求人 NEW

人も動物も
みんな笑顔で生きる
テーマパーク

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

ああ、楽しかった。もっと遊んでいたい。

テーマパークで遊んだあとの高揚感は、何年経っても鮮明に覚えているもの。

あのとき過ごした時間が、日々の励みになることもある。そんな特別なひとときをつくる仕事を紹介します。

和歌山・白浜にあるアドベンチャーワールドは、動物園、水族館、遊園地が一体となったテーマパーク。

運営会社の株式会社アワーズは、飼育展示から飲食、本部スタッフまで、パーク運営にかかわることすべてに自社で取り組んでいるのが特徴。ほとんどのメンバーが総合職として働いています。

飼育担当から広報へ異動したり、パークスタッフをしながら採用にかかわったり。ジョブローテーションが盛んで、一人として同じ働き方の人はいないそう。

今回は総合職を中心に、電気工事にかかわる技術職、獣医師を募集します。獣医師以外は、資格や経験がなくても大丈夫。

ひとを喜ばせるために、どんなことができるだろう?

さまざまな経験を通して、自分にできることを増やしていく仕事です。

 

東京から飛行機に乗ること、およそ1時間。アドベンチャーワールドは南紀白浜空港からバスで5分ほどの場所にある。

バスが駐車場に入ると、スタッフの方がライオンのパペットを両手につけて、腕を振りながら案内をしてくれた。車内のあちこちから、わぁっという声が漏れる。

この日は土曜日で、朝からにぎわった雰囲気。

パンダの繁殖数が日本一多いことでも知られるアドベンチャーワールド。入場してすぐのエリアでは、ジャイアントパンダが迎えてくれた。

アワーズのオフィスは、パークの入場ゲートのすぐそばにある。

中に入ると、かなり広々とした印象。このオフィスは、パークで働く300人ほどの拠点になっている。全社員のおよそ9割がここで働いている計算だ。 

様子を眺めていると、歩くたびに声をかけられる人がいる。

アワーズで代表を務める、山本さんだ。

ふだんは本社の大阪にいることが多く、白浜に来たときには相談が絶えないそう。

7年前、三代目として経営のバトンを引き継いだ山本さん。

立地では都会に劣るアドベンチャーワールドを、わざわざ訪れたくなる施設にするため、イベントなど、オリジナルのコンテンツづくりに力を入れてきた。

ただ当初は、力を貸してくれる社員が少なく、アイデアを発案してもなかなか長続きしなかった。

このままでいいのだろうか。

そんなときに出会った、理念経営という考え方。参加した研修では、まず自分自身の理念や、働く理由が問われた。

「そんなこと、考えたことがなかったんです。考え続けた三日目の朝に、もしかしてこれかな、ってものが見えて。私と、私に関わるすべての人を幸せにすることができれば、自分にとっても幸せな人生になるんじゃないかと思えたんです」

それまでは人に勝つことが一番で、ほかの社員は全員敵に見えていた、と山本さん。そのままの働き方では、きっと幸せになれない。

2、3年かけて行動を変えていった。すると、だんだんと力になってくれる社員が増えた。

自分のなかで揺るがないものができると、苦しいことがあっても、続けていこうと思える。それは会社も同じじゃないか。

理念をつくろう。そう伝えた当時、社員はポカンとしていたけれど、ベースとした考えは、アワーズの先人たちが30年以上積み重ねてきたもの。

ずっと大切にしてきたことだから、すっと受け止めてもらえたという。

「私たちの掲げる理念は『こころでときを創るsmileカンパニー』。思いやり、素直さ、前向きなこころを大事にして、まずは社員のしあわせを、その次にゲスト、その先に社会のしあわせを創り出そうとする」

決めた理念が形だけにならず、立ち返るための道標になるように。山本さんは、日々の業務のなかで、理念を意識する機会をつくってきた。

稟議ひとつを通すにも、理念とつながっているか確かめたり、研修や採用でも、一人ひとりの人生理念を考える時間をつくったり。

取材の前日も、自己探求の時間として数名のスタッフと一緒に焚き火を囲んだのだとか。

「サファリエリアで火を焚いてね。ラクダやシマウマが『人間たち、なんかやっとるわ』って不思議な目で見てくるんです(笑)」

個人の理念すべてが、アワーズの理念と一致する必要はない。重なりを感じることができれば、きっと前向きな気持ちで仕事にのぞめるし、なにかしてみたいという気持ちも芽生えるかもしれない。

新たな取り組みとして、部署を横断して参加できるプロジェクト制を採用。1年ごとにリーダーを交代する仕組みで、採用や社員旅行、スポンサー事業まで、50を超えるプロジェクトが動いている。

最近は、入社2、3年目の若手が自らリーダーになることも増えてきた。

理念というとむずかしく聞こえるけれど、さまざまな想いをもった個人が、自己実現をしながら、力をあわせていくためのお守りのようなものなんだと感じる。

 

実際に働く人たちは、どんなことを考えているんだろう?

話を聞かせてくれたのは、入社17年目の西澤さん。

「一生飽きない仕事をしたいと思っていたんですよね。そのときに出会ったのがアドベンチャーワールドでした」

「ジョブローテーションも多いから、いろんな仕事ができる。それにお客さんとして訪れたときも、スタッフの笑顔とか、ハッピーな雰囲気をすごく感じられたのが印象に残っていて」

ここの一員になりたい。その一心でアワーズへ。

当時はできることが少なく、ポスター貼りからはじめた。販売を半年、経理を2年、その後遊園地のスタッフを3年経験。どんな仕事も、アワーズの一員だと思えたらやる気がみなぎった。

現在はイルカの飼育を担当している西澤さん。

印象に残っているのは、2017年から実施しているドリームデイ・アット・ザ・ズーというイベント。

オランダ発祥のイベントで、障がいのある人とその家族向けに、気兼ねせず心の底からパークを楽しんでほしいと、動物園や水族館を貸し切るというもの。

照明を抑えたり、車椅子の人も動物と触れ合いやすいようにスペースを工夫したり。初年度、西澤さんはイルカとの触れ合いコーナーを担当していた。

「僕、仕事で泣いたのは2回だけなんですよ。そのうちの1回がこれで。車椅子の方がイルカと触れあう姿を見たときに、泣きましたね。すごくやりがいを感じたというか」

「野生動物を動物園で飼育管理する意義ってなんやろう、と常に考えていて。ひとつだけあるとしたら、自由に、好きなときに自然の動物を見に行けない方、つまりゲストの方と動物が出会う機会をつくること。そこに僕らの使命があるんだと感じたんです」

本当は誰もが日常的に遊びに来られるようにできたらいいけれど、まだまだ受け入れ体制が追いついていない状況。

「でもね、広報し続けることにも意味があると思うんです。こんなチャンスがあるんだって知るだけでも、見えないスマイルが生まれるかもしれない」

ゲストのしあわせを生み出すのは、現場に限らない。どの仕事にも笑顔を生み出すきっかけが眠っているはず。

だからこそ、メンバーには「やりたいことをやろう」と話している。

理念と重なるものであればどんどん形にしていけばいいし、なにがやりたいか見えないときは焦らずに、待つ。

「どの仕事でも、2年くらいはかかるんじゃないかな。動物やチームの魅力を知ったり、ほかの人の夢を叶えたりするなかで見えてくるものもあると思います」

「やりたいことはすぐ出てこなくてもいい。まずは、自分に可能性があると思える人に来てほしいです」

 

入社34年の神村さんも、いろんな仕事を経験しつつ、自分のやりたいことを見つけてきたひとり。

販売、飼育を経て、チケット販売や団体予約の受付などを担当しながら、コンプライアンス室も兼任している。

「念願の飼育担当になったときは、もう毎日楽しくて!仕事中も動物たちに癒されてました」

ただ、妊娠を機に飼育の現場から離れることに。サファリパークの受付やガイド、販売などを経験するなかで、飼育担当でなくとも、動物の魅力を伝えることができると気がついた。

そのひとつが、ぬいぐるみの商品開発。ペンギンの飼育担当だった神村さんも開発チームに加わった。

「たとえばヒゲペンギンって、ほかのペンギンと比べて頭の形が特徴的なんです。ただ、最初にあがったテスト品が… 頭の形がちょっと違っていて」

「特徴をどうにか表現したいけれど、その『ちょっと』が業者の人にはうまく伝わらない。一緒に来てください!と、展示場に連れてきたこともありました」

ほかの飼育員にもアドバイスをもらいながら、3回のつくり直しを経て、やっと納得できるものに。

何度も粘ってつくり直したのには、理由がある。

「お客さまが園内で過ごした想い出を、そのまま持って帰れるようにしたいねと話していて。動物たちの暮らしのワンシーンを切り取ることにこだわっています」

イルカならライブで空中を飛んでいるときの姿を。ライオンはオスとメス、おとなと子どもで座り方が少し違う。

札にはスタッフが書いたイラストと説明文もあって、読んでいると園内で過ごしたシーンが蘇ってくる。

ぬいぐるみが手にとられる瞬間を見ると、いまもうれしい気持ちになる、と神村さん。

「結局、私はアドベンチャーワールドのファンなんです。遊びに来るのも、働くのもずっと楽しくて」

これまでのことを楽しそうに話す神村さんだけど、かつては退職を考えたこともあった。

「子育て中は、両立が大変で。滅多に会わない親戚に子どもを預かってもらうこともあったし、本当にギリギリの毎日でした。それでも、当時の先輩たちが懸命に働きかけてくれたおかげで、地元の保育園の預かり時間を伸ばしてもらえたりして…」

「そうやって助けてもらったから、いつか私も役に立ちたいと思っていたんです。社内保育園を立ち上げる話が挙がったときは、夢のようでした。構想から携わって、これまでで、一番うれしい仕事でしたね」

保育園は、オフィスのすぐそばにある。子どもたちはハロウィンなど季節の行事でオフィスを訪れるほか、預かり時間の前後には働くお父さんお母さんの隣で過ごす場面も。ほかのスタッフと遊んで過ごすこともあるそう。

「すごいのは、そこにいるのが当たり前のような雰囲気があるんです。どのスタッフもやさしい。いい会社だなって。誰の子どもかは、きっとわかっていないけれど(笑)。ファミリーだなって思います」

ここで働くならどんな人がいいと思いますか?

「個人的には、どんな方でも!なんですが、やっぱりお客さまの笑顔が好きだって思う方なら、絶対アワーズは合うんじゃないかなと思います」

なにができるかより、想いが大事。それさえあれば、輝くところはたくさんあると、神村さんは話していました。

 

好きなことを仕事にするのは、きっと大変さもあるはず。そのうえで、長年働いていても「ファン」だと言い切れるのは、すごいこと。

誰かを喜ばせたい。その前向きな気持ちに、まっすぐ向き合い続けられる場所だと思います。

(2023/4/22 取材 阿部夏海)

株式会社アワーズはかこむ仕事百貨2023に出展します。詳細はこちらをご確認ください。

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