求人 NEW

裁量大きく
竹原の良さを発見し
磨いて広める

瀬戸内海が好きな人、裁量大きく働きたい人に紹介したい仕事があります。

一般社団法人竹原観光まちづくり機構は、広島県竹原市にあるまちづくりの会社。

まちの観光資源のブラッシュアップや、ブランディング、古民家活用など。まちの人を巻き込みながら、地域を盛り上げるための活動をしています。

募集するのは、ふるさと納税の業務を担当する人。

地域の事業者さんと商品を企画し、市場分析をして戦略的に売上を増やしていきます。

未経験でも大丈夫。ふるさと納税をメインで担当してもらいつつ、ゆくゆくは観光プロモーションなど、自分の得意なことや興味関心に合わせて挑戦できることがたくさんある仕事です。

 

広島市と尾道市のあいだに位置する竹原市。

うさぎで有名な「大久野島(おおくのしま)」や、塩づくりで栄えた「たけはら町並み保存地区」。湯坂温泉郷や竹の工芸品など、さまざまな観光資源がある。

広島空港から車で30分ほどと、アクセスもいい。

観光資源はあるものの、各事業者が独自に商品開発やプロモーションをおこなっており、まち全体としてインパクトのある取り組みができていなかった。

そんな現状を変え、観光でまちを盛り上げようと発足したのが、一般社団法人竹原観光まちづくり機構。通称、竹原DMO。2023年の4月に発足したばかりの組織だ。

大通り沿いに、事務所がある商工会議所を見つけた。

1階は竹原DMOが運営するコワーキングスペースで、ここにオフィスが入っている。南向きの路面なので、日当たりも良く明るい雰囲気。

受付横の打ち合わせスペースで、みなさんに話を聞く。

まずは、事業課リーダーの内藤さん。

お久しぶりです。昨年の取材時は、これからの竹原の観光について、事業者さんと一緒にワークショップをしていましたよね。

「そうですね。竹原ブランドについてみんなで意見を出し合って。『DISCOVER TAKEHARA The Salt of life』というキャッチコピーをつくりました」

「『DISCOVER TAKEHARA』は、竹原の魅力を発見しようという意味で。『The Salt of life』は英語で生きがいという意味なんですよ」

生きがい、ですか。

「このまちで自分にとっての生きがいや豊かさを発見してほしいという想いを込めました」

「それと、竹原は塩づくりで栄えたまち。ここの歴史的なまちなみも製塩業によってつくられたんですね。そんな地域の人が大切にしている塩をキャッチコピーに入れました」

ロゴは塩の結晶をベースに、飛び跳ねるうさぎや瀬戸内海といった竹原の観光資源が組み込まれたデザインになっている。

「当時は組織も立ち上がったばかりで、地域の方との関係性も薄かったんですが、少しずつお話できるようになってきて。具体的な事業として活動できることも増えてきました」

たとえば戦略プランのひとつが、「大久野島」を核とした観光コンテンツの造成。

「大久野島って『うさぎ×戦争遺構』っていう、世界的にもかなり特殊な場所なんです。こういった強力な観光コンテンツは、活かしていくべきだと思っていて。ただ、そんな魅力を満喫できる体験コンテンツや、島を案内できるプロのガイドが少ないんです」

そこで、観光を通して島にお金を還元する仕組みをつくり、人材を確保・育成するためにツアーガイド養成講座を企画することに。

「40人ぐらいですかね。下は小学生から上は80歳の方が申し込んでくれて。しっかりマネタイズできるレベルを目指しているので、最終的に認定されるのはかなり少ないかもしれません。でも、そうやって地域の人が申し込んでくれるのはありがたいですよね」

さらに、来年度から免税店を増やす国の施策に対して、地元事業者さん向けのセミナー実施や、空き家活用のために地域外からプレイヤーを誘致。ほかにも尾道市と協力して、映画祭を共同開催するなど、着々と実績を積み重ねている。

 

そんな竹原DMOで募集するのが、ふるさと納税の推進担当者。

具体的な仕事内容について、主任の道林さんが教えてくれる。今回新しく入る人は、道林さんから仕事を覚えていくことになる。

「ふるさと納税を通じて、何を目指すかを私たちは大切にしていて」

「寄付額を高めることも目指していますが、返礼品を通じて竹原を知ってもらうとか、生産者の顔を見てもらうとか。そういう機会でもあると捉えてます」

そう言って、1枚のポストカードを見せてくれた。

寄付をしてくれたことに対して、市長から手書きの感謝が述べられている。そして裏をめくると、穏やかな瀬戸内海の景色とキャッチコピーのデザイン。

「今年から、このポストカードを返礼品と一緒に入れることを事業者さんにお願いしていて。我々にとっては海が近いって当たり前のことなんですけど、外の人から見たらここにしかない魅力だと思うんです。これをきっかけに、少しでも竹原に興味を持ってくれたらいいなと」

ふるさと納税の推進は、まずは地域事業者との関係をつくるところから。

出品したいという相談を受けたら、市場の分析をおこない、事業者と商品を企画して出品。必要に応じて、有料広告やメルマガの配信、キャンペーンなどの施策も実施する。そして結果の数字をもとに振り返り、次の施策につなげていく。

関わっている事業者の一つが、老舗の「尾野精肉店」。

「牛タンを返礼品にしたいという相談を受けて。まずはネットで1位から20位ぐらいまで、競合調査をしました。寄附額、写真枚数、発送までの期間、レビュー数、100gあたりの単価とかを全部シートにまとめていくんですね」

「やっぱり人気なところは、それだけ優れているところがあるわけですよね。そういった情報をもとに、自分たちの商品は何を武器に戦っていくのか、一緒に考えていきます」

価格で勝負をするために、比較的安価な外国産のタンを地元の瀬戸内レモンで味付けした商品を開発したり、こだわりのあるお客さんに向けて、国産牛を使った商品を企画したり。タンの厚さも薄切りから厚切りまで、量もさまざまな種類を選択できるようにして、広いターゲットに届く商品を考えた。

いま重要視しているのは、ふるさと納税サイトでのアクセス数。

「まずは多くの人に見てもらうこと。SEO対策や、クリックしたくなるようなサムネイル画像の撮影、有料広告の実施、SNSの運用など、いろいろ試しているところです」

「次のステップとしては、転換率を増やすこと。たとえば、事業者さんにキャンペーンの企画を提案して、レビューを書いてくれた方へプレゼントを贈ることを検討してもらうとか。事業者さんの状況に応じて施策を考えています」

現在は、地域の事業者と竹原DMOのスタッフに加え、実績のある外部の会社が伴走してくれている。新しく入る人も、戦略の考え方などを一緒に教えてもらえるから、経験がなくても安心だと思う。

論理的に考え売り上げを追求している道林さん。その背景には、地域を盛り上げていきたいという想いがある。

「もともと尾野精肉店さんって、ECサイトをやっていなくて。地元での販売が中心だったんです。でも、ふるさと納税をはじめて全国の人から嬉しい言葉が届くようになって。今では、息子さんが中心になって新しい商品をたくさん企画しているんですよ」

地元の有名な牧場と協力し、1年間で10個の和牛商品を企画。現在企画進行中の商品も数多くあり、売り上げも順調に伸びているそう。

「ふるさと納税でのノウハウが貯まれば、自社のECサイトにも転換できるし、それを見たほかの事業者さんもやってみようと思うかもしれない。ふるさと納税の成功が、地域の経済を良くするし、担い手を育てることにつながる」

「地域の課題を解決する大きなチャンスが、このマーケットにはあるんです」

マーケティングの経験などがあると、仕事を覚えていきやすいかもしれない。けれど、大切なのは地域の人と一緒にまちを盛り上げたい、目の前の人の喜ぶ顔を見たいという想いで頑張れる人。

そんな人にとっては、やりがいも大きいと思う。

 

となりで話を聞いていた総務課の数井さんも話を続けてくれる。

「若い人もそうですけど、50代、60代、70代の方もいろいろなアイデアを出しながら竹原をより良くしようとしてくれていて。それはちょっと衝撃でしたね」

「今日お会いしたのは、大久野島のツアーガイド養成講座に参加している70歳ぐらいの方で。お話してみると、実はすでにプロのガイドとして活躍されている方でした。でも、わたしたちが企画する講座を受講して、刺激を受けているようで。前向きに取り組んでいる姿を見ると、こちらも気が引き締まりますね」

数井さんはもともと大阪でコールセンターの仕事をしていた。小豆島や豊島など、瀬戸内海の島を巡るのが好きだったそう。

香川に移住を決めようとしたとき、たまたま竹原DMOが主催する移住ツアーを見つけた。

「趣味も起業もここで叶えよう、みたいなテーマに惹かれて。竹原で活躍されている方がいろいろとまちを案内してくれたんです」

瀬戸内海を一望できる坂の上や、古民家を改装した台湾カフェなど。先輩移住者と話し、竹原のまちを巡るうちに、移住して暮らすイメージが湧いてきた。

「ふるさと納税は『竹原の顔になる人・物』を見つけて光を当てるような仕事だと感じます。わたしの場合も竹原が見つけて拾ってくれたような感覚があって、ここだったら移住しても安心してスタートが切れるんじゃないかって思えました」

いまは、総務課のスタッフとして事業課のサポート業務などを担っている数井さん。

ふるさと納税に同封しているポストカードのキャッチコピーや、このコワーキングスペース「SOLFIL」の名付け親でもある。

「『The Salt of life=生きがい』をみんなが実現していく場所になればいいなと思い、名付けました。いまは大人だけじゃなくて学生さん、それから竹原の外から来た人たちとのつながりもつくっている最中なんです」

「ほかにも、ふるさと納税に出品する商品写真を事業者さんのもとに撮影しにいくこともあって。いろいろな仕事を皆さんが任せてくれるのはうれしいですね」

竹原DMOでの日々は、地域の人と関係をつくり、地道にトライアンドエラーを重ねていくこと。

だからこそ成果が出たときはみんなと喜べるし、地域が変わっていく様子もダイレクトに感じることができる。

穏やかな瀬戸内海の近くで、地域に深く潜り込み、事業者さんと共により豊かな未来をつくっていきませんか。

(2024/11/19 取材 杉本丞)

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