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根のある暮らしを全国に
働く人も心地いい
人が吸い込まれるお店

商店街や商業施設を歩いていると、ふと足を止めて近寄ってみたくなるお店があります。

陳列がきれいだったり、掃除が行き届いていたり、店員さんの雰囲気がよかったり。

そんなふうに人を引き寄せるようなお店に出会うと、うれしくなる。

ぼくにとって、群言堂もそんなお店のひとつです。

麻を織り上げたワンピースや、ウールで仕立てたコート。柔らかい綿のストールに、島根・石見銀山で採取した梅花酵母の化粧品など。

石見銀山のある島根県大森町を拠点に、職人の手仕事でつくられた洋服や雑貨などを販売しています。

母体は、石見銀山生活文化研究所。昔ながらの暮らしや文化を、大森町から発信し続けている会社です。

今回は、島根県大森町の群言堂本店に加え、京都店、梅田店、金沢店、博多店など、全国8店舗で働くスタッフを募集します。

 

取材に向かったのは、今回スタッフを募集する店舗の一つ、京都店。

新幹線を降りて、近鉄の改札近くにある百貨店「伊勢丹」の7階へ。今年2月に京都市内から移転して、オープンしたそう。

近づいていくと、「仕事百貨の方ですか?」とスタッフの人が声をかけてくれた。

お店はとても広い。フロアの角のエリアを、L字型でたっぷり使っているような感じ。

主軸のアパレル用品をはじめ、雑貨や植物など、暮らしにまつわるさまざまなものを販売している。

店内には話すスペースがないということで、近くのカフェへ。まずは京都店店長の西村さんに話を聞いた。

もともと飲食関係の仕事をしていて、一時は京都で自分のお店を営んでいたそう。

その後、当時京都で路面店の形で営業していた群言堂にアルバイトとして入社。それが2007年のことだった。

「そこから何度か移転しながら、今年の2月に伊勢丹の7階にお店を構えることになりました。店長も任せていただいて、まだまだ試行錯誤の日々ですね」

移転前は3、4人でまわしていたお店も、いまは全9人でお店をまわしている。商品が増えたことで、仕事量も増えたそう。

「お客さんの層も大きく変わりました。以前は独立店だったので“群言堂の”お客さまだったんですが、いまは“伊勢丹の”お客さまの一部が群言堂に来はるので、余計に粗相があってはいけないって、緊張感はありますね」

群言堂が大切にしているのが、本店がある大森町での「根のある暮らし」を発信するということ。スタッフも定期的に大森町へ研修に行き、本店の空気感を各店舗へ持ち帰るようにしている。

「私も入社してからすごく影響を受けていて。ご飯は土鍋で炊こうとか、衣食住にはこだわろうとか。炊飯器も10年以上前に使わなくなってしまいました(笑)。それくらい、生活にはいい影響をもらっていると思います」

「群言堂の商品を使うのもそうだし、どこでお金を使うかっていう代表の登美さんのお話もすごく腑に落ちることが多くて。買うんだったら、自分とつながりのあるお店や人のところで買おうとか。そういうことを意識するようになりましたね」

松場大吉さん、登美さん夫妻は、群言堂の創業者。大森町にある本店も、もとは大吉さんと登美さんが二人で始めた。

とくに印象に残っている言葉はありますか?

「京都店の店長になってから、登美さんと食事をする機会があって。そのときに、『私がこんな大きなお店でたくさんのスタッフ抱えて… 不安しかないです』っていう話をしたんです」

「そうしたら、『西村さんはいまの時代のリーダーに合ってると思う』という話をしてくれて。『リーダーって先頭で旗を振る人みたいなイメージだけど、西村さんは円の中心にいて、みんなを巻き込みながらお店を成り立たせていくようなリーダーになれるんじゃないか』って」

その言葉を聞いて、「すごく楽になった」と西村さん。

与えられる役割には、理由がある。従来のイメージ通りでなくても、その人らしさを出した関わり方で、お店をつくっていけばいい。

西村さんの話を聞いて、群言堂では人を起点にお店づくりを進めているんだなと感じた。

 

続いて話を聞いたのは、副店長を務める福村さん。

もともと西宮店での勤務が長かったそう。自宅が近いこともあり、伊勢丹でのオープンに合わせて、京都店で働くことになった。

お店での一日はどんな感じなんでしょう。

「朝は1時間の掃除から始まります。京都店には苔植物も置いているので、そのお世話係と掃除担当で分かれて作業する感じですね」

どの店舗でも、昔から掃除を大事にしてきた群言堂。『掃除は創造的なものだ』という言葉がバックヤードに貼ってあるくらいだそう。

ただの作業ではなく、よりきれいに心地よく、そしてより楽しんで。自分の頭で考えて日々の掃除と向き合う。

掃除の後は、百貨店の朝礼があり、10時にオープン。年配のお客さんが多く、オープン後の早い時間帯から徐々に賑わいが増していく。

午後は夕方ごろにひと波がきて、19時過ぎから閉店時間までは比較的落ち着くそう。

「商品を見てくださっている方には必ず声をかけるようにしています。なにかあったときに気軽に声をかけてもらいやすくなるようにという理由が大きいですね」

京都店はほかの店舗と比べても売り場面積が広いため、洋服だけでなく雑貨や家具、植物など、扱うものが幅広い。

月に2回ほど、商品の陳列を変えるそうだけど、その際も百貨店の営業時間の制約を受けながら作業をすることになるため、かなり忙しい。

「これだけたくさんのものが動くお店は、群言堂のなかでもめずらしいんです。いろんな種類のものを入れて、企画を考えて。本社の方も協力して魅力的なお店になるように考えてくださっているので、ありがたいですね」

「ただ、京都店はまだまだ立ち上げ段階なので、自分たちでお店をつくる、という意識は大事だと思います。やりすぎても疲れちゃうし、そこもコントロールしながら、スタッフみんなでつくっているところです」

とくにエスカレーターを上がってすぐの目につくコーナーは、頻繁に入れ替えているそう。訪れた人にはぜひそこを見てほしい、と福村さん。

接客では、なにか心掛けていることはありますか?

「そうですね… 一番は、接客と言ってもこっちが話すんじゃなくて、聞くのが大事だっていうことですね」

聞くことが大事。

「自分が喋るよりも、お客さまのことを聞く。商品についての説明はもちろんしますけど、どうして興味を持ったのか、どこが気に入ったのか。そういった話を引き出すことが大事だと思っていて」

「お客さまのなかには『大森町の本店に行ったことがあるんです』っていう方がいたり、登美さんの本を読んだ話をしてくれたり。それでなにかお買い上げしてもしなくても、『楽しかったわ』って言って帰っていただく。それがいいなと思うんです」

オンラインでも商品を買うことができるいま、店頭に足を運んでくれた人に対して、何を伝えて、どんな体験をしてもらうことができるか。

福村さんを始め、スタッフの皆さんは常にそのことを考えている。

「オンラインでは触ることができないので。お洋服だったら、ちょっと羽織るだけでもって、試着をおすすめします。そしたら、ああ、すごく軽いねとか。その感覚って体に残るんですよ」

群言堂が大切にしている言葉の一つが、「服薬」。洋服を着ることで心が元気になる、という意味だそう。

身につける服の触り心地や着心地で、体の調子も変わる。福村さん自身も、その実感を得たことがあるという。

「昔、群言堂のお店に行ったとき、服を着せてもらったことがあって。『身体がかるいなぁ』って感じた記憶があるんですよ。肩の力が抜けた感じ」

「お洋服を着ることで心も楽になって、いままでと違う自分が鏡に映ってる。お客さまもそれを体感されているなと思うときがたびたびあって。世界が変わったわって言ってくれる人もいる。それがうれしいし、そんな瞬間に立ち会えるのが幸せやなと思いますね」

 

最後に、本店スタッフの金山さんにも、オンラインで話を聞かせてもらった。新卒で入社して、4年目になる。

「群言堂を知ったのは、たまたま見たカンブリア宮殿という番組に、大吉さん登美さんが出ていたのがきっかけで。その半年後くらいに大森町へ行ったんです。そのときに、まちにすごく魅力を感じたんですね」

「島根にこんな素敵なまちがあったんだっていう衝撃と、そこで暮らしている人たちがいて、そのなかにお店があって、観光の方もいる。不思議な空間で、時がゆっくり流れていく雰囲気が、自分と合うように感じて。群言堂で働きたいと考えるようになりました」

新卒入社はあまり前例がなかったものの、無事採用。とはいえ、慣れるまで大変なことも多かった。

「社会人経験もなかったので、最初はとくに緊張してしまって。憧れの場所に入ったはずなのに、やってみると大変なことがたくさんあるんですよね。それでも、学びながら手を動かして、考えて。4年経ったいまは、仕事が楽しくて仕方ないです」

京都店と同じく、本店もまずは1時間の掃除から。店内だけでなく、庭の隅々まできれいにしていく。

「登美さんもよくお店に来てくださるんですけど、だいぶ前に一度すごく怒られたことがあって。ある場所の掃除が行き届いていなかったのが原因だったんですが、『お店として使わせてもらっている場所なのに、掃除を怠るというのはどういうことか』って」

「そのあとすぐに掃除をしたら、『神さまはいつも見てるからね』って、一言いってくださって。いまでもその言葉が忘れられないですね。いろんな場面で思い出してどきどきします」

金山さんは、どんな人と一緒に働きたいですか?

「自分自身がそうだからかもしれないんですけど、私はお店にいるときは常に明るくいたいと思っているんです。なので、何事も楽しめる人かな」

何事も楽しめる人。

「たとえばお掃除だって、自分の工夫次第でつまらない作業にもなるし、面白い仕事にもなりうる。一緒に働いていて気持ちいい人って、大変だけど、そのなかにも楽しみを見出せる前向きな人だと思うんですね」

「だからそういう人が来てくれたらいいなと思うし、そんな人が増えたら、お客さまにとっても親しみやすい、つい入りたくなるお店になるのかなって思います」

 

働く人も、訪れる人も心地いい。店舗を問わず、そんな場づくりを丁寧に続けてきたからこそ、人が吸い込まれるようなお店が生まれているのだと感じました。

共につくりあげる仲間をお待ちしています。

(2022/10/13 取材 稲本琢仙)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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