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想いに寄り添う
世界に1つのジュエリー
手づくりのワクワクを一緒に

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「幸せそうなお客さまが『楽しかったね、すごく素敵なリングができたね』って、帰る頃にはもっと笑顔になる。ここは、そういう素敵な力があるお店だなって思うんです」

そう話してくれたのは、ジュエリークルールで働く小泉さん。

ジュエリークルールは、愛知県豊橋市にある手づくりジュエリーのお店です。

婚約指輪や結婚指輪のデザインをお客さんと一緒に考え、「制作コース」を希望する方には制作を体験してもらう。そんな過程に寄り添うスタッフを、今回募集します。

経験や知識は問いません。

お客さんにとって、より良いものをつくる。ただ一方的に提案するのではなく、想いを汲み取っていく仕事だと思います。



ジュエリークルールのある豊橋駅へは、東京駅から新幹線で約1時間半。

駅前の商店街を抜け、大きな公園のなかを通りながら15分ほど歩くと、ナチュラルテイストのお店が見えてきた。

ドアを開けると、奥には工房のような場所が見える。お店のところどころには、お客さんの写真やいろんな形をしたサンプルのリングが飾ってある。

手前の打ち合わせスペースで、まずはオーナーの黄木(おおぎ)さんにお話を伺うことに。

黄木さんは、もともと別のジュエリー会社で制作をしていたそう。

「長年、お客さまの顔を見ることなく、制作指示の通りにジュエリーをつくる日々を送っていました。制作自体は楽しかったんですが、次第にもやもやしてきてしまって」

「つくっていると、職人に委ねられる部分が結構あるんですね。たとえば、デザイン案に花が描かれていたとして、丸みをもたせるか線をはっきりさせるかで、だいぶ雰囲気が変わってくる。そういった細かな好みまで直接お話ししたうえで、お客さまにとってより良いものをつくりたいと思ったんです」

そこで、2011年にジュエリークルールをオープン。婚約指輪や結婚指輪を中心に、デザインから制作まで一貫したジュエリーづくりをおこなっている。

「デザインの提案は初めてだったので、最初はお客さまの好みを引き出すのがとても難しかったですね。おつくりしたものを気に入っていただけなかったことも何度かありました」

完成イメージの相違ができる限りなくなるように、ラフ画の描き方を工夫。制作途中でお客さんにチェックしてもらう工程も取り入れた。

「試行錯誤しながら、経験を積んでいきました。今では、お話しているとお客さまの好みが自分のなかに染みこんでいく感覚があって。制作しているときも、あのお客さまならこうしたらもっと喜んでくれるだろうなって、なんとなくわかるんです」

お客さんのイメージや好みは、どうやって深掘りしていくんでしょうか?

「具体的なイメージを持たれていないままお店に来てくれる方がほとんどなので、まずは、ウエディング雑誌などにのっている既製品のデザインを見ながら、好みを探っていきます」

「言葉で『こういうのが好き』と伝えてくださる内容はもちろん、どの商品をどんな表情で、どのくらい見ているのか、お話を聞きながらチェックしていますね。お客さま自身も気づいていないようなところに、好みのヒントがあることもあって」

何気ない言葉が、デザインのヒントになることも。

あるお客さんの話を聞かせてくれた。

「お母さまの形見の指輪を複数個使って、ブローチにリメイクさせていただくことになったんです。どういうデザインにするか、雑誌などを見ながらお話していたんですが、かなり悩まれていて。そしたら急に、『あ、私、トトロが好きなんです』とおっしゃられたんですね」

おお、急にトトロ。

「はい(笑)。トトロの形にするわけにもいかないので、どんなところが好きなのか聞いていったんです。そうしたら、草花がたくさん出てくるナチュラルな世界観が好きだっていうことがわかった。それで、花をモチーフにすることにしました」

「トトロが好き」という言葉の奥にある、潜在的な好みを引き出す力。

それは黄木さんの人柄や雰囲気からきているのかもしれない。丁寧に、ゆったりと話すのを聞いていると、自然とこちらもいろんなことを話してしまいたくなる。

口調や振る舞いから、まずは「この人なら、なんでも話して大丈夫だな」と、お客さんに思ってもらうことが大切なんだろうな。

「ジュエリーショップらしい丁寧な接客の中にも、ラフさを感じてほしくて。最初は緊張されていたお客さまも、終わるころにはすごく気さくに話してくださるんです。それはとてもうれしいですね」

「納品時のお客さまの笑顔は、何ものにも代えがたいです。『すごい!想像以上です!』って、宝物を見つけたような表情をしてくださる。ジュエリー制作を通して、お客さまに幸せな気持ちを贈ることを、これから先も大切にしていきたいですね」

これまでは、デザインの打ち合わせから制作まで、一連の流れを黄木さん一人で担当してきた。

オーダーの数は、結婚指輪だけでも1ヶ月で10本ほど。2時間程度ヒアリングしてデザイン案を考え、接客の合間に、1ヶ月半かけて制作をしている。

「ご依頼を多くいただけているので、その声にもっと応えていきたくて。制作により多くの時間を注ぐため、デザインの提案や事務作業を、新しく来てくれる方にお願いしたいんです」

まずは予約管理や納品業務等をおこないながら、デザインや接客を学んでいき、最終的にはデザイン案を一人で作成してもらいたいとのこと。

とはいえ、これまで黄木さんのデザインだからこそクルールにお願いしたい、というお客さんも多かったはず。そこは、新しい人に任せても大丈夫なんだろうか。

「もちろん、最初はアドバイスもしますし、お客さまとの打ち合わせには同席します。まずは色々なデザインを知るところから。宝石や加工についてなど、入社後に覚えていただきたいことはたくさんあるので、向上心のある方と働きたいですね」

今一緒に働いている2人のスタッフも、ジュエリー業界の外から入社した人たちだという。専門的なデザインの経験やスキルも、なくていいとのこと。

「あとは、AとBがあるときに、正解はないけど『自分はAが好き』と言えるような感性も磨いてほしくて。スタッフの一言が、悩んでいるお客さまの後押しになることもある。もちろんお客さまの意見を尊重するんですが、自分の好みも持っていてほしいなと思っています」



入社4年目の小泉さんは、2人のお子さんを育てながら時短勤務していて、主にSNSでの発信やデータ管理を担っている。

「おつくりしたジュエリーは、エピソードを添えてSNSで紹介しています。すごいなと思うのが、彼と彼女でそれぞれの好みを詰め込んだ2本の指輪でも、きちんとペアの結婚指輪になっているところ。並べてみるとウェーブでラインがつながったり、マークが浮かび上がったりするんです」

「フルオーダーで考えられるから、お互いの好みがどれだけ違っても構わないんですよね。違いを生かしつつも2人だけの指輪にできるのは、黄木さんの技術力があるからこそだと思います」

発信をより効果的なものにするために、SNSの投稿内容やホームページへの導線は、売上データやページビューを分析しながら考えているんだとか。

「ここにいるとクルールの魅力をたくさん感じることができるので、それを伝えたいっていうだけなんです。知ってほしいことはたくさんあるので、それを伝えるために何ができるかなって考えて行動していますね」

「私、妄想のようなアイデアも黄木さんにたくさん話すんですけど、やる・やらないを即座に判断してくれるので、すごく仕事がしやすいです。ただ、やるってなった場合は自分の業務も増えるので(笑)、マンパワーが足りないと感じるときもあります」

今回募集する人には、小泉さんが担当しているSNS運営やデータ管理の仕事も引き継いでほしい。

「半年後か1年後か。十分に仕事を引き継げたなって思ったら、私はクルールを卒業する予定なんです。というのも、入社当時から働きながら黄木さんに技術を学ばせてもらっていて。自分でつくったジュエリーを販売していくためのアトリエを計画中なんです」

「クルールのことは大好きなので、卒業した後もちょくちょくお店には顔を出すんじゃないかな。黄木さんには引き続き技術を習いたいし、お仕事として制作の相談もさせてもらいたいですね」



入社2年目の宮澤さんは、シルバーリングなどの制作体験教室の運営を担当している。

「もともとは全然違う仕事をしていたんですが、黄木さんの制作教室に通っていた縁で声をかけてもらって。まだまだ知識も技術もない、通い始めてすぐのタイミングだったので、入社後に本格的に学んでいきました」

「溶接や石留め、仕上げ作業など、たくさんの技術を習得する必要があったので、綺麗にできるようになるまでは大変でした。体験後に『楽しかった』って言ってもらえると、よかったなあって思います。メールでびっしりと感想を送ってくださることもよくあるんですよ」

入社して2ヶ月後には、一人で教室運営をおこなっていたという宮澤さん。

技術や接客の向上が、目の前のお客さんの笑顔につながっている。それが実感できる環境だからこそ、向上心もわいてくる。

「私、クルールで働くようになって、日々の仕事が楽しいって思えているんです。もちろん大変なこともあるけど、やりたいことができているっていう実感が楽しさに繋がっているのかなって」

クルールでは半年ごとに面談をおこない、自分のやりたいことや目標を各自で立てるんだそう。

「黄木さんは、『従業員の自己成長や、やりがいが一番大事。それがあってこそ、お客さまにも幸せな気持ちを贈ることができる』ってよくおっしゃるんです」

「みんながやりがいを持って働いているのが伝わってくる。そういう環境で働けているのは、すごくありがたいですね。みんなあったかいし、いい距離感だなって思います」

仕事中は各自黙々と作業する時間が多いものの、朝の掃除はみんなで雑談しながら進めている。

「空手や裁縫、車など、それぞれに趣味があるので、そういう話をよくしていますね。あ、掃除が終わった後は、5分程の体操をみんなでやっているんですよ。人数が少ないので、明るく楽しんでくれる方が来てくれたらうれしいですね」



想いに寄り添い、形にしていくクルールの仕事。

それは一人ひとりの得意なこと、好きなことが組み合わさって成り立っているように感じました。


(2020/11/27 取材 鈴木花菜)
※撮影時にはマスクを外していただいております。
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