企業や組織にいると、やりたいと思ったことがあっても、かたちにするのに時間がかかったり。前例踏襲の文化のせいで、新しい挑戦が難しかったり。
より良くしたいと言う気持ちが、萎んでしまうこともあると思います。
愛知県豊橋市にある「道の駅とよはし」は、たった5人のメンバーで大きな挑戦を次々とかたちにしている会社。
道の駅という枠組みをこえて、まち全体を盛り上げる取り組みをしています。
たとえば、農家さんの困りごとを解決するため、ポップコーン専門店をオープンしたり、地元の果物を使ったクラフトビールの商品開発をしたり。来年5月には、施設の隣にバーベキュー場を併設した公園を開業する予定。
まずやってみて、走りながら改善していく。そんな軽やかさのある集団です。

今回は、6人目となる企画・運営スタッフを募集します。
新しくオープンするバーベキュー場の企画運営を中心に、商品企画など幅広く担当します。店舗がいそがしいときは、レジ打ちや接客をすることも。
経験は問いません。新卒でも大丈夫。ゼロから企画や事業の育て方を学んでいける環境です。
いろんな人と関わりながら、ワクワクすることを形にしていきたい。新しい事業の立ち上げに携わりたい。そんな想いのある人に知ってもらいたい会社です。
愛知県の南東部に位置する豊橋市。新幹線に乗れば、東京からは1時間20分、名古屋からも20分とアクセスのいい地域。
豊橋駅前でバスに乗り、道の駅とよはしに向かう。
250台以上が停められる駐車場に、地元のJAが運営する直売所も隣接していて、平日にも関わらず観光客でにぎわっている。
中に入ると、木材を組み上げた空間が広がる。なかでも目立っているのが、道の駅とよはしの直営店「temiyo(てみよ)」。

豊橋の名産であるウズラの卵を肥料にしたサツマイモのチップスや、地元の果物を使ったクラフトビールなど、道の駅のオリジナル商品が並ぶ。
商品のデザインはどれも可愛らしく、手にとってみたくなるものばかり。

「豊橋の美味しいものを、まずは『食べてみよう』『試してみよう』と思ってもらえるようにつくったのが、『temiyo』なんです。農家さんにとっても、自分たちの農作物の新しい活用法を試す場になっているんですよ」
そう教えてくれたのは、副駅長の吉開(よしがい)さん。

「豊橋って、うずらの卵の生産量が全国一位だったり、全国有数のキャベツやトマトの生産地だったり。ブラックサンダー発祥の地でもあるんです。いろんな魅力があるけど、それが全然知られていなくて」
もっと多くの人に、豊橋の魅力を知ってもらいたい。そんな想いを込めて2019年に開業したのが、道の駅とよはし。
経営も順調で、オープン時から5年で売り上げは2倍の1億4000万円に。年間来場者数も220万人を超えるほどで、道の駅というよりも、もはや人気の観光施設のひとつとなっている。
「全国にはいろんな道の駅があるけど、うちはかなり攻めていると思っていて」
「面白そうと思ったことは、型に縛られずどんどんかたちにしていきたい。売り場も常に変化しているし、新しい事業がどんどん生まれています」
その一つが、来年5月にオープンする「backyard park(バックヤードパーク)」。
道の駅に隣接する5500平米の土地に、バーベキューや、犬の散歩、スケートボードができる公園をつくる予定だ。

「商品開発とか食の可能性を広げる取り組みを重ねるなかで、やっぱりそのままの野菜が1番おいしいことに気づいて。地元の食材をシンプルに伝える場をつくりたいと思ったんです」
旬の食材を使ったフェアを開催したり、農家さんとコラボしたメニューの開発をしたり。地元の生産者の顔が見えるイベントを展開していく。
ほかにも、野外映画祭など。食にとどまらず、公園を活用した企画も考えていきたい。
「普通の公園にはしたくないと思っていて。アイディア次第で、可能性は無限に広がる。一度つくったら終わりではなくて、変化しつづけるワクワクした場にしたいと思っています」

今は、5月の立ち上げに向けて、準備を進めている最中。新しく入る人は吉開さんと一緒に、バーベキュー場の設計、オペレーション、メニューの内容、イベント企画を考えていくことになる。
「地域の良さを伝えたいという想いが根底にあれば、どんなアイディアも歓迎です。待ちの姿勢じゃなくて『これやったら面白そうじゃないですか?!』って言ってくれるといいですね」
「あとは、企画以外のことも楽しんでもらえるとうれしいです。最初のころは、現場に出て野菜の下ごしらえをしたり、片付けをすることもある。僕は今、敷地に木を植えています(笑)」
企画から現場の運営、ときには植樹まで。頭と身体の両方を使って、場をつくっていく。
自分の仕事を限定せず、面白い場をつくりたい。そんな想いを持って、いろいろなことを楽しめる人が向いているんだろうな。

「新しい事業の立ち上げって、正解を自分で探してく感覚に近い。特に最初は、数字がうまく出るかもわからないし、失敗することもあると思うんです。でも、へこたれずに『どうやったらお客さん来てくれるかな』、『これやったら楽しいかも』って考えて、前向きに動ける人がいいですね」
「失敗しても責任は取るので挑戦してほしいです。なにより僕が一番失敗しているので、安心してどんどんチャレンジしてください」
新しく入る人は、まずはバーベキュー場の立ち上げをメインで進めながら、道の駅で販売する商品の開発や、運営にも関わることになる。
現在、中心メンバーとして商品企画などを手がけているのは、入社4年目の田中さん。
カフェ店員や公務員を経験後、道の駅に転職。明るくて、エネルギーに溢れる方。
「これ、私が開発した商品なんです」とアニメとコラボしたお菓子を紹介してくれる。

「『負けヒロインが多すぎる!』という豊橋を舞台にしたアニメがあって。この道の駅も作品の中に登場しているので、『聖地』として何か盛り上られないかと考えたのが、この豆菓子のシリーズなんです」
アニメに登場するヒロインのイメージカラーに合わせて色と味を表現。「初恋レモン」「青春ソーダ」など、商品名もアニメのヒロインらしい名前に工夫した。
さらに、お菓子を食べたあともシールを剥がしてコレクションしたくなるよう、ただの丸い形ではなく、キャラクターを縁取ったシールの形にもこだわった。

販売した商品はSNSで話題に。商品がきっかけとなり、豊橋に足を運んでくれる人も増えた。
「この会社は、私が熱量を持ってやりたいと言ったことに対して『いいねどんどんやろう』って応援してくれる。いい意味で、やりたい放題なんです(笑)」
「うまくいかないことがあっても、『やらないほうがよかった』って言うんじゃなくて、じゃあ次はどうしようか?って前向きに話をしてくれるから、挑戦しやすいし楽しい」
自分の意見を伝えて、より良いものをつくっていく。その姿勢は組織づくりでも同じこと。
これまでに田中さんの提案がきっかけで、社用スマホの導入や、パソコンの機種の変更など、社内のDX化を推進したり。休暇の在り方なども、メンバーの声を受けてみんなが働きやすい方向に変わっている。
「新卒のころから、長いものに巻かれるとか、上司の指示という理由だけで非効率なことに従わなくちゃいけない雰囲気が合わなくて。でもここでは、立場に関係なく自分が想いを持って伝えたことは、ちゃんと聞いてもらえる」
「意見を聞いて、より良く変えていける柔軟さがあるなって感じます」

田中さんは、どんな人と働きたいですか。
「些細なことでふざけてあって笑える環境なので、そういう雰囲気が好きな明るい人に来てもらえたら嬉しいです」
「もちろん、メリハリは大事で。全員で道の駅をつくっているので、誰かが困っているときに、自分は関係ないと思うんじゃなくて、『何かできることはないかな?』とか、『みんなで頑張ろう!』っていうマインドが持てるのは大事だと思います」
二人の話を優しい笑顔で見守っていたのは、駅長の白井さん。
「みんなずっと話しかけてくるんでね。勢いがあっていいなと思いますよ。弊社は、若い人の感性でいろんな仕事を引っ張ってる感じがすごくありますね」

かくいう白井さんの机の上には、田中さんたちが手づくりした写真立て。
道の駅が新聞に取り上げられた際のメンバーの写真が飾られている。
みんなから、慕われているんだろうな。
豊橋の出身で、JAの職員をしていた白井さん。道の駅に隣接する直売所から駅長として派遣され、定年退職後に道の駅とよはしに就職した。
「ほかのメンバーがどんどん走っていくから、僕はこぼれ落ちたものを拾う役割。気づいたら新商品ができていて、『明日から売ります!』なんてこともあるからね。一つ事業が増えると、それに付随して取引先とか在庫管理とかいろんな手続きが生まれるんです」
JA時代から長年生産者と関わってきた白井さん。人脈を活かし、道の駅での商品開発や新事業などにも貢献している。
ポップコーン専門店も、実は白井さんの人脈から始まったもの。
トウモロコシ農家さんから、夏の気温上昇などの問題でスイートコーンの一部が不作になっている課題を相談された。それを受けて、高温や乾燥に比較的強いポップコーン用のトウモロコシを育てるよう提案し、道の駅で販売することをに。

「情報を共有すると、みんなが形にしてくれる。ポップコーン屋さんをきっかけに、トウモロコシの収穫体験イベントもはじまって。いろんな人を巻き込みながら、事業が育っていくのを見るのは楽しいですよね」
新しく入る人も、自分の得意分野を活かしながらチームの役に立つ方法を探していってほしい。
「とにかく明るくて、元気な人が来てくれたら嬉しいですね。豊橋は、海も山もあって、気候もいいし、物価も安くて住みやすい。ちょっとケチだけど、人も優しいので、安心して来てほしいです」
お互いを尊重しあって、楽しく軽やかに働く。
自分の強みを伸ばしたい人、いろんなことに挑戦してみたい人にはピッタリの職場だと思います。
心惹かれるものがあれば、まずは道の駅の皆さんと話をするところからはじめてみてください。
(2025/04/03 取材、2025/10/17更新、 高井瞳 )


