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映画監督やミシュラン一つ星のシェフ、銭湯の番頭…。
クリエイターを中心に、多様な人々が集まる商業施設東急プラザ原宿「ハラカド」が来春、原宿の神宮前交差点にオープンします。
コンセプトは「クリエイターが棲みつく施設」。
人々が集い、混ざり合うことで、新たなカルチャーを生み出していく。
そんな場を目指しています。
今回募集するのは、ハラカドで働くコミュニティマネージャー。
施設に入居するクリエイターやテナント、地域の人々をつないで共創を促す、仕掛け人のような役割です。
勤務は月5〜8日程度。ほかの仕事と並行して働くこともできるし、ハラカドで培った人脈や経験を別の仕事で活かすこともできます。
なにより、都会のど真ん中で新しい文化の創出に携われる刺激的な仕事です。
ファッションや音楽など原宿や表参道の文化が好きな人、いろんな人を巻き込んでワクワクするものをつくりたい人、そんな人はぜひ最後まで読んでみてください。
東京メトロの明治神宮前駅を出てすぐ。
明治通りと表参道が交わる神宮前交差点にあるのが、ハラカドだ。
一際目をひく建物の外壁は、多面体の鏡で覆われていて、青空や建物、行き交う人々など、さまざまな角度からまちを映し出している。
特別に、開業前の施設の中に入らせてもらう。
オープンが半年先ということもあって、建物内は工事の真最中。床にはブルーシートが引かれ、内装もこれからだそう。
それでも、5階の飲食フロアには人工芝が敷かれていたり、コンテナ型のお店が並んでいたりとおしゃれな雰囲気。
5〜7階にかけてつくられたテラスには、たくさんの植物が植えられていて気持ちがいい。飲食フロアで買ったものを持って、外でご飯を食べるのもよさそう。
まずはハラカドの営業企画・開業準備を担当している東急不動産の東海林(しょうじ)さんに、この施設への思いを聞いてみる。
「都心部の商業施設って、わざわざ行かなくても、買い物ならネットや近所の施設でできてしまうじゃないですか。コロナ禍を経て、この傾向はさらに強まったと思うんです。さらに都心商業施設は選択肢も多い。だからこそ、お客さんに『ハラカドに行きたい』と思ってもらう理由をつくらないといけないと考えていて」
「そこでハラカドは、ただ買い物をするだけではなく、『体験価値』を提供できる施設を目指しました。クリエイターの創作活動が見られたり、直接会話ができたりして、その人たちがつくったものを買うことができる。新しい購買体験を提供できる場にしたいと思っています」
2024年春にオープン予定のハラカド。7階から地下1階までが店舗となっており約70社が出店する。
地下1階には、さまざまな企業や人とコラボ企画を行っている高円寺の老舗銭湯・小杉湯が新たに銭湯を開業する予定 。
2階は、「入場料が必要な本屋」で話題となっている「文喫」の運営会社がプロデュースした共有スペースを開設する。ここでは、出版社や一般から寄贈を受けた雑誌、約3000冊を自由に読むことができるそう。
さらに、飲食フロアにはミシュラン一つ星を獲得したシェフがプロデュースしたファミリーレストランが出店するなど、個性豊かな面々が揃う。
なかでも特徴的なのが、3階のフロア。
クリエイターが集う会員制のクリエイティブラウンジや、アートディレクターで映画監督の千原徹也さんのデザイン事務所が入居。ほかにも、ラジオ局「J-WAVE」がポッドキャストの発信拠点となるスタジオをオープンし、クリエイター自身が来館者に直接作品を届けられるアトリエ兼物販のマーケットも設置されるそう。
おもしろい人や企業が集まる商業施設。これまでになかったコンセプトで、話を聞いているだけでワクワクしてくる。
今回はなぜ、クリエイターに注目した施設にしたんでしょう。
「神宮前交差点には昔、『原宿セントラルアパート』がありました。写真家やデザイナー、コピーライターなどが事務所を構えていた建物で、クリエイターが集まって交流するなかでいろんなアイデアが生まれ、その時代を象徴するようなアウトプットが発信されていたんです」
「ハラカドが目指すのも、かつての原宿セントラルアパートのような場所。クリエイターが集って共創し、新しい文化を生み出すことでそれに共感する人が集まってきて、さらにまた新しいものが生まれる。そんなサイクルが起こる場所にしていきたいと考えています」
今回募集するコミュニティマネージャーは、そんなハラカドに集まる人々をつなげて、共創が生まれる仕掛けづくりを担う。
ハラカドのコミュニティづくりをサポートしているファイアープレイスの代表、渡邉さんに詳しい仕事内容について話を聞く。
採用された人は、ファイアープレイスからの業務委託として、既に採用されているもう一人のコミュニティマネージャーと連携しながらこのプロジェクトに関わることになるという。
共創が生まれる仕掛けづくりって、具体的には何をすればいいんでしょう。
「まずはハラカドに集う人たちとコミュニケーションをとりながら、相手がどんなことをするのが好きで、どういう人とつながりたいか、何を求めているのかを理解して、共感し合えそうな人たちをつないでもらう」
「その上で、その人たちがなにか新しいものを一緒につくり上げていくきっかけづくりをしてほしいと思っています」
たとえば、同じ関心があるテナントやクリエイターを集めて勉強会を企画してみたり、ハラカドや地域の飲食店の店長を集めた交流会を企画してみたり。
共創を目的に、コラボしたら面白そうな人たちをつなぎ、『あなたとあなたで、こんな企画をしてほしい』といった呼びかけをするなど一歩踏み込んだアプローチをしていく。
そのためにもまず、コミュニティマネージャーには、ハラカド内で中心となりそうなクリエイターやテナントとの関係性づくりから始めてもらう予定だという。
「大規模商業施設が舞台なので、関わる人も多い。闇雲に関係を築いていくのではなくて、まずは共創を起こしやすそうな人たちから火をつけて、徐々にいろんな人を巻きこんでその火を大きくしたいと思っています」
つなげる人たちは、ハラカドの中に留まらなくてもいい。
「まちに出て、原宿で影響力のある人たちと仲良くなってくれるのも大歓迎。たとえば、エッジの効いているレストランの店長と仲良くなったら、ハラカド内の飲食店とコラボして屋上でイベントをしてもいい」
「ゆくゆくはハラカドにとどまらず、まち全体でたくさんの共創を生みながらこの地域を盛り上げていきたいと考えています」
地域の人たちとの関係づくりのためにも、行事やお祭りなどにも積極的に参加してほしいそう。
「このまちに昔から住んでいる人とも、映画監督とも、個性豊かなシェフとも仕事を通じて仲良くなれる。人脈も、人生の可能性も一気に広がると思います」
培った人脈を、自分の本業に活かすことも自由だという。
「もし、ここでの人脈や経験を活かして自分で何か事業を起こして、ハラカドでまた一緒に仕事ができたら、最高だと思います」
渡邉さんは、どんな人と一緒に働きたいですか?
「共創を生み出して新しい文化を発信していくっていう、ハラカドのビジョンに共感してくれる人がいいですね」
「あとは、原宿や表参道のカルチャーに興味がある人。もし僕が面接官をやるなら『偏愛』について聞いてみたい。ファッションでも音楽でも、すごく好きな領域がある人のほうが、このまちの人たちとも話が合うんじゃないかな」
「私は、いろんなことを積極的に仕掛けていける『攻め』のイメージの人が来てくれたら面白いなと思っています」
そう話すのは、今回のプロジェクトのサポート役を担っているファイアープレイスの蓮池さん。
「一緒に働くことになるコミュニティーマネージャーさんは、保健室の先生のような方なんです。経験も豊富でとても安心感のある方なので、コンビとしては、今回入ってもらう方が攻めというか。一緒にワクワクすることをやりましょうって働きかけていくタイプの人がいいかなと考えています」
コワーキングスペースでコミュニティマネージャーを勤めた経験があるという蓮池さんに、必要な能力について聞いてみる。
「突飛な発想よりは、ちゃんと相手の思っていることを汲み取ったり、引き出したりできることが大事だと思っていて。その上で、それが何につながるかってところまで想像を広げられることがすごく重要になってきます」
「明確な目標があるという意味でも、ハラカドの仕事はやりがいが大きいと思います」
目標がある?
「一般的なコミュニティマネージャーの仕事って、ゴールが明確じゃないことが多い。だから、何のために頑張ればいいのかわからなくなって悩んでしまう人も結構いるんです。でも、ハラカドでの仕事は、『共創を生み出す』っていう明確な目標がある」
どんな人たちをつないだか、どんな形の共創に結びついたか。
実際に形になった事例を増やしていくことで、具体的な評価軸もつくっていく予定だ。
「あとは、仕事の成果が属人的になりすぎないように、基盤となる部分はみんなでやり方をそろえたほうがいいと思っていて」
「たとえば、情報はここに貯めようねとか、この順番で業務に取り組もうとか。そういった仕組みはこちらから提供できると思うので。人と人とのコミュニケーションの仕事だから、いい意味での属人性は保ちながら、マニュアル化や仕組み化したほうがいい部分はしていきたい」
これまでにもまちづくりや場づくりなど、「つながりの創出」を軸にあらゆる事業に取り組んできたファイアープレイス。
その知見を活かしつつ、経験あるメンバーと一緒に考えながら仕事ができるから経験がない人も安心して挑戦できると思う。
クリエイターやまちの人たちが交わって、新しいカルチャーやワクワクすることを次々に生み出していく。
そんな未来の仕掛け人として、新しい施設をゼロから一緒につくっていく。
とっても面白い仕事だと思います。
(2023/10/11取材 高井瞳)