで、みんな顔見知りになっていき、新しい仕事やイベントが生まれたり、そこで出会って結婚するカップルもいたり。7年経った今も、育ち続けている場です」

「人と人が出会うと面白い化学反応が起きて活動が活発化する。次第に周りの人の心に『自分も何かできるかも!』っていい思い込みが波及効果的に生まれて。そういう光景を見ると、僕はもうめちゃくちゃ嬉しいんですよね」

まちは人の集合体。面白い化学反応やいい思い込みが連鎖したら、自然とまちそのものが盛り上がっていくはず。

「まちの活動人口を増やしたい」という想いは、ドラマチックが手がけてきたすべてのプロジェクトに共通している。

創業からおよそ10年。行政からの受託事業も増えているという。

プラッツ習志野もその一つ。民間企業によるチームで運営を受託していて、ドラマチックはここ「フューチャーセンター」を核に、施設のオープン前からコミュニティづくりに取り組んできた。

具体的な取り組みの一つが、この2年間、習志野市民向けに隔月で開催してきたイベント『ならしのスタディーズ』。

たとえば今年9月の回では、地産地消をかかげるイタリアンレストランのオーナー、児童書専門店の店主、国際交流協会で活動する学生をゲストに、トークディスカッションを開催。

年齢や性別、興味関心もさまざまな市民が集って、施設とまちの未来について語り合う場をつくった。

「一般的な公民館って、待ちの姿勢だと思っていて。ここは、イベントをしたり、まちの人たちと仲間になったり、こちらから仕掛ける作戦でいきたいんですよね」

オープン後は、ここフューチャーセンターを、学んだり働いたり、地域活動をしたい人たちが集い、気軽に使えるスペースとして開放していく。

イベントや講座はもちろん、『ならしのクリエイターズクラブ』も始める予定だそう。

「学生もママさんも会社員も集まった、まちのつくり手のクラブです。『カメラが得意なら、今度うちで撮ってほしいな』とか、『実は団体でこんな悩みがあって』『じゃあ、あの人に相談してみようか』とか」

「なりたい自分になる経験値を少し積めて、前向きになれて、施設やまちも盛り上がって。みんながハッピーになれる状況をつくりたいです」

どんな場が生まれるかワクワクしますね。

「ただオープンしてからが本番なので、場の空気や状況は客観的にチェックし続けます。利用者の方にも『この場所はどうなっていったらいいかな?』って問いかけ続けたくて」

「特定の個人に寄りすぎないように、どうやったら全員を応援できるか。冷静な視点も大切ですね」

行政、施設の運営企業、街の人たち。ドラマチックはその間に立つ存在として、お互いをつなげていく。

「色々な人の間に立つ翻訳者…いや、ペットみたいな感じかなあ(笑)。みんなと仲良くなりながら、ちゃんと面白いことや地域が盛り上がる企画も仕掛けていく。これからもっと必要とされる役割かな、と思います」

今村さんは、このプロジェクトで一つ目標があるという。

「僕はこの拠点を、まちの人たちの生活の延長にある部室や離れのような、愛着を持ってもらえて、みんなでつくりあげる“みんなの場所”にしたくて」

「いろんな人が集うなかに、はじめの一歩を踏み出すのを不安な人がいたとしたら、僕らが『いけるいける!』って応援団になって背中を押したり、講座を通じてノウハウを伝えたり。そうやってみんなが生き生きと才能や個性を発揮できる場をつくれたら、すごく嬉しいですよね」




今回募集するまちづくりディレクターは、プラッツ習志野を含めて、複数の拠点を運営していくことになる。

具体的には、どんな働き方になるんだろう。

まちづくりディレクターの町支(ちょうし)由佳さんに聞いてみた。

町支さんは入社1年目。はじめは今村さんの仕事を一部分けてもらう形で覚えていったそう。

「今村からもらった指示に従ってワタワタと働くうちに数ヶ月が経っていて。獅子が我が子を谷に落とすような感じ、というか(笑)」

おお、かなりハードな…。

「登り方は教えてくれるんですけど、あとは頑張って!って感じで。おかげで経験値はすごく積めたし、意見も全部聞いてくれるのがありがたかったです」

新しく入る人も、まずは既存プロジェクトのサポートから。

その後、プラッツ習志野の公園エリアの運営をメインで担ってほしいと考えている。

「複数の公共施設に囲まれて、きれいな芝生もある。いつも人が行き交うすごく楽しいフィールドで」

「たとえば花壇の植物を育てる活動や、公園でイベントを企画運営するパークサポーターの育成。公園で何かやりたいって人を応援する土壌づくりがメインの役割です」

その後、仕事に慣れたら担当の拠点を増やしていく。

町支さんも、プラッツ習志野と、インストールの途中だビルをメインで担当しているそう。

「日々の仕事は何でも屋さんですね。企画書の作成、広報物のディレクション、シェアアトリエの内覧対応や入居者ミーティングの企画も。イベントの当日準備みたいな体力仕事も、地域の人たちとのやりとりもします」

取材時は、プラッツ習志野のオープンに向けてイベントの企画に、場所の運営マニュアル作成に、行政や運営上層部への提案書の提出に…と大忙しだった町支さん。

「関係者が多かったり、急にふってくる仕事も多いので『なんでやねん! でもやるっきゃない!』って言いながら働いています(笑)」

「気を抜くと、ただの作業になっちゃうこともあるんです。だからこの仕事は何のためにやるのか、誰のためになるのか、常に考えながらやっています」

町支さんの話を聞いていると、日々の仕事に真剣に向き合っているんだな、と感じる。

今村さんは、「愛されるキャラクターなんです。彼女みたいな人を募集したくて」と言っていた。


「いやあ、そんな…」と謙遜しつつ、町支さん。

「わたしはまだ経験も浅いので、やっぱり最初は『若いやつが来たな』って探りがあって。まず人に信頼してもらえるようになることが一番のミッションです」

時間をかけて、コミュニケーションを重ねて。最近は仕事で関わる人たちとも打ち解けてきた感覚があるそう。

「習志野も、住んでいる人の顔が見えてきて。この人たちが楽しく住める街になるといいなって思いながら働いています」

「この仕事って、みんなと友だちになるのが仕事みたいなところがあって。わたしも『困ったらいつでもおいで』って言ってくれる人がすごく増えました。やっぱり人が好きな人に応募してほしいですね」

周囲の人たちと、前向きに、真剣に向き合う。その先で、まちもちょっと楽しくなる。

そんな未来にワクワクできる人なら、きっといい仲間になれると思います。

(2019/10/03 取材 遠藤真利奈)
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