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上座も下座もない
火を囲むような
“つながり”のデザイン

場やコミュニティ、イベントなど。これらに関わる人たちなら、少なからず考えてきたであろう“つながり”のこと。

つながりってなんだろう?

どうしたら生み出せるんだろう?

そんな疑問を抱えている人や、何よりいい場づくりを探究したいという人に知ってほしい会社があります。

株式会社ファイアープレイスです。

川崎市内の複合型コミュニティスペース「ROCKHILLS GARDEN」のほか、江ノ島の広場活用や神戸市の商業施設におけるコミュニティデザインなど、さまざまな場づくりの企画運営をしてきたファイアープレイス。

今年の4月には、東京・日本橋に「Connect」という新しい場所をつくります。

火を囲んで語らうときのように、心地いい “つながり”をどうデザインするか。試行錯誤を積み重ねてきたファイアープレイスだからこそ、実現できる場づくりがあると思います。

今回は、ROCKHILLS GARDENとConnectの運営に関わるコミュニティデザイナーを募集します。

 

この季節、日が沈むと格段に冷え込んでくる。

駆け込むようにJR川崎駅直結のショッピングモール「ラゾーナ川崎プラザ」に入り、館内を抜けて駅とは反対側の通りへ。

川崎には賑やかなイメージを持っていたものの、このあたりはだいぶ落ち着いて感じられる。買い物袋を手に提げた人、寒そうに肩をよせて歩く学生たち、スーツ姿で住宅の案内をする人…。

駅の東側と西側でまちの雰囲気も違うのかもしれない。

歩くこと3分ほどで、ファイアープレイスの運営する「ROCKHILLS GARDEN」に到着。

およそ3年半前にこの場所をつくりあげたのが、代表の渡邉知(さとる)さんだ。

マンションの7階ワンフロアと屋上をリノベーションし、飲食事業を軸に、企業研修や貸切パーティーなどさまざまな用途に対応。

都市部の主要駅近くにありながら、ひっそりとしたプライベートな空間には秘密基地のような雰囲気がある。

「ファイアープレイスの象徴は『火』です。バーベキューでもキャンプファイアーでもそうですが、火を囲むときには上座も下座もないんですよね」

誰が火を点け、具材を切って焼くか。

そういった役割分担はあっても、火を囲めば関係性はフラットになりやすい。

「星空のもとで火を囲んで、お酒も入り、だんだん夜が更けて。フラットな空気感のなかで、誰からともなくぽつりぽつりと話しはじめる。人と人がオフラインでつながる、そんなコミュニティづくりを目指してきました」

ファイアープレイスにとってはじめての場づくりとなったROCKHILLS GARDEN。

アーティストとコラボした壁面の装飾や、渡邉さんの地元である宮城県の畳職人に特注して設えた和室など、空間の意匠にはこだわった。

ただ、創業当初はビジョンばかりが先行してしまい、経営的に苦しい時期もあったという。

「ビジョンを実現するためには、しっかりとした収益基盤が必要です。この場所で言えば、基盤となるのは飲食事業。そのことに腹落ちするまで、2年間もかかってしまいました(笑)」

だからこそ渡邉さんは飲食業の基本を大事にしている。

安心安全であること。清潔であること。

加えて食材は、東北の若手漁師集団「FISHERMAN JAPAN」から仕入れた新鮮な魚介や、ストレスフリーな環境で育った神奈川県の「みやぢ豚」、岡山県西粟倉村の山奥で丁寧に育てられた「森のうなぎ」など、活動を通じてつながった生産者から直接仕入れ、提供している。

それでも、何かが足りない。いまだに試行錯誤を続ける渡邉さん。

「いろいろと考えるなかで出てきたのが“つながりのデザイン”という言葉で」

つながりのデザイン。

「人と人のつながりって、『共感』と『協働』だと思うんです。つまり、想いが重なることと、一緒に何かができること」

「これまでにまちづくりや採用の仕事もしてきましたけど、どんな仕事やプロジェクトも、この2つの要素をどうデザインするかに集約されるんじゃないかと思っています」

“つながり”だけではふんわりしてしまうけれど、「共感」と「協働」をどう生み出すかと考えると、手がかりが少し増える。

「共感」が生まれるのはどんな場面か。どういうサポートや仕掛けがあれば、「協働」につながるのか。

4月にオープンする「Connect」は、そんな“つながりのデザイン”を社会に問い、実践する場所となる。

東京・日本橋のビルの1階部分ワンフロアに、食堂とスナックを設計。空間全体に、“つながり”を育むための仕掛けを散りばめる。

「店内にデジタルサイネージを設置し、『学びたい・教わりたい』『教えます・伝えます』『このテーマで話したい』『こんな人探してます』といった切り口で、お客さまから寄せられた“つながりのきっかけ”を掲示します。イメージは、音楽スタジオに掲示された『ベーシスト募集!』の貼り紙のような感じです」

お客さん自ら“貼り紙”を出すこともできるし、気になるイベントやプロジェクトがあれば参加することもできる。

「たとえばカメラが得意な人であれば『写真を習いたい人募集』でもいいですし、『場づくりについて語りたい』『こんなデザイナーを探してます』というのでもいい。どんなことからでも、つながりのきっかけは生まれると思うんです」

SNSが発展し、イベントやワークショップなどの情報が毎日のように流れてくる現代。つながる機会はいくらでもありそうだけど、情報の氾濫に疲れを感じている人も増えている気がする。

一方でファイアープレイスが大事にしてきた“オフラインの場でのつながり”においては、情報の届く範囲も、情報量も限定されるぶん、思わぬ出会いに刺激を受けたり、好奇心を駆り立てられたりすることが多いと思う。

川崎のROCKHILLS GARDENでは、お客さんとして来た人がスタッフになったり、仕事がはじまったり、ある人は結婚式を挙げたりと、いろんな縁が生まれているそうだ。

今回募集する職種は3つ。

まず、お客さんとのコミュニケーション方法を中心となって考えるコミュニケーションデザイナー。対面での接客はもちろん、デジタルサイネージやSNSなどのツールを使い、どうしたら“つながり”が生まれるか、共感と協働のきっかけを試行錯誤する役割。広報のような仕事も担うことになる。

2つめはオペレーションデザイナー。メニュー開発や食材の発注、予約管理システムの主担当として、場所がうまく回転していく方法を考える。

そして3つめがリーダー。各拠点の運営を取りまとめ、スタッフのシフトを作成したり、イベントを企画・運営したり。俯瞰した視点から場づくり全般に取り組む。

とはいえ、これらの役割は明確に分かれているわけではないため、相談しながら働き方やポジションを決めていきたいとのこと。3つの役割を「コミュニティデザイナー」と総称して募集する。

「ぼくたちが培ってきた場づくりのノウハウは全て開示します。家賃や原価、財務諸表などの数字もすべて公開していますし、ぼく自身が未経験からこういった場づくりに取り組んできたので、将来自分の場所を持ちたい人には格好の材料になるんじゃないかと思います」

そのほか、神戸の大型商業施設でのコミュニティづくりや「旅するホテル」をコンセプトにした動産活用事業など、今は渡邉さんだけで担当しているプロジェクトもある。

今回はROCKHILLS GARDENやConnectの募集が中心となるものの、こうしたプロジェクトにも興味があれば、ゆくゆくは一緒に進めたいそう。

「勝手な理想を言えば、ここで場づくりの経験を積んだ人たちが、世界中あちこちに散らばっていったら面白いなと思っていて。自分の場所を持つ仲間が世界中にいて、つながりがつながりを呼ぶような感じになったら最高ですよね」

 

ROCKHILLS GARDENで店長を務めている八重森好和さんは、いつか自分の場所を持ちたいと思いながら関わってきたスタッフのひとり。

ずっと飲食の仕事に携わってきて、コミュニティづくりに対する興味からアメリカのブルックリンに渡ったこともあるそう。

現地の学校に通うのではなく、日々街場のコミュニティに飛び込んで回った。

「常に街のどこかでイベントやマーケットが開かれていて、毎日がお祭りみたいで。“そこに行けば何かある、誰かとつながれる”と思える場所があることは、すごくいいなと思ったんです」

帰国後、日本仕事百貨の記事を通じてファイアープレイスへ。

オペレーションもまだ固まっていない段階から加わり、渡邉さんとともにROCKHILLS GARDENを育ててきた。

「日々のオペレーションやイベントの企画にしても、自分から提案すればなんでも形にできる。場づくりとは何なのか、実践的に学べる環境だと思います。逆に言えば、機会が与えられるのを待っていると何もできません」

マニュアル化できない仕事も多い。とくにお客さんとの関わりについては、八重森さんもいまだに試行錯誤を続けている。

「食材が余ってしまって『あなたも一緒に食べない?』と誘ってくださるようなお客さまもいれば、仲間内だけで楽しみたいという方もいます。お客さまとの距離感の見極めはいつも意識していますね」

話しかけるタイミングや距離感など。正解と言える関わり方があるわけではないし、定型的なルールが割り当てられるわけでもない。

そんな不確実さを楽しめる人、細かな要望や心の機微を汲み取り、臨機応変に対応できる人はこの仕事に向いているように思う。

 

最後に話を聞いたのは星畑ひかりさん。

昨年の4月に美術短大を卒業後、新卒入社。コアメンバーとして現場に立ちつつ、季節ごとの空間装飾やデザインワークを担当している。

肩書きを「デザイナー」と決めてしまうのもなんだか違う気がして、名刺には「つくるひと」という言葉を入れた。

「忙しすぎても、お金を持ちすぎても忘れてしまいそうな、日々の“なんかいいな”って感覚を大事にしたくて。言葉では説明しきれない、人の心に訴えかけられるようなものや空間をつくっていくことが今の目標です」

目の前の仕事とどう向き合い、自分の役割をどこに見出すか。

そういった視点と同時に、ファイアープレイスではやりたいことやビジョンを言語化することも大事にしている。

「最初は自分が何をやりたいのかわからなくても、ここにいる人たちは想いやビジョンをどんどん言葉にしていくし、何がしたいの?そのためにはどうしたらいいと思う?って、どんどん聞いてくれるので。少しずつ形にしていけると思います」

「あとは、旅先でお土産を買ってきてくれたり、ちょっとしたことでも置き手紙をしてくれたり。スタッフの、ちょっとした思いやりが好きなんです。今回もそういった心配りのできる方が来てくれるとうれしいですね」

人と人をつなげつつ、自分自身もいろんな人とつながっていく。そのなかで次のステップが見えてくることもあるかもしれない。

代表の渡邉さんは、「関わった人の心に火を灯す種火のような会社を目指したい」と話していました。

いつか自分で場やコミュニティをつくっていきたいと思う人なら、きっとここでの時間をよいものにできると思います。

(2019/1/24 取材 中川晃輔)

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