
こんにちは。場の編集者の中野です。
全3回にわたってお送りする「使ったメスってどうなるの?再生処理のしごとバー」。
最終回のゲストは、西新井病院の手術室ではたらく西島歩(にしじま・あゆみ)さん。

第2回の酒井さんの越谷市立病院は年間3000件以上の手術を行う大きな病院でしたが、西新井病院はこれから手術件数を増やしていこうとしている中小規模の病院です。
日本の再生処理の現場はまだ整備が十分でないことも多く、小さな病院ではより一層工夫が必要です。
たとえば、手術後の医療器具の移動は、菌の感染を防ぐため一方通行が原則。しかし、小さな病院では十分なスペースが確保できないため、ルールや動線の確保を徹底する必要があります。
酒井さんは業界全体の仕組みづくりを進めているとすれば、西島さんは中小病院の現場改善に取り組み、発信をしている方。
今回は、小さな病院の中央材料室のしごとについて聞いていきたいと思います。

西島さんは大学を卒業後、看護師として、大病院の手術室に配属。そのときは医療機器を「使う」側、「洗浄してもらう」側でした。
その後、小さな病院へ移り、手術室と中央材料室の責任者として、再生処理に関わることになります。
内視鏡の検査などに携わるなかで、器材の洗浄の重要性を知り、勉強会や学会にも積極的に足を運ぶように。
しかし、そこで発表されているのは設備の整った大きな病院のことばかり。小さな病院ではどうにもならない事実を突きつけられたといいます。
「日本には中小規模の病院の数が多く、規模に問わず手術は行われています。そして、再生処理に求められる質は同じです。だからこそ中小規模の病院の看護師が取り組めることを発信していきたい」
西島さんは手術室、中央材料室の業務も行いながら、滅菌方法や新しい器具のテストをメーカーと一緒におこなったりととても忙しそう。そして、とても楽しそう。

小さな病院の声を届けたいという使命感を持つ西島さんに、現場の視点から、再生処理のしごとのやりがい、そして、その行動力とはたらき方についてもお話を聞いてみたいと思います。

<現地参加をご希望される方へ>
⚫︎時間
19:30-20:15
※20:15-21:00 アフタートーク(現地参加のみ)
⚫︎場所
リトルトーキョー 4F
135-0022 東京都江東区三好1-7-14
⚫︎チケット
無料(ワンドリンク制)
Peatix上でご予約ください
※当日のお支払いは電子決済のみとなります
※なお、SNSを介して発生したトラブルなどの責任は負いかねますこと、あらかじめご了承ください。
※しごとバーでは、特定の思想や宗教、マルチ商法、情報商材の販売などに関わる方の参加はご遠慮いただいております。そのほか、セクハラ行為なども含めて、参加者に不快感を与える行為を目撃した方はお知らせください。
※当イベントは現地参加の場合、事前予約制を推奨しておりますが、当日の飛び込み参加も可能です

手術で使った血のついたメスやハサミを、次の手術でも使えるように綺麗な状態にする「再生処理」。外科手術に使うメスやハサミ以外にも、歯医者やアイクリニックでもたくさんの医療機器が使われています。
再生処理は、感染症などから患者さんを守るとても重要な業務。
身近で大事なものだけどよく知らない、再生処理の現場を一緒に覗いてみませんか?

西島歩(にしじま・あゆみ)
2002年 慶應義塾看護短期大学卒業、看護師資格取得。同年 慶應義塾大学病院中央手術室に配属。2015年 都内の病院に転職し手術室・中央材料室の責任者。2018年 第2種滅菌技士を取得。2020年より東京北部病院の手術室・中央材料室師長。同年、第1種滅菌技師を取得。2024年 日本医療機器学会 第28回 病院サプライカンファでシンポジストをつとめる。日本医療機器学会 滅菌供給部門 評価事業サーベイヤー。2025年4月より現職。2025年 第100回 日本医療機器学会のランチョンセミナーおよびシンポジウムで講演。
中野悟史( なかの・さとし )
1994年生まれ。大学では、現地でのフィールドワークを通してマダガスカル経済を研究。経済の発展と共に失われる文化の存在に興味を持ち、卒業後は中川政七商店に入社。日本全国の工芸メーカーと関わる。シゴトヒトでは、イベント業務、リトルトーキョーの運営を担当。 映画が大好き。特技はカヌレづくり。