求人 NEW

おいしくて心地いい食を
まっすぐ届ける

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

住まいや食など、暮らしのなかでいろいろな選択肢のある今。どんなことを大切にして、なにを選んだらいいのだろう。

たとえば食べるもの。価格や品質以外にも、添加物の量や生産地、はたまた生産者一人ひとりのストーリーなど。判断軸はさまざまです。

なるべくなら安全でおいしいもの、そして素直にいいなと納得できるものを選びたい。そして、それを人にも届けたい。今回紹介するのは、そんな思いで働く人たちです。

生活クラブ生協・神奈川。生活協同組合、いわゆる生協と呼ばれる組織のひとつです。

食品や日用品の配送サービス、共済や福祉事業など、さまざまなことに取り組んでいます。今回募集するのは、注文されたものを組合員のもとへ届ける配送担当の職員。

生協を利用したことがある人にとっては、馴染みのある存在かもしれません。人と食をつなぐ仕事に興味がある人は、ぜひつづきを読んでみてください。



取材に向かったのは、横浜市港南区。JR京浜東北線の洋光台駅から歩いて15分ほどで到着するのが、生活クラブ生協・神奈川の配送センターのひとつ、港南センター。

生活クラブ生協・神奈川は、県内のエリアによって5つの組織に分かれており、それぞれのエリアには複数の配送センターが設置されているそう。

9時から朝礼と配送トラックへの荷積みがはじまるとのことで、まずは見学させてもらう。

「今日も暑いので、水分補給はこまめに!」

「配達コースが変更になったところがあるので、注意してくださいね!」

全体への連絡や確認事項など、元気よく朝礼が進んでいく。

朝礼後のラジオ体操が終わると、職員のみなさんが一斉に荷積みの作業に取りかかり始めた。

牛乳や野菜、冷凍食品など、手際よく数を確認し、トラックに積み込んでいく。テキパキと作業が進む様子は、見ていて圧倒される。

この日は40分ほどでトラック2台分を積み終えた。配送を別の事業者に委託しているぶんもあるため、港南センターでは生活クラブ職員の配送コース数が少ないそう。配送センターによっては、トラックの台数がもっと多いという。

配送担当の職員はそれぞれのトラックで出発し、残った職員は片付けやお昼の作業の準備をして、朝の積み込みはひと段落。



事務所に戻り、あらためて話を聞かせてもらう。

「倉庫で体を動かしたおかげで、眠かったのがすっきりしましたよ」

笑顔でそう話してくれたのが、横浜みなみ生活クラブの事務局長を務める鈴木さん。この港南センター含む3つの配送センターを統括している方。

「生活クラブは1965年に発足しました。主婦の方を中心に、牛乳を集団購入して自分たちで配達することで、コストを削減して安く飲める仕組みをつくったのがはじまりなんです」

東京からはじまった生活クラブは、その後生活協同組合として組織化され、全国へ。酪農家と直接提携し直営の牛乳工場をつくるなど、生協として全国初の試みも行ってきた。

現在では21都道府県に広がり、組合員数は約40万人。生活クラブ生協・神奈川だけで見ても、約8万人もいるそう。

生活クラブで扱うものは、組合員の意見や要望を汲みつつ、生活者視点でつくられている。

たとえば、生活クラブ発足のきっかけになった牛乳。

72度15秒殺菌のバスチャライズド製法で仕上げられており、熱による成分の変性が少ないため、生乳に近いおいしさを感じられると人気なのだそう。

バスチャライズド処理をするぶん、コストや手間はかかるけれど、消費者目線でなにがいいかを考え、生産者とともに最善のものをつくる。

そのため生活クラブでは、食品や日用品を、利潤追求を目的とした“商品”ではなく、使う人の立場に立って“消費材”と呼んでいるそう。

「カタログに載っている数でいうと、ほかの宅配サービスより数は少ないと思います。でもそのぶん、一つひとつの品質や製造過程に目が届くし、それも含めて伝えることが組合員さんにとっての価値にもつながっていて」

「根っこのところには、『いいなと思えるものを選びたい』という気持ちがあるんですよね。配達担当の職員も、消費材に込められた思いや背景を知った上で、いいなっていうふうに感じることができたら、きっと働いていて楽しいんじゃないかな」

カタログを眺めると、野菜や肉など一つひとつに説明が添えられている。

どんなふうに育てた素材なのか、どんな加工をしているのか。食べる人、使う人目線で考えられているからこそ、安心して選ぶことができるのだろうな。



「生活クラブの職員は、組合員さんと話す機会は多いと思います。それを楽しいって感じられる人には、すごくやりがいのある仕事だと思いますよ」

つづいて話してくれたのは、港南センターのセンター長を務める渡部さん。6年前に神奈川に引っ越してきたのをきっかけに、生活クラブで働き始めたそう。

「以前も別の生協で働いていたんです。ほかの仕事も考えたんですが、やっぱり生協の配達が好きだったんですよね」

ひとつのコースでまわるのは、だいたい1日に50軒ほど。担当は基本的に1年間変わらないので、担当コースの組合員とは顔なじみのような関係になっていく。

担当者がどのように組合員と関係性をつくっていくかも、それぞれに任されているそう。

「わたしが配達をしてたときは、毎週ニュースを書いて配ってたんですよ」

ニュース?

「自己紹介だったり、休みの日にこんなところに行きましたっていう日記だったり。それをA4の紙に手書きして、カタログと一緒に担当コースの組合員さんに配ってたんです」

「土日に出かけないと書くことがなくて、そういう意味では大変でしたね(笑)。でも返事を書いてくれる人とか、『あなたが来てくれてよかった』って言ってくれる人もいて。そんなふうにお付き合いしていけるのは、生協の職員だからこそなのかなと思います」

今は新型コロナウイルスの影響で、直接手渡しをしない“置き配”がメインになっているそう。

以前のようにコミュニケーションを交わすのはむずかしいけれど、たとえば渡部さんのように書き物を配ってみるのもいいかもしれない。

宅配サービスも新しい関わり方が求められるなかで、それぞれが試行錯誤している真っ最中。

「たとえば…わたし消費材のなかで枝豆が大好きなんですよ。冷凍なんだけど、とうもろこし食べてんのかなって思うくらい、すっごく甘くて。そういう“好き”を組合員さんとも共有できたら、楽しいのかなと思います」

「配達って、やっぱりハードな面もあるので。こんなふうに接してみようとか、こんなことしてみようって、受け身じゃなく自分で考えて行動する。そのなかで、自分なりのやりがいを見つけられる人が来てくれたらうれしいですね」



次に話を聞いたのが、今年の4月に新卒で入職した松野さん。配達に携わる業務担当として働いている。

「親が生活クラブを利用していたので、小さい頃から馴染みはありました。食べることも好きだし、消費材もおいしいし。それを広める立場になれたらいいなと思ったのがきっかけですね」

「協同組合って、利益をいかにあげるかっていうよりは、組合員の立場で、その人たちの生活を守るっていうスタンスだと思うんです。組織全体でその雰囲気が感じられるのもすごくいいなと思いました」

入職後は、配達トラックの運転研修などを経て港南センターに配属。今回募集する人も、研修後に神奈川県内にある9つの配送センターのどれかに配属されることになる。

働いていて、どうですか?

「やっぱり力仕事が多いので、最初は足が棒のようになっちゃうくらい疲れたり、荷物を持ち運ぶうちに握力がなくなって運べなくなっちゃったりしましたね」

「配達する消費材も、現地に到着してからトラックの中で一軒分を仕分けるんですよ。トラック内ではひとりで荷まわしするので、大変ですがだいぶ鍛えられてきました」

生活クラブの消費材の容器は、再利用できる素材のものがほとんど。

牛乳をはじめ、ケチャップやマヨネーズといった調味料も瓶詰めのものが多い。そのため、おのずと荷物も重くなる。

「横浜って坂が多くて、階段を上り下りしないとたどり着けない場所も結構あるんですよ。今も月曜日のコースで、階段の一番下まで降りていくおうちがあるんですけど、毎回重いなあって思いながら…(笑)」

「でもインターホン越しに置きましたって話すと、『遠いのにありがとうね』って言ってくれる人もいて。自分もしんどいけど、高齢の方だったらもっとしんどいだろうなと思うと、役に立てているのはよかったなって感じますね」

額に汗を流しながら届ける夏の日も、手先がかじかむ冬の日も。

毎日地道に続けていくことだから、自分なりのやりがいを見つけることが大切なんだと思う。

「わたし、今のお気に入りは生活クラブのパスチャライズド牛乳でつくられたバターなんですよ。味が濃厚ですっごくおいしいんです。職員同士でおすすめを教えあったりして、前よりも消費材のことが好きになりました」

「食べることが好きで、これがおいしいんだよねって、一緒に話せるような人が来てくれたらうれしいですね。それを組合員さんとのコミュニケーションにつなげていけたら、配達ももっと楽しくなると思うんです」



明るく楽しそうに、好きなものについて語ってくれる松野さん。

となりでその様子を見守っていたのが、つい先日まで松野さんの教育係として一緒に配達をしていた谷中さん。12年前に入職し、配達の仕事にも長く携わってきた方。今は組合員を増やす組織担当として働いている。

「トラックのなかでも、どの消費材が好きかって話をずっとしてましたね(笑)。ぼくの推しは餃子とお米なんですよ。お米はとくに、山形の庄内にある生産地にも何度か訪れていて。つくっている人の顔がすぐ浮かぶんです」

生活クラブのお米は、農薬や化学肥料を削減してつくられている。食べたときのおいしさや安心はもちろん、生産地の水や自然を守ることにもつながっている。

「ぼくにとってただのお米だったものが、そうじゃなくなっていく感覚っていうのかな。どんなふうにつくられて、環境にどんな影響があるのか。食材をつくる人、食べる人、その間に運ぶ人の存在があって、消費材が成り立っていること」

「ひとつのものから、その前後にあるいろんなことに気づけるきっかけをもらったんだと思うんです。自分が素直に『これいいな』って選べるものが、働きながら増えていくような場所だと思うんですよね。それが素敵だなって思ってくれる人が来てくれたら、ぼくもうれしいです」



つくる人も、配達する人も、それを待っている人も。

「いいな」という感覚を共有しているからこそ生まれるコミュニケーションが、生活クラブの魅力なのだと思いました。

(2020/6/26 取材 稲本琢仙)

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