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「できる」を増やす

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

住宅工房そらは、福島県で注文住宅をつくる工務店です。

建築家と組んで上質な家をつくったり、お客さんのほぼすべての要望を叶えたフルスペックの家をつくったり。様々な家づくりにチャレンジしながら、自分たちにできることを増やしてきました。

これからは、企画住宅やリノベーションにも挑戦していくようです。

今回は、ここで営業・設計と施工管理をそれぞれ募集します。

経験がないことにもチャレンジし、設計や施工管理へと職域を広げていくような人を求めています。



福島・いわき駅から車で約15分。

この日は住宅工房そらが建てたモデルハウス「いわきの家」を訪ねた。

大きな木の玄関扉を開けると、そこは土間になっている。

靴を脱ぎ、無垢の一枚板の台を上がってリビングへ。白を基調として、内装や建具に木材がふんだんに使われている、シンプルで心地いい空間だ。

この家を設計したのは建築家の田中敏溥さん。

住宅工房そらはこれまで様々な建築家と一緒に、住まい手の希望を叶える家づくりをしてきた。

ここで、まずは会長の田中昭弘さんに話を伺う。

「うちは父が昭和54年に設立した会社で、もともとは土木が中心の会社なんですよ。震災後は浪江町の復興事業にも積極的に関わってきました。住宅を本格的につくりはじめたのは平成11年からです」

「当時、住宅をはじめるにあたって知識や技術はあったのですが、業界のことはまったく分からなかった。それで、まずはどこかに属してみようと選んだのが、パッシブソーラーシステムの協会でした」

パッシブソーラーシステムとは、開口部を大きくしたり断熱材を効果的に使ったりすることで、機械の力に頼らずに太陽熱を利用するシステムのこと。

住宅工房そらはこのシステムを取り入れた住宅づくりをはじめ、さらに他社との差別化を図ろうと、協会でつながった建築家たちとのコラボに挑戦した。

平成15年には建築家の伊礼智さんと共に企画住宅「システムハウス モディスト」を発表。住宅版プレタポルテと銘打ち、質の高い建築家住宅を既製品化するという新たな取り組みだった。

それ以降も様々な建築家と一緒に家づくりをしながら、自社の設計力の向上を図ってきたという。

「ただ、建築家と一緒にやると、やっぱり建築家の家になるんですよね」

建築家の家、ですか?

「建築家って見た目とかディテールにすごくこだわります。けど、お客さんはそこまで望んでいなかったり、素人だからよく分からないってことが結構多いんですよ」

「たとえばこういうところがね」と田中さんが教えてくれたのは、いわきの家の窓の周りの部分。

一般的には木板の部分が壁面まで出ていることが多いと思う。いわきの家ではあえて壁と同じ素材で角をつくり、きれいな納まりに仕上げている。

こういった趣向を凝らした細やかなデザインが、建築家とつくる家にはたくさん散りばめられているそう。

ただ手間がかかるので、単に既製品の建具を使うよりも家の値段は上がってしまう。

「でも、お客さんはそこまでこだわっていないっていう人が結構多い。だから、建具とかに使う既製品の割合をこれまでより多くしてみたんです」

「でも、また元に戻ってきちゃって。家具も造作が増えてきました」

どうしてですか?

「既製品を使うと、他社とあまり差別化にならないし、やってる自分たちもねぇ…」

面白くなかった。

「そうなんですよ。やっぱりこだわってつくると面白味があるんですよね」

「うちの代表作でもある『丁寧な平屋』は、お客さんがすごくたくさんのこだわりを持っていらっしゃって。大変でしたけど、面白かったですよ」

丁寧な平屋は、いわき市に建つ一軒家。

ご夫婦ふたりが住まわれていて、田中さん曰く「これまでで一番こだわりの強いお客さん」だったそう。

「すでに土地はお客さんのほうで見つけていて、このプランでつくりたいですっていうのが最初の相談でした。子供たちはみんな独立して夫婦ふたりだけなので、シンプルにリビングと寝室と水回りでいいんだと」

「夫婦ふたりの家にしては結構広いんですよ。いろいろ壁をなくして大きな窓にしたいという話もあったけど、それは構造的にまずいので。そのあたりを整えながらお客さんの要望を取り入れていきました」

屋根は道路から見て三角屋根になるように、外壁は焼杉で、窓や玄関はくりぬいた感じになるように柱一つぶん追い込んで、家具は造作で木目が揃うように、床は無垢材で...

「家電は見えないようにしたいから、こういう建具にしてくださいって絵で説明を受けたりしまして。この家のほとんどはインテリア好きの奥さまのアイディアがベースになってます」

「ただ、ここまでこだわりがあると、やる側は大変なんですよ。手間はかかるし、お金はいくらでもかかっちゃう。施主さんはそれを知らないでいろいろ言いますから、普通の工務店だったらやりたがらないですよね」

どうして田中さんは依頼を受けたのですか?

「やっぱりそれだけのこだわりを形にすればお客さんは喜んでくれるし、僕らもやりがいを感じるし。あと、チャレンジにもなるかなと思って」

お客さんは、たくさんの要望を実現してくれそうな工務店として、数ある中から住宅工房そらを選んだのだという。田中さんと話したときの印象が「家のいろんなことに挑戦しているイメージ」だったとか。

「この家は結構いろんな雑誌で取り上げられたんですよ。人づてに聞いたのは、設計事務所でもできない、なかなかのものだって。普通はそこまでお客さんに付き合わないですからね」

これまでお客さんの要望を叶える“理想の家づくり”に取り組んできた住宅工房そら。

新たな取り組みとして、田中さんは企画住宅を計画しているという。

「住む人の理想の家ってとにかくフルスペックなんですよ。あまりにも手間が食い過ぎるし、原価的にも良くない。お客さんからしても非常に高価なものになるので、あまり予算のない人に勧めちゃうと大変なんです」

「このままではお互いによくないので、デザイン性を維持しつつもっとコストを抑えるために企画化した住宅ができないか、いま建築家さんと一緒に計画を練っているところです」

どんな家になりそうですか?

「僕が考えているのは、シンプルなデザインが一番いいんじゃないかってことです。住まい手が自分の色を出していけるように、無地のキャンパスのようなデザインというか」

「過剰な装飾をするよりは可変性があるし、こだわりのある人にもそうでない人にも対応できると思うんですよ」

ゆくゆくはマンションリフォームや空き家リノベーションにも取り組み、注文住宅を中心に多角的に事業を展開していきたいという。

「ずっとお付き合いのある親子の職人さんがいまして、子どもさんは3人兄弟なんですよ。まだ若いけど本当に良い仕事をしてくれるので、彼らのためにも仕事を増やしていきたいなって」

「うちも若い人が自律的に動いたり、提案したり。そういう会社にしていきたいですね」



つい最近、営業・設計・施工管理を担当していたベテランの方が退職したことで、人手が足りていないそうだ。

スタッフ総勢6名と小さな会社なので、もともとひとりが何役も担ってきた。これから加わる人も、設計が営業を担当したり、施工管理が設計を担当するなど、たとえ経験がなくてもチャレンジしてほしいという。

設計と営業を担当する加藤さんは、まさにそうやって職域を広げていこうとしている。

「大学ではインテリアデザインを学んでいました。ただ、商業施設がメインで、やっていくうちに広すぎて人と建物が遠いんじゃないかと感じるようになって。住宅をやりたいと思って、地元にあるこの会社に入りました」

新卒で入社し、今年で3年目。いまは営業と設計のサポートを主に担当している。

「営業では最初に家を建てたいという相談をお受けして、そのままうちにお願いしたいということであれば、実際にお会いして要望をヒアリングしていきます」

どんなことを聞くんですか?

「今はどんなふうに暮らしをしていて、新しく家を建てたらどんな暮らしをしたいか。家族一人ひとりの暮らし方をお伺いします」

間取りじゃないんですね。

「間取りを聞くと、それに縛られて抜けられなくなってしまうんですね。まずは日常生活を聞いて、いま不便なところを新しくしたらこうしましょうって提案したりしています。だから最初は、間取りは言わないでくださいってお願いしているんです」

打ち合わせを重ねながら、徐々にプランをブラッシュアップしていく。

詳細図面に関しては、状況やスタッフの経験によって外注に回しているという。そのあたりの臨機応変さも、小さな会社ならではのことかもしれない。

現場管理は現場を円滑に進めるのが一番の仕事。工程管理はもちろん、安全や品質、予算の管理も行う。最初からすべてやるのは難しいだろうから、まずはできることから担当してほしいという。

「最近は現場にも関わらせてもらっていて、大工さんとのやりとりがすごく楽しいです。図面を見ていただけでは分からなかったことが、実物を見ることで『だからこうだったんだ!』って」

大工さんは厳しい感じはなく、むしろとても親切に教えてくれるそう。

「私は設計だけをやっていきたいとは思っていなくて。現場もお客さんの気持ちも分かるようになりたいと思ってます。いまはまだサポート業務しかできないですけど、メインでできるようになっていきたいです」

加藤さんにこの会社の好きなところを聞いてみると、「自由なところ」という答えが返ってきた。

「学生時代から模型づくりが好きで、ここでもお客さんへの提案のために模型をつくっているんです。ただ、いつも社長の許可を取らずに、勝手に材料を買ってつくっていまして(笑)」

「そういうのも伸び伸びやらせてもらえるのが楽しいですね」

代表の田中さんは、やりたいと思ったことにはぜひチャレンジしてほしいと話していた。

これからはじまる企画住宅や、定期的に発行している「そらのくらし」など、興味があれば職種に関係なく携わってほしいという。

まずは小さなことからでも、はじめてみてください。

そこから「できること」が少しずつ増えていくと思います。

(2018/2/8 取材 森田曜光)

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