イベント

4.29 Wed
しごとバー
人と服と産地ナイト

いろんな分野で活躍している方をゲストとしてお招きし、お酒を飲みながら、ゲストと一緒に会話するイベントです。気になるテーマやゲストがいたら、気軽に参加してください。
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※このイベントは終了いたしました。

僕らのいる清澄白河から2駅隣、月島にある古民家、セコリ荘にいるのが宮浦くん。

彼の仕事は、産地で出会ったテキスタイルや技術などを伝えること。

イギリスに留学しているときに知ったことは「日本は素材の国」ということだった。帰国して日本の産地を訪ね歩く中で、その素晴らしさとともに、続けていくことの難しさや課題などに気づくことになった。

自分も求人の取材などを通して、日本のものづくりの現場を訪れることがあります。そこで感じるのは、優れた製品をつくっているけれども「届いていない」、「繋がっていない」、「ニーズに応えていない」のではないかということ。

さらに最近、感じていることは、そういったものづくりの現場で廃業が増えていくのではないか、ということです。

60歳以上の経営者で、後継者がいない会社は100万社以上あるそうです。そしてその半分は黒字。

10年以内に事業承継しなくては失われてしまう技術だったものが、コロナウィルスによって一気に差し迫った課題になると思います。

「受注も少なくなったし、少し早いけど引退するか」という声が産地から聞こえてきそうです。

宮浦くんは1階にある「ごはんや今日」にもときどき遊びに来てくれました。

今夜はそのときのことを思い出しながら、産地でどんなことが起きているのか話を聞いてみたいと思います。

配信後記
今夜は休日ということもあってゆっくりとした会話でした。宮浦くんのこれまでのこと、最近の産地のことなどを話しました。

産地とデザイナーをつなげてきた次に起こるのは、両者がより近づいたり、統合されていくことなんじゃないかと思いました。

僕も「シゴトヒト文庫」という本をつくったことがありました。編集やデザイン、流通などは自分たちが担当しましたが、印刷製本は藤原印刷という会社にお願いしました。印刷の現場に立ち会ったときに面白かったのは、最後に色の調整ができたことです。もっと濃くしたい、という希望に対して、最後に現場で実現することができました。

ものづくりとデザインが近づくと、より創造的なことが起きると思います。

配信が終わったあとに話したのは、廃業するか悩んでいる会社があったら、一緒にBIZIONARYをやろう、ということになりました。BIZIONARYはその会社に興味のある参加者とともに数日間かけて事業承継・再生プランを考えて発表するというものです。学びの場ではなく、実践の場にしたいと思っています。

もしかしたら後継者が見つかるかもしれないし、新しい協働の形が生まれるかもしれない。創造的な承継・再生・協働が起きたら良いなと思います。

宮浦晋哉(みやうら・しんや)
1987年生まれ。株式会社糸編代表。 2012年より日本のものづくりの発展と創出を目指すキュレーション事業を開始。デザインと技術のマッチング、繊維産地の活性施策、コンテンツ制作などを行う。2017年より繊維・ファッション業界での人材育成を目指す「産地の学校」を開校。コロナショック後、半無人テキスタイルのショールーム、ウェブ工場見学、産地合同会議など実験中。

ナカムラ ケンタ(なかむら・けんた)
生きるように働く人の求人サイト「日本仕事百貨」代表。事業やスペース、コミュニケーションシゴトヒト文庫ディレクター、グッドデザイン賞審査員、IFFTインテリアライフスタイルリビングディレクターなど歴任。東京・清澄白河「リトルトーキョー」「しごとバー」監修。誰もが映画を上映できる仕組み「popcorn」共同代表。著書『生きるように働く(ミシマ社)』。2020年には事業承継プロジェクト「BIZIONARY」スタート。

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※しごとバーでは、特定の思想や宗教、マルチ商法、情報商材の販売などに関わる方の参加はご遠慮いただいております。そのほか、セクハラ行為なども含めて、参加者に不快感を与える行為を目撃した方はお知らせください。

日時
2020/04/29 20:00〜21:00
会場
YouTube Live
参加費
無料

※このイベントは終了いたしました。