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「僕たちは、今の建築や不動産、住環境の常識を疑って、業界を変えていこうと思っています。そのために、常にトライアンドエラーを繰り返しているんです」設計から施工、そして借り手を見つけるまで、賃貸リノベーションのすべてを一貫して手がけているのがハプティック株式会社。
自社のリノベーションブランド「TOMOS」を、1ルーム39.8万円〜のパッケージで提供しています。

2009年に始まったハプティックの住まいづくりは全国に広がりを見せていて、創業から9年目で年間の施工数は600件ほど。
ハプティックでリノベーションした物件はもちろん、デザイナーズやレトロなもの、眺望が良いものなど、特徴のある物件を厳選して紹介する仲介アプリ「グッドルーム」のユーザーは、30万人にも及んでいるそう。どちらもすごい数です。
今回はそんなハプティックで働きたい人を募集します。施工から仲介まで、配属は話をしながら決めていくので、職種を限定しての採用はしていないそう。まずは、どんなことをしている会社なのか、知ってもらえたらと思います。
渋谷駅から10分ほど歩くと、ハプティック本社に到着。
広いフロアは無垢のフローリングになっていて、打ち合わせスペースとオフィス、そしてTOMOSのショールームが心地よくつながっている。

「自分自身、賃貸業をやったことがなかったし、成果が出せるなら年齢や経験に関係なく評価するようにしています。ほかの賃貸業者はどうしているというのはあんまり意識していないですね」
そう話すのは、代表の小倉さん。

「大きな会社でしたから、請け負う仕事は10年、20年のスパンでやるような規模のものばかりでしたね」
「僕はそのなかで、もっと手触りのある仕事がしたいなって思っていたんです」
あるとき、仕事で奈良にあるくるみの木というお店に行く機会があったそう。
「ここの料理は東京の星がついているレストランと比べると素朴だし、今っぽいわけでもないんです」
「それなのに、冬の朝早くからお客さんがやってきて、車のなかでお店が開くのを待っているんですよ。待っているときも食べているときも、本当に楽しそうにしているのが印象的でした」
くるみの木が出していたのは、素朴で季節を感じるあたたかな料理。奇をてらっているわけじゃないのに、人を惹きつける“スタンダード”がそこにあると感じた。
小倉さんは、同じ“衣食住”のなかで、人が暮らす“住”のスタンダードも上げていきたいと考えるようになる。
「そのころ僕が住んでいたのはいわゆるワンルームの賃貸で、日本の住環境はまだまだだなって思っていました」
安いビニールの床に蛍光灯という、よくある単身者用の部屋が気に入らず、小倉さんはその部屋をセルフリノベーションしてしまった。
床を無垢にしただけで、こんなにも居心地のよい部屋になる。そして、その部屋から引っ越すことになったとき、賃料が2万円もアップしたことにもビジネスのチャンスを感じたそう。
こうして生まれたのがハプティック。
パッケージ化したリノベーションや、施工から借り手を見つけるまでを一貫して届けるサービスなど、それまでの業界にはあまり見られない事業を展開してきた。

「やっぱり、世の中の住環境のスタンダードを底上げしていきたいという思いですね」
「そのために、世の中に対してインパクトを与えていきたい」と小倉さん。
自由にお金をかけて素敵なものをつくるのではなくて、より広く受け入れられるよう、きちんと費用対効果を見込めるリノベーションを提供することを大切にしているそう。
「僕らは、ただおしゃれでナチュラルな空間をつくりたいわけじゃないんですよね」
「そもそも、なぜ賃貸の仕事をしているかというと、賃貸って初めての1人暮らしで体験するもの。初めて触れる住環境のレベルを上げていけば、日本の標準のレベルも上がっていくと思ったからなんです」
なるほど。ハプティックがやろうとしていることは、すごく大きなことのようだ。
ここで働く人はどういう人が向いていると思いますか?
「僕らの目指しているものに共感できる人でしょうか。僕らの会社って、すごく能力が高くても、共感ができなければ合わないと思うんです」
共感できる人なら、経験がなくても裁量のある仕事を任せてもらえる。設計担当の人が営業を担当することになったり、さまざまな仕事を横断的に経験する機会もある。
自由で柔軟な会社である一方、チームとしてビジョンを達成するためにはもちろんやらなくてはいけないことも。
「成果を出して初めて価値のある企業になれる。結果が伴わなければ厳しくチェックすることもありますし、想像以上にハードな会社だと思います」
穏やかで淡々としている小倉さんだけれど、この部分は譲れない。ハプティックのスタッフは建築や不動産の経験のない人がほとんどとはいえ、とても熱意があるのだと話してくれた。
リノベーション事業部プランナー部長の中本さんも、まさにそんなスタッフの一人。

「これまでの人生でリーダーを任されたことってなかったんですけど、抜擢されて。日々役職に育てられてるなと感じています」
そう話しながら穏やかに笑う中本さんは、もともと窓のサッシメーカーに勤めていた方。転職を考えていたときに、たまたま見つけたグッドルームでTOMOSの存在を知ったそう。
「もう一目惚れでした。初めて、立地や設備以外の理由で住みたいと思えたんです」
「こんなにいい内装を、ビジネスとしてちゃんと成り立たせているこの会社で働きたいと思った。だからハプティックを受けるためだけに上京して(笑)」
施工現場の経験はほとんどなかったけれど、設計や現場管理を担当するプランナーとして入社。まずは施工現場に出て徐々に仕事を覚えていった。
未経験でのスタートは大変ではなかったですか?
「当時はかなりハードな働き方をしていましたね。でも、世の中に広げていきたいと、本気で思っていたから頑張れました」
社内の仕組みが整うにつれて、ハードワークは改善されていっている。早く出社して早く帰る文化をつくろうと、今は会社をあげて朝型勤務が始まったところ。
「建築、不動産って夜型で休めないイメージがあると思うんですけど、そのイメージさえ変えてしまおうと考えるのがハプティックらしいところだと思います」
よいものを効率よく世の中に届けるためには、業界の常識も疑ってみる。それはプランナーの仕事にも表れている。
TOMOSの特徴である白い壁の塗装は、一般的に行われている塗装の最後の1工程を省いているそうだ。
「『これは商品じゃない』って最初のころ職人さんに言われたことがありましたけど、それで実際に支障が出ることって特にない。逆に変にツヤが出なくていい感じになったりするし、工費も安くできるんです」
そのほかに、設計、資材発注や現場管理といったプランナーの仕事を完全に分業制にしてみるなど、中本さん自身もさまざまなトライを続けている。

会社づくりから一緒にやらないといけないというのは、自由にできるということでもあるし、大変なことでもあるのかも。
「大変かもしれないけれど、日本の空室問題や住環境という視点でも確実に世の中を変えていけているというのは感じています」
ここ数年で無垢の床材をつかった賃貸物件を目にする機会は確実に増えた。中本さんは、ハプティックがきっかけをつくってきたと感じているそう。
似た物件が増えるなかで、デザインから施工、客付け、すべてを社内で行なっているからこそ、より力強く世の中に訴えることができているのだと思う。

「仕事だから仕方なくやる、ではなくてうちの会社は全員が世の中を良くしてるんだっていう誇りを持って働いてる。そんな働き方ができる場所があるんだ、というのは発見でした」
みんな自分たちがつくる住まいのことが好きなのだ、という話を聞きながら、隣で大きく頷いていたのは桑山さん。今年の春入社した新人です。

大学で建築を学んだ桑山さんは、今はプランナーの部署で実施設計を担当している。
就職活動中に感じた建築業界と世の中とのギャップが、ハプティック入社の決め手だったそう。
「大学では作品と呼ばれるような建築について学んできたけど、世間の人からしたらそれって身近ではなくて。求められてないなって感じたんです」
みんなが気軽に手に取れるかたちで、いい建物に住む。そんな世の中の架け橋になりたい。その想いで入社し、ハプティックの仕事を順々に経験した後、プランナーに配属された。
働いてみてどうですか?
「年代が近い方が多いので風通しはすごくいいです。自分が思ったことを言いやすいし、意見も聞いていただける。これってなかなかないことなのかなと思います」
日々の仕事は、リノベーション営業からまわってきた案件を、現場調査をするスタッフと一緒になって図面に落とし込んでいく作業。
「自分で学んでいかないといけないことも多くて。経験がない分大変ですね。でもそれは、相談しながら自分が成長すればいいだけ。成長のチャンスが多いのは、ベンチャーのメリットですよ」

「“どこにもないふつう”をアップデートし続けたいなと思ってます。周りが今のTOMOSに追いついてきてしまったら、それは“どこにでもあるふつう”になっちゃう。世の中や業界をアップデートできるようなものを、たくさん提案していきたいですね」
みなさんが同じ目標を持って、熱心に仕事のことを話してくれるのが印象的な取材でした。
ハプティックの目指すものに共感ができる方を、お待ちしています。
(2017/11/7 取材 遠藤沙紀)