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いいひと、いいタオル

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

わたしは小さいころ、うさぎ柄のタオルケットがお気に入りで、毎晩一緒に寝ていました。触っていると安心する。あの、やわらかな記憶。

クタクタになってからも、ずっと大切にしていたことを覚えています。

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生まれたばかりの赤ちゃんをくるむのもタオル。小学校のプールでは、スカートみたいなタオルの中で一生懸命着替えをしました。中学、高校では部活を頑張る姿のそばに。

一人で暮らすようになったときには、はじめて自分でバスタオルを買いました。たとえばこれから結婚したり、子供ができたり。折々で涙を拭うのもタオルかもしれません。

今回は、今治(いまばり)タオルの取扱店「伊織」で働くスタッフを、日本全国の店舗で募集します。

人の一生に寄り添い続ける、そんなタオルを届ける仕事。

お店で出会ったのは、また会いに行きたくなるような人たちでした。

東京、世田谷。田園都市線の二子玉川駅で降りると、まちや行き交う人の上品さに、つい背筋が伸びる。

家族連れでにぎわう「二子玉川ライズ」の一角に、タオルの取扱店「伊織」はありました。

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「明日も月一の店長会議で。東京には定期的に来ているんですよ」

そう話すのは、代表の村上さん。朝の飛行機で、愛媛の本社から駆けつけてくれました。

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爽やかな笑顔が素敵です。さっそく店内を案内してくれました。

「定番商品を中心に揃えてあって、厚手でふかふかなもの、薄くてすぐに乾くもの、デザインにこだわったものなど、『タオル』といっても色々あります。たとえばこれは、ただのボーダーではなくて、縞によって織り方を変えてあって。いろんな風合いが楽しめるんですよ」

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今治タオルの特徴は、なんといっても吸水性。厳しい品質検査をクリアした商品だけが、共通のブランドマークを付けることができるそう。いいタオルの証なんですね。

8年前に生まれた「伊織」は、村上さんが地元愛媛の大学で同級生だった大藪さんに誘われ、一緒につくった「株式会社エイトワン」の核となっているブランド。

道後温泉にホテルをつくるところから始まったエイトワンは、「使う」「食べる」「旅する」の視点で、現在12のさまざまな事業を展開しています。

伊織が始まるきっかけになったのは、ホテルに来たお客さんの「今治タオルはないの?」という声でした。

日本一のタオル産地である今治から、道後温泉のある松山までは車で一時間ほどの距離で、ちょうど今治タオルが国の事業の一つとしてブランディングされはじめたころ。

「『なんで愛媛の県庁所在地で買えないの?』って、確かにそうなんです。じゃあ自分たちでやってみようか、と『伊織』をつくりました」

「お客さまの声に応えたいという、単純な発想でしたね。正直最初は、日本のものづくりを世界に!とか、大げさなことは考えていませんでした(笑)」

ただただ目の前にいる人を喜ばせたい。

ホテルで好評となった伊織のタオルは本格的な事業となっていき、今治タオルを取り扱う「タオル専門店」として、現在全国で24店舗を展開しています。

「今治タオル自体の知名度が上がってきたので、これからは『今治だから』ではなく『伊織だから』と思ってもらえるようになりたいですね」

そこで大切になってくるのは、「人」「接客」だといいます。

鍵を握っているのは、統括マネージャーの神八(かみはち)さん。日本中の店舗を回って、全体のサポートをするのが仕事です。

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スタッフの様子や店舗、商品の様子を見ながら調整をしたり。お店に立って接客をする日もあります。

「今日東京に来るまでは、名古屋にいて。その前は愛媛、大阪、福岡…と。一人転勤族なんです(笑)」

1日だけの場所もあれば、4〜5日滞在する場所もある。転々とした生活、ちょっと大変そうです。

「高齢なので体力的にはつらいんですけど(笑)。行けばスタッフがいつも笑顔で迎えてくれるので、すっと起き上がれて。はやく会いに行きたいって思えるんです」

「みんな優しくて本当に人がいい。わたしの自慢のスタッフです」

神八さんは、まるで家族を想うように、できるだけ小さな変化も見逃さないように気を配っています。

気になるときには直接会って、それが難しいときには、なるべく電話で話したりメールをしたり。なんだか元気がなかったときや、大変そうなときには「大丈夫?」と声をかける。

「やっぱりみんな、自分のことをちゃんと見ていてほしい、って思っているはずなんですよね」

「わざわざ電話やメールするほどのことでもないと思っていることでも、ちょっとずつ溜まっていくと大きくなってしまう。その手前で解決したいんです。分かち合えると、解決できたときの喜びもその分大きくなるんですよ」

店頭での接客についても聞いてみます。

「ただ販売する、というのではなくて。タオルの向こう側にある物語を伝える、伝道師のような仕事だと思っているんです」

伝道師、ですか。

「まずコットンの種をまいて、育てて収穫して、それを糸にして織物にして、ようやくタオルになる。たくさんの人の手のぬくもりと想いが込められて、やっとここまで来た子たちなんです」

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聞けば、タオル1枚をつくるのになんと100人の手が触れているといわれているんだそう。さまざまな労力がかかっているんですね。

「コットンってまさに自然の産物で。コットンボールがはじけて地面に落ちたときに、種に傷がつかないよう、全力で守っている部分なんです。自分たちが種を守るぞ、っていう思いやりの塊なんですよね」

「だからこんなに人の心を癒す力があるんだろうなって、勝手に思ってるんですけど(笑)タオルを触っているとなぜか落ち着くのは、大地のエネルギーが伝わっているから、というか。人間はやっぱり、自然から離れては生きていけない存在なんですよ」

タオルを触っているときのあの安心感は、自然に触れているから、なのかもしれない。幼少期にお気に入りだったタオルケットのことを思い出して、なんだかあたたかい気持ちになった。

次に話を伺ったのは、3年半前に入社した二子玉川店店長の三林(みつばやし)さん。

カメラを向けると「えー、恥ずかしいです」と照れ笑い。

神八さん曰く、伊織の笑顔ナンバーワンです。

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前職では、大きなテーマパークでお土産の販売をしていたそう。

「もともと好きな場所だったので、勤めてみたら楽しくて、合計で15年働いていました。だけどもう十分経験したから次のことをやろうと思って」

求人誌をパッと開いて、最初に目に付いたという理由から伊織に応募。働くまで、タオルにはあまり興味がなかったといいます。

「今治タオルがいいタオルだ、ということは知っていたので、携われたら楽しいんだろうな、とは思ったんですけど。商品名はもちろん、無撚糸(むねんし)とか、スーピマ綿とか、専門用語もいちから覚えないといけなかったので、最初は大変でした」

「新しいスタッフが入ってくるたびに、私もこんな感じだったから、不安にならなくても大丈夫だよって伝えています」

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二子玉川店は、お散歩で訪れる人も多いそう。

よく会いに来てくれるお客さんのことを、楽しそうに話してくれました。

「元自衛官のおじいちゃんで、70歳を過ぎているのにすごく身体が大きいんです。物騒だからといって、晴れの日も傘を持ち歩いていて(笑)」

「常に元気で、毎回時事ネタを持ってきてくれるんです。半導体が、宇宙が、って話題が尽きなくて、来ると1時間くらい話していくんですよ」

途中で他のお客さんが来たのを察すると、「ごめんねー」といってトイレに行き、また戻ってきて続きが始まるんだとか。

ベビー用品が充実しているのも二子玉川店の特徴で、身長を測れるバスタオルは、かなりの人気商品。出産祝いなどの贈り物にもぴったりです。

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本社の商品開発部が中心となって新しい商品をつくっていますが、ときには販売スタッフの意見を取り入れることも。

「最初、この木の実が描かれているところは蜘蛛だったんですけど、蜘蛛が嫌いな子もいるよね、っていう意見が出たり。最初は渋い緑色だった背景も明るくしたりして、だんだんと今のデザインになっていきました」

「見る人によっては『なんでライオンが飛んでるの?』とかっていうんですけど(笑)発色もきれいでかわいくて。ちゃんと水も吸うし、品切れになることも多い商品です」

最後に、どんな人に来てもらいたいかを神八さんに聞いてみました。

「素直で誠実で協調性がある人。お客さまを想って動ける人ですね」

お客さまを想って動ける人、とは一体どういうことなのでしょうか。

「ここの店舗で接客をしていたときに、腰の曲がったおばあちゃんが朝から出産祝いを買いに来てくださったんですけど。『何かあったらここに来ればいいから困らないの。ここで買い物をするのがすごく楽しくてね』といって、何回も来てくださっている様子だったんです」

聞けば、おばあちゃんが二子玉川店に通うようになったきっかけは、娘さんと一緒にコレド室町店に行ったときのことでした。

そのときも贈り物を購入したおばあちゃん。配送伝票の住所を見たスタッフが、近くにあったこの店舗をご案内したそう。

「ここまで来なくても、近くにあったのね」といって、それから何度も足を運んでくれるようになったとか。

「スタッフは『お客さまにとってなにが最適か』っていうのを瞬時に判断して、ご案内してくれたんですよね。あるスタッフが繋いでくれたご縁を、ほかの店舗のスタッフも大切にしてくれていることが、とても嬉しかったですね」

目の前にいる人を、ただただ喜ばせたいという純粋な気持ち。

それがホテルから始まったこの会社のいちばんのポイントだと思う。

経験はなくても大丈夫。タオルの知識は、働いているうちにだんだんと覚えられるはずです。

気になったら、お近くの店舗に行ってみてください。

また会いに行きたくなるようなスタッフが迎えてくれるはずです。

(2017/8/23 今井夕華)

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