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人と人とのつながりで
仕事をしたい

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

馴染みの店で買い物をすると、楽しい。その理由は、お店の人とのちょっとした会話や関わりに、あたたかさを感じるからだと思います。

ネット注文の便利さとは違う、人とのつながりのなかでものを買いたい。

それは、ビジネスでも同じこと。お客さんとのつながりを大切に活動しているのが、山崎文栄堂です。

メイン事業は、事務用品の通信販売をおこなうアスクルの代理店事業。そのほか、オフィス環境全体のサポートや教育事業など、枠にとらわれない幅広いサービスを提供しています。

今回は、既存のお客さんとの関係性を築いていく営業職の募集です。「お客さんの役に立ちたい」という想いを大切に、力になれることをなんでもやっている人たちに話を聞いてきました。

 

山崎文栄堂のオフィスへは、池尻大橋駅から徒歩10分ほど。

ビルの3階にある事務所をたずねると、大きなテントが目に入ってきた。

このテントはなんだろう?

迎えてくれた専務取締役の若狭さんに、さっそく尋ねてみる。

「これは、社内に靴を脱いでリラックスできる場所をつくりたいという意見をきっかけに取り入れたんです。ここでミーティングや食事もしますし、今はビジョン実現に向けてのベースキャンプみたいな場所になっています」

「自然って大事だなと思っていて。社内BGMも、白神山地で録音された音源を流しているんですよ」

鳥のさえずり、木々の揺れる音。

閉鎖的に感じやすいオフィスビルでも、自然の音が耳に入ってくるだけで、心なしか開放感を感じる。

「10年ほど前から、社内環境をよくするためにいろんなことに取り組むようになりました。実は、それまでの山崎文栄堂は、かなりブラックな職場だったんですよ」

山崎文栄堂は創業100年を超える老舗企業で、もともとはまちに店舗を構える文房具屋だった。

文房具の価格低下など、時代の変化とともに経営は悪化。現社長に代替わりした直後には、「あと2時間で倒産」という状況も経験したそう。

「そこから新しく、アスクルの販売代理店として事業を始めました。会社の経営を立て直すために、テレアポや飛び込みで必死に営業をしてましたね」

「会社には、契約数の個人成績がはられていました。契約をとれたメンバーがえらくて、数字を出せなければ、価値がない。結果、売り上げはすごくあがったんですが、みんな次第に疲弊していって」

一日100件近く渋谷の企業を訪問し、残業は月に100時間以上。そんな生活に限界を迎えた社員も多く、当時の離職率は80%を超えていたんだとか。

「どこまでやっても満たされない、喪失感が常にありました。全国のアスクル代理店で営業成績1位をとったときも、あんまりうれしくなくて。また明日から同じことが始まるんだなって、気が重くなっただけだったんです」

「とはいえ、どう会社を変えたらいいのか分からなくて。社長とともに、経営者の教育プログラムに参加してみました」

研修では、屋久島の山の中に入り、どういう生き方をしたいのか、これから何をしていきたいのかなど、自分自身と向き合いながら山を登った。

「雨がやんだ森に陽がさして、すごくキラキラしてたんですよ。それを見たときに感じたのが、つながり。雨が降って森が喜んで、その養分が海に流れてまた雲になる。人はそういう大きな循環のなかで生きているんだなって。僕は、もっとつながりを感じながら働きたいんだと気がつきました」

「社長は、『幸せになりたい、その幸せを広げるために働きたい』と感じたそうです。そのあと社長といろいろな話をして、初めてお互いの向かいたい先が同じなんだってわかったんです」

つながりを大切にしていこう。そして、まず社員が幸せを感じられる環境を整えていこう。

「そのために、会社をどう変えていったらいいんだろうって。まずは、世界一幸福な国として知られるデンマークへ企業視察に行きました。そこで感じたのが、日本とのオフィス環境の違いで」

デンマークでは「環境が働くモチベーションを左右する」という考え方が定着している。

ずっとパソコンの前に座っていても仕事は捗らない。立って仕事をするよう法律が整備されているし、自由にコーヒーやフルーツを楽しめる企業や、家やコンテナをオフィスにしている企業もある。

その空間のなかで、自立した社員が責任感を持って主体的に仕事をしていた。

「今までは成果につながることしかしてこなかったので、余白をつくることに意味があるのか、正直不安でした。だけど、うちでもあのテントを取り入れたことで、チームや会社のことを考える時間が生まれるようになりました」

「環境を整えると同時に、社員との接し方も見直して。今までは命令で成り立っている関係だったので、本当に当たり前のことだけど、『おはよう』や『ありがとう』を伝えるところから始めて。1対1で、仕事以外の話を聞く機会も設けるようになりました」

売上拡大・生産性向上の経営からのシフトに、初めは戸惑う社員もいたものの次第に変化が生まれていった。

「言われたことだけやる仕事から、一人ひとりが考えて進める仕事になったというか。いろいろなアイデアが飛び交うようになったんです」

「取引先の新規開拓だけじゃなく、既存のお客さまとのつながりを大切にしていこうっていう考えに変わっていった。『何か今困っていることはないですか?』って、売り込みではなくお役に立ちのための訪問をするようになりました」

アスクルの販売代理店の仕事は、請求や支払いの窓口業務が基本。事務方の作業を主に担っている。

それに加えて、山崎文栄堂では毎月の利用実績をまとめて顧客に報告し、購買の無駄が減るようにアドバイスしたり、オフィスの業務改善につながる商品や使い方を紹介したりと、働きやすい環境を整えるためのサポートや情報発信をおこなうようになっていった。

「そしたら、『これってアスクルにある?』とか、『相談にのってほしい』って連絡をいただくようになって。その瞬間には利益にならないことも、その後の注文やご縁につながって、いつかは返ってくるんだなって思いました」

アスクルで取り扱いがなければ、他社製品を紹介。ものに限らず、人脈や情報も提供する。

ときには地道に手足を動かしてサポートにあたることも。

「長年お付き合いのあるお客さまから、ある日電話が急にかかってきて。どうしたんですかって聞いたら、今イベントの途中なんだけど、ショッピング袋が足りなくなりそうだと。在庫はないですか?って聞かれて」

「うちでは在庫の扱いはないので、急いで自転車に乗って量販店に向かい、購入してお届けしました。そんなことをしていたら、別の商品も注文してくれるようになったり、『文栄堂さんにこれからもお願いしたい』って言ってもらえたりするんですよね」

そんな姿勢が評判を広げ、現在は口コミや問い合わせのみで取引先が増えているという。

「安く買いたいだけなら、ネットで十分じゃないですか。それだけじゃない、昔の商いみたいな関係性を求めている人も多い。つながりを大切にしたら、働く人自身ももっと大きな幸せを感じられるんじゃないかな」

「僕自身、人とつながり、誰かの力になりたいっていう想いで働くように変わってから、すごく些細なことでも幸せを感じるようになったんです。みんなの働く定義が変われば、もっと幸せな社会になるんじゃないかなって思っています。同じような志を持つ人に来てもらえたらうれしいですね」

 

若狭さんとともに会社の変容を支えてきたのが、本部長の櫻井さん。

「10年前は忙しすぎて、やめたいなって思う余裕すらない日々でしたね。売り込みしなくなったばかりの頃は、『お困りのことはないですか?』って聞いてもその場で受注することもないですし、以前と違いすぎて、こんな営業で本当に大丈夫なのかな?って不安もありました」

「足を運んでいくうちに、名前を覚えてもらえたり、仕事に関係ないことまで話してくれるようになったりして。だんだんと、お客さまと話している時間が楽しくなってきたんです」

新しく入る人も、まずはお客さまとの関係性を築くところから始まる。会社を良くしていくための相談にはなんでも応えられるよう、率先して行動してほしい。

「アスクルに関することでは、購買の仕組みを一緒に考えることが多いですね。購入のルールや購買フローをつくったりとか。とはいえ、アスクル事業は、お客さまのお役に立つためのツールの一つでしかない。対応範囲はどんどん広がっていくのかなと思います」

櫻井さんは、これまでにどんな相談をもらったんですか?

「SNSやYouTubeってどうやって発信するの?とか、刺又(さすまた)ってどこで売ってるのかな?とか、オフィスが汚いから一緒に整理整頓してほしいとか…。社員教育はどうやっているの?なんかみんな元気が無いんだよね、みたいな漠然とした相談をもらうこともありますね(笑)」

そんなに幅広いんですね。

「直近だと『キャビネットにQRコードをはって、そこにアクセスすれば書類情報がわかるようにしたいんだけど』って相談をもらっていて。どうやったらできるんだろうって、調べているところなんです」

内容はさまざまなので、解決方法がわからないときもたくさんある。相談をもらったら、どんな方法がありそうか、まずは調べたり仲間に相談したりして提案する。日々、その繰り返しだという。

「仕事が休みの日も、潜在的にどっかでお客さまのことを考えちゃうんですよね。歩きながらふと気になったり、実際に調べてみたり、お礼のお手紙を書いたり。経営の相談をもらうことも最近は増えてきたので、その力になれるように時代の流れとかも勉強していますね」

もはや販売代理店としての範囲を越えているような気がするんですが…。大変ではないですか?

「お客さまとの関係性を深めるのが、私はすごく楽しくて。取引先の担当者さんが転職したときに、転職先から連絡をくれたりするんですよ。それが1回2回じゃないんですよね。あのときお世話になったものです、覚えてますか? また山崎文栄堂さんでアスクルお願いしたいですって」

「売り込みをせずに、また会いたいって思っていただける。具体的にアクションを起こしてもらって、つながりができていく。お客さまと常にどこかでつながっているなっていう感覚が、すごくうれしいんです」

 

お客さんに喜んでもらうためには、どうしたらいいか。それを最優先に考えて、ときには自社サービス以外のものも提供していく。

山崎文栄堂とお客さんとの関わりかたは、今の社会ではなかなか貴重かもしれません。でもそれは、苦しい時期も乗り越えて、長く事業を続けてきたこの会社がたどり着いたひとつの答えなのだと思いました。

(2021/5/18 取材、2021/10/15 再掲載  鈴木花菜)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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