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ジュエリーと聞いて、どんなイメージを持ちますか?高級で、特別なときに身につけるもの。普段馴染みがない人の多くは、そう感じるかもしれません。
もともと、わたし自身もそのひとり。でもビズーで働く人たちの話を聞いてから、ジュエリーをぐっと身近に感じられるようになりました。

自分たちで宝石を買い付け、デザインし、信頼できる職人さんのもとで仕上げたオリジナルのジュエリーを提案してきました。
今回、ビズーの複数店舗で販売スタッフを募集します。
あまりジュエリーに詳しくない人でも大丈夫。まずは、ジュエリーやカラーストーンの魅力を知るところからはじめてください。
取材に訪れたのは、ビズー日本橋店。日本橋駅直結の コレド日本橋の2階、落ち着いた雰囲気のアパレルや服飾雑貨のお店が並ぶフロアにある。

あえてショーケースを置かないという店内は、ナチュラルな印象でリラックスできる。
最初にお話を聞いたのは、ブランドの立ち上げから携わっている小川さん。ジュエリーの企画・デザインをはじめ、店舗デザイン、Webの商品ページ作成など、ブランド全般に関わっている。

創業当時はめずらしかったオンラインのジュエリー販売。気軽に購入できる一方で、競合サイトが増えると、次第に価格競争が進んでいった。
そんななかでも埋もれないオリジナルの価値があるジュエリーをつくろうと、2009年に生まれたのがビズー。
カラーストーンを活かしたデザインが特徴で、これまでのべ100種類以上の宝石を扱ってきた。
「天然石それぞれに個性があるし、お客さまにもいろいろな方がいて、似合うものやお好きなものがそれぞれ違います。どんな人にも寄り添えるような商品を提案したいと、幅広い宝石を取り扱ってきました」
ルビーやブルーサファイア、エメラルドなどよく耳にする宝石だけでなく、光源によって色が変わるアレキサンドライトや、地球上で1箇所の鉱山からしか採れないというアメトリンなど、希少な宝石も数多く取り扱う。
天然石なので、同じ種類でも色味が微妙に異なる。訪れる人たちは、数多くの宝石から、自分の好みに合うものを選ぶことができる。

「カラーストーンには、ダイヤモンドやパールのような一定の評価基準がありません。だからこそ身につけるご本人がいいなと思うものを選んで、自由に楽しんでほしいと思っています」
小川さんたちも、自分たちの目で見て、本当にいいと思ったものだけをお客さんに提案してきた。
コロナ禍以前は、毎年香港やアメリカのアリゾナ州で開催される大きな展示会に出向いて、直接宝石商から石を買い付けていたそう。
「今は直接出向けないけれど、長年取引をしているところとは信頼関係ができているので、問題なく宝石を送ってもらえています。宝石の買い付けから自分たちで行うことで、お客さまに届けられるものの幅がすごく広がるんです」
たとえば、いくつもの宝石を組み合わせたパヴェと呼ばれるデザインのリング。特に人気の「ブーケ」という商品は、あえて色も大きさも不揃いな石を隙間なく配置している。

「全体が調和しているので、このうちのひとつの石が濃い色になるだけで印象が変わってしまうんですよ。品質をキープしてくれる宝石商さんや、細やかな作業を一つひとつ丁寧に仕上げてくれる職人さんあっての商品なんです」
ジュエリーは長く使われるものなので、信頼できる品質に加えて、時代に流されずに使えるデザインも求められる。
ブーケは長年ビズーの代表作だし、小川さんが10年以上前に初めて手がけたシリーズも、ロングセラーの人気商品。
「身につける人が主役になれるジュエリーをつくりたいと思って、ずっとデザインをしてきました」
身につける人が主役になれるジュエリー。
「宝石の持ち味を活かしながらも、その人自身を引き立たせるため、なるべくシンプルに。あまりにラグジュアリーで箪笥の肥やしになってしまうようなものではなくて、普段から気軽に身につけられるジュエリーを目指しています」

コーディネートやその日の気分によってつけ替えもできるように、カジュアルなものから高級感のあるものまで幅広く展開している。
とはいえ、これまでのビズーは、可愛いらしいイメージを持たれることが多かった。
男性のお客さんがしっくりくるデザインを見つけられないこともあったし、「自分の年齢には若すぎる」とためらう人もいたという。
「私は、性別も年齢も関係なく、誰もがジュエリーを身につけていいと思っているんです。ただ、その想いが伝わりにくいのも事実で、どうにかその壁を越えられないかなとずっと考えていました」
「世間の目とかいろんなことを気にせずに、その人自身の個性を持って、楽しんで身につけてもらえる商品を届けたい。そんな想いでつくったのが、ジェンダーフリーのジュエリーです」

ジェンダーフリーの商品は、一般的に宝石を使わずにデザインされるものが多いなかで、ビズーでは、あえてカラーストーンを活かすことにこだわっている。
「カラーストーンに興味を持って足を運んでくださったお客さまを裏切るようなものにはしたくなくて。ビズーの持ち味を活かして、カラーストーンに魅力を感じるあらゆる人たちに向けた商品をつくろうと思いました」
落ち着いたデザインが好みの人や、シルバーの地金に惹かれる人、すでに持っているアイテムと組み合わせたいという人。性別や年齢を問わずに、さまざまな理由で手に取ってもらえている。
この商品以外にも、最近では多くのリングで5〜22号と幅広いサイズを展開し、どんな人でも自分らしいジュエリーを楽しめるように提案。
これからは、より多くの人にビズーを知ってもらいたい。
ここ数年で増えた店舗の運営に力を入れるため、今回新しくメンバーを募集することになった。
店舗ではどんな人たちが働いているんだろう?
日本橋店の店長を務めているのが、入社5年目の山口さん。一緒にいるとこちらまで元気になれるような明るい雰囲気の方。

「そのときの面接官が小川さんでした。すごくおしゃれで話しやすくて、小川さんに惚れちゃった感じです(笑)」
カジュアルな服装にカラーストーンの指輪をいくつも組み合わせていた、小川さんのコーディネートがとても好みだったこと。すごく話しやすくて、心から一緒に働きたいと思ったこと。
昨日のことのように話す山口さんに、「わたしも山口さんのアウターが可愛かったの覚えてるよ」と小川さん。ふたりの親しさと、ファッションへの関心の高さが垣間見える。
マネジメント経験があったので、研修が終わったあとはすぐに店長として働きはじめた山口さん。
「パソコンも詳しくなかったし、宝石の種類は多いし、とにかく覚えることはたくさんあって。たとえば緑色の石が10種類もあることなんて知らなかったし、入社してからたくさん勉強しました」
「でも、覚える気があれば自然と覚えられます。それ以上に楽しいことが多くて、あっという間に月日が流れました」
オンラインからスタートしたこともあり、ビズーは公式サイトが充実している。実際の商品とサイトを照らし合わせながら、接客のたびに復習していくことで、自然と頭に入っていったそう。
「一人ひとりのお客さまとじっくり向き合う接客は初めてだったんですけど、こんなに楽しいんだ!って驚きでした。お客さまと一緒に商品を選ぶなかでも、決して安いものではないのに、『山口さんがそう言うなら』って決めてくれることもあって」
「ビズーのファンになって何度も足を運んでくれる方や、自分をめがけてお店に来てくれる方も多いです。長期的な信頼関係ができていくのが本当にありがたいですね」

ビズーでは、買いたいものがある程度決まっているお客さんには、予約を推奨している。
どのデザインにするかだけでなく、宝石の微妙な色の違いや、地金の色も自由に選べることも含めると、選択肢は膨大。ひとりのお客さんの接客に1時間ほどかかることも多い。
じっくり選んで決めたジュエリーは自分だけのものだし、そのぶん思い入れも強くなる。
「選択肢が多いから、見当違いの商品を提案してしまうと、お客さまもずっと迷ってしまうんです。その時々で求めているものをしっかりと聞いて、背中を押してあげられるような提案をしていく。お客さまの話を聞く力が本当に大事ですね」

いくつも組み合わせて使えることがカラーストーンの魅力、と山口さん。
「ピンクを買ったら次は青がほしくなるとか、今度は違う大きさのものを買ってみようとか、コレクションされる方がとても多いです。最初は誕生石のリングをひとつ買いに訪れた方が、カラーストーンの面白さを知って、何度も足を運んでくれることもあります」
「新しく入る人も、ビズーの商品を好きになってくれる人がいいですね。自分が心から素敵だと思っていることが素直に伝われば、きっとお客さまも共感してくれると思います」

「宝石ひとつから選べるのは、やっぱりビズーの一番の特徴です。そこに意味を見出すお客さまも多いんですよ」
昔飼っていた愛犬の目と同じ色の石を選ぶ人。還暦祝いにお揃いでルビーの指輪を買いにきた学生時代からの友人6人組。出産を控えた奥さんのために、本人と生まれてくる子どもの誕生石をプレゼントする人。
これまでに出会ってきた、さまざまなお客さんのエピソードを紹介してくれる。
「ジュエリーって傷まないものなので、大事に使えば一生お客さまに寄り添うことができる。なくても生きていけるものだからこそ、特別な意味のある買いものになるんだと思います」
ジュエリーを手に取る理由も、素敵だと思う商品も、人それぞれ。
誰もが、自分らしく楽しむことのできるジュエリーが、ビズーにはあると思いました。
(2022/2/28 取材 増田早紀)
※撮影時はマスクを外していただきました。