散歩をしながら、道端で見つける「落とし物」がたまらなく好きです。
誰が?いつ?どうして?と、つい考えを巡らせてしまいます。
でも、実ははっきりしているのは、ものがただそこにあるということだけ。他のことは、なんにもわかりません。そのなんてことなさに、胸をかきむしられるような気持ちになります。
「社会学」とうたうタイトルですが、難しい分析や解釈のお話はありません。反対に「解釈できない、分析できない出来事」が集まっている本です。
わからないことに直面して、理解や解釈にとびつきがちな自分ではなくて、わからないをわからないとして受け入れる、そんな自分でいたいと、本を読み返すたびに思います。
田辺宏太/株式会社シゴトヒト