求人 NEW

何気ない会話と
交わるアイデア
きっかけはこのオフィスから

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

さまざまな分野の人たちが枠組みを超えて集まれば、今まで想像できなかったような新しいアイデアが生まれるかもしれない。

そんな場で大切になるのは、コミュニケーションで人と人とをつなぐことができる存在だと思います。

コワーキングスペースを舞台に、その役割を担う仕事を紹介します。

日本土地建物株式会社が、都内に3拠点を展開する“オープンイノベーションオフィス SENQ(センク)”。

“オープンイノベーション”とは、スタートアップや大企業、大学、地方自治体など、枠組みを超えたさまざまな人たちがアイデアやノウハウを持ち寄って、新たなビジネスを生み出すこと。

SENQは、ここでの出会いが新たなビジネスのきっかけになってほしいという思いから生まれた場所です。

今回は、運営を担うコクヨ&パートナーズ株式会社の一員として、今年5月末にオープンする“SENQ六本木”で働く人を募集します。

受付はもちろん、イベントの企画・実施など、日々訪れる利用者とのコミュニケーションを大切にしながら、この場所でいいつながりが生まれるコミュニティをつくる仕事。

日本土地建物とコクヨ&パートナーズ、それぞれの会社でSENQの立ち上げから関わってきたお二人に話を聞いてきました。


向かったのは、SENQ霞が関。地下鉄虎ノ門駅を出てすぐの、日本土地建物の本社ビルの2階。

お昼過ぎのラウンジには、パソコンで作業をしている人がちらほら。まだ人も少なく、集中して仕事に取り組めそう。

案内してもらった会議室で、まずお話を聞くのは日本土地建物の佐藤さん。SENQプロジェクトを企画・提案した方で、現在はこのSENQ霞が関のマネージャーをつとめている。

「このビルの別フロアにオフィスがあるんですけど、普段から8割くらいの時間はここにいますね。こちらの運営をしながら、SENQ六本木の立ち上げの仕事もやっています」

京橋、青山、霞が関に次いでオープンするSENQ六本木。

歴史ある不動産会社の日本土地建物が、コワーキングスペースという新たな取り組みをはじめたきっかけは何だったんだろう。

「入社してからずっとオフィスビル開発に携わってきて、『これからの時代、オフィスづくりはこのままでいいのか?』と疑問を持つようになりました。固定のオフィスがなくてもパソコンとWi-Fiさえあれば仕事ができるし、多様な働き方を取り入れる企業も増えている。自分たち不動産会社も、時代の変化に対応できる新しいワークプレイスをつくるべきだと思いました」

佐藤さんがこの事業に向けて動き出したのは、7年ほど前。オフィスビルのワンフロアをコワーキングスペースにする企画の提案や、既存の施設の調査や事例研究を続けてきた。

3年前に新規事業開発を担う現在の部署に配属され、晴れてSENQとして実現することになった。

会員が自由に使えるラウンジをはじめ、会議室やイベントスペース、貸しオフィスとして占有できるブースや個室を兼ね備えるSENQ。スタートアップやベンチャー企業を中心に、大企業で働く人まで幅広い層の会員が利用している。

「単なる箱をつくるだけではなくて、集まる人たちのコミュニティを重視しています。SENQという名前は、“先駆者”が由来。さまざまな分野の先駆者たちが集まりつながって、新しいビジネスが生まれる場所にしたいという思いを込めています」

SENQの大きな特徴のひとつが、パートナー制度。

大企業の新規事業担当、金融機関や投資会社などを含む約60社がパートナーとして登録していて、SENQの会員は事業のアドバイスを受けられるし、協業の可能性を探ることもできる。

スタートアップの企業にとっては、自分たちだけでは実現が難しいアイデアを形にできるかもしれないし、パートナー企業にとっても、新規事業を発掘できるメリットがある。

「ここにいると、企業の成長が見られます。立ち上げたサービスが順調に拡大していったり、一人で利用していた方に一緒に働く仲間が増えていったり。会員の成長していく姿に、こちらも喜びや刺激をもらえますね」

SENQでは、それぞれの立地の特性に合わせて異なるテーマが設定されている。たとえば、官公庁の集まる霞が関のテーマは、社会と地域の課題解決を目指す“LEAD JAPAN”。テーマに惹かれて集まる人同士なら、コミュニケーションも生まれやすいと考えた。

六本木のテーマは、“CHANGE THE THEORY”になる。

「六本木はITやweb関連の会社が集まる場所になると考えています。テクノロジーの力で社会課題の解決を目指したり、生活をより良くするためのサービスやプロダクトを生み出そうとしていたり、国内にとどまらず海外展開を目指したり」

「これまで当たり前だと思っていた常識や価値観、そういったセオリーを変えていく新しいビジネスが、次々とこの場所から生まれてほしいと思っています」

ここで働くのは、どんな人がいいのでしょう。

「ひとつは、コミュニケーションが好きな人。といっても、必ずしも話し上手である必要はなくて、相手が安心して気軽に話せる雰囲気をつくれることのほうが大切だと思います。実は僕も人見知りなんですよ(笑)」

「あとは、集まる人次第で柔軟に変わっていく場所だと思うので、『こうしたほうが使いやすいかな』『喜んでもらえるかな』と常に考えて、場所をアップデートしていくためのアイデアをどんどん提案できる人だといいですね」

交流イベントを企画したり、席のレイアウトを変えてみたり、新しいドリンクを用意してみたり。

小さな変化でも、利用する人たちの反応が直に伝わるのは、やりがいにつながるかもしれない。
 
「『ほかのシェアオフィスやコワーキングスペースと、どう差別化しているんですか?』って聞かれることがよくあります。先ほどお話したテーマ設定やパートナー制度という特徴に加えて、僕は“人がつくり出す雰囲気”そのものが大きいと思っているんです」

人がつくり出す雰囲気。

「SENQの会員や訪れたゲストの方に、『会員に魅力的な方が多い』『受付スタッフが丁寧に対応してくれる』とお褒めの言葉をいただくことが多くて。マーケット的な差別化とは意味合いが違うけれど、“いい人に恵まれている”ことは一番のSENQの魅力だと感じています」

シェアオフィスやコワーキングスペースが増え、施設自体に魅力があるのはもはや当たり前の時代。そのなかでは、そこにいる人たち自身が魅力になってくる。

運営スタッフは、そういったSENQの雰囲気を決める大切な役割になるんだと思う。



SENQ京橋で立ち上げから2年間働いた、コクヨ&パートナーズの佐々木さんにも話を聞いた。これから一緒に働く人は、佐々木さんから仕事を教わることになる。

「実は今日から、現場全体の統括とサポートをするサービスマネージャーに着任しました。これが最初の仕事なので、緊張しています…」

控えめに話しはじめてくれた佐々木さん。

「SENQは、どの拠点でも基本的に二人体制。早番・遅番に分かれるので、一人の時間帯もあります。六本木でも、新しく入る人たちを中心とした二人体制で運営してもらう予定です」

主な仕事は、経理業務や事務的な書類のやりとりや利用希望者への内覧案内、会員向けイベントの企画運営など。

「あとは、会員さんとのコミュニケーションも大切な仕事です。世間話もしつつ、どんな仕事をしていて、どんな人とつながりたいのかを聞いておけば、マッチしそうなパートナー企業の方をご紹介することもできます」

「シャイな入居者の方とは、まず『おはようございます』と挨拶を交わすところから。日々顔を合わせることで人柄や仕事のリズムがわかってきたら、ちょうどいい距離感でコミュニケーションをとるよう心がけています」

コクヨ&パートナーズでコワーキングスペースで仕事をしている人のほとんどが、異業種からの転職。多様なバックグラウンドのスタッフがいることで、会話の幅や深みが増すと考えているそう。

佐々木さんは、入社と同時にSENQ京橋に着任となった。

「前職は乗馬クラブでインストラクターをやっていました。SENQとは全然違いますけど、強いていうなら接客という点は同じですかね(笑)」

乗馬クラブでは、もともと受付の担当。常連のお客さんとの何気無い会話が日々の楽しみだった。

インストラクターに異動となったことで、お客さんと会話をする時間がめっきり減ってしまった。もっと人との関わりを大切にできる仕事がしたいと転職を決める。

「SENQでは、ニックネームで呼んでくれるほど親しい方もいます。さまざまな企業の方に会って、話を聞けるのが純粋に面白くて。パートナー企業さんの講演会では、手伝いをしながら一緒に話を聞かせてもらっています」

会員とパートナー企業をつなげる役割として、自主的な勉強も続けている。

「どんな企業なのか少し知っているだけでも、会話の幅が大きく広がります。私はインターネットで情報を仕入れたり、関連する書籍を読んだりしています」

「会員さんやパートナーさんに興味を持って積極的にコミュニケーションをとることで、自分自身にも新しいつながりができて、知識や価値観が広がっていく。そういうことに興味を持って楽しめると、SENQのスタッフとして輝けるんじゃないかなと思います」

日々のコミュニケーションのなかには、細やかな気遣いが必要になることも。

「施設のルールを守らない方に、どう注意するかとか。毎日会う方なので良い関係を保てるように、敏感に反応を見ながら伝えるようにしました」

「あとは、周囲の書類処理の音が気になるっていうご意見もありました。個人の感じ方なので難しいのですが、音そのものだけでなく、隣の人をよく知らないことも原因のひとつなのかなって。だから、どんな人でも参加しやすいイベントを開いて、会員同士の関係が良くなるように試行錯誤しているところです」

一つひとつは小さくても、さまざまな種類の課題が日々生まれてくる。それぞれに丁寧に向き合うことが、居心地の良い場づくりにつながる。

佐々木さんが取り組みに成果を感じたのは、昨年のクリスマスパーティー。

「私たちスタッフがキッチンでつくった料理を振る舞いました。今までほかの会員と接点をつくってこなかった方々にもお声がけをしたら、参加してくださって。それが何よりうれしかったし、日々の関係づくりの賜物だなと思いました」

「こんなふうに新しいことを企画したとき、参加者から『よかったよ』っていう声が直に聞けるから、もっとSENQを盛り上げていこうというやりがいを感じられるんです」


帰りがけにラウンジを覗いてみると、仕事をする人たちでほぼ満席に。打ち合わせをしている人たちも多く、来たときよりも賑やかな雰囲気になっていた。

気持ちよく働ける場所だからこそ生まれる出会いがあるし、新しいビジネスにつながることもあるように思います。

SENQで働く人たちは、さりげない工夫や心遣いで、そのきっかけをつくっているのかもしれません。

(2019/2/4取材 増田早紀)
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