求人 NEW

東京のど真ん中
都会と地方をつなぐ
食の情報発信地

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

休憩時間に仕事仲間とランチを食べるとき。家族や友人と一緒に料理をして、同じ食卓を囲むとき。

食べものが中心にある時間は、不思議と充実するもの。それは「おいしい」「楽しい」といった気持ちを共有できるからかもしれません。

株式会社NINOは、東京・大手町のオフィスビルを舞台に、食を通じて人と人がつながる場を生み出しています。

今年完成したTOKYO TORCH 常盤橋タワーで、「MY Shokudo Hall & Kitchen」を運営。広々とした休憩スペースとシェアキッチン、手づくりのおむすびとお味噌汁を提供する「みそスープBAR」のある空間です。

今回、店舗責任者と調理責任者を募集します。

責任者と聞くとハードルが高そうだけど、日々の業務や調理は一から教えてもらえるので、気負いしなくて大丈夫。

それ以上に求められるのが、企画力。食にまつわるイベントやワークショップなど、積極的にアイデアを出してかたちにしていってほしいそう。

食の産地と都会で働く人たちをつなぐ。きっかけの場づくりです。



三菱地所が運営するTOKYO TORCH常盤橋タワーは、東京駅や大手町駅から歩いて5分もかからない場所にある。

今年7月にオープンした真新しいオフィスビル。今は少しずつ企業の入居がはじまっている段階で、完了すれば計8000人が働くことになるのだとか。

向かうのは、3階にあるMY Shokudo Hall & Kitchen。

中は一面ガラス張りで、開放感のある空間が広がっている。周囲のオフィスビルとの近さに、少し圧倒されてしまうほど。

少しして、株式会社NINOの代表・二宮さんが出迎えてくれた。

「東京のど真ん中って感じですよね。今日みたいに晴れてると日差しがたくさん入って、すごくあったかいんです」

愛媛県松山市に本社を構えるNINOは、グラフィックやWeb、建築まで、さまざまなジャンルのデザインに取り組む会社。

東京や大阪の仕事も多く、二宮さんは毎週どこかに出張しているそう。

この場所の運営を任されたのは、どんな経緯だったんですか。

「そもそもからお話しすると、うちの事務所にはキッチンがあって。当番制でまかないをつくって、毎日みんなで一緒にランチを食べているんです」

設置したものの、当初はあまり活用できていなかったキッチン。コロナ禍で時間が生まれたことをきっかけに、知り合いの料理家さんに声をかけ、まかないをつくりはじめたという。

メニューを考えるところから、買い出し、調理まですべて、料理家さんのサポートを受けながらスタッフが持ち回りで担当。

「デザイン会社なのに、Instagramがご飯ばっかりで(笑)」と、見せてくれた画面には、本格的なご飯の写真がずらり。もう1年半以上続いているんだそう。

「うちの会社って、いろんなジャンルの仕事をやっていて、普段は別々に働くことが多いんです。だからこそ、お昼にみんなで集まって食べる時間が結構よくて。たわいもない話からキャラクターが見えたり、料理の段取りからそれぞれの癖もわかったり。仕事の合間に急いでお昼を食べるより、少しクリエイティブになれますよね」

その活動を偶然知った三菱地所の担当者から、声がかかったんだそう。背景には、食を通じたチームビルディングの場をつくりたいという思いがあった。

MY Shokudo Hall & Kitchenは、基本的には誰でも出入りできるスペース。ランチタイムだけでなく、ちょっとした休憩やミーティングにも自由に使われている。

イベントスペースとしても貸し出しており、シェアキッチンもあるので、ゆくゆくは食のワークショップや料理教室なども企画していきたいそう。

「まだはじまったばかりの場なので、今はやりたいことの10%もできていなくて」

「もともと僕たちって、地域産品のブランディングとか、一次産業の方々のことを伝えていく仕事も多くて。全国の産地や生産者さんのことを伝える、食の情報発信地としても、この場所を活用していきたいんです」

食の情報発信地。具体的には、どんなことをやるイメージでしょう?

「この丸の内で“食”や“地方創生”っていうキーワードで場を運営していると、興味を持ってくださる方も多くて。三菱地所さんの紹介で自治体さんが見学にくることも多いです」

たとえば自治体とコラボレーションするとなったら、現地に出向き、生産者や地元食材をリサーチ。

その食材を活かした味噌汁やおむすびのメニューを料理家さんと開発し、お店で提供。同時にマルシェを開催するなどして、地域産品を発信していく。

さらに農家さんやシェフを招いてのトークイベントや、地域食材を使った料理教室、ポップアップレストランも企画し、産地を身近に感じる体験を増やしていきたい。

さらに二宮さんは、それ以上の広がりも想定している。

「たとえばポップアップレストランを産地でも開催して、地域の方々にも地元の産品の魅力を感じてほしい。コラボレーションした自治体から、ブランディングや商品開発の相談もあるかもしれません」

NINOのデザイナー・ディレクターとも連携して、この場を起点に派生するさまざまなプロジェクトをつくっていってくれたらうれしい、とのこと。

「ものを買ってもらうだけでなく、その背景まで伝えるのが僕たちの仕事です。つくり手のことを知って、商品を手にとってもらう。そのサイクルのなかで、地域のファンになってもらいたい」

「そんな取り組みを、全国のいろんな地域とやっていこうと思っています。ビルの方々も、日々空間に変化があったら、ここで過ごす時間も充実するでしょう」

以前から一次産業のブランディングに数多く関わってきたNINO。

その理由のひとつは、二宮さん自身が農家であること。

「実家が兼業農家で、ここで提供しているのもうちのお米です。僕も週末はコンバイン運転してますよ。農業って、僕にとってはなにも特別なことではないんです」

デザインの仕事を続けるなかで、農業をもっと魅力的に伝えられないか、ずっと考えてきたという。

「僕の場合、足元にある農業や一次産業の魅力をもっと伝えたいからデザインをやっているんです。かっこいいものをつくりたいというよりは、おいしいものや素敵なもの、かっこいいものを、脚色することなく、ありのままに伝えたいと思っています」

だからこそ、中身そのものの質がダイレクトに問われる。

企画を通じて伴走することで、生産者の気持ちに変化が生まれることもあるという。

「『農業なんか』ってネガティブに言いがちな人も多くて、まだまだ自分たちの良さに気づいていない。でも僕らのデザインをきっかけに自分たちを見ると、案外かっこいいじゃんって気づいてもらえるんです」

MY Shokudo Hall & Kitchenも、そんなアウトプットができる場にしたい、と二宮さん。

利用する人たちにも生産者にとっても、魅力ある場所になれるように。日々、試行錯誤を続けている。



ここの立ち上げから携わってきたのが、伊藤さん。普段は愛媛で暮らしているものの、いまは人手が足りないのでサポートに入っているという。

新しく入る人が担う仕事を、いま一手に引き受けているのも伊藤さんだ。

今回募集するのは店舗責任者と調理責任者。それぞれ、どんな仕事ですか?

「店舗責任者の仕事だと、スペースをイベントで使いたいという人たちの問い合わせ対応や予約の管理。イベントの企画からご相談を受けることもあるので、そのディレクションも仕事です。あとは簡単な調理の手伝いもあります」

「調理責任者に関しては、日々提供する食事の準備と、料理家さんとのコミュニケーション。これからは、味噌づくりとか食のワークショップもやっていきたいので、その企画運営もメインで担ってもらうと思います」

いずれも日々の業務は着実にこなしつつ、力を入れてほしいのは、二宮さんの話にもあった企画の部分。

「たとえば、今提供している粕汁は『東京駅酒造場』さんとコラボレーションしたものです」

「食に関わることをやっているなら」と紹介してもらったこの酒蔵は、なんと東京駅地下で日本酒をつくっているという。

打ち合わせを経て、副産物として出た酒粕を提供してもらい、粕汁として提供することに。

伊藤さんは、料理家さんとのメニュー開発や酒蔵との材料調達の段取りなど、いろんな人とコミュニケーションを取り合って調整しながら、企画をかたちにしていった。

もともと、飲食業の経験はなかったそう。この場所を立ち上げるときも、飲食業をやっている知り合いの知恵を借りながら、調理器具の選定やオペレーションなどを試行錯誤してきた。

担当者に任される裁量は大きい会社。今回入る人も、新しい企画に必要なものや情報は自ら集めていく必要がある。

「受け身だとむずかしい仕事だと思います。ただ、プロジェクトを動かした経験はなくても、大丈夫。私も月に数回はここに来るし、むずかしい案件のときはサポートからはじめてもらうとか、少しずつ移行していければいいのかなと思います」



調理責任者はもちろん、店舗責任者も少なからず調理に関わることになる。調理経験は、どれくらい必要なんだろう?

パートスタッフとして、オープン時から調理と接客を担当している花井さんに話を聞いた。気さくな雰囲気で、話しやすい方。新しく入る人は、日々一緒に働くことになる。

「調理はプロに一から教えてもらえますし、普段家で料理をつくっている人なら全然問題ないと思います。いちょう切りとか、食材の切り方の名前くらいはわかっているとスムーズですかね」

ハイレベルな調理は求められないものの、つくるのは素材からこだわった食事。

たとえばお味噌汁の出汁は、前日から昆布や煮干しを水に浸けて仕込んでいる。

「鰹節を入れて煮出すときの温度も、一番風味が立つ90℃を保ってつくります。そこまで手間暇かけて出汁をとると、全然おいしさが違うんですよ。味噌は少ししか入れなくても、出汁の風味でこんなにおいしいお味噌汁になるんだって、ここに入ってからの発見でした」

プロの料理家さんから直接料理を教わったり、一緒にイベントを企画したり。料理や食べることが好きな人にとっては、たまらない環境だと思う。

訪れるお客さんは、どんな人が多いですか?

「やっぱりここで働く人が大半ですね。顔見知りのお客さんも何人かいて、名前を覚えてくださっている方もいます」

「ただ、隣に社員食堂もあるので、そっちに行く方が多い印象です。もっとここを使ってもらいたいし、おむすびも食べてもらえるように、わかりやすいポスターやチラシが用意できたらいいのかな」

日々現場にいるからこそ気づけること、思い浮かぶアイデアも、きっとあるはず。スタッフ同士意見交換をして、あったらいいなと思うものをひとつずつかたちにするところから、場づくりをはじめたらいいかもしれない。

取材を終えると、ちょうど12時前。オフィスで働く人たちがちらほらと集まってきた。

自作のお弁当を食べる人やコンビニのサンドイッチをほおばる人、もちろんおむすびを買っている人も。それぞれが仕事の緊張感から少し解放されて、思いおもいに過ごす場所なんだなあと感じました。

ここに食を掛け合わせて、どんな場所に育てていくか。いろんな可能性が広がっていると思います。

(2021/10/5取材 増田早紀)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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