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デザインから搬入まで

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

隅から隅までこだわり抜いた、オーダーメイドのキッチン。一度でいいから見学させてください!と、思わず言ってしまいたくなるような、贅沢な空間です。

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ニシザキ工芸株式会社は、そんな空間のメインとなる、特注家具をつくっている会社。

バーカウンターや壁面収納、さらには床面に至るまで。構想段階から木工製作、塗装、取り付けまでを、一貫して手掛けています。

今回は、設計事務所や職人さんたちと一緒に特注家具をつくり上げる、プロダクトマネージャーを募集します。

洗練された一流の空間には、やはり一流の仕事がありました。

都心から少し離れ、緑も多くゆったりとした時間が流れる東京、深川。

江戸時代から木工で発展してきたこの街に、ニシザキ工芸はあります。

最近カフェエリアとしても注目されている清澄白河駅のほど近く、実は私たち「日本仕事百貨」のオフィスがあるリトルトーキョーからは、歩いてすぐのご近所さんなんです。

「生まれも育ちも深川で、子供のころから職人さんたちに囲まれていました。よく材木置き場で遊んでいましたよ」

そう話すのは、代表の西崎さん。

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大正時代から90年以上も続くニシザキ工芸は、西崎さんのおじいさまが始めた会社。いわゆる「江戸指物」と呼ばれる、飾り棚や長火鉢などの和家具からスタートし、婚礼家具をつくるようになりました。

「父親からこの会社を継いだとき、このまま従来のことをやっていても将来はないだろうな、と思ったんです」

家業を継いだのは25歳のとき。デパートの婚礼家具売り場は、時代の変化に合わせてスペースが小さくなっていました。

「ただ婚礼家具の市場は縮小しているものの、収納はなくならないわけです」

住宅向けの特注家具なら需要があるのではないか。

機械や製造のノウハウも、今までのものを活かすことができる。そうしてオーダーメイドに特化して家具をつくるようになっていきました。

空間に合わせた造作家具からオーダーキッチン、家具塗装、アンティークや文化財の修復まで幅広く手掛けています。

中でも塗装は、専門の自社工場を持っているだけあって、ニシザキにしか出せない色がある、と言われるまでの高い技術力なんだとか。

今回募集するプロダクトマネージャーのお二人にも話を伺います。

最初に話を聞いたのは中村さん。サッカーをやっていたという、たくましい体つきに反して、時折見える可愛らしい笑顔が印象的です。

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学校では建築を学んで、設計事務所で5年間働いていたそう。

「5年働けば、設計の免許が取れる年齢になるんですけど、この先どうしようかな、と思っていて。扱っていた物件が有料道路や大きなビルだったので、もっと小さな、コアなところに関わりたくなったんです」

「壁があって、床があって、と考えれば、家具も一つの小さな建築みたいなものなんですよね」

いわれてみれば小さな建築。おもしろいな。

具体的な仕事内容についても聞いてみます。

「まずは設計事務所や建築家の方などと、どんなものにしようか企画します。木工やガラス、金属類は外注しているのでそういった手配もやって。仕上がったものを現場にいつ取り付けるか、といった工程管理もしています」

基本的には、案件一つに対して、最初の構想段階から最後に設置するところまで一人で担当するそう。

実際にノミやカンナで家具をつくるわけではないけれど、様々なプロフェッショナルたちをつなぐディレクターのような「頭職人」なんだとか。

でも頭だけではなくて、できあがった家具をトラックに積み込んで、階段でせっせと運んだりと、結構ハードな仕事もあるみたい。

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「体力がないときついかもしれないですね(笑)」

「気に入ったから次もお願いね、って頼んでくれる方が多くて。自分から仕事をください!って飛び込むのは苦手なんです」

照れ笑いする中村さん。

特注品だからこそ、図面通りにはなかなか収まらなくて苦労することも多いといいます。

「できあがった家具をいざ持ち込んでみたら、部屋は広いんだけど設置する場所の天井が低くて立てられない(笑)少し離れた場所に吹き抜けがあったから、そっちで立てて引きずって、なんていうことはよくあります」

置くだけでいい量産型の家具とは違って、建築の仕上がり状況に応じて、どのタイミングで何を取り付けるかも重要になってくる。

「たとえば床に石を貼る場合には、どういうふうに施工されてくるか、工程を把握しておかないと納められないですし。家具だけではなくて、建築の基本的な流れがわかっていないと対応できないんですよね」

業者さんによっても工事現場の進め方はさまざま。どれだけ打ち解けて、みんなが気持ち良く力を発揮できる環境をつくれるか。そこが「プロダクトマネージャー」の力の見せどころになるというわけ。

「一番大変だったのは、去年担当した物件ですね。金額も量もすごくて、その建物の木という木は、ほとんどうちの塗装部で塗りました」

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さらに木だけでなく、ガラスや、金属、石、照明だったら電気関係。様々な職人さんたちと打ち合わせを重ねる。まるで小さなゼネコンと言われているんだそう。

「設計の人との打ち合わせは、一度に7時間くらいかかったりして(笑)ああでもない、こうでもない、ってね。4時間で終われば早いかな」

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次にお話を聞いたのは同じくプロダクトマネージャーの上野さん。今回募集する人は、中村さんか上野さん、まずはどちらかの下で働くことになります。

上野さんは新卒で入社し、15年目。学校では工業デザインの勉強をしていたそうです。

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「建築家であり家具デザイナーのチャールズイームズに衝撃を受けて。家具のデザインをやってみたいと志しました」

しかしインターネットが普及してきて、人と人とのコミュニケーションに興味が向いてきた上野さん。インテリアの勉強には今ひとつ身が入らなかったみたい。いざ就職するぞ、と思い立ったときに「地に足のついた仕事」がしたいと、家具が好きだったことを思い出します。

「ある日雑誌を眺めていたとき、総ステンレスのキッチンを見つけたんです。『ニシザキ工芸』っていうところは、こんなにかっこいいキッチンをつくっているのか、と思っていました。なんとその後、別の雑誌で目に止まった椅子にもニシザキ工芸と書いてあったんです!」

そんな運命的な出会いから、入社を決めたそう。

「入社当時は、いわゆる有名、著名な方ばかりをお客様にされているような住宅メーカーさんの、凝ったデザインの受注が多かったんです」

「大きな物件だと、はじめから最後までは一人でできないので、営業や製図、製作する人に分かれていて。12年ほど製作を担当していました」

今は企画段階から携わっていて、いかに工程の中でうまくやりくりするか、どうやったら家具がきれいに納まるか、などを考えながら進めていくんだとか。

「僕は他の人に比べてかなりきわどいことをやるんです。持つか持たないかギリギリの世界っていうのが大好きなんですよ(笑)天板を壁からにょきっと生やして、宙に浮いたようにみせたら、きっとかっこいいだろうなって考えたりして」

宙に浮く?!もちろん経験に基づいたプロの提案ではあるのだけれど、聞いているこちらもなんだかドキドキしてしまいます。

一体どういうことなんでしょう。

最近手がけた、美術大学の研修施設のベッドについて、楽しそうに話してくれました。

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「設計屋さんから、もっと太くしていいよ、って言われたんですけど(笑)学生さんだったら、ベットの上ではしゃぐよね、って考えながら、ギリギリのラインで攻めましたね」

確かに、こんなに洗練されていてスマートな二段ベッドは見たことがありません。

「見た目の軽やかさのことも考慮しましたが、実は予算も結構厳しかったのでなるべく材料費も抑えたかったんです。材料が少ないほうが運ぶのも施工も楽になりますし」

無駄が出ないよう、1枚のベニヤ板をどう割り付けていくか。パソコンの中で何度も試行錯誤をしたそう。

「繊細だけれど、それが成立したときの美しさってあるじゃないですか。ただ誰も求めていないなら僕のエゴなんだけど、それによって材料も金額も抑えられたらみんなが喜んでくれる。うまく行ったときは、たまらなく快感です(笑)」

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家具だけを専門的に考えている上野さんたちと、空間全体を見ている建築家やインテリアコーディネーターの方との打ち合わせは、様々なオーダーをかたちにしていく作業。

なかなか大変なことも多いそうです。

「四角いテーブルをつくってほしいという依頼だったので、ご提案したら『少し固いから、もう少し柔らかくしたいよね』と。角を丸くしてみたら『やっぱりテーブルいらないかな』って言われたりして(笑)」

建築家やデザイナーは一言で済んでしまうことでも、こちらはたくさんの段取りを重ねた結果だったりする。

「妥協を許さない姿勢には共感するし、もちろん尊敬もしている。でもこだわりとわがままは紙一重ですから、大変ですよね」

お互いの意見をうまくすり合わせて、どこまでとことん付き合っていけるか、重要になってきそうです。

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最後に、どんな人に来て欲しいか聞いてみました。

まずは上野さん。

「無垢で、まっさらな、柔軟な人がいいですね。簡単な図面を書いたり、職人さんと打ち合わせをしたり、はたまたある日は家具を運んだり、とマルチな仕事内容なので。やっぱり体力がないと厳しいかも」

経験者でなくても大丈夫なんでしょうか?

「経験はなくても、自分の頭で考えて行動できる人だったらまったく問題はありません。それから、出来上がったものに対して、うれしいっていう感覚を持ち続けられる人かな」

あくまでオーダーに対して忠実に、さらにそこからグレードアップさせた提案をしていく。

西崎さんも付け加えます。

「中村のお客さんは、上野が対応したら必ずしも合うとは限らない。最終的に仕事が納まれば、それぞれのスタイルを活かして自由にやってもらっていいと思います」

上野さんは没頭するタイプで夜遅くまで残ることがあるけれど、中村さんは6時には終わりにして遊びに出掛けるんだよ、と笑います。それぞれタイプが違うからこそ、様々なお客様のオーダーに、柔軟に対応できるのかもしれない。

とはいえ、まずは先輩の下について働くところから。気になる方はぜひ応募してみてください。きっと面白くて達成感のある仕事ですよ。

(2016/08/01 今井夕華)

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