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リノベは外装時代

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

街を歩いていると、思わず目に止まるお店や家々。とくに古い建物が丁寧にメンテナンスされて、ずっと大切に使われている姿は、心惹かれます。

古い建物ならではのデザインやレトロ感は、新築とはまた違った魅力。

そんな古い建物の味を残しながら、現代に馴染んだ形に生まれ変わらせる仕事があります。

リフォーム・リノベーション事業を得意とする株式会社リペアの外装事業部「家町装飾」です。

家町装飾は、昨年8月に立ち上がったばかりの新しい事業。

現在は事業長とデザイナーの2人で、問い合わせ対応から設計、施工までを一貫して手がけています。

今回募集するのは、3人目のスタッフ。施工管理を中心に、事務や設計などにも携わっていきます。

京急線に乗って、横浜・日ノ出町駅へ。家町装飾のオフィスは、改札を出てすぐのところにある。

古い倉庫をリノベーションした室内は、1階が同じ運営会社・リペアの内装リノベーション事業部、2階が家町装飾の事務所となっている。

迎えてくれたのは、事業長の梅田さん。

朗らかな雰囲気をまとった、とても話しやすい方。

まずは案内してもらった室内でコーヒーを飲みながら、梅田さんのことについて伺うことに。

「もともと絵を描くのが好きで、図工の成績はいつも5、みたいなタイプでした。高校を卒業して、建築関係の専門学校に入って。ペンを動かしたり、好きなようにデザインしてみたいって思っていた気がします」

卒業後はデパートなどの内装改修工事を手がける会社に入社し、テナント工事の監督見習いに。

趣味が高じてレコード販売店で3年ほど働いたのち、再び建築業界への就職を考えはじめたところで偶然リペアを知る。

今は80名ほどの会社も、当時はまだ10人程度。梅田さんは原状回復部門の営業として入社し、営業所長を経て統括マネージャーも経験する。

そんななか、次第に不思議に思うようになったことがある。

「当時はすでに、内装リノベーションが流行っていて、うちでも内装の改修依頼が増えていて。どうしてみんな外装はリノベーションしないんだろうって思ったんです」

試しに「外装リノベーション」とインターネットで調べてみると、ヒットしたのは塗り替え業者ばかり。本格的にデザインを手がける会社はほぼゼロだった。

「それなら、メンテナンスじゃなく、生活をよくするための外装デザインを提案してみたら面白いかもしれないって思ったんです」

背景には、梅田さんの個人的な思いもあった。

「僕のなかで、街の景観を変えたいという気持ちがすごくあって」

景観、ですか?

「はい。ここ最近、どこの街でも同じような建物が増えていていくなって。とくに賃貸はそう。仕方ないとは思うけど、もっと自由で良いんじゃないかとも思うんです」

「やっぱり古くてもちょっと手をかけた物件があったりすると、すごく映える。新築にはない味を残しつつおしゃれに蘇らせる、僕はそうしたものにすごく惹かれたんです」

新築ではなく、すでにあるものを生かして外観を変える。

そうすることで、街の印象も少しずつ変わっていく予感があった。

「街って本来それぞれの色を持っていると思うんです。たとえば同じ下町でも大田区と墨田区はまったく違う雰囲気。その色には、建物が絶対に影響している気がしていて」

「外観の一つひとつが洗練されていれば、町をプロデュースすることにもなる。そうした起爆剤をつくりたいと思って、外装リノベーションを会社に提案しました」

そして昨年8月、「いえからまちへつなぐ装飾」をコンセプトに「家町装飾」として、賃貸物件や戸建をメインに意匠外装を手がけはじめた。

その実質の1件目が、2階建の木造賃貸アパートのリノベーション。

8部屋中、6部屋が空いてしまったということで、内装のリノベーションをする機会に、外壁の塗り替えを依頼されたそう。

「お客さまから『どんどん提案してほしい』と言われて。塗り替えの色以外にもできることはなんだろうと、パースや図面をつくっていきました」

とはいえ、梅田さんも外装のデザインはほぼ未経験。まずは建物の特徴や傷みなど基本的な現地調査をすませ、試行錯誤しながら設計をはじめた。

「建物自体は80年代に大量生産されたもので平凡なつくり。どうすれば存在感を出せるだろうと、まず色から考えはじめました」

そこで周囲を見渡すと、白を基調とした物件が多いことに気づいた。

「じゃあ色味のある外壁にしてみようと。3Dモデルでいろいろと試してみたら、黒や濃いグリーンなど落ち着いた色を入れると印象が引き締まることがわかりました」

今までにない提案をしてみたいと、同時に通路の床材も一般的なコンクリートではなく木目仕様を選んだり、ランプの数を大幅に増やしたりした。

ただ、いざ迎えた工事では失敗も多々あったそう。

「たとえば塗料。ものによって艶の有無があって、光沢を出したりマットにしたりできるんですけど、実際に壁に塗ってみるまで、光沢の加減が掴めなくて」

「CGの画面上では問題なかったんですけど、実際に壁に塗ってみたら光沢が強すぎたんですよね。テカテカになってしまって、施工途中で急いで職人さんに塗り直してもらいました」

ほかにも住人や職人がストレスなく出入りできるよう、工程の段取りを指揮するのも施工管理の仕事。ときには冷や汗をかきながら、ようやく完成までこぎつけた。

オーナーは、建物が生まれ変わったようだと喜んでくれた。内見もひっきりなしで、半年ほどで全戸埋まったそう。

「必ずしも新しいものだけがいい、とは思っていなくて。古い建物には新築には出せない、その年代ならではの色や味があるんじゃないかな」

現在の集客は、横浜を中心として、社内の他事業部からの紹介がメイン。

ただ、「リノベーションまでしない、塗り替えだけでいい」というケースも多く、途中で流れてしまうことも多々あった。

「やっぱりまだまだ外観プロデュースという考えは根付いていなくて。僕たちも手探りの部分が多いので、今後はパッケージプランなどもつくりたいと思っています」

「今は珍しくても、僕ら次第で当たり前の選択肢になるかもしれない。そう思いながら働くのは楽しいです」

家町装飾の二人目が、デザイナーの根田(こんだ)さん。

はつらつとした明るさで、こちらの懐にすっと入ってきてくれる方だ。

美大で景観デザインを専攻したのち、新卒でリペアに入社。

原状回復部門の営業として働きはじめて1年が経ったころ、梅田さんが外装部門を立ち上げることを知る。

「もともと建物の外のことに興味があって。どうやら梅田さんが新しく外装部署をつくるらしいと聞いて、仕事中に梅田さんを近くのレストランに呼び出しました(笑)面白そうだから、ぜひ入れてほしいと頼んだんです」

実現は数年後と思いきや、なんと2ヶ月後に始動する、と急に連絡がくる。知識も何もないまま、現場に飛び込んだ。

「やっぱり外装は、規模もすごく大きくて。事務に現地調査、設計に施工管理。すべて2人きりで手がけているので、本当にマルチタスクです」

「スタートアップだからまだ決まっていないことも多い。新しく入る人も、いろいろ担当することになると思います」

とくに施工管理は、真夏の炎天下ずっと外にいることもあるし、朝早く出社して現場を指揮したあと、夜遅くまで事務作業をすることもある。

手がける件数が増えれば、当然仕事量も比例して増えていく。

「私は未経験からはじめたぶん、建築の奥深さも大変さも感じた一年でした」

そんな根田さんがはじめて手がけたのは、80年代に大量生産された6世帯の賃貸アパート。

オーナーが息子さんに引き継ぐタイミングで依頼を受けた。

「オーナーさんは、これからも残っていくようなものをつくってほしいと話してくれて。この建物にもう一度価値を与えるのがわたしたちの仕事なんだなって感じました」

まずは、サビや破損状況、そして物件の特徴を知るために現地調査を行い、写真や文章でまとめる。

「もちろんデザインも大事ですが、建物の劣化とともに下がった機能面を回復することがいちばんの目的。治療とデザインを両立させることが大切です」

このとき根田さんが気づいたのは、板チョコのような玄関扉や窓枠の可愛らしさ。

リノベーション後もそのレトロさが映えるような色合いやデザインを考えていった。

「最初はレンガを使いたかったんですけど、鉄骨の建物にレンガをつけると、法律や重量面でオーバーになってしまうと知って。梅田さんや社内の建築士に教わることも多かったです」

「途中で材料が品切れと言われたときには焦りました。手に入るお店を調べまわって、レンタカーを借りて隣県まで買いに行ったんですよ(笑)」

家町装飾として大切にしているのは、シンプルで、規則性があるデザイン。ほかにも周囲との親和性を見ながら、遊び心も忘れないように。

「オーナーさんとも話し合って、今回は木と石をコンセプトに据えました。一つの素材にもいろんな表情があるので、楽しんでほしいなって」

「よく見たら、パーツごとに色や木目も違うんですよ。テクスチャーは少ないんですけど、そのほんの少しの違いや動きで、建物の印象もガラリと変わるんです」

いよいよ迎えた着工では、施工管理として現場を指揮する。

もっとも大変なのは、工期管理と人員調整。

どんなに準備を重ねていても、雨で作業が止まってしまったり、完成したものが想像と違うこともあった。

「たとえばサイディングがほんの少し曲がっているのを見つけたときは、職人さんと話し合って直してもらうことにしました。お客さまから預かっているものなので、少し言いづらくてもダメなものはダメと伝えないといけません」

「かといって無理に工期を伸ばしては利益が下がってしまうので、やりくりをして。コスト管理で唸ることも多いですね」

無事に竣工するかどうかは、施工管理にかかっていると言っても過言ではない。

それだけに、完成後の姿を見たときの喜びはひとしおだった。

若い人も内見に訪れるようになり、空室は順調に埋まるように。オーナーも喜んでくれたそう。

振り返りながら、最初は何からはじめていいかさえ分からなかった、と根田さん。

でも実際に手を動かしてみたり、建築士さんや職人さんの話を聞くうちに、一個ずつわかることが増えていく。

そうして得た知識は自信になるし、仕事の幅も広がっていくのだと思う。

最後に、どんな人と働きたいかを聞いてみる。

「ものづくりが好きな人ですかね。どんな形になるだろうってワクワクできる人がいいな」

梅田さんはどうですか。

「年齢問わず、語り合える人がいいですね。仕事も遊びも心から楽しめる人と一緒に働きたい」

まだまだ前例の少ない外装リノベーション。

これから一緒に試行錯誤していくことで、古い建物がまちの彩りになる日が来るかもしれません。

(2018/05/29 取材 遠藤真利奈)

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