※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
「ソファはソファ」というように、何事も決めつけていたら、ローソファ専門のブランド「HAREM(ハーレム)」は生まれていなかったかもしれません。
主軸になっているのが、ローソファ専門のブランド「HAREM」の企画からデザイン、販売までを一貫して行うこと。日本のこたつ文化にヒントを得て生まれた、床に座るようなソファです。
今回はここでWebサイトから商品づくりまでを担うデザイナー、システムエンジニア、そして販売スタッフを募集します。
ローソファを通して、床暮らしの心地よさを提案する。
ここでは、当たり前だと思っていることにとらわれず、柔軟に働いている人たちがいました。
新大阪から地下鉄に乗り換え、御堂筋線で北花田駅へ。
住宅街を15分ほど歩くと、HAREMの店舗が見えてくる。

岸宗さんは代表の息子さん。デザインの仕事をしていたお父さんが、独立して立ち上げたインテリアショップを手伝うところから、一緒に働いてきた。

「そしたら売上を上げなきゃ、ネットショップをもっとよくしなきゃって、どんどんビジネスが楽しくなってきて。コンスタントに売れていたローソファの専門店に切り替えて、今のかたちができてきました」

「やってみたら楽しくて。Web制作できますって名刺を配ってたら仕事が入ってくるようになったんです。そのうちにデザインの講師をさせてもらう機会もあったりして」
「最初はデザイナーになるとか、ローソファの世界を広げるとかって意識を持ってはじめたんじゃなくて。必死で生きていたら、いつのまにか自然とそうなっていた感じなんですよね」
そうやって育ててきたHAREMというブランドのイメージ。
日々意識していることは「競争しすぎないこと」だと教えてくれた。
「ほかのブランドを競争相手として意識した瞬間に、自分たちのブランドではなくて、競争することに目がいってしまうような気がして。床暮らしのライフスタイルっていう、価値観のオリジナリティを大切にするところは見失いたくないですよね」
ブランドの考えを伝えるためにも、床暮らしを体感してもらえるようなゲストハウスやテーマパークのような場所をつくることも話に出ているそうだ。

みなさんの考えのもとになっているのはなんなのか、もう少し聞いてみる。
「言葉にするのがむずかしいんですけど。個性を出しすぎて、人に嫌われたくないって思っちゃう。僕もそういうところがあるんですけどね。だからみんなと同じようにするんだけど、そうすると、どんどん人生が退屈になってくる」
「本当に内側から湧き出るなにか、俺にはこれがあれば幸せなんだって思うものはそれぞれ違うはずなんですよ。それに気がつくきかっけをつくりたいと思っているんですよね」
自分がどう感じるかはやってみないとわからないし、まわりと比べてばかりいたら、自分を見失ってしまうこともある。
岸宗さんは試行錯誤しながら、自分の幸せのものさしを見つけてきたのかもしれない。
それは、ローソファが生まれたのと同じこと。
日本人は畳に慣れているから、床に座るほうがなぜだかほっとすると思うし、みんなでこたつに入って鍋を囲むのはなんだかうれしい。
だからソファも床に座るような形があってもいい。
こんなふうに、柔軟に形にしていく会社なのかもしれない。
「僕らは今、インテリアというか、”床暮らし”という提案でしか届けることはできないけれど。でも自分のなかの、本当の幸せっていうのに気づくきっかけをつくりたいと思うんですよね。それはお客さんに対しても、一緒に働くスタッフにも」

任せたいのが、Webサイトのリニューアル。方向性は固まってきているものの、具体的なデザインは担当してくれる人の意見を聞いていきたい。
「芯になるところは僕がつくっていきます。もちろん商業デザインであることには違いないので、外してはいけない一定のラインっていうのはありますよ。でもやっぱりその人しか出せないデザインがあって、そういう世界観は大切にしたほうがおもしろいんじゃないかと思っているんです」
「せっかく個性的なメンバーが集まってるから、そこをうまく調和していったらおもしろいブランドがつくっていける。そういうもんだと思ってるんですよね。ボビーは特に個性的で、好きなサブカル系のデザインをやらせたら、僕はもう口出しできませんから」
ボビーと呼ばれているのが水嶋さん。
Webページのデザインをしつつ、ライティングの仕事をメインにしています。

水嶋さんが大学生になったのが、ちょうどSNSが流行りだしたころ。それまで秘密ノートに綴っていたことを、少しずつアウトプットするようにしてみた。
「そしたら知らん人から『いつも読んでます』って言われたり、アーティストから反応があったりして。やっぱりフィードバックも欲しかったんでしょうね。それがきっかけになって、音楽配信サイトでレビューを書くようになったんです。あれがいくつくらいやったかな…あれ。私今いくつです?(笑)」
「もう31になったで。サバ読もうとしたな(笑)」と岸宗さん。
会話のところどころにツッコミが入ってとてもにぎやか。普段もこんなやりとりが頻繁に繰り返されているそうだ。

身につけたWebの技術と、自分の好きな書く仕事。その両立をするために選んだのが、NORTH LAND DESIGNS.だった。
「最初はデザインやシステムをやるって入ったんですけど、書く仕事もめっちゃ任せてくれたんです。正社員ならへん?なるなる!って(笑)すごく風通しのいい環境なので、自分で考えて提案をしていくのが楽しいですね」

伝えるという役割に、求められるものは多いように感じる。
「そうなんですよ。想いが強い分、わかりにくくなってしまわないように気をつけています」
「私は、岸宗さんや代表の強い想いを持つつくり手と、商品の購入を検討する読み手のあいだにいないといけないと思っていて。ローソファのある生活をイメージしやすいよう、私自身の暮らしの延長線上にある言葉を使うことを意識しています」

「もちろんみんな真面目、仕事はちゃんとやります。でもみんなふざけているところがあるので、それが楽しめる人ですね(笑)」
隣で聞いていた喜島さんが、大きく頷いている。

デザインの経験はなかったそうですが、大変なことはありませんか。
「うーん。あんまり思いつかないんですよね。本当にのびのび楽しくさせてもらってます。頼まれるとすぐ『できるっす!』って言っちゃうので、後悔することもあるんですけど(笑)」
「楽しい反面、自分で最後までやりきらないといけないことが多いです。少ない人数でやっているから、自分の知識を振り絞って解決していきます。だからこそ、できたときはうれしいんですけど」
最後に紹介したいのが、大阪ショールームの店長を任せられている樋口さん。

けれど、今でも一人ひとりのお客さんを大切にして、一喜一憂する毎日。それくらい、人と接するのが好きなんだそう。
「ソファは日々使うものなので、お客さまもじっくり考えます。どんな風に暮らしているのか、お話してくだる方もいらっしゃるんですよ」
「だからご来店のお礼にメールをお送りするときにも、お客さまによってお話することは違ってきます。嬉しいお返事が返ってくると、本当によかったなって」
実は樋口さんは、自分自信の夢だったゲストハウスをつくるため、すでに準備を進めているところ。本格的に動きだすことになる年末には、この仕事をはなれることになるそうだ。
あたらしく販売スタッフとして働くことになる人は、樋口さんからお店のことを引き継いでもらいたい。どんな人がいいと思いますか。
「東京にも店舗ができましたが、まだまだ小さな会社です。接客の仕方や社内でのコミュニケーションも、自分たちで考えながらやっているんです。みんなが落ち着いて働けるように、大黒柱のようになってくれる人がいるとうれしいですね」

デザイナーもシステムエンジニアも、そして接客スタッフも。ここで働く人たちは、当たり前のことも決めつけず、柔軟に働いてるように感じました。
気になったら、まずはWebサイトを覗いてみてください。それぞれのページのなかに、みなさんの「らしさ」が潜んでいるのを発見できるかもしれません。
(2017/7/14 中嶋希実)