イベント

しごとバー
アートと福祉が
出会うから生まれる風景

さまざまな生き方、働き方を実践しているゲストとドリンクを飲みながら、一緒に会話するイベントです。どなたでもお気軽に参加ください。
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※このイベントは終了いたしました。

こんにちは。日本仕事百貨のナカムラケンタです。

「介護」や「ケア」にまつわる多彩なゲストをお招きし、話を聞く“ケアするしごとバー”。

最終回となる第5回は、高齢者福祉施設「デイサービス楽らく(以下、楽らく)」の施設長の武田奈都子(たけだ・なつこ)さんをお招きしてお話します。

この施設では、美術・音楽・演劇・ダンス・写真・文学等の活動をしているアーティストたちが、専用の個室に滞在。作品制作などを通して文化的な交流を重ねるプロジェクト「クロスプレイ東松山」に取り組んでいます。

提供:マガジンハウス〈こここ〉/撮影:加藤甫

アートと福祉。

この組み合わせは、今、社会に広がっている印象があります。ただ、どんな風景が現場に広がっているのかはまったく想像できませんでした。

武田さんはそんな自分の疑問に、次のように答えてくれました。

「職員は、目の前の人、今の状態や気持ちに集中するんです。でもインタビューやリサーチが得意なアーティストだと、利用者の一番よかった過去を引き出してくれる。だから職員が接するのとはまた別のかたちで、生き生きと話してくれるようなこともあるんですよ」

「たとえば、幻視だったり、幻聴だったりが現れる場合もあるんです。そういうとき『それはいないよ』とするのではなくて。一旦そこに乗っちゃう。そっか、そっか。見えているんだなって。実際には見えているんですよ」

「認知症のある方は、絵を描くと、一色だけで表現されたりすることもあって。家族はそれを見てギョッとする。『どうしたの? 葉っぱは緑ですよ』って、緑の色鉛筆を渡してしまう。でも、何か違うよ、と言われるよりも、これでいいと言われたほうが生きやすい」

提供:マガジンハウス〈こここ〉/撮影:加藤甫

アートというと、一般的にはどんなイメージがあるだろう。

美術館などで作品という「結果」を見る機会は多い。「過程」が見えないからこそ、アートは直感的で即興的なイメージを抱く人も多いかもしれない。無から作り出されたもの、センスが必要なもの、というように。

でもそうとは限らない。アーティストが作品をつくる「過程」に接してみると、見えていないけれども、たしかにそこにあるものも大切にしているように感じる。

まだ見えていないもの、感じられないもの、触れないもの。でもたしかにあるもの。

そういったものを形にするあり方が、福祉と相性がよいのかもしれない。アートや福祉を超えて、社会全体にも強く求められているものだと思う。

一人ひとりが見えていないものに関心を持つようになれば、世界はもっと良くなるのでは。そんなことを、ふと思いました。

みんなで武田さんの話を共有して、一緒にお話したいです。お待ちしています。

<現地参加をご希望される方へ>
⚫︎時間
20:00-22:00
※20:00-21:00 トークイベント
  21:00-22:00 アフタートーク(現地参加のみ)

⚫︎場所
リトルトーキョー 3F
135-0022 東京都江東区三好1-7-14 

⚫︎チケット
無料(ワンドリンク制)
Peatix上でご予約ください

※当日のお支払いは電子決済のみとなります
※なお、SNSを介して発生したトラブルなどの責任は負いかねますこと、あらかじめご了承ください。
※しごとバーでは、特定の思想や宗教、マルチ商法、情報商材の販売などに関わる方の参加はご遠慮いただいております。そのほか、セクハラ行為なども含めて、参加者に不快感を与える行為を目撃した方はお知らせください。
※当イベントは現地参加の場合、事前予約制を推奨しておりますが、当日の飛び込み参加も可能です。
※座席をご希望の方には、お早めにご来場いただくことをお勧めいたします。状況により立ち見となる場合もございますので、予めご了承ください。

「介護」や「ケア」と呼ばれる領域には、まだまだ知られていないユニークな場所や人、活動、創造的な取り組みや、科学的なアプローチが存在します。その領域のしごとや働き手は、人が“自分らしく”生きるために大切なことへのまなざしを多くもつ、と言えるのかもしれません。

身近に感じる人も、まだまだ遠いと考える人も、立ち寄ってゲストの話に耳をすませてみませんか?

武田 奈都子(たけだ・なつこ)
1978年生まれ。埼玉県出身。社会福祉士。(医)保順会常務理事。デイサービス楽らく施設長。玉川大学芸術学部、英国ラバンセンターにて舞踊を学ぶ。大学卒業後、パフォーマンスシアター水と油制作、フリーランスのアートマネージャー、フェスティバル/トーキョー実行委員会事務局を経て、2012年(医)保順会の理事就任。‘22年よりデイサービス楽らく施設長に就任し、「クロスプレイ東松山」を通して、福祉とアートが交わる場の創出・実践に取り組んでいる。
🔗デイサービス楽らく HP

中田 一会(なかた・かずえ)
マガジンハウス〈こここ〉編集長。1984年東京都生まれ。千葉県在住。武蔵野美術大学芸術文化学科卒業後、IT関連出版社、(株)ロフトワーク、(公財)東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京で各種事業を担当しつつ、広報PR職としても勤務。2018年に独立し、個人事務所〈きてん企画室〉を設立。多様な組織での経験を活かし、文化・デザイン・福祉領域のコミュニケーション活動に伴走。企画と編集をベースにした情報発信・記録設計が得意。2021年4月、ウェブマガジン〈こここ〉を創刊。「個と個で一緒にできること」を合言葉に、福祉をたずねるクリエイティブマガジンの編集長としても活動中。
🔗 福祉をたずねるウェブマガジン こここ

ナカムラケンタ (なかむら ・けんた)
1979年東京生まれ。「日本仕事百貨」を運営する株式会社シゴトヒト代表。心地のいい場所には「人」が欠かせないと思い、生きるように働く人の求人サイト「日本仕事百貨」を立ち上げる。グッドデザイン賞など、様々な審査委員を歴任。東京・虎ノ門に「リトルトーキョー」を2013年7月オープン。現在は東京・清澄白河に移転し、いろいろな生き方・働き方に出会える「しごとバー」を企画・運営。誰かの人生を変えた本を集めた小さな本屋「LIFE BOOKS & JOBS」、焚き火をかこむ合同企業説明会「かこむ仕事百貨」、生き方・ 働き方を伝える本のレーべル「シゴトヒト文庫」などを手がける。著書『生きるように働く(ミシマ社)』

日時
2025/02/13 20:00〜21:00(21:00-22:00アフタートーク)
会場
リトルトーキョー3F・YouTube Live
参加費
無料(ワンドリンク制)

※このイベントは終了いたしました。