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つなぐソーシャル

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

ひとりで抱えていた悩みを、誰かに相談する。

すると、なんてことない一言で悩みが解消されたり、解決に至らなくても、話し終えたときには体がふわっと軽くなっていたり。

そんな経験をしたことはありませんか?

課題や悩みを共有することで、道が開ける。それはきっと、個人に限った話ではないと思います。

環境問題や社会的な課題、災害時の対策など。

ローカルからグローバルまで、さまざまな規模のソーシャルプロジェクトを展開し、異分野の人々をつなげることで価値を生み出している団体があります。

設立から19年目を迎えたNPO法人ビーグッドカフェです。

地球小屋_060 たとえば、毎年4月に開催される「アースデイ東京」で「1000人子ども食堂」という企画を実施したり、東日本大震災を機にこれからの防災について考える「防災フェス」を越谷レイクタウンで開催したり。

地方行政や教育機関、企業やNPOなど、立場の異なる人たちを巻き込みながら、ひとつのプロジェクトをまとめあげていく役割を果たしています。

今回募集するのは、これらのプロジェクトの企画・制作や当日運営、終了後の報告書作成まですべてを担当するプロジェクトディレクター。

19年かけて築いてきた縁やノウハウを基盤に、新たなプロジェクトの立案など、積極的に挑戦していける人を求めています。


東京・三軒茶屋のオフィスを訪ねると、待っていたのは少しコワモテなこの方。

代表のシキタ純さんです。

P1620163 緊張しながら席につくと、最初にこんな話からはじまった。

「今、ベランダでレモンとあんずを育てていて、とくにあんずは今年、たっぷり実がなっています。2週間ぐらい前まで咲いていた花が落ちると、ぐわっと実が大きくなるんです」

話してみると、自然体で話しやすい雰囲気の方だ。

そんなシキタさんがビーグッドカフェを立ち上げた1999年は、NPOの存在自体がまだまだ珍しかったころ。立ち上げの経緯は、あくまで自然な流れだったという。

「当時、獅子座流星群が話題になって。クリエイターの知り合いと八ヶ岳まで行き、毛布を敷いて空を眺めてたんです。でも、流れ星はあまり見えなくて。男3人で『これから環境問題どうなるのかな』『それぞれできることからはじめないとね』と話していたのが、その後ビーグッドカフェを立ち上げるきっかけになりました」

前職でファッションショーや音楽イベントの企画運営経験があったシキタさん。若者も上の世代も一緒に地球の問題を考えるイベントを考案した。

こうして原宿ではじまった「語り合うカフェ」は、エコや貧困、アートや食など多様なテーマで毎月開催され、多いときで400人が参加するイベントに。

「DJやVJのいるお祭りみたいなイベントで。昼から夜までやっているとお腹が空くから、そのうちオーガニックの食事を出すようになったり。その評判から、愛知万博で100席のレストラン運営を任されたり。いろいろな方とのつながりができましたね」

24 ご縁がつながっていくとともに、企業のCSR事業に対するコンサルティングや地方自治体のキャンペーンなど、請け負う仕事の幅も広がっていったそう。

「我々は狭い意味での専門家集団というわけではありません。ひとつの社会課題を深掘りするのではなく、信頼できる仲間の活動を後押ししたり、支援するのが得意なNPOだと思います」

たとえば、地方創生の担い手が一堂に会するフォーラム「SUPER VISIONS」は、行政や内閣府、地方のキーマンなどさまざまな人が参加し、お互いの知見を共有し合う場。

田舎でユニークなビジネスをはじめたい人もいれば、若者にどんどん来てほしい地域、それを応援する地域の信用金庫もある。

想いはあってもバラバラな人材や地域、組織をうまくつなげることで、地方創生を加速させていく狙いがあるという。

SUPER VISIONS あえてひとつの社会課題に絞らず、取り組みを拡大してきたビーグッドカフェ。扱うテーマも、時代に合わせて変化してきた。

最近多いのは、「環境教育」に関わる案件だそう。

「『使っていない部屋の電気は消そうね』『はい、分かりました』では、教育とは呼べませんよね。なぜ消さなければいけないのか、どうして環境に良くないのか、自分の頭で考えることが重要。知識として知っているか知らないか、という話ではないんです」

こうした問題意識から、今年の夏にはサイエンスを切り口に環境教育を考えるイベントや、世界9カ国から13〜16歳の子ども約50人を集めたエコサミットの開催も予定している。

「サミットに参加する子どもたちは、工場見学や干潟での生態調査を通じて、地球の現状について学びます。そして、自分たちに何ができるか、丸一日かけたワークショップとディスカッションを経て考える。最終日には、自分たちなりの宣言を発表するところまでもっていきます」

TTA1 今回募集する人は、まずこれらの環境教育プロジェクトから関わることになるという。

シキタさんはどんな方に来てほしいですか。

「前提として、社会課題に高い関心のある人を求めています。エコサミットに関して言えば、英語のできる方がいいですね」

「あとは、プロジェクト全般において求められるのがコーディネーション能力。企画段階のプレゼンから制作準備、当日運営や報告書の作成に至るまで、全部同じ人が行うというのがうちのスタイルです。社会人経験がないと、おそらく難しいと思いますね」


続いて話を聞いたのは、ビーグッドカフェで働いて3年目になる出町さん。

BtoBの部品メーカーに勤めたあと、学生時代から好きだった場づくりの仕事を志し、日本仕事百貨経由で入社した方。

P1620171 入社の半年後には、すでにひとりでプロジェクトを任されていたという。

「最初の1年は全部が勉強でしたね。新人のスタッフでも、予算やスケジュール、スタッフの管理まですべて任されるので。オールマイティーに回していくことを楽しめる人、現場でパッと判断できる人のほうが向いていると思います」

現在担当しているプロジェクトは2つ。

ひとつは、東京ビッグサイトで開かれる環境展示会「エコプロ」。環境やエネルギーにまつわる展示が並ぶなか、会場の一角でオーガニックの食品や衣服、雑貨などを販売する出店エリアの企画制作を担っている。

エコプロ出店エリア そしてもうひとつが、農業機械メーカーの株式会社クボタとともに毎年開催している3泊4日のサマーキャンプ「クボタ地球小屋」だ。

「Webサイトや子ども向け農業雑誌を通じて公募をかけるので、農業好きな子たちが全国各地から参加します。あれもしたいこれもしたいって、エネルギーがすごいんですよ」

4日間のなかには、田んぼに行き、とれたお米が精米されてどうお茶碗まで運ばれるかを知る日があったり、野菜の育て方を学んで実際に収穫する日があったり。

盛りだくさんなプログラムなので、その場をうまく進行させることに加えて、次の準備まで常に考えて動くことが求められるという。

「はじめて担当したときは不安でしたけど、外部から来てくれる講師の方々も協力的なので。ひとつのチームとして、良い雰囲気で終えられたときは安心しました」

地球小屋_071 今年で11年目を数える地球小屋。

出町さんは、11年間で蓄積してきたノウハウをもとに、この活動を各地に展開していきたいと話す。

「参加した子どもたちが、最初と最後で変わっていくのを感じるんです。それはやりがいでもありますし、意義を実感しているからこそ、もっと広めていきたくて」

ここで、パンフレットの一枚の写真を指差す出町さん。

P1640698 「彼女は10年前に参加した子で。そのときのことが印象に残っていて、最近大学生スタッフとして手伝いに戻ってきてくれたんです」

それはすごくうれしいですよね。

「そうですね。ほかにも、お兄ちゃんが参加してよかったからといって弟さんが参加してくれたり、『当時習ったことを今でも大切にしているんですよ』という声を親御さんから聞いたり。そういうことがあるたびに、このプロジェクトの歴史を感じます」

今でこそ、NPOの社会的な取り組みや企業のCSRに注目が集まっているけれど、これほど長く継続的に活動を続けてきた組織はほとんどないんじゃないか。

新たな分野に展開していくと同時に、一つひとつのプロジェクトの歴史をつなぎ、より深めていける人が求められている。


「惰性ではなく、目的を持って働けるのがいいですよね」

そう話を継いだのは、常任理事の堀田さん。ビーグッドカフェ全体の企画制作を総括している方だ。

P1620143 前職はイベント制作会社に勤めていて、20代のころは主にエンタメ業界のイベント、30代は企業のプレス発表などの企画制作をしていたという。

「クライアントさんのために仕事するのもいいんですけど、本当にこのまま年をとっていいのかと立ち止まったときに、もう少し別のやりがいを感じられるところで働きたいなと思って」

持続可能な社会を目指すビーグッドカフェの取り組みに共感し、入社したそう。

「社会に対してだけでなく、組織としても持続可能な形になっているんですよね。ビジネスとソーシャルを両立している点にも共感しました」

持続可能な社会をつくるためには、持続可能な組織づくり、仕組みづくりが必要。

最近では各プロジェクトの運営も安定してきて、イベント直前以外は定時に帰宅できることがほとんどだという。ただ、土日にイベントが入ることもあるため、振替で休日をとる必要はどうしても出てくる。

「プロジェクトにもよりますが、1年前から準備をはじめるものもあります。常に2、3件は抱えているような状態ですね」

東日本大震災以降、埼玉県の越谷レイクタウンを会場に毎年開催している「防災フェス」は、堀田さんがメインで担当するイベント。地域行政や自衛隊、消防や警察、一般企業などを巻き込み、2日間で数万人を動員するそうだ。

防災フェス 「事前の準備だけでなく、終わった後もつながる工夫が大切です。Facebookページをつくって、ことあるごとに情報を告知したり、参加者同士が知り合える場をつくったり。決して簡単じゃないですけど、つなげることは意識していますね」

もともと社会的な取り組みに関する知識や経験はなかったものの、かえって新鮮に吸収できたと話す堀田さん。

今後は海外にも事業を展開していきたいという。

「2011年の震災によって日本での開催ができなかったとき、高校生の国際交流キャンプの開催地をタイに移して実施しました。そこから年に一回は海外でのイベントをやっているので、その頻度をあげ、なおかつ持続可能な事業にしていきたいですね」

19年かけて培ったノウハウやつながりは、事業に安定感をもたらしているし、働く人の自信や誇りにもなっていると思います。

それでも、ビーグッドカフェのみなさんは現状にとどまることなく、時代とともに歩み続けます。

持続可能な社会の実現に向けて、あなたの力を活かしませんか。

(2017/8/21 中川晃輔)

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