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ここまでやっていいんだ!
コンセプトから
細部まで宿を考える

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

ゆったりとくつろげる空間と、その土地ならではの愉しみ。

旅の醍醐味は、そんな非日常感を味わえることかもしれません。

株式会社星野リゾートには、訪れた人にその体験を味わってもらうため、工夫を凝らして宿をつくりあげている人たちがいました。

全国にユニークな宿泊施設を展開し、その名を知られるようになった、星野リゾート。もともとは、軽井沢で104年前に開業した温泉旅館でした。

現社長の星野佳路さんが跡を継いでからは、旅館再生ビジネスが事業の中核に。全国にある既存の施設を買収し、コンセプトに基づいたリノベーションや運営をしていくスタイルをとってきました。

最近では、新たな宿泊施設の立ち上げや、スキー場やレストランなどを手がけることも増えている。現在、星野リゾートの運営する施設は国内に46ヶ所、海外にも2ヶ所あり、今後も新規オープンを控えています。

今回募集するのは、施設の建設全般に関わる、企画開発ユニットで働く人。

施設のコンセプト決定から建設工事のマネジメント、施設細部の仕様を決めるまで、仕事の範囲は幅広い。いずれはプロジェクトの責任者となる立場なので、建築に少しでも関わったことのある人がいいと思います。

デザインや設計など、どれかひとつの仕事だけをやるというよりも、全体のビジョンを形にするためにチームをどう動かすかを考える仕事。

それに、ゼロから企画を立ち上げていくので、プロジェクトの上流から関わりたいという人は、きっとやりがいが感じられると思います。



東京・大手町。地下鉄の駅を出ると、周囲には高層ビルが立ち並ぶ。3分ほど歩くと、オフィスビルに混じって1つ、雰囲気の異なる建物が現れる。

ここが、星のや東京。

テレビや雑誌で観たことはあっても、実際に星野リゾートの施設を訪れるのは初めて。

緊張しながら中に入ると、まず天井の高さに圧倒される。

日本旅館なので、まず玄関で靴を脱ぐ。一歩足を踏み入れると、周りがビジネス街だということを忘れてしまいそう。

エントランスから続く畳はエレベーターや廊下まで続いていて、まるですべての空間がつながっているように感じる。

地下一階にあるダイニングで、まずお話を聞くのは、プロジェクト・プロデューサーの馬場さん。

専門的な話でも、わかりやすく伝えようとしてくれるのが印象的だ。

「企画開発ユニットには、大きく分けて2つの業務があります。一つは新しい施設をつくること、もう一つは既存の施設をリノベーションして生まれ変わらせること」

馬場さんたちは、建築のハード面を担当する、ファシリティ・マネジメントの業務を担う。契約書やスケジュールといったソフト面の調整を担うスタッフとチームを組み、案件を進めている。

「普通の会社ですと、『ここまではこの人の責任、終わったらまた別の人に渡す』っていうのが多いと思うんですけど、うちはコンセプトから設備の仕様まで、同じメンバーが主体で動きます」

とはいえ、プロジェクトメンバーだけですべてが完結するわけではない。社内のマーケティングチームや施設の支配人、社外ではデザイナーなど、その都度専門的な知識を持つ人と協力しながら進めていく。

「自分の中にある『こういうものがつくりたい』という思いを、みんなの力を借りながら形にしていくことができる仕事です」

みんなで何かをつくることの楽しさを馬場さんが知ったのは、大学の建築学部にいたころ。

「同級生はみんな、デザインがうまかったり知識がすごく豊富だったり。自分は彼らには勝てないと思ったし、デザインの授業を受けていても、あまりピンと来なかったんです」

転機が訪れたのは、所属するゼミでコンペに応募したときのこと。

「僕は、つくるもののコンセプトを考えて、デザイン画やCGなど、それぞれ得意な人に仕事を差配するような役割を担いました」

「自分が手を動かせなくても、みんなのアイデアをまとめながら、自分が思ったものが形になっていくのがすごく楽しくて。そういうことを仕事にしたいなと思ったんです」

ゼネコンの企画部を経て、星野リゾートに入社したのは10年前。数々の新規案件に立ち上げから携わってきた。

「この星のや東京は、僕が担当したんです。最初は、あちこちの不動産会社に営業の電話をかけるところからでした。『都内に日本旅館をつくりませんか』と」

「そこから、ビジネスプランやコンセプトを考えて。設計事務所とデザインを考えたり、運営会社と冷蔵庫の中身を決めたり。こだわろうと思えばどこまででもできます」

馬場さんにこだわりを聞いてみると「時間があればいくらでも話しちゃいますよ」と、次々に見どころを教えてくれた。

たとえば、エレベーターの到着音を拍子木の音にしたり、月の満ち欠けになぞらえた照明や、真っ黒な人工大理石のバスタブなど…。

“建築”と聞いてイメージするよりずっと裁量が広そう。

「分業で建築に携わってきた人にとっては、二次元が三次元になるくらい、自由度が増すと思います。僕たちはベンチャー企業のようなものですから。『ここまでやっていいんだ!』と楽しめる人には、もってこいの仕事でしょうね」

馬場さんたちが施設づくりを考えるとき、一番大切にしているのは、旅館を訪れた人が日常を離れて特別な時間を過ごせること。

「僕たちにできるのは、施設をつくるところまで。そこから運営スタッフの手に渡って育ててもらう。自分の子どもが大きく育ってほしいと願いを込めながら、小さな小さなところからDNAを全部つくっていくんです」

星野リゾートは、海外展開も積極的に進めている。今回の募集では、馬場さんと一緒に海外案件に取り組みたいという人にも出会いたいと思っている。

「海外の会社とのやりとりのなかで、文化的な違いも理解しながらプロジェクトを回していきます。海外案件は、“攻略本のないロールプレイングゲーム”みたいな感じなんですよ」

攻略本のないロールプレイングゲーム…?

「はい。自分から動かないと何も進まない環境のなかで遭遇するミッションをなんとかクリアして、ものをつくっていく。海外って、日本で当たり前のことがまったく通用しなかったり、想像もしないことが起きたりするので。そういう違いを面白いと思ってほしいですね」



もう1人、お話を聞いたのが榎本さん。

3年前に入社してから、主に既存施設のリノベーションを担当している。落ち着いた、穏やかな雰囲気を持った方。

もともとはゼネコンで設計の仕事をしていた榎本さん。

「マンションの設計をしていて、ふと『なんで同じような部屋が並んだ金太郎飴みたいなプランになるんだろう』と疑問に思っちゃって。企画のできる会社で、もっと面白いプランを生み出したいと、不動産投資会社に転職したんです。でも、そこでもなかなかうまくいかず…」

オフィスビルの共用部を充実させたいと思ったとしても、そこでは賃料は取れないから、ビジネスとして成り立たない。

「デザインとビジネスを両立するには、そのデザインに価値を感じてくれる人たちに届けることが大切なんだと思いました」

プライベートでは結婚・出産を経て、仕事とのバランスが取りにくくなっていたころ。自分の目指すキャリアを辿れていないことに悩んだ時期もあった。

「星野リゾートに転職したのは、まだまだやりたい仕事にチャレンジしたいと思ったからなんです」

入社してからはずっと既存施設のリノベーションを担当している。

「古くなった機能を直すのはもちろん、より施設の特色を魅力として打ち出せるようにすることも目的のひとつです」

たとえば、全国の温泉地に展開する旅館ブランドの1つ“界”では、それぞれの地域の特色を表現することを大切にしている。

「一番ワクワクした案件は、茶畑ですかね」

茶畑、ですか?

「静岡県にある“界・遠州”は、お茶をご当地の魅力として打ち出していて。それをより表現するために茶畑をつくろうというプロジェクトがありました」

うまく活用できていなかった施設の中庭に手を加え、静岡では馴染みのある茶畑の風景を表現。浜名湖を望みながら、茶摘みのアクティビティもできる場所にしていくという。

この茶畑のアイデアは、どうやって生まれたんですか?

「施設の接客スタッフを交えた会議のなかで出てきたんですが…誰から出てきたアイデアかって、はっきり覚えていないんです」

ひとつのアイデアに対して、みんなが自由に意見を言い合っていくのが、星野リゾートのスタイル。どの部署の人であっても、仮に相手が代表の星野さんであっても、自由に発言していいし、どの意見も対等に議論される。

「だからこそ、まとめるのは難しいです。それぞれの意見のいいところや共通点を見つけていって、最終的に全員が納得できる計画をつくっていくのが、私たちの仕事です」

遠隔の施設とはテレビ電話でつないだり、実際に出向いて意見を吸い上げる。設計会社にも同じ温度で施設のコンセプトを伝え、ベストなデザインを一緒に考えていく。

案件に関わる一人ひとりが同じビジョンを共有しながら動けるように心を砕く。

「誰かから指示されたことじゃなくて、みんなで考えて出した結論だから、いろんな人が関わっても、コンセプトがきちんと共有されていくんです」

「とにかくやることは幅広いし、仕事は正直大変なことも多いです。でも、いいんです、楽しんでやっているので。もし今、前の仕事に戻ったら、きっと物足りなく感じると思います」



話を聞いていると、担う役割の幅広さをあらためて実感する。たとえ業界の経験者であっても、できるか不安になる部分も多いのではないか。

その疑問には、馬場さんが答えてくれました。

「バスケットボールにたとえるなら、最初はこのへんでパス投げて、ここまでドリブルして、みたいな感じで練習をしていきます。だんだん1人でシュートも決められるようになるし、自分だけじゃなくて、他のメンバーの動きもわかるようになる」

最終的には、試合に勝てるチームづくりを自分で考えていく。ひとつの施設を完成させられるなら、どんなやり方でも担当者が自由に考えていい。

「でも、バスケは5人でやるものですし。仕事も、自分1人でやるものではありません。それはわかっていてほしいと思います」

自分がどこまでやれるのか、最初は悩むかもしれません。

でも、やりたければ、どこまででもやっていい。

最初から最後まで、自分でやるから面白くなる。その感覚を味わってみたい人に、ぴったりの仕事だと思います。

(2018/08/10取材 増田早紀)

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