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心を揺り動かすのは
人が真ん中にあるデザイン

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デザインや広報の仕事は常に必要とされる一方で、誰のために、何のためにやっているのか分からなくなることがある。

でもここでなら、目的を見失わずに働くことができると思います。

高等学校と中学校、専門学校、そしてスイミングクラブを運営する学校法人履正社で、インハウスデザイナーと広報部スタッフの募集です。

デザイナーはチラシやDMの製作から、ゆくゆくは学校案内のパンフレットや施設のロゴ、制服のデザインまで。広報部のスタッフは、広報物の企画編集や各地の高校での学校説明会なども開催します。

「学校のビジョンに共感してもらえないと、支持を得られない。僕はそのビジョンを目に見える形にできるのって、デザインしかないと思っているんです」

そう話すのは広報部長の釜谷さん。だからこそデザインや広報に重きを置いて、その役割を広げようとしている。

学校をデザインするってどういうことだろう、どこをデザインしたらもっと良くなるんだろうと想像しながら、ぜひ続きを読んでみてください。


大阪・十三(じゅうそう)。

中心地である梅田にも程近いのに、昔ながらの商店街や飲み屋街が広がるまち。十三駅の改札を出ると、ちょうど学校帰りの学生たちがたい焼き屋さんに列をなしていた。

駅から7分ほど歩いていくと履正社の校舎ビルを発見。中を覗き込んでいた私に、声をかけてくれたのが広報部長の釜谷さんです。

履正社が運営する履正社医療スポーツ専門学校で、広報部を含め経営全般を任されている方。「学校のあり方そのものをデザインするのが仕事です」と自己紹介してくれた。

まずは法人の歴史について伺うことに。

「大正11年に商業高校として創立して、そのあと中学校、専門学校とスイミングクラブをオープンしました。2022年に創立100周年を迎えます」

「専門学校は、最初は経理の学校だったんです。そこから約10年に一度のペースで、校名が変わっているんですよね」

大阪秘書ビジネス専門学校、次に履正社学園コミュニティスポーツ専門学校と変遷して、履正社医療スポーツ専門学校になったのは2008年のこと。

「経理、秘書ビジネス、スポーツ・医療という流れにはまったく一貫性がないですよね(笑)。でも創設したときから、学校のビジョンは決まっていて。“履正不畏(りせいふい)”という言葉があるんです」

正を履(ふ)んで畏(おそ)れず。これは履正社という校名の由来にもなっている言葉。

「まっすぐ自分の道を行けとも、自立して道を歩みなさいとも受け取れる。そこに共通しているのは、ちゃんと自分の人生を生きろっていうことだなと僕は解釈していて」

「そんな学生を育てたいと、時代を先取りしながら必要なものを教えてきた。それを100年続けてきた学校だと思います」

そんな学校のなかで、広報部は釜谷さんが昨年4月につくった部署。これまで広報チーム自体は存在していたものの、役割もメンバーも刷新したのだという。

「脈々と受け継いできたビジョンをきっちり発信する部署をつくりたい、と思ったのがきっかけです」

学校の特徴を表し、何か迷ったときの拠り所になるビジョン。それを、デザインを通して学校内外にしっかりと伝えていくことで、履正社グループが一丸となって働いていけると釜谷さんは考えている。

そしてコミュニティのハブになることも、広報部に求める役割のひとつ。

「専門学校のなかのいろんな学科を横につなぐ組織がなくて。だから広報部には、教員として働いていた人にも入ってもらっています。何年か学校全体に関わる仕事をして得た知識や経験を、自分の学科に還元していく仕組みがつくれたらと思っているんです」

実は釜谷さん自身も、広報や学校関連の仕事には3年前に初めて飛び込んだ。それまではずっと出版畑を歩いてきたという。

大学卒業後は好きだった雑誌「Sports Graphic Number」をつくっていた株式会社文藝春秋に入社。Numberの編集部や、週刊文春の編集部を経て、家業を継ぐために曽祖父の創立した履正社で働くことを決めた。
最初につくったのは、「履正社の人」というコンテンツだった。

「学校の先生や在校生をとにかく取材してまわって。どんなストーリーがあるのか僕自身も知りたかったし、知ってほしかった。そこから始まりましたね」

読んでみると、押し付けがましくなく自然とその人の人柄が伝わってくる。

学校案内のパンフレットなどの冊子も、学生や働く人の声を丁寧に集めている印象があります。

「専門学校っぽくないね、とはよく言われます。今って合格実績などのデータが重視されていて、どんな広報物でも正解とされる形が決まっている気がするんです。でもそれじゃあ結局この学校の良さが埋もれてしまうような気がしていて」

埋もれてしまう。

「うん。僕はどこまでいっても編集者なので。もちろんしっかりした教育を行なっていることは前提に、そこで日々を過ごす人や背景にあるストーリーを伝えるほうが、結果的には学校のためになるという信念があって。それでいろんな人を巻き込んでいるんです」

とはいえ、デザインや広報のあり方が学校経営にどう影響しているのか、数字で定量的に測ることは難しい。

数字にはあらわれない部分にお金や時間をかける理由を経営陣に伝えるのは、立ち上げ当初から今に至るまで苦労していることだという。

「それでも1年間やってきて、来年度は入学者数が本校史上2番目の人数になるんです。子どもの数が減って学校産業自体が熾烈な競争にさらされているなか、うれしいですよね。来年は広報部でさらに学校のなかを活性化していきたいと思っています」


そんな釜谷さんのもとで、部署間を横断しながら働いているのが萩原さん。

広報部のスタッフとして、新しく入る人の同僚になる方。新卒で履正社の専門学校に入職し、今年で6年目になる。

「決め手は未知の領域だったことかもしれません。教育大学にいたので、教育実習のタイミングで高校には行ったけど専門学校は経験がなくて。そこで自分に何ができるのか、挑戦してみたくて入ったという感じです」

キャリアセンターで学生の大学編入対策指導を担当し、その後広報部へ。

写真撮影や取材、編集など初めての体験ばかり。それでも一つひとつ自分の手で感覚を確かめながら、できることを増やしてきたという。

「これまではデジカメかスマートフォンでしか写真を撮ったことがなくて。去年、業務の一環でカメラ教室に通ったんです。自分で体験してみると、あらためてカメラマンさんの凄さも感じました」

「初めてのことを、結構楽しんでいるのかもしれません」と笑う姿からは充実している様子が感じられる。

専門学校はスポーツ、医療、スポーツ外国語と3系統の学科に分かれていて、スポーツ指導者やトレーナー、理学療法士、柔道整復師、鍼灸師などさまざまな進路につながる学びを提供している。

萩原さんはそのなかで、年に数回発行している広報物の企画や取材、編集を主に担当。そのほか、日々のSNS運営やオープンキャンパス・入試説明会の運営サポート、イベントでの装飾など幅広い役割を担っている。

今回新しく入る人は、まずは履正社について知ることから始めてほしい。

取材への同行も歓迎だし、チラシや学校案内のパンフレット製作などから関わってもらう予定とのこと。

充実した内容の学校案内を3ヶ月ほどの短期間でつくることもあるので、スピード感との両立も重要になってくる。

「刊行時期が重なると、すごく忙しくなることもあります。地道な仕事もたくさんありますし。何事も楽しめる人だといいですね」

萩原さん自身も、少しずつ自分の企画を形にしている。

「明日へ走る人」というTwitterでの連載企画について教えてくれた。

「パンフレットって、先生が推薦する子とか学校目線で選ばれた子が載るイメージがあるじゃないですか。表立って見えづらいけれど、地道に頑張っている子を学生目線で紹介する機会があってもいいんじゃないかと思ったんです」

そこで登場してくれた子が、次の子を指名していくリレー形式で連載することに。

「学生一人ひとりから聞く話がとても新鮮で。小学生の頃からサッカーをやってきて、将来も関わり続けたいから医療の国家資格を取ろうという子や、好きなミュージシャンが鍼治療を受けていると聞いて、自分もアーティストのサポートができたらと思っている子もいます」

「私が知らなかった考え方、人生の過ごし方を持った子たちがいっぱい集まるところなんだなって。記事がリツイートされたり、『部活の後輩から“読みました”と声をかけられたんです』という話を聞くと、その子のことが誰かにちゃんと届いたんだとうれしくなります」

萩原さんの話を聞いていると、生徒たちを見つめるあたたかな眼差しから、人の心に届く広報物が生まれているのだとあらためて感じました。


最後に紹介する藤さんも、人との関わり合いを楽しみながら広報に関わるひとり。

広報部の副部長であり、鍼灸学科の学科長も兼任されている方。

ストイックに体と向き合っている方なのかと思いきや、「最近出張が続いて、ダイエットが間に合いませんでした」と場を陽気に和ませてくれた。

広報部ではリクルート班を統括している。リクルート班は、その名の通り履正社の専門学校に入学する生徒を募るためにさまざまな営業活動を行う部署。

たとえば全国の高校を訪ねて生徒にガイダンスをしたり、高校の進路室の先生とコミュニケーションをとったり。履正社の魅力を伝えるだけでなく、ときには子どもたちや先生の悩みを聞きながら、より良い進路を一緒に考えていくこともあるのだとか。

藤さんはどんなところにやりがいを感じていますか。

「そうですね…2つあります。1つ目はガイダンスで自分が学校説明をした子が入学してくれたとき。2つ目は卒業して活躍している姿を見たとき」

「たとえば」と見せてくれたのは、学校案内に載っていた卒業生のインタビュー。船上鍼灸師として豪華客船などに乗船している方で、藤先生の教え子なのだそう。

「彼がこんなふうになるとは思ってなかったですもん。入って終わりではなくて、出てからも活躍してもらえるような時間にするのがここに来てもらった意義になりますから。あぁ成長したんだなぁって、やっぱりうれしくなりますね」

今回募集する広報部のスタッフは、萩原さんのような企画・編集職または藤さんのようなリクルート職のどちらかを担当することになる。適正にあわせて柔軟に任せていきたいそうです。


最後に、どんな人と一緒に働きたいか、釜谷さんに聞いてみました。

「学生はもちろん我々職員も、ずっと成長中です。だから人の成長を面白がれる人が前提だし、アンテナの感度を一生磨き続けていこうという人がいいですね」

単に言われたことを形にする仕事ではありません。

ここで働く人たちは皆、自分の頭で何が必要かを常に考え続け、とことん学校や生徒に寄り添っている。

だからこそ、生み出されるものが人の心に届くのだと思います。

(2019/3/14 取材 並木仁美)
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