求人 NEW

地域に溶け込み、
深掘した魅力を世界中の人へ
野村不動産の新たなホテル

せっかく旅をするのなら、その地にしかないものを味わいたい。

それはきっと日本を訪れる人たちも同じで、ここ最近はよりローカルな地を訪ねる人が増えているように思います。

そんな海外の人たちに日本の魅力を伝えるとしたら、どんな方法がいいだろう。

今年の秋、上野に新たなホテルがオープンします。

その名も『NOHGA HOTEL(ノーガホテル)』。台東区を中心に日本の様々な魅力を発信するホテルです。

ただ、「日本の魅力を発信」と言っても、すでに同じようなお店やサービスはいくつかあると思います。

そこでホテルを手がける野村不動産が選択したのは、ローカルに根ざし、地域の人たちとつながることでした。

出会った魅力をさらに深掘りし、海外から訪れた人たちに伝える。

今回は事務とサービススタッフの募集です。

どちらの職種も担当業務に加えて、昨年に設立したばかりの新しい会社の組織づくりやホテルの開業準備にも携わります。

 

東京・上野駅。改札を出て5分ほどのビルの2階にNOHGA HOTEL UENO LABがある。

ここはホテルの開業準備室で、オープン後にオフィスはホテル内に移設される予定だという。今秋の開業に向けてスタッフの方々は大忙しの様子だ。

最初に話を伺ったのは、このプロジェクトの中心人物である中村さん。

野村不動産というので、てっきりスーツ姿のかっちりした人が登場するのかと思っていた。

いつもスーツじゃないんですか?

「ええ、社内でもうちのチームだけがこんな感じですね(笑)これから新しいことをやるのに、旧来のイメージを払拭したいっていう気持ちがあるんですよ」

野村不動産はマンションを得意とする大手不動産会社。今ではオフィスや商業施設、物流施設なども手がけ、様々な方面からまちづくりをしている。

そんな野村不動産がどうしてホテルをはじめることにしたのだろう。

「昔からホテルをやろうっていう話は出ていたんです。ただ、いろんな理由があって参入できずにいて、そんなとき複合再開発プロジェクトで国際的なホテルをつくることになったんですね」

「ただ、完成するのが2025年とだいぶ先。将来的にホテル事業をやるにあたって、まずは一度自社ブランドをつくっていこうとNOHGA HOTELの計画がはじまったんです」

とはいえ、ホテルといえばほかのデベロッパーたちがすでに数年前からはじめていることだ。言ってしまえば、野村不動産は出遅れている。

ならばいっそのこと今までにないユニークなホテルをつくろう、と考えた中村さんたちは、まず自社が得意なことを探っていった。

「今ではどこでもやっていますけど、マンションのモデルルームで地域紹介の映像を流すのって、もともとはうちがはじめたことなんですよ。まちの魅力を探るために、1棟のマンションにつき約100人以上にインタビューをして、老舗の店主や町内会長さんといった人たちに語ってもらうんです」

「マンションだけではなく、オフィスビルや商業施設でも同様のことをしていて。それなら日本を知りたいと海外から人がやってくるホテルこそ、地域の魅力を最も紹介できるのではないかと考えたんですね」

また、中村さんは世界中のホテルを調査するうちに、あることに気づいたという。

「海外の人にお勧めのホテルを聞くと、ポンポンと地元のホテルの名前が出てくるんですよ」

地元のホテルなんですね。日本だと有名なホテルの名前ばかり出てきそうです。

「そうなんですよ。なぜ海外はそうなのかというと、地域の人がカフェやオフィスの延長線上としてホテルを使っているからなんです。接客もすごくフレンドリーだから、日常的に利用することができる。ホテルが地域のコミュニティスペースとして機能しているんですね」

「そういうのってすごくいいなと思って。世界中の人も地域の人も集まって、そこにつながりが生まれて広がっていくような。そんな場を目指してNOHGA HOTELがはじまりました」

舞台となるのは台東区。全130室のホテルは、上野駅のすぐ近くにオープンする。

台東区は上野動物園や浅草寺、西洋美術館といった一大観光スポットはもちろん、江戸時代から400年以上続くものづくりの文化もあり、伝統工芸が盛んなまちだ。

最近では同区の蔵前を中心に活動する若いクリエイターやお店も増えはじめ、人気が高まっている。

中村さんはそうした人たちがつくるものをホテルの客室やレストランに使用したり、ギャラリーでの展示や販売をしたり。NOHGA HOTELオリジナル商品もつくることで、その魅力を伝えようと考えているそう。

とくにここ1年半は約400軒のお店や人を訪ね回り、協力者を探したという。

そのひとりが上川宗照さん。江戸末期から11代続く技を継承し、伝統工芸品『東京銀器』をつくる職人さんだ。

「宗照さんは70歳くらいの江戸っ子で、息子さんや娘さん4人と一緒にご家族で銀器の伝統工芸品をつくっていらっしゃるんです。宗照さんにはオリジナルのタンブラーをつくっていただきまして、これでビールを飲むとすごく美味しいんですよ」

「ぜひ試してみてください」と、市販のグラスに注いだものと飲み比べさせてもらうことに。

「まず色を見てください」

見比べると、グラスに比べて銀器のほうが鮮やかな黄金色をしているような気がする。

「実はこれがビール本来の色なんですよ。ガラスに比べて銀ってほとんど光を屈折させないから、これだけ色の違いが出るんです」

熱伝導率もいい銀器は、唇に触れた瞬間ひんやりと冷たさが伝わってきて気持ちがいい。

そして一番驚いたのは味の違いだ。グラスに注いだものに比べてまろやかな味わいをしているように感じた。

「こんなに変わるのか!ってびっくりしますよね。銀に含有されているイオンが作用することで、ここまで変わるそうなんです。こうしたことを海外の人たちにも楽しんでほしくて、この銀器はレストランで提供しようと思っているんですよ」

それにしても、よく宗照さんは協力してくれましたね。

「それが、最初は話すらしてくれなかったんです(笑)息子さんは優しく対応してくださったんですけど、宗照さんはずっと奥のほうで作業をしていて」

そうだったんですね。どのようにして関係をつくっていったのでしょう。

「何度もお伺いしました。何回目かなぁ… 4回目くらいでようやく宗照さんが顔を出してくれて。そのときに、世界の人にも宗照さんの銀器を知ってもらいたいんですってお話ししたら、ものすごく感動してくれたんですよ」

「というのも、こういう世界って数年前まで職人の名前が外に出ることがなかったそうなんです。問屋に言われたものをただつくるばかり。宗照さんは自分たちでも商品をつくっていたけど、なかなか上手く発信できずにいたそうで」

ほかにも、NOHGA HOTELのような場を求めていた人たちはたくさんいたという。

そこで中村さんたちは、地域の魅力を伝えるコンテンツを地域の人たちと一緒に考えることにした。

創業約80年の木本硝子には、現代のライフスタイルに合わせて開発した黒色の江戸切子を提供してもらい、レストランで使用する。

また日本仕事百貨でもおなじみ、オリジナルの生活日用品をつくるSyuRoには客室のアメニティボックスやハンガーをオリジナルでつくってもらう。

コーヒーとチョコレートのお店・蕪木からはコーヒー豆を卸してもらい、先日は淹れ方まで教わったそう。

このほかにも、郡司味噌漬物店がつくる天然醸造の味噌や鮒藤商店の佃煮など、地元で長年愛されてきた老舗の食材もレストランで提供するという。

「ワークショップやイベントも頻繁にやりたいなと思っています。たとえば、着物に家紋を手書きで入れる紋章上繪師(もんしょううわえし)の京源さん」

「この方が『紋切り型』といって紙とハサミがあればできるワークショップをされているので、うちのホテルでもぜひやりましょうとお話ししています」

ただモノを詰め込むだけでなく、地域の人たちとつながり、一緒になってよりよい魅力の伝え方を探っていく。

きっとこれからも地域の新たな魅力が生まれていく場になるんだと思う。

「僕たちが大切にしているのは地域とつながること。そこにホテル経験は必要ないと思っています」

「前職で何をやっていようが、ひとつのことに興味を持って掘り下げていける人に来てほしい。いろんな趣味のスタッフが、ホテル全体のバランスをつくる形を目指したいですね」

スタッフ自身も地域の人とつながって、自らイベントなどを企画していけたらもっと面白い場になりそうです。

「それができると最高ですね。僕たちは今までにないホテルをつくりたいので、肩肘張らずに本当に好きなものを一緒に目指したいです」

 

続いて話を伺ったのは、NOHGA HOTEL UENOで支配人を務める金織さん。

とっても気さくな楽しい方で、もともと抱いていたホテル支配人のイメージとは180度違うと言ってもいいくらい。

「よく言われるんですよ。スタッフ採用の面接のときも、支配人ですって私から言わないと、誰だろう?って顔をされるんです(笑)」

金織さんはこれまで別のホテル内にあるスパでセラピストを経験し、その後はディレクターとしてスパのマネジメントをしてきたそう。

その経験が買われ、ホテル自体のマネジメント経験はまったくなかったものの、支配人として抜擢された。

今はサービスの内容を詰めているところで、細かいことはまだ決まっていないそうだ。そのためこれから加わる人とは、ホテルの運営方法から一緒に考えていきたいという。

「NOHGA HOTELに泊まってよかったとお客さまに感じていただくために、何ができるのか。やりたいと思うことはいっぱいあるんですけど、それを現実的に落とし込んでいくのが難しいなと感じているところです」

どんな難しさですか?

「たとえばホテルのアメニティをなるべく地元のものにしたいんですけど、やっぱり大量生産品と比べてずっと高価なんです。1個たった数円の違いでも、年間何百万円も費用が変わってくるんですよ」

「だからといってコスト削減のために一般的なものにしてしまっては、うちのホテルの価値が下がってしまうかもしれない。コンセプトを優先するのか、現実的な運営面を考えるのか。その葛藤は何を決めるにしても感じますし、おそらくこれから入る人も悩む部分だと思います」

地域に根付き、愛される場になっていくためには、そんな葛藤や時間も必要だと思います。

大変な立ち上げを終えたあとも、ずっと細かい調整やアップデートが続くかもしれない。

でも、このメンバーとなら楽しみながら乗り切っていけそうだと思いました。

NOHGA HOTELはこれから全国各地に展開していく予定だそうです。中村さんも、このホテルとは別ブランドの新しいホテルをつくる構想があるそう。

しっかりと経験を積んでいけば、活躍の場は広がっていくと思います。

まずはNOHGA HOTEL UENOで、地域を知ることからはじめてください。

(2018/2/26 取材、2018/11/8 再掲載 森田曜光)

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