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まちづくりをキャリアにしたい。けど、何からはじめたらいいんだろう。
そんな人に知ってもらいたい会社があります。
クオルエリアマネジメント株式会社。エリアマネジメントを専門にまちづくりを手掛ける会社です。
今回は、まちづくりに関わるディレクターを募集します。
最初の1年は、高円寺で。クオルエリアマネジメントが運営するコミュニティスペース「&tenna(アンテナ)」のスタッフとして、カフェやレンタルスペースの運営をしながら、地域のにぎわいをつくるイベントにも関わります。
人と人との出会いを目にすることもあれば、イベントの参加者の反応をダイレクトに受け取ることも。まちづくりの現場を一番近くで見る仕事です。
その後は、クオルエリアマネジメントが担当する都内の別プロジェクトや、地方のまちづくりのプロデュースに関わっていく予定。
まちづくりを仕事にするための最初の一歩を、&tennaではじめてみませんか。
高円寺駅の北口を出て、商店街をふらりと歩く。
高円寺にはなんと10以上の商店街があるんだそう。
純喫茶や魚屋さんなどの昔ながらのお店から、おしゃれな雑貨屋さんまで。いろんなお店があるから、歩いているだけで楽しい。
活気ある商店街を抜けて早稲田通りを進むと、クオルエリアマネジメントが運営する&tennaが見えてきた。
マンションの1、2階を活用したコミュニティスペースで、1階は全面ガラス張りの明るい雰囲気。
中に入ると、木材を中心とした落ち着いた空間が広がる。
1階は、カフェ兼シェアキッチンと、イベントスペース。2階は、コワーキングとレンタルスペースになっている。
窓際の席で打ち合わせをしていたのは、代表の栗原さん。
「エリアマネジメントっていうと、イベントの企画とか地域でゴミ拾いとか、いろんなイメージがありますよね。それは、あくまで地域の価値を高めていくための手段。地域をより良くしていくための仕組みだと思うんです」
森ビルで六本木ヒルズや商業施設等の企画開発・運営をしていた栗原さん。
経験をもとに独立し、20年前にエリアマネジメントを専門としたまちづくり会社「クオル」を創業。都内のディベロッパーからの依頼を中心に、地域の価値向上やにぎわい創出に向けた仕組みづくりをしてきた。
昨年には分社化し、まちづくりのためのイベント企画や、コミュニティの運営をメインに担うクオルエリアマネジメントを設立。人員や資本を増強し、以前から挑戦したかったという地方のまちづくりに関わる体制が整いつつある。
「地方での事業に取り組み始めた一番のき っかけは、社員なんです。地元とか、関わった地域に何らかの形で還元したいと考えているメンバーが多くて。彼らの希望を叶えるチャンスをつくりたいと思っていました」
事業をさらに拡大し、地方のまちづくりにも関わっていく。そのための大きな挑戦の一つが、2023年1月にオープンした「&tenna」。
東京電力の社員宿舎として使われていた施設の老朽化に伴い、新しくマンションを建てることに。その際、1、2階部分を地域貢献に活用できないかと相談を受け、運営を引き受けた。
「ここは、自分たちで家賃を払っていて。カフェやレンタルスペースの運営などで賃料を稼ぎながら、コミュニティづくりもする。僕らにとって新しい挑戦なんです」
通常、エリアマネジメントが活発に行われるのは大手ディベロッパーがいる都心部。一方で、ディベロッパーがいない地方では、エリアマネジメントの案件がほとんどなかった。
自分たちで場所を借り、賃料を稼ぎながらまちづくりをする。そんな仕組みができれば、ディベロッパーがいない地方にも進出していくことができる。
「まちづくりでよく言われているのが、『よそ者、若者、馬鹿者』を入れろっていうことで。地方のまちづくりって、地元の人だけでやるとどうしても凝り固まってしまう。そこに僕たちが入ることで、魅力をもっと引き出せたら」
とはいえ、最初は思い通りにならないことだらけ。
「正解がないのがエリアマネジメントの面白さでもあるんです。地域によって個性が全然違うから、上手くいかないこともある。でも、徐々に結果もついてきていて。&tennaの売上も徐々に上向いています」
まずは、売り上げとコミュニティづくりを両立する&tennaの仕組みを成功させるところから。ゆくゆくは新しく入る人の力を借りながら、地方にもこの仕組みを広めていきたい。
「&tennaは、地域と接することができる現場。まずは現場でコミュニティづくりを学ぶところから始めて、ここで得た経験をもとに地方のプロジェクトの先導役を担ってほしいです」
1年間の経験を積んだあとは、&tennaの運営を続けてもいいし、別の社員と同じようにリモートワークをしながらさまざまなプロジェクトに関わっていくこともできる。
&tennaは、どんな場所なんだろう。
&tennaのプロジェクトを統括している小林さんに話を聞く。
小林さんは、&tennaのほかにも、横浜と高輪ゲートウェイのプロジェクトを担当している。
「ぱっと見て、どんな施設かってわかりづらいですよね。まちの人に聞かれたら、『カフェとしてコーヒー1杯から楽しんでもらえる場所ですよ』とご案内しています」
カフェやコワーキングスペースとしての利用もできるし、レンタルスペースを活用してイベントをすることも。
小林さんたちが企画・運営するイベントも毎月1回ほど、開催されている。
「1月には、高円寺散歩というのを企画して。初詣のあとに、ここで甘酒を飲みながら、絵馬を書きました。絵馬を通じて、ふだんの自己紹介では出てこないその人のパーソナリティーが見えたりして面白かったですよ」
イベントを通じて、参加者2人が意気投合。そのあとランチに出掛けていったんだそう。
「本当に些細なことだけど、ちょっとした『つながり』とか『うれしい』が生まれていくのが好きで。ホームランは難しくても、そういう小さなバントをいくつも打っていきたいと思っています」
人と人がつながって、挨拶を交わす関係性になること。この場所をきっかけに、挑戦する一歩を踏み出すこと。一つひとつの積み重ねが、まちの魅力を高めることにつながっている。
「&tennaに来るお客さんは、年齢も国籍も、仕事も、訪れる目的もさまざま。いろんな人たちが思い思いに過ごせる、『公園』みたいな場所でありたいんです」
そんな出会いや心地よさをつくっていくのが、今回募集するスタッフの最初の1年目の役割。
接客や、カフェで提供するドリンクや料理の仕込み、施設の掃除など。地道な施設の運営業務のなかで、お客さんと会話をしながら関係性を築いていく。
慣れてきたら、&tennaを活用したイベントや、場所を盛り上げるための企画を考えていってほしい。興味があれば、カフェのメニュー開発などにも挑戦できる。
地域とのつながりを生み出しながらも、この場所を続けていくために売上を増やす仕組みづくりも必要になる。
まちづくりとビジネスの両方を同時に目指す難しさはあるけれど、ここでの経験はきっと将来の糧になると思う。
運営メンバーは、小林さんをはじめとした社員5人とアルバイト8人。新しく加わるスタッフはおよそ1年間、&tennaに勤務することになる。
チームメンバーとは、オンラインツールを使ったコミュニケーションや定期的な対面でのミーティングもあるから、相談しやすい環境だと思う。
以前は、アウトドアブランドや、NPO法人などさまざまな企業で働いてきた小林さん。まちづくりに興味を持つきっかけはなんだったんでしょう。
「学生のとき、日本が息苦しくて。早く出たいと思っていたんです。けど、大学1年生のときに青春18きっぷでいろんな地域を旅するなかで、日本って面白いんだ! とびっくりして」
なかでも印象に残っているのが、日本海に浮かぶ隠岐諸島。
「海の資源も豊かで、まちの人も面白いし、すごく素敵なまち。なのに地元の人たちが『うちのまちはもう死に絶えていくだけだ』って言っていたのが悲しかった」
「いつか、地域を良くするとか、地域の人が自分のまちに誇りを持てるようにすることを仕事にできたらいいのにと、ずっと思っていました。当時は、まちづくりが仕事になるなんて思っていなかったけど、今、仕事として関われているのは幸せだなと思います」
最後に話を聞いたのは、学生時代から&tennaでアルバイトをしていた山田さん。昨年4月に社員として入社した。
「&tennaのスタッフは、潤滑油みたいな存在ですね。先日は、カフェのカウンターに座っていたお客さん同士が、スタッフを介して話し始めて。いつのまにか3人で会話が盛り上がっていたんです」
「そういうのを見ると、『いいねえ』って思います」
山田さんはつながりを生み出すために、どんなことに気をつけているんでしょう。
「たとえば日々の挨拶とか、レジでのちょっとした声掛けとか。商品のやりとりだけじゃなくて、『どこから来たんですか』とか、一言聞いてみることからはじめていました」
ふらりとカフェに来た人と話が弾んで、シェアキッチンを借りてもらうことになったり。常連さんがお土産を買ってきてくれたり。
「場所があるだけでは交流は生まれない。スタッフがいるからこそ場が生きてきているんだなと感じます」
山田さんは、&tennaでの企画運営に加えて、別のプロジェクトを複数担当。新しく入る人も、1年後は山田さんのように、幅広くエリアマネジメントを手がけていくことになる。
今、担当しているのは大手町のオフィスビルでのにぎわいづくり。
ビルの管理組合から委託を受けて、ビル前の広場や屋上を使ったイベントを企画している。
「夏から秋にかけては、『日常では味わえない非日常体験の機会を提供する』というコンセプトで、ビルの屋上を開放してエクササイズプログラムをしました」
「ふだんは大手町と縁がない人たちがまちに来るきっかけにもなって。イベントとか情報発信をするなかで、人と人がつながったり、まちに来る人が増えたり、そういうコミュニティづくりの一面が見えるときがすごくうれしいです」
イベントの企画では、クライアントの要望を聞いたうえでコミュニティ形成につながる方法を考え、計画して実施。その後は、参加者からのアンケートをもとに改善していく。
細かなコミュニケーションや調整に加え、はじめてのことに対応していかなくてはいけない場面も多い。
「たとえば、イベントで景品を出すにしても、景品表示法という法律があって。ちゃんと法律違反にならないように調べないといけないんですよ」
「大変だけど、そういうことを知るのも楽しいし、すごく勉強になる。地道なコミュニケーションや作業の経験が、企画を考えるときや、イベント運営に活かされていると思っています」
好奇心を持って主体的に行動できる人が向いているんだろうな。
「自分の興味や関心に合わせて、やりたいことを挑戦しやすい環境だと思うので、いろんなことに興味があるとか、やってみたいという気持ちが強い人に来てもらえるとうれしいです」
イベントをきっかけに、まちに足を運ぶ人が増えること。人と人が知り合うこと。新しいことに挑戦してみること。
一つひとつの出来事は小さいけれど、その積み重ねが、まちをより良くすることにつながっている。
&tennaは、そんな実感を持ってまちづくりに向き合える場所。現場から得られるアイディアや知識は、きっとこれからのキャリアの財産になると思います。
(2025/02/06 取材 高井瞳)