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「ちゃんと心に落ちるまで付き合っていこうと思って。効率は悪いかもしれないけど、やっぱり自分のしたことで喜んでもらえたほうがうれしいんです」取材中に出てきたこの言葉が、howzlife(ハウズライフ)のあり方を示しているように感じました。
howzlifeは、中古物件探しからリノベーションまでをワンストップで手掛ける会社です。
今回募集するのは、リノベーションデザイナーとして働く人。
実務経験はあるに越したことはないけれど、お客さんの希望や考えを汲み取りながら形にしていくコミュニケーション力のほうが大切になってくると思います。
もっと手触りのある仕事がしたい、人の人生に直接関わるようなデザインの仕事をしたいと感じる人にぜひ知ってほしい仕事です。
恵比寿駅からhowzlifeまでは歩いて5分ほど。建物の1階はショールームとブックカフェ、2階は打ち合わせスペース兼オフィスになっている。
扉を開け、緑が多く配置された店内で、ほっと一息つく。
なんだか不動産を扱うお店とは思えないような、くつろげる空間。
はじめにお話を伺ったのは、物件探しを担当する田中さんです。
「howzlifeがはじまって今年で3年目になりますが、大切にしていることは創業当初から大きく変わっていないんです。お客さんにとことん付き合うこと。今はそれをさらに深堀りして、“深化”してきている気がします」
深化、ですか。
「そうです。このブックカフェを運営しているのも、リノベーションを考えている人や、そうでない人も、気軽に話を聞けるような空間をつくりたかったからなんです」
ほかにも、進行中のプロジェクトの解体現場見学会を実施したり、リノベーションの疑問にざっくばらんに答えるリノベ講習を開催したり。お客さんとリノベーションとの間の垣根を取り払うような工夫を続けてきた。
「不動産屋さんって、大きな不動産を買ってもらうこともあるわけだから、普通は一定の距離を保って付き合うような存在かもしれません。ここだと、その距離がつめられているように感じるんです」
「不動産は、どこのお店でも同じ建物、同じ部屋が買えてしまう。だからこそ、僕らはその先を提案できなきゃ意味がないわけですよね」
そう思ってはじめたのが、お客さんが一番求めていることに応えていく現在のスタイル。
たとえば、物件を紹介するときのこと。
「一緒に物件をまわってみると、眺望が素晴らしいとか、横に大きな公園があって都内とは思えないような場所があるとか、そういうことで物件に惚れちゃう人もいるんです。何件かまわっていると、その人の好みや要望がだんだん見えてきます」
求めるものの輪郭がはっきりしてきたら、当初の要望とは少し外れている物件もあえてご紹介する。選択肢を多く提示することで、相手が気づいていなかった想いを発見することにもつながるからだ。
実は、もともとITベンチャーで働いていた田中さん。独学でリフォームの勉強をして、案内している最中から希望のイメージを実現できるのか、伝えられるようにもしているそう。
「壁が抜けるとか天井が上がるとか、そういうことはその場で知れたらうれしいですよね。僕自身この業界に入るのが遅かったからこそ、お客さんの立場でうれしいと感じることはなんでもやりたいし、今までなかったようなサービスにしていきたいんです」
お客さんに寄り添う姿勢を貫き、業績も順調に伸ばしてきたhowzlife。
だけど最近になって、田中さんは住まいのデザインに流行り廃りがあれど、どれも同じようなデザインが増えてきていると感じているそう。
「だからこそ、『何が流行してもやっぱりhowzlifeはかっこいいものをつくるよね』と言ってもらえるように、求められるものの半歩先を自分たちで提案できるようなりたいんです」
とはいえ、howzlifeらしいデザインとは何なのか。田中さんにはそれがまだはっきりと見えていない。
今後は自分たちなりに考えたデザインを、モデルルームとして表現していく予定だという。その中で、今回新しく入る人にもデザインを通して「howzlifeらしさ」を模索し、一緒につくりあげていってほしい。
「彼女がつくると、『やっぱり違うね』と言われるようなものができている気がするんです」と紹介してもらったのが、チーフデザイナーの黒田さんです。
大学では建築を専攻し、意匠建築を学んでいたそう。
「この敷地に対してどういうコミュニティをつくるとか、建物を基点にまちづくりをしていくとか。そういう壮大なスケールで考えるような設計ばかりをしていました」
みんなで討論しあうことは楽しかったし、建築事務所で働きたいと思ったこともあるという黒田さん。
ではなぜ、howzlifeを選んだのでしょうか。
「何もないところから何かを生み出すというのは、とてもしんどくて。リノベーションって絶対にいじれない部分とか制約があるなかでの設計なんです。私にはそれが逆に魅力的だったんですよね」
「それに建築事務所で誰かのアシスタントとして働いても、学ぶことはたくさんあるだろうけど、芽が出るのは何年後、もしかしたら出ないかもしれない。それなら会社に入って独り立ちできるような力をつけようと思いました」
文字通り“独り立ち”できるくらい、howzlifeのデザイナーの仕事は幅広い。
お客さんの話を聞くところからはじまり、実際に物件を訪れ採寸をし、図面を起こす。もちろんかかる費用の見積もりも。
着工後も、現場とお客さんをつなぐ窓口として何度か現場にも顔を出しながら、急な金額やプランの変更にも柔軟に対応するそう。
お客さんはフルリノベーションの評判を聞きつけたファミリー層やご夫婦が中心。その約8割がマンションのリノベーションだ。
「経験を積めばそこまで想定外のことは起こりませんが、スペースが限られているからこその難しさもあります。いかに自分の頭のなかにあるものをお客さんにわかってもらうか、お客さんの考えを引き出していくかという作業が必要になりますね」
黒田さんは、どんなふうにお客さんと会話しているんですか。
「私は、要望ももちろん聞くんだけど、今暮らしている家でどんなことが不満か聞くようにしているかな」
不満を聞く。
「たとえば共働きのご夫婦なら『朝洗面所が混み合うんだよ』とか、娘さんと料理をしたいのに『キッチンが狭くて使いにくい』とか。プラスの要望を叶えるだけでなく、今マイナスに感じていることも解消していきたいんです」
「もちろんお客さんの要望は汲み取るけれど、希望をただそのまま形にするわけじゃない。コストは抑えつつ自分なりに情報を組み合わせて、全体のバランスをとっていく必要がありますね」
だからデザイナーには、自分の色を押し出した独創的なデザインよりも、暮らしを想像しながら相手の立場に立って、思いと現実を両立させていく力が求められる。
「ここはタイルじゃなくて、木を貼ることもできますよって話したときに、お客さんの『木のほうがいいね』という声が、以前より軽くなったなとか。最初は一線を置かれていたのが、懐に入ったなっていう瞬間があるんです。そういう瞬間が私は一番楽しい」
なかでも印象に残っている案件として、ある写真を見せてくれた。ご夫婦のこだわりだったというデザインと使い勝手を兼ね備えるための工夫が多く取り入れられている。
「なかでもキッチンは、奥様が普段から日本と海外を行ったり来たりするような生活をしていることもあって、海外の食洗機が入るように、でも収納や清掃性にも妥協せずに。ステンレス素材を使ってデザインしました」
howzlifeでは自社で家具工場も運営しているから、デザイナーが描いたものを自分たちで形にすることもできる。
聞いていると、とてもてまひまをかけているように感じたけれど、むやみやたらに時間をかけているわけではないという。黒田さんは年間50件もの案件を担当するそう。
「デザインってこだわり続けたら終わりがない。予算を考えると100%応えられないときもあります。でも本当にいろいろなことをやるので、できなかったことができるようになってくると面白いですよ」
「だから臆せずに『こういうのはどうですか?』と意見を言ってくれる人がいいですね」
楽をしたいというよりも、挑戦する自由がほしい人に合った仕事だと思います。
最後に、立ち上げ当初から関わっているという広報・PR担当の山口さんにもお話を伺う。やわらかな笑顔が印象的な方。
「howzlifeとして自慢できることがあるんです」
どんなことですか?
「会社のホームページに載っている施工事例の写真は、一切手を加えていないんです。私が取材に伺って、その場で取材用にレイアウトを変えたり、家具を足したりもしていません」
「そのまま撮っても大丈夫なくらい、お客さまが考えて準備してくださっているんですよね。howzlifeのためになるならと。本当にみなさん温かいな、ありがたいなと思います」
そんな関係性が築けているのは、howzlifeが誠実にお客さんと向き合っているからだと思う。前職もリノベーションの会社にいたという山口さんは、他社との違いを感じているといいます。
たとえば希望の物件を見つけて、自分の思い通りにリノベーションをしたい場合。不動産とリノベーションで予算を按分しないといけない。
「でもお客さんはフルリノベーションにいくらかかるのか、わかっていない方も多い。不動産屋さんに『300万もあれば大丈夫じゃないですか』って言われて、実際は全然足りなくて諦めるという姿をたくさん見てきたんです」
はじめからわかっていれば、もっと想いを実現できたのに。そんなもどかしさは、物件探しからリノベーションまでをチームで行うhowzlifeに入ったことで解消された。
「howzlifeで物件を決めてくれた方は100%うちにリノベーションもお任せいただけるので、はじめからお客様のために全力を注げる。すごくテンポもいいし、働く側としてもありがたいですよね」
一方で、思いを汲み取りながら働く姿勢は、お客さんだけでなく、ともに働くスタッフにも向いているよう。
「仕事柄、それぞれが現場に直行することも多いんですが、『今日◯◯に行ってきます』とかLINEが入ると『雨だから気をつけてね』『いってらっしゃい』ってみんな書いてくれて。そういうやりとりが気持ちよくて」
「別に普段ベタベタしているわけじゃないんですよ。毎日飲みにいくとかでもないし。でも仕事で信頼関係が結べたことで、立ち上げ当初よりみんな寄り添ってきたという感じがするんです」
どれも小さな関わり合いかもしれない。だけどそんな積み重ねを大切にしているからこそ、社内でもお客さんとも今の心地よい関係性が生まれているのだと思う。
ここでは自分の心にもまっすぐ働けるような気がします。
そんな働き方が、読んでいてストンと心に落ちたらぜひ応募してみてください。
(2017/10/26 並木仁美)