朝起きて、リビングの電気をつけると今日が起動していく。
仕事から帰ると、玄関の電球が灯っていて安心する。
夜、ベッドサイドの小さなランプで本を読む時間が好き。
私たちの暮らしに必要な明かりという存在。
色も形も明るさも、シーンによって選んでいます。
頻繁に買うわけじゃないからこそ「これだ!」と思えるものに出会いたい。
ニューライトポタリーの照明には、たしかな存在を感じます。

奈良にショップ兼オフィスを構え、一つひとつ手作業でつくられているプロダクト。
今回は、広報・ショップ運営スタッフを募集します。
美しい造形と光が生まれる場所で、ものづくりに携われるのは、大きなよろこびになるはずです。
京都駅から特急電車に乗り30分。
平城京を越えて、奈良駅に着く。
公園の周りには鹿たちの姿が。道路を歩いても、運転手は焦ることなく待っている。

まちも人も、どこか落ち着いている。
バスに乗り、高畑町へ。山に雲がかかっていて、なんだか幻想的に思う。
バス停から15分ほど坂をのぼると、ニューライトポタリーのショップ兼オフィスに辿り着く。
玄関には、ガラスのオブジェや品のいい盆栽が並ぶ。オブジェは、吹きガラスで溶け落ちてしまうかたまりを再利用したものだそう。

扉を開けると、洗練された空間に照明が吊るされている。ガラス越しにはファクトリーがつづく。
2階へ上がると、これまで手がけた50種類ほどの照明がきれいに並ぶ。見てみたかった照明がいくつもあり、この空間に来られてよかったと思う。どこを切り取っても、その美意識に目が奪われる。
偶然にも、この日はニューライトポタリーの創設記念日。11年前の3月、夫婦でブランドを立ち上げた。

代表の永冨さんは、朗らかに近況を話してくれる。撮影ではおどけてポーズを取ってくれるから、つられてこちらも笑ってしまう。
「大阪のおなじ照明メーカーに勤めていて、奈良に引っ越したのを機に創業しました。最初は照明計画とプロダクトの二本柱だったんです」
照明計画は、建築家やデザイナーと一緒に、建物の照明を決めていく仕事。既存のものを選ぶのもいいけれど、どこか面白みに欠けた。そこで、オリジナルのプロダクトをつくりはじめる。
「その場所に合わせた特別なものをつくると、やっぱりお客さんが喜んでくれて。ユーザー目線でありながら、僕たちが使いやすいプロダクトを目指してものづくりを始めました」

プロダクトのデザインは、永冨さんと奈良さんで進めている。初めてつくった「Bullet」は、ニューライトポタリーの原点だ。
鋳造した真鍮を削り出したペンダントライト。重量感と厚みがありながら、きわめてシンプル。
「『Bullet』は塗装やメッキをせずに素地のまま仕上げています。僕たちのプロダクトは、手仕事の跡が残っていて揺らぎがある。大手メーカーだと製品に均一性が求められるので、今の規模だからできることだと思います」

「構造も考え方もシンプルなほうが、手に取ってもらえる。熟考すると、どんどん手垢がついてしまうんだろうな」
素材を活かすため、つくるのがむずかしく扱いにくいことも。それでも、職人の技術に支えられ、妥協せずにものづくりをしてきた。
「大量生産をしたいとも、売れるものをつくろうとも思っていません。ひとつのものを納得がいくまで丁寧につくりたいんです」
ここ数年で、飲食店や宿泊施設、美容室だけでなく、一般のお客さんの購入も増えている。
「都内のインテリアショップにも卸していますが、Instagramを見て知ってもらうことがほとんど。だからこそ、広報スタッフにSNSを利用した発信や、今はできていない積極的な広報活動をお願いしたいなと思っています」
展示会は、日本各地にあるギャラリーでの展示販売と、奈良のショップでの企画展が中心。
「なるべく自分たちで全国を回るようにしています。これまでに、東京、山形、長野、沖縄に行きました」
「ショップでは去年、カケやワレが起きてしまった素材を鉢にして、盆栽を展示しました。新しく入る人には、イベントも一緒に企画してもらえたらうれしいですね」
12年目を迎えるにあたり、海外展開も見据えている。
「今年は6月にデンマークのデザインイベントに出展します。前回は和紙を使った『SOL』が好評だったので、今回は信楽焼の陶器でつくった『Capsule』を持っていくつもりです」

「だいぶ先になるだろうけど、ヨーロッパに拠点を持ちたい。10年でこの場所をつくれたので、次の目標です」
無理のない範囲で、長くつづけていきたい。じっくり共に歩む人を探している。
「新しいことを始めるのにもうちょっとスピード感がほしくて。どんどん挑戦してくれる人が1人いるだけで雰囲気が変わると思うので、主体的に動ける人に来てほしいです」
永冨さんと共に代表としてチームを束ねる奈良さん。照明が空間にもたらす役割を考えて、自分たちにしか生み出せない光を信じてきた。

「創業当初は、もちろん不安もありました。けれど、私たちのものづくりに共感してスタッフになってくれた人がいる。『部屋にもほしいんです』と買ってくれることもあって、すごくうれしい気持ちになります」
スタッフが働く今の場所は、1年前に引っ越したばかり。
「前のショールームは田んぼがすぐそばにあって、奈良らしいのどかな空気でした。ただ工場とは距離があり、少ない人数で行き来すると意思疎通がむずかしくて」
工場とショールームの併設を考えたとき、高畑町が浮かぶ。
「土日は遠方からお客さんが来ることも多く、このエリアなら奈良公園や春日大社も近くて、観光がてら来ていただけるなと。静かで、山に囲まれていて、鹿や鳥もやってくる。喧騒を離れて、気持ちが落ち着く場所なのも決め手でした」

スタッフは自転車か車通勤が多い。駅から工場まではゆるやかな上り坂がつづくので、電動自転車を会社から支給している。雨の日や猛暑日は、ちょっと大変かもしれない。
「奈良には、大阪みたいなガッツも、京都みたいな華やかさもないけれど、歴史が身近で、地に足がついた風土があります。去年、組立で入社した子は仏像やお寺が好きで移住しましたが、生活もしやすいみたい」
現在スタッフは8名。開発、出荷、受注、生産管理、ショップスタッフがそれぞれ1名ずつで、組立が3名。
「小さい会社なので、社会人としての心得を分かっているほうがその人の人生にとっていいと思っていて。担当業務は一から丁寧に教えるので安心してください。スタッフそれぞれの暮らしとか生き方を大切にしたいと思っています」
奈良さんが言うように、ニューライトポタリーのプロダクトに魅了されて入社した人がいる。3度の応募を経て、3年半前から働いている松阪さんだ。

「前のショールームに遊びに行ったとき、生まれ育った奈良にこんな場所があるんだ! ってカルチャーショックを受けたというか。そこからSNSやHPを調べて、インタビュー記事も穴が開くほど読んで。どんどん惹かれていきました」
1回目は事務のアルバイトスタッフに応募。家庭を持つ松阪さんに対して「アルバイトはだめだよ」と永冨さんと奈良さんは断る。
2回目は永冨さんが飼い始めた犬を「新しいメンバーが入ります」とSNSに投稿すると「まだ募集してますか?」と勘違いして連絡してしまう。
3回目でようやく、正社員のショップスタッフとして採用される。
「長年アパレルで販売員をやっていたので、これまでの経験を活かせると思いました。それに、人に勧めるものは、自分が好きなものでありたかった」

仕事内容は、お客さんの接客を中心に、展示会の準備や逼迫している業務を手伝うことも。
「平日は午後、土日は終日ショップがオープンしているので、来店対応をしています。オンラインでの接客サービスもショップスタッフの仕事。合間の時間で、工場にパーツを取りに行くこともありますよ」
SNS用の写真や動画の撮影は、松阪さんが担当している。パーツも、組み立てる工程も、すべてハンドメイド。けれど、完成したものだけを画面で見ると、手作業であることが伝わりにくい。
「写真や動画を撮るときは、ファクトリーや職人の作業風景にスポットを当てるようにしています。プロダクトの背景がわかれば、価格の価値や意味を知ってもらえるかなと。そんなことを意識しながら、新しい方に広報をお願いできればうれしいです」
さまざまな業務を担う松阪さん。働いて3年半、思い出に残っていることを聞いてみる。
「高畑町のオープンに携われたことですね。1年前に引っ越したんですが、ものを見る解像度が上がった気がします」
「僕から見ると全部同じに見えていた段ボールやケースも、品番ごとに管理されていて。それでもここが整理できてないなとわかったり、この在庫が少ないなと気づけたり。大変でしたけどいい経験になりました」
お客さんは、日本だけでなく、海外から訪れる人もいる。ここに来てよかったと思ってほしい。

「北海道からスタンド照明を見に来られたお客さんがいました。けれど、高額で奥さんもお店には来ておらず相談できなかったので、一度帰られて…」
「ただ、オンラインに在庫が常にある商品ではなかったから、購入を決めたときにないのは心苦しいなと。それに、すごく迷われているように感じたんです」
松阪さんはショップを出て、お客さんを追いかけた。「今すぐに決めなくていいけれど補足させてほしい」と伝える。
「そのあと戻ってきて、奥さんと話せたから今ここで注文したいと。お客さんの気持ちに最大限応えられたのかな、と心に残っています」
接客中、お客さんがよく口にする言葉がある。
「『ここで働けるなんてうらやましい』と言われます。現実は、少ない人数だからさまざまな業務をやっていかなきゃいけない。マルチに物事を進めていける人と働きたいし、どんなことにもポジティブであってほしいです」

「ここに来てから、デザインを好きになって、休日は美術館を巡るようになりました。永冨が好きなバイクにも興味が湧いて、ツーリングに出かけるようにもなって。僕の生き方そのものが変わったんです」
お客さんの笑顔も、スタッフの生活も。
ニューライトポタリーの照明がてらすのは、空間だけじゃない。
奈良の穏やかな空気のなかで、焦らずじっくりと、自分の在り方を見つけてください。
(2026/03/03 取材 久保泉)