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こうしたらいいんじゃない?

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

頭に思い浮かんだことをすぐに実行してみる。

それはわりと得意だぞ、という方がいたら、この仕事は向いているかもしれません。

プルーム株式会社は、海釣りの道具をメインに、商品の企画から卸、ECサイトでの販売をしている会社です。

もともとはイタリアの職人さんと直接やりとりをし、ベルトや靴をつくって輸入・販売するなど、ファッション関連に強い会社だったそう。

世の中にないものを「こうしたらいいんじゃない?」とつくったり、ビジネスチャンスをうまく見つけながら、釣り関連のものが中心の会社へと変遷を遂げてきました。

今回募集するのは、グラフィックデザイナーとWebデザイナー、そしてカスタマーサービスの担当者。

デザイナーは、ものづくりの企画やブランディング、流通やマーケティングにも幅広く関わることになりそうです。

今後は釣りだけでなく、アウトドア分野に領域を広げていったり、再びファッションに回帰していくことも考えているそう。社員3名とパートさん4名という少数精鋭の会社なので、1から丁寧に教えてもらうことは難しいけれど、本気でつくりたいものがあればそれを形にすることだってできると思います。

名古屋駅から地下鉄を乗り継ぎ、30分ほどで名鉄春日井駅へ。

のどかな住宅街を20分ほど歩き、たどり着いたのは白い外観の建物。電話をかけると、代表の鳥羽さんが「そこのなかですよ」と案内してくれた。

「以前は表に看板を出して、直営店として営業していたんですよ。でもうちで扱ってるものは単価が低いし、お客さんが来たら、うれしいからしゃべっちゃうじゃないですか。1日かかりきりで売り上げ数千円とか。これはいかんと思ってクローズしたんです」

現在は来客スペースとして使われているこの部屋。

棚には釣り竿やリールが並んでおり、壁面には見慣れない銀色の道具がたくさん掛けられている。

「釣りといっても、渓流釣りや磯釣り、沖で釣るのか堤防からファミリーで釣るかによって、いろいろな種類があって。うちで扱っているのは“スロージギング”の道具。あの銀色のやつに魚が食いつくんです」

手に取ってみると、ずっしりと重い。鉛でできた「メタルジグ」を海に投げ入れてゆっくりと操作するスロージギングは、女性や子どもでも手軽に楽しめることから、近年人気が上昇しているそう。

壁の上のほうに飾ってあるのは、3年ほど前に釣り上げたというカンパチの剥製。

手軽な一方で、こんなに大きな魚も釣れるんですね。

「釣れますよ。ぼくらは記録的な大物を狙うから、毎日走ったり、ジムに行ったり。もう趣味じゃなくて修行みたいなものです(笑)」

取材の前日も種子島に行っていたという鳥羽さん。実際に商品を使い、その様子をブログで発信している

見せてもらったFacebookページの「いいね!」数は20万以上。必ず自社スタジオで撮影するという商品写真も、洗練されていてかっこいい。

「ぼくが釣りをはじめたころ、地元のお店に行っても道具の種類が多すぎて、店員さんも把握しきれていなかった。ネットを見ても、みんなカタログの写真を載せてるだけなんですよ。説明もないから、何が良くて何が悪いかも比較できない。それなら自分でやってみようってことで、直接メーカーさんを訪ねて取材するところからはじめたんです」

ジグがつくられる過程を取材し、性能の違いが端的にわかる文章とともに写真も丁寧に撮影して、ネットショップで発信。

すると、初月からかなりの売り上げにつながった。

「しっかりつくられていることがわかれば、ネットでもちゃんと売れるし、ぼくら自身も人に紹介したくなる。だからすべて取材をして、まずはつくり手さんと人対人の関係で話すようにしています」

最近では見せ方にこだわるサイトやお店も少しずつ増えてきた。

プルームは、メーカーさんとのつながりを活かしてオリジナルカラーを展開したり、メタルジグ以外の商品バリエーションも増やしながら、差別化をはかっている。

今年の8月には「MANUALE(マヌアーレ)」というオリジナルブランドを立ち上げ、船上でも使える機能性とデザイン性を両立したサンダル「All-Terrain(オールテレーン)SANDAL」も発売。今後は、ライフスタイル提案型のアウトドア事業を伸ばしていきたいという。

「釣りに使うものでいったら、リールをカスタムする金属パーツを下町の工場でつくったりもできます。趣味を形にする仕事というか。やろうと思えばいろんなことができるんですよね」

「なので、ものをつくれる人が来てほしい。設計やデザインができるとか、工場まで行って折衝できるとか。具体的な形に落とし込める力がある人ですね」

グラフィックデザイナーは、パッケージやロゴをデザインするだけでなく、商品自体の企画開発から関わることになる。

Webをトータルでディレクションできる人が加われば、釣りやアウトドアに特化したキュレーションサイトをつくることもありえる。

ほかにも、ドローンを使った動画撮影や編集によってPRを強化したり、英語や中国語などの言語スキルが海外とのやりとりで活かせるかもしれない。

でも、そればかり聞くと、かなりハードルが高いように感じられます。

「欲張りたいわけじゃないんです。なんでもそつなくこなせる人よりは、何かひとつしかできない人がいい」

何かひとつしかできない人。

「未経験でも1から教えますっていう会社もありますけど、ぼくらは絶対に教えないですから(笑)。逆に何かひとつでも自分のポテンシャルがあって、即戦力になってくれる人を求めています」

そんな考え方は、鳥羽さん自身の経験がもとになって醸成されているように思う。

鳥羽さんのこれまでの歩みについても聞いてみる。

「高校までまったく勉強しんかって、超落ちこぼれでした。英語の専門学校に2年行かせてもらって、そのあと何がしたいって特になかったんですけど、服が好きで。アメカジの卸をしてる会社で働いたんです」

「ほとんど休みもなく、毎日22時ぐらいまで働くのが当たり前。それでも好きなことだから楽しかったんです。給料は少なかったけど、年に2回ぐらいアメリカに行かせてもらえて。仕入れや展示会で全米各地を回るうちに、どうしてもアメリカに行きたくなったのが4年目の春」

ちょうど、アメリカから日本へ服を輸出する商社がアルバイトを募集していることを知り、渡米してその会社で働きはじめた鳥羽さん。

ところが、誰とも触れ合わず、倉庫で検品する毎日。たった半年で帰国し、国内のアパレルメーカーで4年働いたあと、イタリアやフランスの有名ブランドを扱う会社の営業として採用された。

「高級ブランドって名前が先にくるから、どこに行っても話を聞いてもらえるし、全然楽で。ぼく自身は華美なものは好きじゃないんですよ。5年ほど経験して、途中から自分でものをつくりたいなと思うようになりました」

それは、自分で手を動かして?

「いや、目星をつけていたイタリアの工場に行きました。サンプルを持っていって、口頭で『もっとここをこうしてほしい』とお願いして。言葉の壁はもちろんありましたけど、情熱と探究心があればなんとかなるんです。基本的に現場主義ですよね」

イタリアでつくったベルトや靴を日本に卸すかたわら、創世記の楽天市場にECサイト「ブルークレール」を出店。さらに趣味であった釣りのお店もオープンし、ファッション事業で培ったノウハウを注ぎ込むと、早々に売り上げがあがった。

「ファッションや釣りは趣味のアイテム。自分たちが余暇を楽しめていないと、進歩しないんですよ」

だからこそ、2年ほど前に働き方を根本的に見直した。

「前は夜遅くまで仕事して安心していた気がします。それをやめて、9時に始業して18時に終業、さらに労働環境を徹底的に整備して。就労時間は以前よりかなり短くなりましたが、業績は以前とまったく変わりません」

「やっぱり思うのは、自分らが何をしたいかだけを探求していかないとぶれるなって。会社をもっと大きくしていこうなんて思わないし、趣味からちょっとやってみようってはじまった仕事なので。どうせなら楽しくやっていきたいです」

別に釣りだけにこだわっているわけではないし、ファッションが嫌になってやめたわけでもない。誰に教わるでもなく、「こうしたらいいんじゃない?」という方向へ、その都度歩みを進めてきているように感じる。

そんな鳥羽さんと一緒に働いているのは、どんな人なのだろう。

8年前に入社した本田さんにも話を聞いた。

服飾系の大学を卒業後、Web関連の夜間専門学校に通いはじめた本田さん。昼間のアルバイトとしてアパレルやWebに関わる仕事を探していたところ、プルームの存在を知ったのだそう。

現在は商品の撮影や説明文の作成、Webのコーディングや検品に至るまで、幅広く担当している。

「アパレルや写真を撮ることはもともと好きでしたし、Webも学んでいたので。ちょうど合致したという感じですね」

学んだ経験がそのまま活きたんですね。

「まあ、ちょっとずつ勉強しながらですよ。Webはソースを見ればつくりがわかるし、本もたくさん出ています。自分なりの方法を探す気力があるかどうかかな、と思うんですけどね」

でも、扱うものがアパレルから釣りメインへと変わってきて、当初とは仕事の質も変わってきているような気がします。

「Web上のものって、手に取れないですよね。そこで削ぎ落とされてしまった感覚をどう埋めて伝えるかっていう部分は、商品が変わってもそんなに違わないのかなと思っていて」

「ぼくは釣りはやらないですけど、やっている人の話をうまく伝えたり、気持ちを代弁できるなら、それはそれでありだと思うんです。もののよさを伝えるという意味では、面白さは変わらないですね」

そこはセンスだと思う、と鳥羽さん。

ものが変われば見せ方も当然変わるだろうけど、使う人のことを考えて伝えるという点は何であっても変わらない。

扱うものに関する基本的な知識やもの単体の魅力に加えて、どんなシーンでどのように使われるかという想像力も欠かせないと思う。

本田さんは、どんな人と働きたいですか。

「自分で積極的に勉強できる人ですかね。うちは分業することもまずないですし、誰かが丁寧に教えてくれるわけでもないので。自分なりの方法を見つけながら、最終的にはひとりで完結してものをつくれるような人に来てほしいです」

これまでの話には出てこなかったものでもいい。

何かつくりたいものがあるのなら、代表の鳥羽さんはどんどん任せてくれる人だし、自ら学びとれるノウハウはここにたくさんあると感じました。

この環境をうまく活用して、自分の思い描いてきたものづくりを実現する。それぐらいの気持ちでプルームに加わる人が求められています。

(2017/10/30 取材 中川晃輔)

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