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教育動画で切り拓く

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

勉強は、すべての子どもが経験することです。

すごく熱心に勉強する子がいる一方で、勉強に興味が持てない子もたくさんいる。

けれど勉強は本来、新たな世界を広げる面白いもの。そのことを、1人でも多くの子どもに気づいてほしい。

そんな思いから、動き出した人たちがいます。

株式会社教育測定研究所。最新のテスト理論を用いたテスト開発・分析を専門としながら、オンラインベースの英語学習システムの提供など、教育全般にわたる幅広いサービスを展開しています。

今回新たに小・中学生向けの教育動画サイト“スタディギア”を、制作・運営するチームを社内で立ち上げます。

そこで動画制作を行うクリエイターと、全体の進行を管理する制作管理のスタッフを募集します。

未経験者でも大丈夫。映像のつくりかたを基礎から学べる研修もあります。

1人でも多くの子どもたちが勉強を面白いと思えるように。最初のきっかけをつくる仕事です。

 
東京・赤坂。青山一丁目駅から、赤坂御用地の緑を横目に歩いて5分ほど。株式会社教育測定研究所、通称“JIEM”のオフィスに到着する。

まずお話を伺うのは、代表の北條さん。

会社名から、かっちりとした雰囲気の方を想像していたけれど、冗談を交えながら気さくにお話をしてくれる。

長年さまざまなwebサービスの立ち上げに関わってきた北條さん。学力テストなどの能力測定を専門とする、JIEMの社長に就任したのは、3年ほど前のこと。

「世の中にはさまざまなテストがありますが、そのほとんどは問題をつくる人によって毎年難易度が変わってしまうんです。つまり、同じ点数を取った生徒の学力レベルが去年と今年で同じとは限らない。教育の質が向上できているのか、測ることができなかったんです」

その状況を変えようと、17年前につくられたのがJIEM。正しく能力測定ができるテストを世の中に普及させるため、テスト問題・結果の分析や、新たなテストの開発を行ってきた。

自治体の学力調査の問題作成をしたり、いつ受けても同じように能力が測れるwebテストのサービスも提供している。

その一方で、子どもたちの教育環境に目を向けると、所得による教育格差の問題が浮かび上がってきた。

「テスト結果を測定する以前に、適切な教育を受けられてない子どもがいるんです。塾に行けず、参考書も買えないことでつまずいて、勉強に対しての興味関心を失ってしまっている」

そんな子どもたちの興味を引き出すためには、どうすればいいだろう。思い浮かんだのが、動画で楽しく学べるコンテンツをつくることだった。

「前職ではeラーニング事業に関わっていて、教育とテクノロジーの融合に可能性を感じました。でも実際、教育はテクノロジーの進歩から置いていかれがち。すでにある学習用の動画は、単純に教科書や板書を電子化したようなものが多いんです」

もっと工夫された面白い動画を提供して、子どもたちの興味を引き出したい。

そうしてオープンしたのが、“スタディギア”。小学1年生から中学3年生を対象に、学習単元の理解のポイントを1分ほどの動画にして公開している。

子どもに興味を持ってもらうことが大切なので、なるべく身近に感じられるような教え方を心がけている。

たとえば、理科で中和を教えるときは、酸性とアルカリ性の融合を「アルカリ性の煮魚に酸性の梅干しを入れると美味しくなる」と教えたり、China、Italyなど国名を英語で教える動画では、それぞれの国のお菓子を題材に扱ったり。

誰でも気軽に利用してもらいたいということで、動画はすべて無料で視聴できる。

「このサービスで、教育に関するすべての問題が解決するとは思っていません。でも、勉強のハードルを低くして、自分もやってみたいと思ってもらえればいいなと」

サイトはすでにプレオープンしていて、現在、動画制作は外部の会社に委託しているそう。

なんで、わざわざ内製化するんだろう?

「今はユーザーの視聴データから、どんなものが効果的かを試行錯誤している段階。たくさん動画をアップして、どんどん試していくためには、自分たちのチームが必要なんです」

内製化することで制作のスピードも上げていきたいし、学習方法の専門家である社員たちと意見交換しながら、動画のクオリティも上げていきたい。1年ほどで、チームを30人くらいの規模にできればと考えている。

「子どもの興味を引き出して、学びって楽しいんだっていう根本的なことに気づいてもらうのが目標です。それが経験として蓄積されていけば、途中で挫折することなく、自主的に学び続けられるようになるんじゃないかなって」

 
社内に動画制作チームをつくることになり、声がかかったのは齋木さん。長年JIEMで採点のアルバイトをしていて、このプロジェクトに関わるようになり、社員となった。

「動画をつくる人に対して、どのような動画にしたいのかを伝えるための依頼書をつくるのが私の仕事です」

依頼書は、その動画で教える要素と、それをどんなふうに教えたいのかを書き出したもの。

「動画は、教科書に載っている小単元すべてに対してつくります。1つの小単元の中から子どもが興味を持ちそうなポイントをピックアップして、どうすれば面白く教えられるのかを考えています」

1つの動画をつくるために、動画のストーリーを考える、イラストをつくる、動きをつける、音を入れるなどさまざまな作業が必要。

クリエイターとして働く人は、実際にその作業を行い、制作管理の人はそれぞれの作業の進捗を管理して、1つの動画が出来上がるまでを統括する。

たくさんある動画のなかでも特徴的なのは、1つの動画の中に複数の教科が関連しているもの。

たとえば、シドニーが南半球にあることを伝え、東京との気温の違いをグラフに表す算数の動画や、江戸時代の将軍の子どもの数から、How manyの使い方を教える英語の動画など。

教科書で見慣れた教え方とは少し違う。動画のどの部分に子どもが興味を持ってもいいように、たくさん種が撒かれている。

そういうアイデアは、制作の人ともお互いに出し合っていきたいそう。話し合うことでお互いのことを知ることもできる。

齋木さん自身は、従来の教育のあり方にずっと疑問を抱いていた。

「私は学生の期間がすごく長くて。11年間で心理学・社会学・教育学の3つの学部に通ったんです」

なぜ長い間学生を続けていたかというと、勉強することが面白かったから。

「勉強が面白いのは、決して授業が面白いってことではなくて。授業は単なるきっかけに過ぎなくて、面白いと思うことに出会ったら、自分でそれを深めていくという勉強の仕方をしていました」

だから勉強は好きだったけれど、授業にはあまり出席せず成績は良くなかった。学校の成績がその人の価値の何を測れているんだろうと、ずっと疑問に思っていた。

「教育実習にも行きました。学校では年間指導計画にもとづいたスケジュールで授業を運営していて。そうすると、たくさん質問をしてくれる生徒がいたとしても、授業を進めるためにその質問すべてには答えられない」

「でも、その子たちの疑問にはすごく価値があると思うんです」

興味を持って質問したのに、授業を進めるために切り捨てられてしまう。そのせいで学校や授業への興味を失ってしまっては、もったいない。

「授業ではやらなくても、子どもが興味を持ちそうなところを今回のサービスでは拾って、一緒に疑問を解決できたらいいなと思っています」

 
この動画制作に、外部からオブザーバーとして関わっているのが、株式会社スーパースーパーの代表、甲斐さんとフリーランスで活動する八子(やこ)さん。

八子さんは、以前JIEMの役員の方と一緒に仕事をしたのがきっかけで参加することに。

「勉強が楽しいって思えるようなサービスをつくりたいって聞いたときに、すごく共感して。自分が学生のときは、ただ受験のために勉強していたけれど、大人になってまた勉強をしてみたとき、すごく楽しいと思ったんです」

たしかに、学生のころには興味を持てなかったのに、大人になってから知るとすごく面白いと感じることがある。もしあのころから興味を持って学んでいれば、また違う可能性がひらけていたかもしれない。

「僕も、勉強の楽しさを学生時代に感じられていたらってずっと後悔していて。そういうのを解決できたらなと思っています」

現在は月に100本以上の動画をアップしている。内製後はもっと増やして、月に200〜300本を目指しているそう。

「たくさん動画をつくっていますけど、それを見た子どもが『面白かったな』で終わってしまっては、僕らにとっては失敗なんです」

失敗なんですか?

「はい。この動画がきっかけで、算数面白いからもうちょっとやってみたいとか、今までわからなかった部分がわかるようになったとか、そういう変化を起こせてはじめて、僕らは成功と言えるんです」

大切なのは、動画を見た子どもたちに変化を起こすこと。

未経験の人は、八子さんと甲斐さんと一緒に、2ヶ月間じっくり研修をして、動画制作のスキルを身につけていく。

ちなみに、動画制作チームのオフィスは渋谷にある。神泉駅から歩いて5分ほどの場所で、これから入社する人もここで働くことになる。

「本気で学べば、今からでも映像制作の世界で力を発揮できると思います」

と、甲斐さん。

一旦映像制作を離れたけれどまたやってみたい人や、ずっと興味はあったけれど、自分には手の届かない仕事だと思っていた人たちに、ぜひこのチャンスを掴んでほしい。

「ただ、教育への関心がないと続けていくのは難しいと思います」

教育の動画を日々つくり続ける仕事。それに疲れを感じないで、動画をいかによくしていくのか日々考えるには、教育に興味がなければ続かない。

それに、ほとんど0からチームを立ち上げていく時期でもある。

「少しずつ試行錯誤しながら形づくっていく時期なので、すぐに抜けてしまう人がいたら困るし、もったいない」

「やり方が決まってないぶん、みんながいろんなところから情報をインプットして、ここで共有したりぶつけ合ったりして、形を組み上げていく。それを楽しんでほしいですね」

それは動画のアイデアにも、チームづくりにも言えること。面白い動画を見つけたらどんどん提案してほしいし、こんなチームにしたい、こういう役割が必要、などのアイデアも出してほしい。

 
自分に映像制作ができるのか、不安に思う人もいるかもしれません。

でも何より大切なのは、教育への熱意を持っていること。

まずは自分が、新しい世界を広げてみませんか。

それがきっと、子どもたちの可能性を広げることにつながっていくんだと思います。

(2018/05/08取材 増田早紀)

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