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ガレージから生まれた
チョコレートが
文化になるまで

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「これが世の中の主流になるとは思っていません。でも、10回に1回でいい。チョコレートを通じて心をほっとさせたいときに、クラフトチョコレートを選んでもらえるようにしたいと思っているんです」

そう話すのは、ダンデライオン・チョコレート・ジャパンの葛目(くずめ)さん。

2010年、ダンデライオン・チョコレートはアメリカ西海岸のサンフランシスコで生まれました。

はじまりは、創業者の2人がガレージでチョコレートを手づくりしたこと。産地に直接足を運んでカカオ豆を買い付け、自分たちの手で一からチョコレートをつくる、「Bean to Bar」の先駆けでした。

日本では、2016年に東京・蔵前でファクトリー&カフェをオープン。毎日店内で手づくりされるチョコレートやペストリーを目当てに、たくさんの人が訪れます。

今回、日本国内の全3店舗を統括するマネージャーを募集します。

「Bean to Barを世の中に広める」という目標に向かって、スタッフの育成や店舗づくりを担ってもらいますが、そのやり方は入ってくる人次第。

指示に基づいてタスクをこなすのではなく、トライアンドエラーを繰り返しながら、自ら仕組みをつくっていってほしい。そのためにも、スーパーバイザーやエリアマネージャーのような経験がある人を求めているそうです。

あわせて、ホワイトデーまでの短期カフェスタッフも募集します。


都営浅草線の蔵前駅から歩いて3分ほどの場所にある、ファクトリー&カフェ蔵前。以前休日に訪れたときは、お店の前に長い行列ができていたことを思い出す。

平日のこの日は、比較的ゆったりとした時間が流れているみたい。

中に入ると、チョコレートのいい香り。1階がショップとファクトリー、2階がカフェとワークショップスペースになっている。どの窓からも公園の木々が見えて、気持ちがいい。

カフェの一角で話を聞いたのは、取締役の葛目さん。

ダンデライオン・チョコレートに入社したのは、約2年前。それまでは大手飲食チェーンから海外企業の日本法人代表まで、飲食業界で20年近く経験を積んできた。

「大小さまざまな会社を経験して、僕に合っているのは『スモールイズビューティフル』の感覚だなと思うようになりました。ビジネスの形はいろいろありますけど、純粋に自分が心地よく感じるのは、小さくて手触り感があるほうなんです」

新たなステージとして選んだ、ダンデライオン・チョコレート。

ここでは、実際に農園を訪れてカカオ豆を買い付けるところからチョコレートづくりがはじまる。

生産者の顔が見える、シングルオリジンのカカオ豆。それを手作業で選別し、ローストし、砕き、砂糖と混ぜ合わせることで、わたしたちの知るチョコレートの形になる。

このように、カカオ豆からチョコレートになるまで、一貫して行うことをBean to Barと呼ぶ。

「添加剤は使わず、チョコレートの材料はカカオ豆ときび砂糖のみ。日米ともに、お客さまから見えるファクトリーですべてつくっています。透明性が高いんですよ」

ダンデライオン・チョコレートが目指すのは、クラフトチョコレートの文化を広めること。それは、カカオ生産者たちの暮らしを豊かにすることにも直結している。

とてもシンプルで、社会貢献性の高い仕事だと思う。

「お店の空気感や掲げるゴール、代表の堀淵の熱意も素晴らしいものなんです。でも正直、ビジネスの部分は、あまりうまくなかった。自分がこれまで培ってきた経験を活かせば、クラフトの手触り感はそのままに、より多くの人に届けることができるんじゃないかと思いました」

完成度の高い店舗デザインや日々のにぎわいからは想像しづらいけれど、会社は創業6年目のスタートアップ。日々仕組みをつくりながら、前に進んでいるところだ。

そんななか、今回は最前線でブランドを形づくっていくカフェマネージャーを募集したい。

どんな人がいいんでしょう?

「何より求めているのは、学ぶ力のある人です。どんどん動いて学んで、次に活かしていける人。失敗の責任は僕がとるので、マネージャーには責任を“果たして”ほしい。行動することが責任だと思うので」

「能動的にどんどん挑戦してほしい一方で、すべて自分でやらなきゃ、とは思ってほしくなくて。苦手な分野は、僕がディレクションすることもできる。リーダーシップとフォロワーシップの両方をバランスよく持てるといいと思います」

スタッフは、アルバイトも含めて現在60名ほど。組織が小さいぶん、一人ひとりの存在が会社全体の雰囲気に与える影響は大きいし、統括する立場のマネージャーとなればなおのこと。

チームの一員という意識を根底に持って、いろんな挑戦ができるとよいと思う。


「マネージャーって、一人でできる仕事はほぼないんですよ。お店でこんな企画をやりたい、新しいオペレーションを試してみたいと思ったときも、店長やアルバイトスタッフ含め、みんなと共働していかなきゃいけないんで」

そう話すのは、現在マネージャーをつとめる鏑木(かぶらき)さん。4年ほど前に入社し、複数店舗での店長を経て、今はマーケティングと並行してこの仕事を担っている。

新しく入る人は、鏑木さんからマネージャーのポジションを引き継ぐことになる。

日々の仕事のメインは、お店が円滑に運営できるように各店長をサポートすること。

店長歴が半年〜2年ほどの若いメンバーたちなので、アルバイトスタッフの採用や育成、課題解決の方法など、店舗運営に必要なことをレクチャーしながら、一緒にお店をつくっていく。

「必要に応じて現場に立つこともありますね。普段はこんな感じでカウンターの外からお店を見ているかな。本当はもうちょっとやらなきゃいけないこともあるんですけど…」

もうちょっと、というと?

「ダンデライオンが一番強く持っているのって、クラフトチョコレートを広めたいって想いだと思っていて。文化としてクラフトチョコレートが根付いていくような店舗のあり方を、もっと模索していかなきゃいけないなと」

文化として。

「一見さんがものすごく多いお店なんです。『おしゃれだから』って来てくれたお客さまたちにも、クラフトチョコレートがどんなに面白いか知ってほしいし、背景にある生産者のことまで共感してもらえたら、2回3回と足を運んでもらえるのかなと。文化にするって、そういうことなのかなと思っています」

そのためには、しっかりと魅力を伝えられるスタッフを育てることが大切だし、健全に利益を出していくことも必要になる。

目指すゴールさえぶれなければ、やり方は新しいマネージャーに任せたいと、鏑木さん。

「上からの指示っていうのはほとんどない会社で。たとえば伊勢神宮にもお店がありますけど、頻繁に現地へ出向くのか、オンラインでのコミュニケーションをメインにするのか、完全に任されています。土日休みにするかどうかも自由。すべて、その人がどんなふうにスタッフやお店を育てるか次第です」

思った以上に、裁量は大きいみたい。

将来独立を考えている人にとっては、経営側の視点から経験が積める、挑戦しがいのある環境だと思う。

「正直、組織として決まっていないことが多いし、言語化できない何かを共有することでまとまっている感じもしていて。人の入れ替わりもあるけれど、そこを面白いと思える人たちが長く働いているんですよね」

「決まってないなら決めていい?って言える人、ないなら自分でつくろうと思える人が、この会社には合っていると思います」


ダンデライオン・チョコレートの店舗は、日本国内では蔵前と表参道、伊勢外宮の3店。

とくに蔵前は旗艦店であり、本社が併設していることもあって、マネージャーは多くの時間をここで過ごすことになる。

店長を務めるのは、約3年前にアルバイトとして入社し、今年店長に抜擢された安部さん。マネージャーと一緒に働く機会も多い。

普段のお店はどんな雰囲気ですか?

「活気がありますね。土日はお客さまも多いし、機械の音も大きいので、割と声を張り上げながら仕事をしていて。疲れるんですけど、僕は忙しいほうが好きですね」

「そんななかでも、商品を提供するときに説明をプラスして、Bean to Barに共感してもらえたり驚いてもらえたりするのは面白いです」

すべてのお客さんに商品の背景まで伝えるのは、正直むずかしい。

でも、カカオ豆の味の違いを楽しめるブラウニーのように、産地のことやBean to Barについて話をしやすい商品もある。

おいしい商品の背景にあるストーリーまで含めて、魅力的に感じてもらえるような接客のあり方をともに考えていくのも、マネージャーができることのひとつだと思う。

お店には、若いスタッフの方が多いんですね。

「そうですね、アルバイトスタッフは若いです。僕が思う、ダンデライオンの良さを伝えていけそうな人柄やポジティブさを感じる人を選んだら、このメンバーになりました。まずはみんなでクラフトチョコレートの面白さを知って、それぞれが楽しみながらお客さまに伝えていけるように、チームをつくっていきたいなと思っています」

製造や本社スタッフなど、ほかのチームの人たちとも積極的にコミュニケーションをとるよう心がけているという安部さん。

「毎日失敗ばっかり」なんだとか。

「役割や立場の垣根も気にせずに、『もっとこうあってほしい』っていう熱意と勢いだけでガッといっちゃうタイプなんで。弾き返されたり、ぶつかったり…」

「でもその結果として、お互いのことを知れることも結構あるので。失敗してもいいよっていう空気をつくってもらっているのはありがたいですね。葛目さんにも、何もしないよりはいいって褒められます(笑)」

安部さんは、話しているとパワーをもらえる人。彼を励ましていたら、逆に自分が励まされるような、そんなタイプなんじゃないかと思う。

同じように向上心を持っている人なら、きっと相乗効果でよりよいお店をつくっていけるはず。



葛目さんは、自分たちのことを、カカオ豆になぞらえてこう話していました。

「カカオ豆って、生産地や年によって出来栄えが全然違うんです。だからそのときにできたものをどう活かしきるかが大事で。弱みを消すんじゃなくて、強みを活かしきる。これって、うちで働く人たちも同じだと思っています」

「統率するというよりは、多様な一人ひとりの個性を活かしながら、チームとして同じゴールに向かっていく。バラバラでも一緒、というか。それがこのブランドにも、クラフトチョコレート業界全体にも必要なものだと思うんです」 

お店やブランド、業界全体のために何ができるか。自分なりに考え、実行する人たちが集まるチームです。

一人ひとりがさらにのびのびと力を発揮できるようになれば、クラフトチョコレートの価値は広まり、文化として根付くことに近づいていくのだと思います。

(2021/11/25 取材 増田早紀)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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