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「僕はD.I.Y.が好きなんです。だから、すべての仕事のベースに、自分たちで何でも作ろうという精神があるように思います」そう話すのはアウトドアブランド「パーゴワークス」代表の斎藤さん。
創業は2011年とまだ新しいブランドながら、アウトドアファンから「他に無い」「ユニーク」と言われるようなギアを、次々と世の中に送り出してきました。
海外にも進出をはじめ、より骨太なチームを目指すために新たな仲間を募集中。
アウトドアが大好きな人はもちろん、ゼロから何かを作りあげることが好きな人におすすめしたい仕事です。
国分寺駅から歩いて12分ほど。小さなビルの中にパーゴワークスのオフィスはある。
エレベーターで2階に上がってオフィスに入ると、ミシンと作業台にスタッフのデスクが目に入る。
全国200ほどの店舗に卸しているメーカーにしては、こじんまりとしているなぁというのが正直な印象。
「今スタッフは5人。製造だけは海外工場にお願いしているけど、企画立案、製品デザインから生産管理、営業、PRまで、すべてに関わるのがうちのスタイルです」
お話をしてくれたのは代表でありプロダクトデザイナーでもある斎藤さん。
ところで、「ユニーク」と言われるギアとは、一体どういうものなのだろう。
伺うと、さっそく斎藤さんが『PATHFINDER』を紹介してくれた。会社を創業して、一番最初に販売した商品だ。
「これはハイキング用のフロントバッグです。バックパックのショルダーベルトに取り付けて、地図や行動食を入れます」
これならバックパックを下ろさなくても荷物にアクセスできるし、重さが肩に分散することで身体への負担も少なくなる。
たしかに、あったら便利なのに、今まで不思議と作られてこなかったこのバッグは、アウトドアファンから高く評価された。すぐに数万個も売れる大ヒット商品になったそう。
この商品、実は斎藤さんが学生のころに作った、地図を入れるケースが原型になっている。万人が使いやすいデザインになるよう、何十回も改良を重ねて今の形になったそう。
これ以外にも、持って行く荷物の形やサイズに合わせて風呂敷のようにパッキングできる容量を自在に変えられる『CARGO40』や、手裏剣型の形状で軽く素早く設営ができる『NINJYA TARP』など。斬新なアイデアと使いやすさを両立させるのが、パーゴワークスだ。
嬉しそうにギアを紹介してくれる斎藤さん。子どものころから、ハイキングにキャンプや自転車、アウトドアと呼ばれるものが大好きだったという。
さらに、同じくらい好きだったのが、モノづくり。両方に携わりたいと思っていたときに見つけたのが、プロダクトデザイナーという仕事だった。
いつか自分のアウトドアブランドをつくりたいという夢を抱きながら、国内外のアウトドアメーカーの企画にデザイナーとして参加。
20年近くデザインの仕事をしながら知識や経験を蓄え、奥さまの明子さんと一緒にパーゴワークスを立ち上げた。
「パーゴという名前はPACK AND GOの略。『さあ、荷物をもって出かけようぜ!』というメッセージが込められているんです」
2011年の立ち上げから、卸先は200近くになり、海外にある生産工場も年々増えつつある。海外の代理店も数件でき、着実にファンが増えていると実感しているそう。
目指すは、世界で通用するアウトドアブランド。
「僕がずっと大事にしているのは2つ。ユニークであることと、ユニバーサルであることです」
ユニークでユニバーサル。
「この考え方は製品だけでなく、カタログやホームページ、イベントブースのデザインにも一貫してます」
「常に新しい方法にチャレンジをする、もちろん誰にでも理解できる方法で。だから苦労も多いですよ(笑)」
「新しいアイデアや仕掛けを考えることが楽しくてたまらない」と斎藤さん。
一緒に働くスタッフとも、その楽しさを共有したいと考えている。
今回募集する人は職種が分かれているものの、アイデアさえあれば仕事の枠を超えて活躍できる職場だと思う。
「僕自身がデザイナーなので、アイデアやクリエイティブを宝だと思ってる。だから自分で考えて動くことができる人にとってはきっと楽しい会社だと思います」
斎藤さんのもとで働くのはどんな感じなのだろう。
生産管理をメインで担当している新藤さんにもお話してもらった。
「この会社はすごく自由にさせてくれます。私は言いたいことをポンポン言ってしまうタイプなんだけど、突飛なアイデアを言っても、斎藤さんは『面白そうだね』『いいね』と言ってチャンスをくれる」
小柄な身体からは想像ができないくらい強いパワーを感じさせる新藤さんは、帰国子女で、とてもフレンドリーな性格。
アメリカと台湾で働いたあとは、日本のアパレル企業で海外工場の生産管理を経験。代表の斎藤さんと出会ったときはバッグデザイナーの仕事をしていた。
新藤さんの日々の仕事は、主に海外の取引先を相手にした生産管理や問い合わせ対応、サンプルづくりのお手伝いやイベント出展など。限定商品を企画したこともある。
2年前の入社時点では、とくに仕事内容が決まっていなかったものの、できることを活かして自分で仕事をつくってきた。
「最近では、販促用のプロモーションビデオをつくりました。せっかく格好いい商品ができたから、この商品にぴったりの富士山を舞台にした映像があったらいいよねって、どんどん話が進んで」
思いついたのは展示会前のものすごい忙しいとき。斎藤さんは「面白そうじゃん、やってみようぜ!」と快諾してくれたそうだ。
人脈を駆使して、海外進出のきっかけをつくったのも新藤さん。斎藤さん曰く「彼女は頼まれてもいないのに」どんどん仕事を拡げている。
新しく企画・生産管理を担当する人は、この新藤さんの右腕になるイメージだという。活動的な姿を目の当たりにしながら、きっと刺激的な仕事ができると思う。
「生産管理担当の人は、まずは主に海外工場とのやりとりのアシスタントをしてもらうことになると思います。英語でのコミュニケーションが取れて、スケジュール管理ができる几帳面な人なら、これまでの経験は必要ないかな。前向きでチャレンジが好きな人に来てほしいです」
これから取りかかる予定の海外向け通販サイトの担当も募集するので、webや語学の知識がある人はさらにチャンスのある会社だと思う。
ところで、新藤さんのそのパワーはどこから来るものなのだろう。
初めてパーゴワークスのオフィスに遊びに来たときの思い出を話してくれた。
「斎藤さんと知り合って、RUSH28というバックパックを背負わせてもらったの。私はあの感動が忘れられない」
「欧米のブランドのバックパックって小柄なアジア女性の体型には合わないものが多いんですよ。でも、ここのギアは違った。初めて自分の身体にぴったり合うものを見つけて、もううれしくて。これは世界に広めなきゃ!って心に決めたんです(笑)」
新藤さんの言葉が気になって、私もその場でRUSH28を背負わせてもらいました。背負って納得、大容量にも関わらず大きさがまるで気にならない、着ているようなフィット感。
ユーザーの意見を積極的に取り入れながら、何度も何度も試作を繰り返して作ったという代表の斎藤さんのこだわりが、バックパックを通して伝わってくる。このRUSHシリーズが、パーゴワークスの看板商品なのだそう。
使ってみてはじめて真価を発揮するのがパーゴワークスのギア。まずは体感してもらおうと、商品を貸し出すトレイルランのイベントも国内外で定期的に行なっている。これもまた、スタッフからの提案がきっかけだ。
パーゴワークスでは、商品やプロモーションイベントに限らず、カタログやホームページに至るまで、すべてをスタッフで作成している。
一人ひとりがブランドのことを真剣に考えて、必要だと思えば意見を出し合い協力する。スポーツチームのような働き方だと思う。
続いてご紹介する樋口さんもまた、会社をチームの一員として引っ張ってきた方。
3年前に入社して、国内営業を一人で任されてきた。
樋口さんは、実は次の目標を見つけたため、この春には退職することが決まっている。
営業の仕事は、国内外問わず取引先を見つけてくることや、お店からの問い合わせ対応。新商品のサンプルに対しての意見のヒアリングといった、さまざまなことをすることになる。
「お付き合いするお店の選び方にも結構こだわりがあって。お店の大小に関わらずお話をして、店主の熱意やアウトドアへの思いを考慮するようにしています」
「売上の立てやすい大きなチェーン店とだけつき合おうということはしていません。アウトドア好きな人たちと仕事できたほうが面白いですから」
営業担当は、どんな人が向いていると思いますか?
「アウトドアが好きな気持ちと、コミュニケーションの力があればきっとどんな方でも問題ありません。アウトドアの経験があれば特に他は必要ないです。」
「とはいえ、今は取引先が全国に増えていて。問い合わせもイベントも増えているし、裁量が大きい仕事なので、結構タフさは必要ですよ」
今後、国内外を問わずマーケットを拡大していくというパーゴワークス。
その挑戦の影には、ひとまず何でも楽しんでやってみようというスタッフの皆さんの姿があるように思いました。
(2018/11/28 取材 遠藤沙紀)