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遊びを取り戻す場所が
森町にある
マウンテンバイクが走る森

子どもはのびのび。大人は子どもに戻ったように。

世代に関わらずみんなが夢中に遊べる。そんな場所を復活させようとしている人たちがいます。

舞台となるのは、静岡・森町(もりまち)にある複合施設「アクティ森」。

焼き物の体験工房から、コテージ・キャンプ場、地域の食材を使ったカフェレストラン、さらにはマウンテンバイクコースまで。さまざまなコンテンツが集まる施設です。

施設の運営を担うのが、静岡市を拠点にするCSA travel。今回は新たに施設の責任者となる人を募集します。

マネジメントや管理職の経験は問いません。必要なのは、お客さんに喜んでもらうために率先して動ける行動力。そして働く人たちを大切にする思いやりです。

ヤマハ発動機も絡んだ町の一大プロジェクト。面白い大人たちと、ともに働くチャンスがここにあります。

あわせて、施設のスタッフも募集します。

 

静岡県西部の山あいに位置する森町。

三方を山に囲まれ太田川が合間を縫うように流れる。戦国時代に城下町として整備され、自然と歴史が調和された様子から、遠州の小京都と呼ばれている。

新東名高速道路ができてからは交通の便も良く、静岡市からは車で1時間ほど。隣の掛川市からは車で20分ほどで到着する。

澄んだ空気が満ちる山のなかに、アクティ森がある。

この日は平日ということもあり、停まっている車は少ない。地元の人らしき人が、売店へ買い物にきたり、犬の散歩をしたりしている。

アクティ森は、もともと町の第三セクターが運営していた体験・交流型観光施設。

30年ほど前に開業し、年間約10万人が利用しているそう。ただ、近年は利用者数の減少や売上の低下が目立ってきた。

「開業当初に来たことがあるんです。陶芸体験をして、つくったものが家に届いたときのうれしさが印象に残っていますね」

そう話して迎えてくれたのが、CSA不動産の代表を務める小島さん。

CSA不動産は、静岡市を拠点に事業用不動産を通じたまちづくりを手がけてきた。人口減少が進む静岡市に、再び賑わいを取り戻したいという想いを持ち活動している。

そのなかで、不動産業だけでは足りないと感じ、CSA travelを設立。地域の賑わい創出に携わる事業も手掛けている。

静岡市の海沿いにある用宗(もちむね)は、2017年から施設の開発を始めてきたまち。

分散型宿泊施設「日本色(にほんいろ)」や、ジェラート屋「LA PALETTE 用宗本店」をきっかけに、今では自社運営・仲介施設を含めて40店舗近くがこのエリアでオープン。

さまざまなお店が並び、直営施設だけでも、年間およそ22万人が訪れるエリアに。

休日には多くの人がまち歩きに訪れる場所になっている。

「町は人が集まることで価値が上がる。定住人口よりは、まず交流人口をいかに増やすかを考えてきました」

森町の町長が用宗を視察に来た縁もあり、CSA不動産に森町からアクティ森に関する相談が。

そこでまずは1年間、アクティ森のコンサルティングとして関わり、その後、指定管理制度で運営を担うことになった。

「もともとは静岡市だけでまちの活性化を考えてきたんですが、アクティ森を通して、より広い視点で観光客やインバウンドを呼び込んでいきたいと考えるようになりました」

「指定管理を受ける前から、ヤマハ発動機さんがここでマウンテンバイク事業を進めていて。地元の大きな企業と一緒に仕事ができるというのも、決断する大きな要素になりましたね」

今後の予定は、新しい体制で4月にプレオープン。その後1年ほどかけて、施設の内装などのハード面だけではなく、マウンテンバイクや創作体験などのソフト面の体験コンテンツをリニューアルし。あわせて新たな過ごし方として、子どもが自由な発想で外遊びを楽しむことができるプレイパークのような場をつくる予定。

コンセプトは「野をあそぶ 森」。

アクティ森は、突出した自然資源がある、というわけではない。そのなかで、ヤマハ発動機とのご縁を活かし、マウンテンバイクの特徴である「ちょっと怖いけどやってみて、こけちゃって、ドキドキしながら少しずつコツを掴んで、通うたびに楽しさを感じて、気づけば同じような仲間が増えている」。

そんなあり方を施設のコンセプトに落とし込み、「野を残し、そこにできた余白を自分で楽しむ」「正解よりもワクワクした時間」「失敗こそ価値」といったあり方を体現した場にしていきたいそう。

 

具体的には、アクティ森にはどんな課題があり、どう解決していこうとしているのだろう。

指定管理を受ける前の2024年。コンサルティング業務として1年間関わっていたCSA不動産の赤澤さんに、当時の話を聞いてみる。

「現状の課題を明確にして、伸ばせるところを探すのが主な役割でした。ただ、課題をはっきりと運営側に提示するというのが、比率としては大きかったですね」

課題というと?

「これまでは、複数の団体でアクティ森を管理していたんです。ただ、全体を一体的に運営できればよりポテンシャルを発揮できるのではないか、と感じました」

組織構造的に、既存のメンバーだけでは解決するのが難しかった問題を、赤澤さんはコンサルタントの立場からはっきりと提起した。

また、町内では年間約85万人が訪れる小國神社に次いで、二番目の集客を誇る施設。

単なる観光施設ではなく、森町にとってメディア・商社のような存在で、地域のお土産物を扱う「よんな市」や、地域野菜を販売する「山里の市」、地域の工芸文化を伝える創作体験施設など。

地域の産業や人をつなぐ役割も担っている。

老朽化などの課題もあり、施設の存続自体が町内で議論・検討されたこともあったけれど、森町のプラットフォームとして再生し、残していきたいという展望を、町としても強く持っている。

新しく責任者となる人は、それぞれの現場管理やスタッフ管理、企画の考案・実施などを担当してほしい。

「変に試算表とかを見てもらうことは求めていないです。そのあたりは僕らでできるので。事務所にこもるより、現場に出て課題を見つけたり、スタッフとコミュニケーションをとったり。元気に引っ張ってくれる人だといいなと思います」

働いている人たちは、近隣に住む40代、50代の人が多く、アクティ森ができた30年ほど前から働き続けている人もいる。

働く人たちの人のよさには、赤澤さんも驚いたという。

「環境がそうさせているのかもしれないですが、アクティ森はGoogleの口コミ評価がかなり高い。その要因の一つが、接客。お客さまに褒めていただくことがすごく多いんです」

「素朴さみたいなところがみんな素敵で。たとえば、施設の手入れが丁寧。外回りの花壇もそうだし、あとはトイレ」

トイレ?

「外のトイレがとてもきれいなんです。そのうえ季節の花や枝も飾られていて。しかも園内で切ったんじゃなく、近所から持ってきたり、自分の家から持ってきたり。そうしてくださいってお願いしているわけでもないのに、みんなが自発的にしている」

「こういう文化って、オペレーションで決めても継続できないものなんです。そんな魅力を持った人たちがいる場所なのは、いいですよね」

働く人たちの施設への愛情や、訪れる人たちへのおもてなしの気持ちが、一つひとつの仕事にあらわれている。

「この強みは伸ばしていきたい。責任者の方に求めるのは、コミュニケーションをしっかりとること。情報共有はもちろん、気持ちよく働いてもらえるように、日々鼓舞してほしいですね」

そのためには施設の目的や将来像をしっかり共有し、「みんな頑張ろう」と言えることが大事。モチベーターのような面も必要そうだ。

「管理職の経験よりも、行動力とか話しやすさ、柔らかさみたいなところが大事なんじゃないかと感じていて。ときには厳しいこともちゃんと言って、『これをしたらすごく良くなるからやろうよ!』って、自分から動いてまわりを巻き込んでいく。そんなイメージかな」

 

「たとえば、小倉さんくらいエネルギッシュな人だといいですよね」

そう赤澤さんが話を振ったのが、ヤマハ発動機で新ビジネス開発部に所属している小倉さん。

ハキハキとしていて、笑顔が素敵な方だ。

「森町にはヤマハ発動機の電動アシスト自転車の工場が昔からあって。長くものづくりを続けてきた思い入れのある土地なんです」

副業として森町でも働いている小倉さん。実は社内でも有名な方。

というのも、趣味であるマウンテンバイクが昂じて、森町の森林組合の人と知り合ったのをきっかけに、森林の一部を活用したマウンテンバイクのコース「ミリオンペタルバイクパーク」を2022年に仲間たちと制作。

「ヤマハ発動機でも僕たちがつくったマウンテンバイクのクラブがあって。会社公認で趣味を副業にしているような感じですね」

アクティ森に新設されるマウンテンバイクパークも、小倉さんが監修している。

きっかけは、2022年の大雨でパークゴルフ場が水没し使えなくなってしまったこと。当時の責任者が小倉さんのもとを訪れ、マウンテンバイクのコースに使えないかという相談があった。

加えて2025年、ヤマハ発動機と森町が地域包括連携協定を結んだことで、新規事業開発の一プロジェクトとしてアクティ森に関わるように。

「ヤマハ発動機は電動アシストのマウンテンバイクもつくっているので、その普及も兼ねたフィールド創出事業の一環としてやることになりました。こうなると水を得た魚ですよね(笑)」

「今はプロジェクトメンバーと一緒に、初心者向けコースをつくっているところです」

森林面積の広い日本で、森のなかを走れる環境をしっかり整えたら、もっとマウンテンバイクを普及できるはず。

このプロジェクトはアクティ森の活性化とともに、マウンテンバイクの普及、さらには日本の森林の利活用というテーマも含んでいる。

「つくっているのは凹凸や傾斜のあるカーブがある『パンプトラック』と呼ばれるもので。これはタイムだけを競うんじゃなく、いかにかっこよく走るかを見る。たとえばペダルを一回も漕がず、ブレーキも使わずに一周するとかね」

「そういう課題をセットして、初心者の方にもチャレンジしてもらう。初段、二段、みたいにランクをもらう仕組みにすれば、通いたくなると思うんですよね。そんな仕組みづくりも今考えているところです」

小倉さん個人としてもインバウンド向けツアーを組み、近くのお寺で座禅体験をしたあとに山道をマウンテンバイクで走るなど、さまざまなことにチャレンジしている。

新しく入る人も、まずは小倉さんと一緒にマウンテンバイクコースを絡めた企画を考え、マウンテンバイクの集客から目指すのがいいかもしれない。

そこから、施設全体の利用客を増やしていくアイデアも生まれてくるはず。

また小倉さんは地域の人や地理にも詳しいので、さまざまな面で心強い存在になると思う。

「どうせやるなら面白いことをしたいし、来てくれる人に楽しんでもらいたいじゃないですか。一緒に地域の核になるような場を楽しくつくっていきたいですね」

 

花を飾り、施設を手入れし、訪れた人に声をかける。

アクティ森には、そうした小さな気配りを自然に続けてきた人たちがいます。

そこに、マウンテンバイクという新たなコンテンツを融合させ、アクティ森をさらに進化させていく。

その中心に立つ役割に興味が湧いたら、ぜひ話を聞きに来てください。

(2026/01/09 取材 稲本琢仙)

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