※このイベントは終了いたしました。
このイベントは、長野県・田舎暮らし「楽園信州」推進協議会が主催するイベントです。日本仕事百貨ではご紹介のみ行っています。本イベントに関するお問合せやご質問などは信州で暮らす働くフェア2025 運営事務局(ふるさと回帰支援センター 事業部)電話:03-6273-4401 Mail:event-info@furusatokaiki.net宛にお願いいたします。
「転職、引っ越し、育児、帰省、移住。環境を変えてみたい人は、気軽にやってきませんか?」
そう話すのは、フェアを担当する長野県庁のみなさん。
2025年7月12日、東京・有楽町にある東京交通会館で開催される「信州で暮らす働くフェア」の参加者を募集します。
長野県から50社の企業、50の市町村、そして25の関係団体が集う一日です。昨年度のフェアでは、転職を決めた人や、その後の移住相談に進んだ人もいます。
フェアの企画・運営を受託する、ふるさと回帰支援センターの石川さんと現地を訪ねました。
東京駅から長野駅までは新幹線で80分ほど。
朝8時。ホームに降りると、立ち食いそば屋さんが見えた。なめこそば、鹿肉そば、長野県栄村でとれた山菜入りのそばと、どれもおいしそう。駅構内の売店にはおやき、野沢菜、信州サーモン、ジンギスカン、信州牛、牛乳パン、ビールのよなよなエールなどが並ぶ。さらに、駅直結の商業ビルではさくらんぼやぶどう、ももが売られている。
長野はおいしいのだ。
駅前でレンタカーを借りて移動する。
商業施設が立ち並ぶ長野駅前を抜けると、個人商店が続く商店街がひらける。まちの電気屋さんから、ここ数年でオープンしたコーヒースタンドまで。その間を、中高生が自転車通学していく。
この日は、梅雨入り初日。しっかりと雨が降っていたけれど、ほっとする風景が広がる。
レンタカーで長野市内を抜けるまではいくらか渋滞もあったけれど、通勤電車の人波に揉まれるよりはずいぶん楽な印象。やがて須坂市に入り、辺りにぶどう、くり、梅などの果樹畑が広がりはじめると、車はスイスイ走り出した。
「やっぱり長野はいいな」と石川さん。
「東京から80分で、このまちなみに出会えます。おいしいものがいっぱいあるし、実は仕事もいろいろあるんですよ」
今年のフェアに出展する50社を長野県内から募集すると、定員を超える応募があった。結果として、県内のエリア、規模、業種が多岐にわたる企業が出展することに。
事業規模は数十人から1000人まで。業種は建設、教育、社会福祉法人、IT、サービス業、ローカルビジネス… もちろん職種も幅広い。
さらには移住者やUターンした人が多く働く企業、移住のネックとなりやすい住宅環境の整備に力を入れている企業、育児と両立しやすい企業などが集まっているとのこと。リストを見ると、日本仕事百貨での掲載がある企業も。
また長野県には77の市町村がある。これは、全国2位の基礎自治体数。県内に呼びかけると、多くの自治体が手を挙げ、50ブースの出展となった。
参加者とのいい出会いが生まれるよう、石川さんはブースのレイアウトを一生懸命考えているところ。
ここからは、今回のフェアに出展する2社を訪ねていく。
最初に向かったのは、高山村。
志賀高原ユネスコパークに認定されている自然豊かなこの地に、1000名以上がはたらく企業がある。
アスザックグループだ。アスザック株式会社とアスザックフーズ株式会社からなる異業種多角化企業で、1946年創業。
「晴れていると社屋から山が見えますが、雨は雨でいいものですね」
そういって迎えてくれたのは、東京から転職した兵庫さん。
「東京で働いていたときは、7時30分に家を出て、西武池袋線と山手線を乗り継いで9時出社でした。今は7時50分に家を出て、8時出社です。仕事は、できるだけ定時で切り上げています。残業しても1時間くらい」
「だから、家のキッチンから眺める空が明るいんです。自炊も増えましたね。おいしい野菜を手軽に買えるので」
兵庫さんは、青森県出身。工学部で学んだのち、システムエンジニアとして東京で就職した。退職して1年間ほど、大好きな山に登る生活を続けるうちに、素直な想いが募る。
「やっぱり山に近い環境で暮らしたい。できればマイカーも持ちたい」
そうして移住活動をはじめる。青森出身ということもあって、雪の見えるところがよかった。山梨県か長野県がよさそうだった。
北信、南信、中信、東信と大きく4つに分けられる長野県。南信はほとんど雪が降らず、高山村を含む北信はほどよく雪が降るという。
仕事については、できればシステムエンジニアを続けたかった。アスザックはファインセラミックス事業部、アルミ事業部、インフラエンジニアリング事業部、P&D事業部、そしてフーズという5つの事業からなる。いろいろな募集職種があり、移住者がはたらく割合も増えている。
兵庫さんは2023年5月に転職する。システムエンジニアという職種は同じでも、東京とははたらき方が変わった。
「前職では、顧客企業へ出向していました。今は社内にいて、各部署の人たちがふらり訪ねてきます。『システムを改善できないかな?』から『パソコンが壊れてしまって』という相談まで頼られる。仕事の幅は広がりました」
システムエンジニアとしてのキャリアはどうですか?地方にいながら、成長できるのでしょうか。
「自由度がある分、成長にもつながっている実感があります。たとえば、AIの活用。ぼくたちの部門に限らず、全社で導入できないかと考えています。営業職の方であればプレゼン資料の作成にAIを役立てることで、会社がもっと先に行けると思うんです」
個人の成長を支えるのは「東京か地方か」という選択以上に社風なのかもしれない。
「働く一人ひとりがゆたかな文化に触れ、本を読み、新しいことにチャレンジしていく社風です。以前からあったライブラリーは、2024年に新しくなりました。蔵書数が増え、より社員が利用しやすいようになりました。希望すると、読みたい本を購入してもらえます。個人の学びを大切にしているんですよ」
立ち入った話だけれど、お金についてもうかがってみる。
「東京に比べて年収は減りました。でも、手元に残るお金は変わらない印象です。家賃は社宅ということもあって、当時から80%以上ダウンしました。引っ越したときは貯金がほとんどありませんでしたが(笑)、車も買いました」
のびのび話す兵庫さんを見守る二人にも聞いてみる。人事チームの小林さんと久保さんは、ともに長野県出身。
木島平村出身の小林さんは、ずっと長野暮らし。
「東京も意外と近い。ふらっと行ける距離なんです。生活のベースはここにあって、ときどき日帰りや泊まりで東京へ行くのもちょうどいいです」
須坂市出身の久保さんは、東京でIT企業に勤めたのち、長野へ帰ってきた。
「メーカーと聞くと、製造職のイメージが強いかもしれません。でも、思っている以上にいろいろな仕事があります。どんな人もこれまでの経験を生かしてはたらける環境がきっとあります!」
続いて向かったのは、株式会社サンプロ。「信州のくらしをデザインする」をスローガンに掲げ、新築、リフォームをはじめ特殊建築や不動産事業などの住生活事業を手がけている。1996年創業ながら、本社の塩尻に加え、長野、上田、松本、伊那に拠点を構え、従業員数は200名を超える成長企業。
成長の源泉にあるのは「長野ではたらきたい人が、当たり前に長野ではたらけて自己実現できる土壌をつくりたい」という想い。そのため、近年では地域企業との積極的なコラボレーションも展開している。移住者も多く、全体の20%を超える。
今回訪ねたのは、長野市にある長野ショールーム。北信エリアの新築部門を統括する所さんが迎えてくれた。
出身は兵庫県神戸市。スノーボード好きが高じて20代で群馬を経て長野へ。28歳のとき、自身の結婚式をセルフプロデュースしたことから、ウェディングプランナーへ転向。長野市の外資系金融機関ではたらいたのち、38歳でサンプロへ仲間入り。
「家族と『我が家をどの会社で建てたい?』と話して名前が上がったのが、サンプロでした。そういう会社で働いてみたいと思って面接を受けて。面接時点で強く惹かれて、すぐに入社を決めました」
入社当時、建築に関する知識はゼロだった所さん。45歳の現在は、営業職でありながら自ら設計図も描くという。話を聞くと、研究者のような好奇心がうかがえる。
「“そもそも”を知るのが好きなんです。インストラクター、ウェディングプランナー、金融機関、住宅の営業… 職種は変わっても、学びを仕事に生かす姿勢は変わりません」
たとえばウェディングプランナー時代には、ヴァージンロードや白い手袋と一つひとつの意味や想いを乗せながらサービスにつなげてきた。
その姿勢については、サンプロ社員からも「所さんの真似はできない」といわれるそう。とはいえ、地方にいると、学びのインプットが限られるのでは?
「展示会などで新しい情報に触れる機会は、東京にかないません。でも、信州には自然があります」
ここで所さんが口にしたのは、オーギュスト・ロダンの「自然は至上の建築家である。自然の一切は最も美しい釣り合いを持って建てられている」という言葉。
「信州は“あとのび”する地域だと思うんです。歳を重ねていくことで感性が鈍るのではなく、たえず感性を磨き続けてくれる環境があります。山も、川も、水も。20代の頃はスノーボードという一面でしか見えていなかった自然から多くを学んでいます」
お気に入りの図書館で読書し、旅行にも出かける。
「そうして採集した“星”を、家づくりの企画書に込めていきます」
ありあわせの道具や材料を組み合わせて、自分の手で新しい価値を生み出す“ブリコラージュ”のような仕事ですね。
「まさに。長野は身の回りにあるものや、身近な人との協業から新しい価値を生み出す人が多いです。もともと持っていたけれど、抑えていた感性を最大限活かせるようになりましたね。そんなブリコラージュ的視点に着火してくれたのが、サンプロであり、信州なんです」
最後にフェアの主催である長野県庁のみなさんを訪ねた。左から、安達さん、福島さん、山田さん、そして髙崎さん。
去年のフェアには700人を超える参加者が集まったという。その盛り上がりを受けて、“オール信州”でフェアに取り組んでいる。聞けば、今年は知事もセミナーに登壇するのだとか!
最後に入庁4年目の二人から。
「長野は広いです。フェアの準備を通じて、わたし自身が長野を再発見・新発見しています。移住相談にはハードルを感じるかもしれませんが、遊びに来るように気軽にどうぞ。会場で会いましょう」と、長野市出身の安達さん。
髙崎さんは、自身が兵庫県からの移住者。
「ぼくは関西から長野に来ましたが、しあわせな生活を送っています。長野に移住して人生がさらに楽しくなる人は、きっとたくさんいると思います。ぜひフェアに足を運び、新たな生活の第一歩にしていただきたいです」
企業のみなさん、長野県庁、各自治体のみなさん、そして、ふるさと回帰支援センターのみなさん。
それぞれの熱が東京交通会館に集まる「信州で暮らす働くフェア」は、7月12日開催です。
よい一日をつかんでください。
(2025/6/11 取材 大越はじめ)
【イベント概要】
信州で暮らす働くフェア2025
・日時 2025年7月12日(土) 11:00~17:00(最終入場16:00)
・会場 東京交通会館12階 (東京都千代田区有楽町2-10-1)
・参加費 無料
・事前登録制(当日参加も可)
・入退場自由
※面接ではありませんので、ラフな格好でおこしください。
【申込方法】
下記ボタンよりお申し込みください。
【問い合わせ先】
信州で暮らす働くフェア2025 運営事務局
(ふるさと回帰支援センター 事業部)
電話:03-6273-4401
Mail:event-info@furusatokaiki.net
【その他】
よろしければ、去年の紹介記事もあわせてご覧ください。
・長野への第一歩 移住も教育も転職も 信州で暮らす、働くフェア
※このイベントは終了いたしました。