「仕事って、積極的に自分で考えてトライして結果につながったときが一番楽しいと思う」
そう話すのは、リアルキューブ代表の平松さん。
中古住宅の仲介とリノベーション事業から始まり、現在は、自社で物件の購入とリノベーションをおこなって販売する、買い取り再販事業も展開しています。
物件の取得、設計から施工管理まで自社でおこなっているのが強みのひとつ。
自社の設計者が施工管理まで担っているので、工事費用も抑えられるし、お客さんの思い描くイメージを齟齬なく落とし込みやすい。
今回募集するのは、営業担当。
お客さんが暮らしやすい住まいづくりに寄り添います。
営業として、まずはお客さんにヒアリング。お客さんの要望にあわせて、出来上がり物件の仲介を提案してもいいし、リノベーションを提案してもいい。提案できる幅も広いので、自分で考えて仕事を進めることができます。
住まいにまつわるさまざまなことに興味関心がある人、一人のお客さんと長く付き合いたい人におすすめです。
かつて多くの人形師が住み、人形をつくり、売るお店が並び栄えていたことから、正式な町名になった東京・人形町。
いまも下町情緒があふれ、大通りにはラーメン屋、八百屋、人形焼屋などさまざまなお店が立ち並ぶ。
人形町駅から7分ほど歩いたところに、木の板で装飾されたビルを見つけた。
1階にはクラフトビール専門店が入っていて、そのほかはオフィスになっている。リアルキューブのオフィスがあるのは5階だ。
鉄筋コンクリートの無骨さはありつつ、暖色の照明や木材のインテリアなどが配置されていて、あたたかみを感じる空間。一つひとつライトのデザインが違うのも可愛らしい。
不動産と聞くと、スーツでビシッと決めているイメージもあるけれど、みなさんカジュアルな服装で、ちょっとびっくり。
打ち合わせルームに移動して、まずは代表の平松さんに話を聞く。
「ピカピカで尖った革靴を履いているよりも、こっちのほうがお客さんも話しやすいんじゃないかなって。あと、自分の好きな格好で働けるほうが、パフォーマンスもよくなると思うんですよね」
もともとオフィスの内装デザインを手がける会社で働いていた平松さん。会社が順調に大きくなって、賃貸仲介をする子会社の代表も務めた。
「だんだん僕がいなくても回るようになってきたタイミングで、改めてゼロから自分で会社を立ち上げて、力を試したいと思うようになりました」
独立する際に、前職と同じ仕事はしないようにと言われた平松さん。
いろいろと調べていくなかで、一般中古住宅の仲介業とリノベーションに目をつけた。
人が住んでいるところにはマーケットがある。そして当時、政府が中古住宅の流通に力を入れ、税制の優遇をよくしていたこと、世の中でリノベーションを後押しする流れもあり、勝負できると考えた。
そこで2015年に設立したのが、リアルキューブ。中古住宅の仲介・リノベーションを起点に、3年後には自社で物件を購入し、内装をデザインして販売する再販事業も始めた。
手がける物件は、シンプルでどんな生活スタイルにも馴染むデザインが多い。
「見せ方としては、お客さまがパッと見て、いいなって思うような部屋。いわゆる、映えを狙った広報で集客してるところもあるんですけど、別におしゃれなものを売りたいとかはまったくなくて」
「お客さまが住みやすい住まいをつくるのが、一番大事だと思うんです」
たとえば、仲介+リノベーションの相談を受けたとき。リアルキューブでは、自社の営業と設計とお客さんの三人四脚で進めていくのだという。
「壁紙の色とかは、工事が進んでやっぱりほかのデザインに変更したいとなっても、ある程度融通が効きます」
「でもコンセントの位置とか壁の位置とか収納棚とか。一回つくってしまうと変更が難しい箇所については、時間をかけて進めていくようにしています」
お客さんのほうを向いて、理想の住まいづくりに寄り添う。
営業部の大竹さんはまさにそんな方だと思う。
「自社でリノベーションした物件のオープンルームを開いていて、そこに来ていただいたお客さまに対して、こういうお部屋づくりをしていますよって話をさせていただきます」
「たとえば、うちの物件ってお風呂に鏡をつけていないんですよね」
え、どうしてでしょう?
「取り替えに30万円くらいかかるんです。それなら、取り外し可能で安価な鏡を使い回すほうがよくないですか? と提案してみます」
「お客さまも、たしかに!と納得してもらえることが多くて。そういうところで、わたしたちの住まいづくりを好きになってご相談してくれる方も多いです」
ほかにも、充電式の電動自動車や掃除機が使いやすいよう、玄関の靴棚やクローゼットにもコンセントを設置したり、陽のあたるリビングに、水や傷に強いフロアタイルを敷いて、インナーバルコニーをつくったり。室内干し用のアイアンバーも。
遊び心を持ちつつ、住みやすい住まいを提案している。
もともとアパレルの会社に勤めていた大竹さん。
シーズンが終わるごとに大量に洋服を捨てている業界を不健全だと感じ、転職を考えるように。
いまあるものを長く大切に、そしてお客さんの好みに合わせることができるリノベーションに興味を持ち、リアルキューブに入社した。
「まずは物件の仲介から始めて。不動産の知識はもちろんですけど、リノベーションの提案ができるように、設備や建築のことについても覚えないといけないし、銀行関係のことについても知っておかないといけない」
「わたしはオタクっぽいところがあるので、いろいろな仕組みについて知れるのが楽しいんです。新しく入る人も興味の幅が広いといいと思います」
まずは先輩の物件案内に同行したり、オープンルームで自社物件の説明をしたり。早くて1年ほどで、一人でリノベーションの提案ができるまでになるという。
「リノベーションってなると、打ち合わせ回数もすごく多いですね。メリットデメリットは全部話して、お客さまの要望や不安点もすべて喋ってもらって。一生に一度の買い物だからこそ悩むし、なんでも話してもらえるよき理解者であろうと思っています」
印象に残っているお客さんについて話してくれた。
「もともとご夫婦とお子さんひとりで、2LDKのプランで進めていたんですけど、着工の2〜3週間くらい前に、『もしかしたら第2子ができちゃったかも』って連絡があったんです。妊娠初期って、まわりにも言わない人も多いし、とってもセンシティブじゃないですか」
「そういう話をしてくれたのって、信頼を置いてくれていたんだなって。我々も、うわーって感じで動き回って、なんとか3LDKに変更することができて。心を開いて話してくれたのがうれしかったし、やっててよかったなって感じました」
物件の購入からリノベーション、引き渡しまでは、おおよそ1年ほど。収入やライフスタイルなど、かなり踏み入った話をしてもらわないと、理想の住まいはつくることができない。
初めから最後までお客さんと一緒にいることができるので、深い関係を築きながら働きたい人は、やりがいも大きいと思う。
最後に話を聞いたのは、同じく営業部で入社3年目の竹岡さん。
もともと求人広告の営業をしていたけれど、週刊で発行する早いサイクルに違和感を覚え、以前から興味のあったインテリアや建築の仕事に就こうと、設計の専門学校へ。
その後、別の会社で実践を積み、設計としてリアルキューブに入社した。
どうして営業部に移ることになったんですか。
「設計もできて営業もできる人って、あまりいないと思うんです。それができれば給与も増えるだろうし、いろいろできて楽しそうだなって。来年から新たに大阪でも事業を始めようとしていて、そこの立ち上げに行く予定なんです」
ほかにも、設計部に在籍しながら、営業もおこないひとりで案件を完結させている人もいるという。どちらもやってみたい人にとっては、実績を示せば自由に働けるチャンスがある。
「この会社は全部やってるところがいいなと思っていて。自社物件を持っていて、仲介もやって、リノベーションもできて。売り上げのお財布が何個かある状態なんです」
たとえば、自社物件を持っている不動産屋さんの場合。他社の物件を仲介するよりも、自社物件を販売したほうが会社に入ってくるお金は大きい。ところが、リアルキューブでは自社物件を押し売りするスタイルではないのだとか。
代表の平松さんが話を続ける。
「もちろん再販も単体で利益を残さなきゃいけない。でもそこがモデルルームになってお客さまが来て、仲介やリノベーション案件がある程度受注できればいいわけなので、無理に押し売りする必要がないんです」
再び営業の竹岡さん。
「お客さまからすると、住まいづくりの登場人物が少ないですよね。リノベーションしたいって相談を受けたときに、営業の僕がいて、もう1人設計の人がいたら、完結できる。仲介だけでも対応できるし、提案できる武器が多いので営業としては戦いやすいですね」
平松さんはこんなことも話していました。
「目標があってそこにチャレンジしていくほうがいいと思っていて。なあなあになるのがすごく嫌だし、僕自身、成長していく実感がほしい」
「でも急に売り上げを拡大させて、お客さんの満足度を落とすようなことはしたくない。スタッフの成長も支えながら、着実に進んで行きたいなって思っています」
創業してから10年で、会社を離れたのはふたりだけ。
みんなが長く働けるのは、自分の興味がある分野で働いているから。自分でコントロールできる範囲が広いから。働けば働くぶんだけお客さんに喜んでもらえるから。そんなふうに、いい循環をしているからだと思う。
自分で考え、トライして成長していく。住まいとお客さんに幅広く、そして深く関わりたい。そんな人には合っている仕事だと思いました。
(2024/09/12 取材 杉本丞)