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音楽と生きる
可能性を広げる
ここで何ができるだろう?

バンドマンならお世話になっている人が多いであろう、音楽スタジオ。

ぼくは大学時代からアカペラという音楽をはじめて、利用するようになりました。人数カウントではなく一部屋あたりの料金設定で、実はカラオケに行くより安かったりもします。

一方で、自分とは縁遠いと感じる人も多いかもしれません。

プロのバンドも、音楽をはじめたばかりの人たちも。どんな人でも気軽に訪れてもらえるような場づくりを目指してきたのが、スタジオノアのみなさんです。

運営する株式会社ノアは、1971年創業。もともとは東京・原宿にあるビルの地下で、ノアカフェという喫茶店からはじまりました。

音楽スタジオの事業に展開したのは、そのお店で働いていたシンガーソングライターの今井さんという方の発案がきっかけ。その後、本格的なレコーディングスタジオやクロマキー合成ができる映像スタジオ、さらにはピアノスタジオやダンススタジオなどにも幅を広げています。

今回は、都内30拠点を運営するスタジオ事業部のうち、21店舗を展開するサウンドスタジオノアのスタッフを募集します。

音楽が好きで、音楽に関わりながら働きたいという人に知ってほしい仕事です。経験は問いません。

 

訪ねたのは、スタジオノア恵比寿店。

入り口のネオンライトが目印だ。

JR恵比寿駅から歩いて3分ほどに位置するビル全体がスタジオになっていて、部屋の数は全部で28室。

30帖ほどの大きな部屋もあれば、常設のピアノがある部屋、本格的なレコーディングができる部屋もある。

マンガや映画の世界において、音楽スタジオは薄暗く、タバコの煙が充満した空間のように描かれることも少なくない。ぼくがはじめて利用したスタジオはそのイメージに近い空間で、少し緊張しながら重い扉を押したことを覚えている。

対して、ノアのスタジオはまるで明るいカフェのよう。はじめての人でも入りやすそうだし、実際に目の前を老若男女さまざまな人が通り過ぎていく。

フロント横の待合スペースで話を聞いたのは、エリアマネージャーで人事担当の森元さん。

店長やスタッフと連携しながら、都内8店舗の運営を担当している。

もともとバンド活動をしていた森元さん。

活動と並行して音楽に関わる仕事をしようと思い、ノアでアルバイトスタッフとして働きはじめたそう。

「最初、なめていたんです。なんというか、若者特有の無敵モードってあるじゃないですか。この仕事というより、人生をなめていたんだと思います」

ただ、働きはじめてみて、少しずつ楽しさややりがいを感じるように。

「アルバイトの立場でありながら、こういうふうにしたらいいのに、と思うことがいろいろあって。経験を積むうちに意見が通るようになり、考えながら形にしていくのが面白くなっていったんです」

たとえば、内装デザインや照明の位置を決めたり、音の響きを確認しながら空間を設計したり、常設の機材を選んだり。外部のコンサルタントを入れずに、自社スタッフでスタジオづくりをしている。

また、各店舗の待合スペースなどに置かれるノアブックという冊子の編集や写真撮影、Webサイトでのコラム執筆、さらには機材講習会や講師を招いてのセミナーまで。スタッフの発案から形になるものは多い。

「フラッシュアイデアで物事を進めちゃう。どんどん新しいことをやるノリというか、社風はあると思いますね」

「あとは、会社がもともと飲食業からはじまったのもあって、接客にはうるさいです。音響機材などハードについての知識も必要ですが、それと同じぐらい接客サービスにプロ意識を持ちましょう、と言っていて」

そのための研修プログラムが、昨年から本格的にスタート。

接客はもちろん、音響機材やエアコン設備のメンテナンスについてなど、入社後は幅広い知識やスキルを身につけることになる。

以前は音楽経験者のスタッフが多かったものの、ここ2〜3年は新卒採用にも力を入れはじめていて、音楽未経験のスタッフも半数近くになってきているそうだ。

 

「経験の有無にかかわらず、覚えなきゃいけないことは本当にたくさんありますよ」

そう話すのは、渋谷2号店の店長である佐藤さん。

「入社当初は、働いているというより日々勉強に来ているという感じで。個人差はありますが、3ヶ月〜半年ぐらいは、必死に知識とスキルを身につける期間になると思います」

24時間営業の店舗も多く、朝番、遅番、深夜番の3シフト制。

お客さんの受付や電話対応、予約状況の管理などをしながら、1時間ごとの入退室がスムーズに進むように駆け回る。

また、予約の合間を見計らって機材のメンテナンスをしたり、スタジオの清掃や整理をしたり。常時3〜5名のスタッフで、店舗によっては20部屋以上もあるスタジオの運営を行う。

「予約状況によって動き方が変わってくるので、毎日臨機応変に対応していきます。まったく同じと言っていい日は一日もないですね」

「細かなことで言えば、シンバルを磨いて錆びないようにしたり、次に使う方が操作しやすいように、スタンドのネジの向きを揃えたりもします。入れ替えの時間が限られているときも、できる限りのことをやります」

チェックとメンテナンスを怠らず、常によい状態で空間を提供するのが音楽スタジオの仕事の基本。

ただ、スタジオは貸し出すだけの場所ではない、と佐藤さんは考えている。

「ぼく自身、ずっと音楽をやってきて、スタジオのユーザーでした。当時お世話になっていたスタジオの店長さんがフランクな方で。バンド以外の話もさせていただいて、とてもお世話になっていたんです」

同期の友だちが就職していくなか、バンド活動を続けていた佐藤さん。好きなことをして生きていきたかった。

とはいえ、音楽の世界は厳しい。

このままでいいのか…?という気持ちが芽生えたとき、バンドをやめることを決意。そんな話をできる相手のひとりが、その店長さんだったという。

「リハーサルスタジオは、ただ空間を貸しているんじゃなくて、人間関係をつくれる面白い場所だなと感じて。そういう形でミュージシャンをサポートするのもいいなと思いました」

仕事としての音楽を諦める人もいれば、下積み時代から見守っていたバンドが、武道館のような大きなステージへと駆け上がっていくこともある。

思っていた以上に、ここはいろんな人生の交差点となっているのかもしれない。

「ぼく、ノアに入ってから音楽の経験値が上がったように感じているんです」

それは、バンドで活動していたときよりも?

「そうですね。自分がこれまで聴いてこなかったジャンルの音楽をやられているお客さまもいらっしゃるので、お話ししているといろんな知識を学べますし、常連さまからCDをいただいたり、ライブに行かせていただくなかで新しいジャンルに触れるようになったり」

「それから、ドラムやギターやベースなど、いろんな機材を触ることもできます。ここで働いていて楽しいことのひとつですね」

バンドをやめても、音楽を続けることはできる。

ぼくも大学時代にはじめたアカペラを未だに続けていて、その経験が思わぬ形で縁を結ぶこともあるし、ふとしたときの支えになったりもする。音楽がかたわらにある生活は、やっぱりいいなと思う。

 

「最初は何もできなくてもいいんです。音楽が好きっていう気持ちとか、情熱が心の底のほうにでもあれば」

隣で話を聞いていたエリアマネージャーの峯岸さんが、そんなふうに言葉を継いだ。

峯岸さんも、ずっと音楽を続けてきた人。

中学校1年生のときの誕生日プレゼントが、初心者用のギターセットだった。

「物心ついたころから、うちの親が音楽をいろいろ聴いていて。『これがあればCDみたいな音が出せるんだな!』と思って、すぐに弾いたんです。そしたら全然いい音が出なくて(笑)。なんだ、やんねーよこんなの!って、しばらくそのまま物置にしまっていました」

中学時代はサッカー部。

ところが、3年生のときに足を骨折して入院。復帰まで時間がかかるため、部活をやめることに。

暇を持て余した峯岸少年。物置に眠っていたギターを引っ張り出し、再び弾きはじめたところ、どんどんハマっていったのだそう。

その後、高校や大学でも音楽漬けの日々を送る。

「大学4年のとき、なぜか学生会長に選抜されたんです。そのおかげでけっこう就職の話がきて、誰もが知っている大手企業の内定をもらったりもしていました」

「それでもやっぱり、毎日スーツを着て会社に通うのは無理だと思って。卒業するギリギリで内定を断らせてもらって」

音楽業界の仕事をあらためて探したとき、ノア系列のレコーディングスタジオ「サウンドアーツ」の仕事を見つけた。

「当時面接をしてくれたのは、スタジオノア創設メンバーの今井さんで。結果は残念ながら落選でした」

「でもその直後、『リハーサルスタジオのほうで働いてみない?』と言われ。一度スタジオを見てから決めたいと思って、案内してもらったんです」

足を運んだのは、当時出来立てホヤホヤの下北沢店。

新品の機材に、清潔感あふれる明るい内装。それまでの音楽スタジオのイメージが覆ったという。

「それで、まずアルバイトとして働きはじめました。時給は当時800円。親からは猛反発を受けて(笑)」

実際に働いていて、ギャップはなかったですか。

「なかったです。これ、おれの天職だなって。毎日楽器を触れるし、一緒に働いている仲間も音楽好きで気の合う人ばかりで。家には一瞬寝に帰るぐらいで、あとはずっとスタジオに入り浸っていました」

入社からおよそ1年で下北沢店の店長に。

その後は渋谷2号店や新宿店、秋葉原店の立ち上げを任され、内装や機材を選ぶところから次々と店づくりに携わっていった。

そんな峯岸さんが生み出したもののひとつに、ライブ配信のサービスがある。

今やyoutubeやSNSにも当たり前のようにライブ配信の機能があるけれど、峯岸さんが取り組みはじめたのは数年前のこと。

専門的な機材が揃っているので、高音質・高画質の動画をスタジオからリアルタイムに発信することができる。

「今ほどライブ配信が主流になる前、雑誌を読んでいたら、好きなアーティストが海外でライブ配信をしたっていう記事を見つけて。ライブ配信の方法まで、全部載っていたんです。それをスタジオで試しはじめたのがきっかけでした」

そもそもの会社の成り立ちから、こうしたサービスや空間づくりの細部に至るまで。

一人ひとりのスタッフが自主的に動いたことがきっかけとなって、この会社は成長を続けているように感じる。

最後に、エリアマネージャーの森元さんの言葉を。

「リハーサルスタジオというフィールドに、すごく可能性を感じていて。もっとお客さまに提案できることがあるはずだと思っています。ぜひ、こんなことがしたい!という野心を持った人に来てほしいですね」

取材するまで、こんなに幅広いことに取り組んでいる会社だとは知りませんでした。

新たな仲間が加わることで、どんなスタジオへと変化していくのか。個人的にも楽しみです。

(2018/8/16 取材 中川晃輔)

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