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鳥取砂丘に代表される雄大な景観や、城下町としての歴史や文化が息づく鳥取県・鳥取市。
全国で最も人口が少なく、人口減少やそれに伴う人手不足といった社会課題にいち早く直面しています。
そんな社会課題に挑もうと、建設業界のDXに取り組むスタートアップがオフィスを構えたり、大手メーカーが地域交通の実証実験の舞台として選んだり。
ユニークで熱量のあるプレイヤーたちが集まってきているようです。

その機運をさらに高めていくために、ローカルディレクターを2名募集します。企業誘致と移住促進を、それぞれ担うことになります。
拠点になるのは、来年の4月にオープンする新たな交流施設「まちなかビジネス・コミュニティ拠点」。
2つの職種のベースは、情報発信。地域で暮らす人や、まちで挑戦する企業を取材し、記事や動画で発信します。加えて、人と人、人と企業をマッチングするようなイベントなども企画・運営してほしいです。
地域おこし協力隊の制度を活用するため、まずは3年間。市の職員や、企業誘致や移住促進のサポートをしているシビレ株式会社も伴走に入るので、これまでの経験は問いません。
将来は自分の地元に戻って、まちの課題解決に取り組みたい人や、自分の生き方・働き方を模索していきたい人など。思う存分に挑戦できて、学べる機会があるはずです。
鳥取空港に到着すると、出迎えてくれたのは名探偵コナンのキャラクターたち。
鳥取は、名探偵コナンの作者である青山剛昌さんのほかにも、ゲゲゲの鬼太郎の水木しげるさんといった、国民的漫画家のふるさとでもある。
バスで駅前まで移動して、まず向かったのは、鳥取市役所。

建物の中には、誰でも使用できるオープンスペースや、鳥取発祥の「すなば珈琲」のカフェ。FMラジオの放送局もあり、市役所というよりはまちの交流拠点のよう。
エレベーターで6階へ上がり、会議室に案内してもらう。
まずは、企業立地・支援課で課長を務める福山さんに話を聞く。企業誘致を担うディレクターにとっては、伴走してくれる存在だ。

「鳥取は、課題と地域資源、そして可能性にあふれているまちです。このまちを、人を元気にしていきたい。その一心で日々奔走しています」
県庁所在地のなかで唯一、駅前商業地の地価が35年連続で下がっている鳥取市。人口最少県でもあり、若者の流出や高齢化も深刻。言い換えると、日本で最も危機感が強いまちとも言える。
「毎年1000人ずつ人口が減っていて、このままでは近い将来、買い物や公共交通がままならない場所が出てくるかもしれない。そんな危機感から、官民が一体となって、未来のまちづくりをはじめています」
持続可能なまちを目指して、新たに策定したのが「鳥取市まちなかビジネス・コミュニティ再生プラン」。
50年ぶりに行われる鳥取駅前の再整備に合わせて、使われていない不動産を再活用。鳥取で働きたい、暮らしたい人を増やすための拠点づくりを進めている。
「長年まちに愛されていた『加藤紙店』という文房具屋さんが閉店して。その跡地を行政が借り受けて、新たな交流の拠点として再生する予定です」

既存の建物をリノベーションし、1階は誰でも利用できるコワーキングスペース、2階・3階は企業が入居できるシェアオフィスへと整備。
鳥取への進出を目指すスタートアップ企業など、すでにいくつかの入居も決まっている。
「大切にしたいのは、いろいろな立場の人が混ざる場所づくり。民間企業や、大学生、高校生、そして私たち行政の視点が混ざり、新しいアイデアやプロジェクトが生まれていく。そのための仕掛けも一緒に考えたいですね」
たとえば、地元の高校生が地域課題の解決策をプレゼンしたり、市役所の若手職員が集まってまちづくりのプランを検討したり。
新しく入る人も、この場所の活用方法を考えていってほしい。

福山さんはどんな人と一緒に働きたいですか。
「ぼくらがそうありたいんですけど、紳士的で変態的な方に来てほしいです」
紳士的で変態的?
「変な意味じゃないですよ(笑)紳士的はちゃんと礼儀があって、どんな相手にも敬意を払うこと。変態的は、常識にとらわれない型破りな視点のこと。このままじゃいけないって危機感があるので、新たなチャレンジを一緒にしていきたいです」
「いち早く課題に直面している鳥取だからこそ、取り組みがうまくいけば全国に展開できる可能性もある。ここで経験を積んで、ほかの地域で活躍してもらうのも大歓迎ですよ」
続いて話を聞いたのは、企業誘致や移住促進をサポートするシビレ株式会社の鈴木さん。

「OFF TOKYO」というビジョンを掲げて、東京にこだわらない生き方を発信してきたシビレ。
仙台、和歌山、熊本、新潟など、全国6ヶ所を拠点に、地域の生き方を紹介するメディアの企画運営や、地方自治体の移住促進のプロモーションなどを手がけてきた。
最近では、出版社や広告代理店で編集経験を積んだ人や、ゲーム会社でコンテンツ制作に携わってきた人など、個性豊かなメンバーが仲間入り。それぞれの専門性を活かしながら、これからのメディアのあり方を探っている。
経験豊富なメンバーと一緒に考えながら働ける経験は、個人の成長にもつながると思う。
「私たちは、人を通じて地域の魅力を届けることを大切にしていて。そのためにもまずは、地域の人と関係を築くところから。鳥取ならではの生き方や働き方、ビジネスチャンスを肌で感じて、全国へ届けてほしいです」

今回募集するローカルディレクターは、企業誘致と移住促進で1名ずつ。
担当は異なるものの、働き方のベースは同じ。
鳥取市の担当職員や、シビレ社内と連携しながら、何を発信するか、どんな人に取材をするか企画。
アポ取りから取材、編集までを担当し、完成したコンテンツは、シビレが運営するサイト「OFF TOKYO」に掲載していく。

企業誘致では、コンテンツの発信だけでなく、場づくりも重要。
シビレの拠点がある東京でイベントを開いたり、企業を集めて地域を視察するツアーを組んだり。企業が鳥取に拠点を構えるイメージが持てると良い。
すでに誘致の実績がある企業は10社ほど。
建設業界の人材不足をDXで解消するスタートアップや、鳥取砂丘が月面の環境に似ていることから、宇宙関連の実証実験をする企業など。多種多様な企業が集まってきている。

移住促進では、地域で活動する個人によりフォーカスを当てながら、鳥取で暮らしたいと思える生活の魅力発信をメインに行ってほしい。
たとえば、全国から若手の陶芸家が集まる「工芸の郷」や、地域全体で演劇に力を入れている「鳥の劇場」など。

そこでは子どもたちが演劇を通して学べる教育プログラムや、陶芸作家とつくった自分だけのお茶碗で食べる給食など、地域ごとに特色ある取り組みが生まれている。
加えて、中心市街地に天然温泉が沸き、車で10分走れば日本海や鳥取砂丘、緑豊かな山々といった自然環境にアクセスできるのも鳥取の魅力。
東京からは飛行機で1時間15分と遠すぎず、田舎すぎない。そのちょうど良さに惹かれて、二拠点生活を選ぶ人も増えている。

「自分の生き方を考えたい人にとって、仕事を通していろんな人の人生観を聞けるって、すごく贅沢な機会だと思うんです」
「話を聞くなかで、自分が本当にやりたいことが見つかれば、きっと実践してみたくなるはず。シビレの仕事だけでなく、自分で何かをはじめても良い。そうすればきっと、充実した3年間になるんじゃないかな」
市役所を後にして、まちなかを10分ほど歩くと、マーチングビルと呼ばれる建物に到着。
ここで話を聞いたのは、株式会社まるにわの齋藤さん。
新しい施設がオープンする来年の4月までは、齋藤さんが運営するマーチングビルが拠点になる。新しく入る人とも接点は多いと思う。

「鳥取出身で、鹿児島の大学でまちづくりを学んでいました。人口減少が進み、まちの財政が厳しい状況でも、民間主導の投資でエリアの価値を高められることを知って」
「人口が最も少ない鳥取なら、挑戦の余地があるんじゃないかと思って、鳥取銀行に入りました」
鳥取銀行の法人コンサルティング部門で働きながら、地域に開かれた交流拠点として、マーチングビルを立ち上げた。
「まちに主体的に関わるプレイヤーを増やしていくために、県外の関係人口づくりや、地域の使われていない不動産を活用した新事業創出などのお手伝いをしています」
たとえばと教えてくれたのが、今年で第5回を迎える「まちづくりワーケーションプログラム」。
鳥取に興味がある都市部の社会人や、県内の学生たちが集まり、鳥取のまちを視察。課題解決につながる事業を考える3ヶ月間の実践型プログラムだ。
そこで生まれたプロジェクトのひとつが、地域のコミュニティースペース「不真面目商店」。
空き家をDIYで改修し、学習塾やフリーマーケットなど、さまざまな活動ができる拠点として整備。現在は10名ほどの大学生が運営している。
朝にコーヒーを淹れはじめると、手作りの朝ご飯をふるまってくれる人が出てきたり、旅のお土産をみんなに配る大学生が出てきたり。
まちづくりの先進事例として、内閣部のホームページにも掲載されるほど、まちの人たちにとって憩いの場所になった。

「前日からご飯を準備して、学生たちに食べてもらうことを楽しみにしているおばあさんがいて。地域の人たちにとって、ここが生き甲斐にもなっているんです」
新しく入る人も、こうした事例を参考にしつつ、企業が投資する価値を見出してもらえるような取り組みを模索できれば良さそうだ。自分の関心がある領域が見つかったら、どんどん挑戦していけると思う。
「アイデアの企画実行には、ぼくたちもサポートに入ります。これまでも金属加工の会社がイタリアンレストランをはじめたり、エネルギー会社がホテル事業をはじめたり。企業の取り組みも活発なので、そんな人たちも紹介できたらと思っています」
齋藤さんは、どんな人が合っていると思いますか?
「そうですね…プライドがあまり高くなくて、みんなから可愛がられる人かな。仕事柄いろんな人と関わることになると思うので、誰に対しても尊重できて、適切にコミュニケーションがとれる人が良いと思います」
「目的は、新しい企業や人がやってきて、このまちが良くなること。そこがブレなければ、どんな挑戦でも、みんな応援してくれるはずですよ」
話を聞くなかで感じたのは、前向きな挑戦心。この挑戦に加わる仲間が増えたら、このまちはもっと良くなると思いました。
全国に先駆けて、さまざまな課題と向き合っている鳥取。少しでも興味が湧いたら、まずは気軽に話を聞いてみてください。
あなたの一歩が、このまちの未来を変えるかもしれません。
(2025/07/22 取材 櫻井上総)