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モヤモヤは活躍のはじまり
ゼロから“働く”を考える

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「自分の仕事の、好きなところはどこですか?」

日本仕事百貨で取材をするようになってから、いろんな人に投げかけてきた言葉です。

すんなり答えてもらえることもあれば、「えーっと…、あなたは?」と逆に聞き返されることもあります。

何が好きで、この仕事を続けているか。たしかに、いきなり聞かれると難しい質問かもしれません。

今回紹介するのは、その「なぜ働くのか」を若い世代の人たちと一緒に考えていく仕事。

エン人材教育財団で、キャリア支援のための講座運営に携わる人を募集します。

講座といっても、就活のテクニックや仕事のスキルを教えるセミナーではありません。どちらかというと、自分自身で働く意味を見つけるためのカリキュラム。

それぞれが自分の道を見つけるための、コミュニティをつくる仕事です。



新宿西口から、高層ビルの間を歩いて10分ほど。

新宿アイランドタワーのロビーで、低層階と高層階で分かれたエレベーターの仕組みに少し戸惑いながら、35階を目指す。

オフィスへ向かう途中、リクルートスーツ姿の人たちと何度もすれ違う。4月になったばかりのこの日。同じフロアではエンジャパンの新人研修が行なわれているらしい。

エン人材教育財団は、人材事業を展開するエンジャパンから派生した団体。オフィスは同じフロアの少し奥にある。

財団の事務所でもあり、普段は講座の会場としても使われるスペースは広々としている。

デスクワークをしている人もいるし、就職や仕事についての本を並べた棚もある。

「基本的にはフリーアドレスです。とはいえ、完全にフリーにすると講座にやってきた学生さんが座りにくそうだったので、ひとまずスタッフの机の位置だけ決めて、あとは自由にしています」

そう話してくれたのは、事業部長の中本さん。

もともとエンジャパンで20年以上人材に関わる仕事を続けてきた方。

そのなかで、「なぜ人は働くのか」という仕事の根本について、若いうちからもっと考える機会が必要だということを感じてきた。

「人材事業って採用のニーズによって成り立っていて、人が会社を辞めるほど利益を上げられるんです。ただ、その利益を追い求めたところで誰も幸せになれないですよね。だから求人情報だけでなく、もっと本質の情報を提供して、社会で活躍できるような人を育てる仕組みをつくりたかったんです」

勤務時間や給与などの条件が良い仕事でも、長く続けられるとは限らない。

仕事を続けるためのモチベーションになるのは、「人の役に立つこと」だと中本さんは言う。

誰の役に立ちたいか、どんなふうに活躍したいか。雇用条件で仕事を選ぶ前にまず、自問自答してみる必要がある。

「僕たちは、就活を控えた大学生向けの講座と、30歳までの社会人がキャリアアップを目指すための講座の2つを軸に運営しています。学生向けの講座では特に、“若者受けしないこと”も率直に伝えるようにしています」

若者受けしないこと、ですか。

「働き方改革では、いかに労働時間を短くするかということばかり議論されていますよね。もちろん残業を推奨するわけではないですけど、僕はやっぱり、時間の自由と体力がある若いうちに、仕事にのめり込んでおいたほうがいいと思うんです」

自分の時間を費やしてでも夢中になれること。

その答えは、きっと一朝一夕では見つけられない。だからこそ、大学1〜2年生のうちから「社会でどういう活躍をしたいか」ということに向き合ってほしい、と中本さんは言う。

講座では、ワークショップやディスカッションを通じて、各々が自分の答えを探していく。

「講座を受けたからと言ってすぐに答えが出るわけではないんですが、『自分なりに考えるきっかけができて、就活がちょっと楽しみになりました』って言われたときは、うれしかったですね」

もうひとつの、社会人向けの講座についても聞いてみる。パンフレットには「社会課題解決型人材育成スクール」の文字が。

社会課題というと、なんだかスケールが大きく感じてしまいますが、具体的にはどんなことを学ぶ場なのでしょうか。

「参加者の多くは、今すぐ社会起業家になりたいというよりも、なにか自分で行動を起こしてみたいけど、何から手をつけていいかわからずモヤモヤしているっていう状態。だから、まずは問題を発見するところから一緒にスタートします」

「たとえば『満員電車が嫌だ』というような、身近にある小さなテーマでいい。きっかけは個人レベルの疑問や不満でも、切り口次第で多くの人が共感できる社会課題に昇華して考えられると思うんです」

不満や不自由を解決するためには、どんなサービスや商品がいるか。仕事として具体的な形にしていくためには、状況や手法を調べる必要がある。

場合によっては、専門的な技術や社会の歴史まで遡って勉強しなければいけないこともある。ケーススタディとして先輩のビジネスマンから話を聞く機会もあるのだそう。

学生にも社会人にも共通しているのは、働くモチベーションとなる目標を見つけること。

ノウハウを伝えるだけでなく、自ら気づき、学べる環境を整えていくのがここで働くスタッフの仕事になる。

そのために、講座の内容の企画や講師の手配、サイトでの告知や、運営をサポートするインターンとの連携など、学びに必要だと思うものをその都度アレンジしていく必要がある。

何が正しいという正解はないので、スタッフ自身も自分で考えることが求められていく。

「僕自身、事業の中でいろいろ失敗もしてきたんですけど、やっぱり、人にやらされた仕事はダメですね。何かを解決したいっていう自分の思いが強いかどうか。そこがずれているともたないです」

特に、非営利組織であるこの財団では、売り上げで成果を計ることはできない。

だからこそ、「思いの強さ」が試されると中本さんは言う。

「最初は、売り上げ目標に縛られないなんて楽でいいなと思ってたんですけど、だんだんキツくなってきました(笑)。事業そのものの価値で勝負するしかないから、逆に逃げ場がなくて」

「キャリア支援の事業はまだはじまったばかりなので、具体的な成果は示しにくいですけど、いつかこの講座を受講した人が就職先の会社で活躍したり、事業を起こしたりするようになるまで、粘り強くやらないと。木を植えているようなものですよ」

事業の成功は、講座への集客率ではなく、参加者の長期的な成長。だからこそ、企画もしっかり考えてクオリティを高めていく必要がある。

加えて、現在は主に5人のスタッフだけで運営しているので、マルチタスクでもある。

「財団法人って、すごくのんびりしたイメージかもしれないですけど、どっちかっていうとベンチャーっぽいんです。だから、社会的価値のある事業に向かってスピード感を持って動きたいという人にはいいかもしれないですね」

「あと、黙って座っている人には仕事が来ない。上司である僕や、財団のトップである理事長にも、率直に意見を出せないと評価されません。自由闊達に意見交換しながらやりたい人なら活躍できると思います」

なるほど、かなり前のめりな意識がいりそうですね。

「そうですね、まあ気になったらとりあえず、ふらっと話を聞きに来てくれるだけでもうれしいです」

たしかに、ここはオープンスペースだから、気軽に入りやすい雰囲気もある。インターンも利用者もスタッフも、垣根がなさそうだ。



次に話を聞いたのは、入社して半年になるという足立さん。

足立さんはこのインタビューのあと、学生向けのイベントでファシリテーターをするということで、少しそわそわしている様子。

どんなイベントなんですか?

「もともと財団が用意している講座は2日間で終わるんですけど、せっかくなら同じ学びを共有した人同士でコミュニティをつくろうと思って。講座が終わったあとも、集まっていろんなテーマについて考える会を開いています」

「今日は、就活に向けて社会への視野を広げようということで、ニュースなどのトピックスを用意してきました。何人来てくれるかなあ…」

講座自体はもともと財団のコンテンツであったものの、そのあとのコミュニティづくりは足立さんが企画して運営している。

ほかにも、大学と共催でイベントを企画するなど、足立さんは自分のアイデアをどんどん形にしている。

「現場の声とか、私たちが日々感じていることが、そのまま財団の意思決定につながっていく風通しのよさはあると思います。『まだ未完成でもいいから声に出して発信していいよ』って言ってもらえるところはすごく柔軟。やっぱりベンチャーっぽい組織だなと思います」

「今はスタッフの数が少ないので、企画から発信、運営まで、基本的には全部やります。業務は結構変則的なんですけど、その分やったことのないことにどんどん挑戦できる、自分にできることを増やしていける感覚はあります。日々アップデートしていく感じですね」

この仕事について、明るく楽しそうに話してくれる足立さん。

実は数ヶ月前まで、どうやって企画を立てたらいいか悩んでいたという。

「なんとなく軸になるものが決められなかったというか…。だからまずは、法人として目指している社会のビジョンを、ちゃんと自分の言葉にしていこうと思って。迷ったら、とにかくまわりに聞くようにしていました」

もうひとつ、足立さんの助けになったのは、講座に参加した学生の声。

「講座を通じて興味の領域が広がった」「このテーマをもっと深めてみたいと思った」

何が受講生の役に立っているのかを知ることで、自分のやるべき仕事が見えてきたという。

「学生の声や成長している実感って、事業をやっていく上で財産になるものだと思うんです。だから今、講座を受けた学生さんにインタビューして、記事として発信していこうと思って準備をしています」

この場所で、自分らしい働き方について考える学生さんと接していて、足立さんはどんなことを感じているんだろう。

「私たちが何かをしてあげるというよりは、自分で気づくことが大切。究極は私たちの存在が必要なくなって自走できるようになることなんです。『将来がちょっと楽しみになった』って言ってもらえることが一番うれしいです」

中本さんも言っていたように、やっぱり「誰かの役に立つこと」は、自分の仕事に愛着を感じるために欠かせないことなのかもしれない。

冒頭で触れた「仕事をしていて楽しいことはなんですか?」という質問。これまでに聞いてきた実感として一番多い答えは、仕事の種類にかかわらず「誰かに喜んでもらえたとき」です。

私も、最初は聞き返されるたびに、編集者らしい答えをひねり出そうとしていましたが、やっぱりそれに勝るものはない気がします。

(2019/4/4 取材 高橋佑香子)

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