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小さな手から
ものをつくる
未来をつくる

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

なんの制限もなく、自由に。失敗しても間違ってもいい。

幼いころは、当たり前に許されていたこと。社会に触れ、おとなになるにつれて、いつの間にか自分に自分で制限をかけてしてしまうことが増えてきた。

そんなリミットを取り払って、自由な発想で、楽しみながら自分の手で何かをつくっていく。

未来をつくる子どもたちにそうあってほしいから、まず自分たちがとことん楽しむ。

ロサンゼルスで生まれたWoset(ウォゼット)は、子どもの想像力を育むための“Creative tools”を開発しています。

創業者のブラッドさんが東京へ移住したことを機に、今年から日本を拠点に展開していくことに。実店舗とオンラインショップで、おもちゃに家具、アパレル、文房具などを販売していきます。

商品開発から店舗運営まで全面的にサポートするのは、日本仕事百貨でも何度も紹介してきた、カキモリ。オーダーメイドのノートやインクの販売など、「たのしく書く」ことを伝えているお店です。

蔵前にできるWosetのお店では、子どもたちの創造性を刺激するようなワークショップも開催予定。

さまざまな方法で、Wosetの世界観をともに伝えていく仲間を募集します。

 

向かったのは、台東区・蔵前のカキモリ。

大江戸線と浅草線の蔵前駅、つくばエクスプレスの新御徒町駅。どこからも歩いて10分弱で、アクセスがいい場所。

住宅街のなかに、おしゃれなカフェやショップが点在する蔵前の雰囲気は、落ち着いていて心地いい。

今日は、カキモリは定休日。オリジナルのインクを調合できる、2階のインクスタンドにおじゃますると、Wosetチームのみなさんが待っていてくれた。

代表のブラッドさんは気さくな雰囲気の方で、2人のお子さんを育てるお父さんでもある。

英語が堪能なセールススタッフの石川さんに通訳をお願いしつつ、話を聞いていく。

英語と日本語が入り混じるコミュニケーション。ふだんのミーティングもこんな雰囲気なのかもしれない。

まず、Wosetのこれまでのストーリーを教えてください。

そう投げかけると、「Of course,」とブラッドさんは話しはじめた。

カリフォルニア州・ロサンゼルス生まれのWoset。

きっかけは2020年。当時2歳の息子さんがいたブラッドさんのもとに、もうひとり赤ちゃんが生まれることに。

「子どもが生まれてから、親としていつもクリエイティブでありたいと思っていました。けれど世の中には、子どもの創造性を刺激する道具やおもちゃが少ないように感じてしまって」

「だから、自分の手でつくってみたいと思いました。『こんなものがあるなんて知らなかった!』『これもおもちゃになるんだ!』と、子どもたちの心を動かすものを」

長年、デザインに関わる仕事をしてきたブラッドさんと、妻のジェンナさん。

Wosetを立ち上げ、最初に生み出したアイテムは、「永遠に終わらないパズル」だった。

従来のパズルは、一枚の絵を完成させて終わり。それ以上に何か遊び方があるわけではない。

けれど、このパズルは、立体にも平面にもさまざまな組み合わせ方ができるので、子どもたちはずっと遊び続ける。

「友人の家具会社で出た木材の端材を集めて、小さな規模で限定品をつくりました。その経験は、私自身も妻も、協力してくれた友人も、創造性を刺激されるものだった。もちろん、それで遊ぶ私の息子や、彼の友だちもね」

おもちゃのほか、子ども向けの家具やアパレルの開発にも取り組む。

これまでの仕事を通じて、丁寧で高品質な日本のものづくりに触れていたブラッドさん。Wosetのアイデアを形にするには、日本がベストな場所だと感じた。

仕事仲間の誘いもあり、家族で日本へ移住することに。

そこで出会ったのが、カキモリだった。

「このお店を訪れて、なんて素晴らしいんだと驚きました。カキモリの、書くことを通じたクリエイティブへのアプローチは、私が幼い子どもたちに体験してほしいことそのものだった」

「幼い子どもたちには、自分の手で何かをつくる体験が必要だと切実に思っているんです」

どうやってものをつくるのか。どうやってクレヨンを動かし、絵を描くのか。失敗の方法も、挑戦の仕方も、はたまた変な考え方も。

自分の手を動かし、自分で何かをつくるから学べること。

カキモリとの出会いを機に、Wosetは文房具づくりに取り組みはじめる。

この1年弱で生み出された商品は、すでに10アイテム以上。

「子どもたちの頭の中にあるものを、あまねく形にするにはどんなアイテムが必要か。みんなで真剣に考えました」

Wosetの世界には、「13.5人」の住民がいて、各アイテムのパッケージには、それを象徴するキャラクターがデザインされている。

「この黒い彼はBiornと言って、“影”のキャラクター。0.5は、彼のことを指しているんですよ」

「BiornはいつもColbyにくっついて一緒にいる。だから2人は、『くっつけるための』糊のパッケージに描かれています」

ストーリーを聞いて、思わず笑顔になる。

「こっちは、Mistaker Makerという商品。この鉛筆には消しゴムが付いていません、だって間違いはあっていいことだから」

「鉛筆を持っているGreebaは、Wosetの世界で一番クリエイティブなアーティスト。間違いも間違いと思わずに、おもしろがって何でも生み出すんです」

間違ってもいいんだよ。そう子どもに伝えたくても、伝えるのは案外むずかしいこと。

Wosetのキャラクターやそこに込められたメッセージは、何かを生み出そうとする子どもたちに自信を与えるものになっている。

「物語とキャラクター、そしてクリエイティブになるための道具。それらが両立しているのが、Wosetの特徴です」

子どもの大好きな物語やキャラクターがあっても、それが描かれたものが良質とは限らない。一方で、どんなに素晴らしいプロダクトでも、そこに大好きなキャラクターがいなければ、子どもたちは心惹かれない。

Wosetでは、すべてのアイテムが物語と密に結びついていて、子どもたちの心を動かすものになっている。

「子どもたちには、つくりたいと思ったものを素直に表現してほしい。そのために、僕ら自身もそうあるように心がけています」

「だって、この小さなスケッチブックと巨大なスケッチブック、それぞれつくる意味はあまりないでしょう。だからこそ、つくるんです。意味がないものでも自由に生み出していい、と子どもたちに知ってほしいから」

子どものために、子どものように、クリエイティブである。

Wosetのあり方に、カキモリメンバーも共感した。

「正直、最初は少し心配だったんです。Wosetのアイデアは、クリエイティブを押し付けられているように感じる人もいるんじゃないかって」

「でも、カキモリのメンバーと出会ってすぐに、信頼が生まれました。ものづくりへの熱量を持っていて、クリエイティブを心から愛していることがわかったんです」

 

そのときのことを振り返って、カキモリの代表の広瀬さんが話を続ける。

「カキモリも、子どもたちに書く楽しさを伝えていきたくて。どうすれば子ども向けの文房具を形にできるか、ずっと考えていたんです。だからWosetのストーリーと成し遂げたいことに深く共感して、一緒にやりたいと思いました」

出会ってから商品の発売までは1年弱。かなりスピーディーに進んでいる。

10月には、商品のお披露目も兼ねて10日間のイベントを開催。

もともと子ども向けの家具づくりでWosetとコラボレーションしていた、家具ブランド「石巻工房」との共同企画だ。

Wosetのイラストレーター・Jayさんのお絵描き教室や、家具の端材を組み立てるワークショップ。ワークショップでは、石巻工房とつくった、1歳児でも持ち運べる軽いスツールを使用した。

企画のひとつとして、カキモリのインクスタンドも子ども向けに開催した。

そのときの様子を、楽しそうに教えてくれたのはブラッドさん。

「小さな男の子って全部の色を混ぜたがるんです。だから、やったー!できた!と言って、完成するのはただの茶色(笑)。でも彼らはそれがすっごくうれしくて」

「かと思えば、完璧な紫色をきれいにつくる女の子もいる。自分のつくりたいように、自由につくっていい場なんです」

新たにできるお店でも、毎日ワークショップを開く予定。

Wosetのお店は、蔵前のカキモリから歩いて数分のところにオープンする。

面積が大きいので、カフェやイベントスペースをつくることも検討中。いろいろな使い方ができそうだ。

「まだ全然詳細が決まってなくて(笑)」と広瀬さん。

「Wosetのスタイルは、細かく計画を立てる日本のやり方とはまったく違う。でも、だからこそ柔軟に、スピーディーにできる。このやり方を楽しめる人のほうが、働きやすいと思います」

「でも、サプライヤーは日本の会社だし、お店も日本のクオリティでつくる。コスト管理もしっかりやります。それぞれの良さを、全部活かすことができたら最高ですよね」

今回募集するのは、リアル店舗とWebでのお客さん対応を担う、カスタマーサービス。あわせて、国内外向けのセールスと、サプライヤーとのやりとりを担う商品管理のスタッフも募集する。

「Wosetのコンセプトが、“Creative tools for endless imagination”。当たり前ですが、これに心から共感してくれることが本当に大事だと思います」

「年齢、性別、国籍は関係ない。今回入るメンバーが外国人でもいいと思う。日本人でも、英語が喋れるかどうか以上に、共感の気持ちがある人と一緒に働きたいですね。日本も海外も区別することなく、世界中にWosetを届けていければと思っています」

 

現在Wosetは、ブラッドさんと広瀬さんも含め10人弱のチームで動いている。

「みんなで楽しみながらどんどん出し合ったアイデアが、ちゃんと形になっている感じがします」

そう話すのは、中核メンバーのひとりで、カスタマーサービスを担う福澤さん。

日本仕事百貨を通じて、5年ほど前にカキモリに入社。

店舗リーダーや商品の仕入れ、イベント運営などを幅広く担い、今はオリジナル商品のPRを中心に担っている。

カキモリと並行して、Wosetにも関わっていく。

「最初にWosetのコンセプトシートを見せてもらったとき、すごく素敵な世界観だなって。これをたくさんの人に届けたいと思って、自分から手を挙げました」

新しく入る人は、福澤さんと一緒にお店やWebサイトのオペレーションをつくっていくことになる。

「初めてカキモリの説明会に来たときのことを今も覚えていて。広瀬さんだけじゃなくて、会ったスタッフが全員、一緒に働きたいなと思える人たちだったんです」

「お客さんはもちろん、一緒に働く人も気持ちよくって考えるメンバーばかりなので、心地よく仕事ができるんだと思います」

これからは、Wosetがそんなお店になるように、一緒に形づくっていきたい。

 

最後に、ブラッドさんからのメッセージを。

「働くメンバーは、ただのスタッフじゃなくて、Wosetの一部です。自信を持って、一緒にこの世界をつくり上げてほしい。それが、子どもたちに『自分も何かできるかもしれない』と自信を与えることにつながります」

子どもたちの未来を、自分たちの手でよりクリエイティブにできる。

そう信じて、ともにWosetを広める仲間になってくれたらうれしいです。

(2023/11/6 取材 増田早紀)

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