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わたしにぴったりの靴

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

誰にとっても、身近な靴。

お洒落もしたいけど、せっかくなら履き心地がいいものを長く履いていたい。

The SEEDは靴の製造や輸入・販売などを手がけている会社です。

大切にしていることは、履き心地のよさ。

自社ブランドはもちろんのこと、海外から輸入しているブランドもこだわりの靴ばかり。

「ビルケンシュトック」や「ブランドストーン」、最近では「KARHU」など、愛用している人も多いのではないでしょうか。

今回募集するのは、全国に展開する直営店“THE NATURAL SHOE STORE”の販売スタッフ。静岡市にある静岡店、東京の神宮前店、吉祥寺店。そして神奈川のみなとみらい店の4店舗に加え、大阪・梅田にある阪急百貨店婦人靴売り場内の系列店で働く人も募集します。

靴が好きな人や、自分もお客さんも納得のいく商品を選んで喜んでもらいたい人。ぴったりな会社だと思います。


新幹線に乗って静岡駅へ。にぎやかな駅前から歩いて数分、徳川慶喜公のお屋敷があった通りには、お洒落なカフェや飲食店が立ち並んでいる。

その一角に、THE NATURAL SHOE STOREの文字が見えてきた。

さっそく中に入ってみる。白を基調とした店内には、木でできた什器が置かれている。

この日は快晴。大きな窓からは太陽の光が差し込み、穏やかで心地いい。

出迎えてくれた皆さんと、部屋の真ん中にある大きなウッドテーブルを囲んで座る。

まず話を聞いたのは、代表の種本さん。

種本さんの実家は、1950年から続く履きもの屋。小さいころの思い出を話してくれた。

「僕ね、足がすごく遅くて。小学生のとき、どうしても欲しい靴があったんです。それを履けば足が速くなるだろう、運動会でも勝てるだろうと思って。頼み込んで父親に買ってもらったことがありました」

「まあもちろん、それを履いたからって足が突然速くなるわけでもないんですけど(笑)。当時はそれがすごく嬉しくて、その靴を抱いて寝ていたんですよ」

可愛らしいエピソードに、思わずクスッと笑いが出る。飾らない、穏やかで話しやすい方だ。

結局運動会では願い叶わず、負けてしまったのだそう。

「残念でしたけど、その思い出が今も残っていて。靴が自分のモチベーションを上げてくれる、っていうんですかね。高校や大学に行っても、靴は好きでした」

大学卒業後は、商社で靴や服を輸入・販売する仕事を経験。転機が訪れたのは、27歳のときだった。

「父親に『新しく会社をつくるから、お前がやれ』って言われたんです」

The SEEDは、二つの会社が統合してできた会社。

はじまりは、履きものメーカー、ダイマツ。下駄職人だった祖父の技術を引き継いで、1950年に種本さんの父親とその兄弟が立ち上げた。

履き心地がいいもの、お客さんの足に合うもの、健康の役に立つものを、という視点でその時代に合った靴をつくり、国内での販売はもちろん、海外にも輸出していった。

そしてもう一つの会社が、1997年にできたシードコーポレーション。

きっかけは、ドイツの歴史あるブランド、ビルケンシュトックの「tatami」という商品を輸入しはじめたこと。メーカーであるダイマツとは別の会社として、輸入・販売を専門にする会社を立ち上げた。

「父親にシードコーポレーションを継いでほしいって言われたときは、冗談じゃないって思ったんです。ただ、父が病気で倒れてしまって。遺言みたいな感じで頼まれたので、これはちょっと断れないなと。腹を括りました」

輸入していたビルケンシュトックを販売しつつ、自ら海外に足を運んで販売する靴を探し回った。

たとえば、オーストラリアで生まれた「ブランドストーン」というブランド。

きっかけは、とあるブランドの視察のためにアメリカを訪れたことだった。

「そのブランドのショールームを見ていたときに、ブランドストーンの靴を見つけたんです。見て触って履いてみて、これはすごいと思いました」

一見すると、どこにでもありそうなブーツに見える気もする。どんなところがすごかったのでしょう?

「シンプルなものをクオリティ高くつくっているところだと思います。一見すると何でもない靴に見えるかもしれませんが、そこには一つひとつ意図があって。形や配色といったデザイン面に加えて、防水性やクッション性などの機能面も優れている。もちろん履き心地もいい」

「見たときに、これは誰にも真似できないと感じました。シンプルなものをベストにつくるってすごく難しいんですけど、この靴はそれを体現していると驚きましたね」

ほかにも、100年の歴史をもつフィンランドのスポーツシューズ「KARHU」や、フランス発のブランドで、スニーカー生産による環境負荷を最大限減少させようとしている「VEJA」など。

種本さんが自分の目で見て手で触れて、いいものだと感じた靴をセレクトして輸入している。

デザインや機能だけでなく、その背景にあるコンセプトまで。自分自身が納得して、お客さんに勧められるものだけを販売してきた。

2007年には初めての直営店である静岡店を立ち上げ、よりお客さんに近い距離で、靴の魅力を伝えられるように。


実際には、どんな人がお店を訪れるのだろう。

教えてくれたのは、THE NATURAL SHOE STORE静岡店の店長を務める内田さん。

静岡店のオープン立ち上げから、ここで働いているそう。

「ご年配の方とか、自分に合う靴がないと悩んでいらっしゃる方が多いですね。なので、まずはお客さまの足を見て、どんな靴が合うのかを考えていきます。なかには、どんな靴を履いても合わなかったというお客さまが来たこともありますね」

そんなときはどうするのでしょうか?

すると、後ろの棚から一つの靴を持ってきて紹介してくれた。

「これはLoints of Hollandっていうブランドの靴で。靴擦れとか巻き爪とか、靴選びで困っている人でも、この靴なら大丈夫なことが多いんです」
どんな靴なんでしょう?

「素材は足を締め付けない柔らかい革で、つくりは足裏の全体にバランス良く体重がかかるようになっています。それでいて、甲の部分を抑えることで、蹴り上げたときにかかとが浮かないので、とても履きやすいんです」

足と健康の関わりを学んでシューフィッターという資格を取得したり、各ブランドの靴を実際に自分ですべて履いてみたり。知識と経験を合わせることで、お客さんに寄り添った靴を提案できるように取り組んできた。

今では、お客さんの足を見ただけで、履きたい靴と足が合っているかわかるのだとか。

なんだか、薬を処方するお医者さんみたいですね。

「もちろん、お洒落を楽しみたいと訪れる方もたくさんいらっしゃるので、お客さまに合わせて接客の仕方は変えています。うちのお店ってちょっと変わっているというか、特定のブランド目当てで来店される方が少ないんですよ」

「たとえば、うちでブランドストーンを買ってくれている方の半分以上は、もともとブランドの名前も知らなかったという方で」

自分もブランドストーンを履いています。人気ですよね。

「そうなんです。ブランドを知らなかったっていう方にとっても、『ここの店員さんが良いっていうものなら、大丈夫だろう』って思ってくれているのかなと(笑)。信頼していただいているのはうれしいですよね」

押し売りではなく、一人ひとりに寄り添って靴を提案する。その積み重ねが、安心して靴を買いたいと思える雰囲気につながっているのかもしれない。

それに、何よりそうやってお客さんに信頼してもらえるのは、仕事のやりがいにもなる。


働きやすい環境が関係しているのか、このお店で働いている人たちの勤続年数は長い。次に話を聞いた南條さんも、内田さんと同じく入社して10年以上になる方だ。

「もともと接客が好きで、アパレルや受付などの仕事を転々としていました。そのときに、たまたま革製品を扱っている鞄屋で働いたことがあって。工場見学にも行かせてもらって、革って面白いなと思うようになったんです」

「このお店のことは、以前から知っていて。路面で日の光も入るし、雰囲気もいいなと。鞄屋さんを辞めたタイミングで、直接お店に行って募集していますかって聞いたのがきっかけでした」

実際に働いてみて、どうでしたか?

「正直、靴って大変だなと思いました」

大変、というと?

「洋服とか鞄っていうのは、直感で販売しやすい商品だと思うんです。既存のサイズを合わせて、あとはお客さまのイメージに合うかどうか雰囲気を見て、裾上げするならして、みたいな」

「一方で、靴はより綿密にサイズを合わせて、本当に合うものを提案していく。サイズが同じでも、足の形って一人ひとりぜんぜん違う。本当にぴったりなものを選ぶっていうことに、最初は戸惑いましたね」

おなじ26センチでも、足の甲が高い人と低い人では、ぴったりの靴が異なってくる。

実際に履いてもらい、「ちょっと甲に当たる」とか「幅が狭い」とか。お客さんの感覚を頼りにぴったりの靴を選んでいく。

やりながら覚えていったものの、最初はとくに不安を感じていたそう。そんなときにサポートしてくれたのが、内田さんをはじめとするまわりのスタッフたちだった。

お客さんが来店した際に紹介してもらったり、どんな靴を履いているか教えてもらったり。丁寧にフォローしてもらうなかで、不安な時期も乗り越えていくことができた。

新しく入る人も、まわりのスタッフにフォローしてもらいつつ、フィッティングの知識や技術を覚えていけば大丈夫。

一方で、接客ばかりでは日々の業務は回らない。備品の補充をはじめ、地味な仕事も多い。

発注・在庫管理は売り上げに直結するため、丁寧に正確に取り組む必要があるし、届いた商品に破損や不備があれば、クレームにもつながってしまうので、入念な検品も大切。

また、お店を訪れるお客さんに心地よい空間を提供するには、店内ディスプレイの清掃に、シーズンごとのPOP制作も欠かせない。

大変だと感じやすい部分もあらかじめ知っておけば、入社後のギャップも少なくなるはず。

「商品の切り替えやセール時期などは、多くのお客さまが来店するので、どうしても業務が増えてしまい、忙しいときもあります。でも、このお店のスタッフは、気が利く人が多くて。たとえば、よく売れるケア用品を気づいた人がこまめに補充してくれたりとか、明日はセールだからって言って、前日に備品の準備をしてくれたりとか」

「働く人それぞれが、ちょっと手が空いたときにそうやって行動してくれるので、働きやすいです。新しく入ってくる人も、気づいたらサッと行動に移せる人だといいなって思っています」


コツコツ納得のいく商品を発掘して、お店でお客さんの足に合うものを一緒に見つけていく。お互いが気持ちよく働けるように、スタッフ同士がまわりを見て行動する。

取材で感じた心地良さ。

それはここで働くみなさんが、無理なく相手を思いやり、丁寧に仕事をしているからだと思いました。

まずはお店を訪れて、雰囲気を感じてみてほしいです。

(2022/1/12 取材 杉本丞)
※撮影時は、マスクを外していただきました。
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