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移り住むか、とどまるか
第3の答えはここにある
ようこそ、ニア東京へ!

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「移住や就労って、いろんな形があっていいはずなのに、なんだか紋切り型になりがちで。もっと多様な選択ができるようになったら、面白いと思うんです。都心と里山暮らしを行き来できる“ニア東京”だからこそ、それが可能だと思っています」

千葉県・南房総市。

房総半島の先端にあるこのまちから、暮らしや仕事の多様性をつくっていこうとしている人たちがいます。

今回募集するのは、地域おこし協力隊としてその仲間に加わる人。市内に移住する人や就労する人を増やしたいというのが活動の大きな目的ですが、いきなりそこを目指すわけではありません。

自分の目で市内を見渡し、さまざまな人と出会いながら、まずは南房総に興味を持ってもらうためのイベントを企画運営したり、埋もれている住まいや仕事の情報を発掘・発信したり。タッチポイントをつくっていくことから始めます。

まちにはすでに動き出している人もたくさんいるので、その背中を追いかけながら、自分自身も成長していけそうな環境です。



東京駅から高速バスに揺られること1時間半。アクアラインを抜ければ、南房総市は目と鼻の先だ。

費用は往復で5000円程度。時間もお金もあまりかけずに東京と行き来できるのは、大きな利点だと思う。

最初に向かったのは、協力隊として地域で活動している瀬戸川さんのところ。

柔らかな雰囲気で迎えてくれた瀬戸川さんに、まずはこの場所に来たきっかけを聞いてみる。

「初めてきたときに都心からたった1時間で、こんなに素晴らしい海があるんだって思ったんです。夕日で真っ赤に染まった海と、浜辺にビーチパラソルをさすおじいちゃんの姿に心を揺さぶられたのがきっかけでした(笑)」

外資系の金融会社で働きながら、週末は南房総に購入した別荘に通った。退職をきっかけに協力隊となり、活動は今年で3年目。

インバウンド担当として、サイクルツーリズムを通じた外国人観光客の誘致活動をしている。どんなふうに、プロジェクトを進めてきたのだろう。

「南房総に来てから最初の2ヶ月くらいは、市内外のいろいろな人に会いました。まちにはどんな材料があるのか、知るところから始めないといけないと思って」

地元の人たちに話を聞いていくうちに、健康に関心のある人が多いことや、美しい景観と土地の文化を守りたいという想いがあることがわかってきた。

「この地域の雰囲気を残しながら、経済を活性化していくにはどうしたらいいかと考えて。それならスポーツツーリズム、その中でもサイクルツーリズムがいいんじゃないかなと感じたんです。オートバイのように騒音もないし、サイクリストにとっても、山里も東京湾も身近に感じられる南房総は魅力的だと思いました」

瀬戸川さんは、地域のサイクルチームと協会を立ち上げ、イベントの企画や地域行事にも積極的に参加している。

「この前はお祭りで子ども向けの自転車教室をやりました。今度は、もっとディープに地域をまわるツアーを開催しようかなと思っていて。地元の農園で体験をさせてもらったりとか地元の方の家にお邪魔したりとかね」

精力的な活動の甲斐あって、これまで拠点施設には累計で2000人もの人が訪れた。リピーターやガイドとして活動する人も増えてきているのだとか。

「この前のサイクルツアーには、古民家に暮らしてみたいという人がきて。古民家改修のワークショップを紹介したら、実際に参加したそうなんです」

「食べたり泊まったりという直接的な経済効果だけじゃなく、将来の移住につながるポテンシャルも、この土地やサイクルツーリズムにはあるんじゃないかなと思っています。新しく入る人たちとも連携しながら、この流れを盛り上げていきたいですね」

とはいえ、瀬戸川さんの活動の全てが順風満帆にいったわけではないという。規模が大きくなってきたからこその難しさも感じているそう。

「やっぱり、地域の人としっかり対話することが大事ですね。最初は寛容でも、意思の疎通がうまくできていないと『俺たちのまちで何をやっているんだ』と変わってきてしまう」

「これからは地元の人と力を合わせて、南房総流のサイクルツーリズムをつくることに注力したいんです。そのためには寄り合いに参加するとか、道の草刈りをするとか地道なこともたくさんあります。だけど確実にプロジェクトが前に進んでいると実感できるので、原動力になっていますね」



いきなり瀬戸川さんのように事業を展開していけるのか、不安に感じる人もいるかもしれない。

そんなとき、大きな力になってくれるのが永森さん。今回募集する人たちとチームを組んで活動していくことになる方です。

向かったのは、まちのなかにある古民家。ヤマナハウスと呼ばれるプロジェクトの拠点になっている場所だ。

このプロジェクトは、築300年の古民家とそのまわりにある裏山や畑など、2500坪もの広大な土地を舞台に、里山を現代的に再生していくというもの。

デザイナーやIT関係者など普段は都心で働くさまざまな職業の人たちや移住者、地元の人々が週末に集まり、自分たちのほしい場所や暮らしをつくろうとしている。

永森さんは、そんなヤマナハウスの“村長”。

「最近は、はじめての狩猟講座や瞑想講座をやってみたんです」と、楽しそうに話してくれる。

「南房総とここに来る人たちとはパソコンのOSとアプリみたいな関係で。出入りする人が増えるほどにできることが増えていくイメージです。たとえば瀬戸川さんもそう。あの方がいることで自転車の文化が一気に加速しました」

東京に生まれ育ち、都内で広告や環境関連、Webディレクターの仕事をしていた永森さん。

最初は忙しい日々から離れる、週末のエスケープ先として、南房総にワンルームの家を借りていた。一人で借りるよりリーズナブルで楽しいのでは、と海沿いの一軒家を友人たちと借りたのが約10年前のこと。

「滞在するようになってから、田んぼのシェアオーナー制度とか、面白いプロジェクトがたくさんあると気づいて。参加しているうちに、知り合いも増えてきました」

すると「自分も空き家を探しているんだけど」「2拠点生活ってどうやったらうまくいく?」などと尋ねられることも増えていった。

次第に自分の役割は、人や地域の間に立って、疑問に応えることや暮らしを発信していくことなんだと認識し始めたそう。現在は市の公認プロモーターとして仕事を請け負ったり、地域プロデュース業も担当したりしながら、活動の拠点を南房総に移した。

「もともとは、南房総への移住や働くことはまったく考えていなかったんです。実現したのは、仕事と生活のバランスをみながら、自分に合った形に暮らしをカスタマイズできたからだと思います」

今回募集する人は、永森さんと一緒に、市への移住を希望する人に向けた仕事や住まい探しの手助けや、情報発信を主な仕事として取り組んでいくことになる。

希望者には、市内の空き家や仕事の情報を収集・提供していく。一方で、いきなり移住者を増やそうとは考えていない。

「僕もそうだったけど、移住ってそんなに簡単じゃないんです。まずは移住するの?しないの?という二択を迫る前にそこまでたどり着く道筋を考えていく必要があります」

そのために、まずは体験ツアーや南房総を知ってもらうイベントの企画・運営からはじめてほしい。

イベント開催の拠点のひとつになるのが、永森さんが「日本」をコンセプトに新宿に創設したシェアオフィス「HAPON新宿」。

永森さんはここで「南房総2拠点サロン」というイベントを主催している。

「南房総×◯◯」をテーマに、スポーツや起業、神社、獣害、教育など、毎回テーマに合ったパネリストを招き、参加者と一緒にお酒を飲み交わしながらゆるやかに意見交換をする。

南房総×移住をテーマにした回では、移住分類学と題してそれぞれのパネリストが移住に至った経緯をパターン分けしたのだそう。

「だいたい移住関連のイベントって、ゲストの移住ヒストリーを話すじゃないですか。それもいいけど、その体験はその人にしか当てはまらないから、もう少し参加者にも自分のこととして考えてほしかったんです」

「だから『社会に反発型』『毎日が夏休み型』とか分類して、自分はどういう要素が強いかプレゼンしてもらいました」

そんなふうに、移住を考えてみたことはなかったです。

「いろいろな面を知って、がっかりするのかうれしいのかは人それぞれだけど、そうすることできっと南房総が立体的に見えてくるはず。同じところからだけライトを当てないというのは心がけています」

まずは、「南房総2拠点サロン」や「南房総2拠点移住計画」など永森さんがつくったプラットフォームを利用しながら、イベントの企画・運営を進めてほしい。

それには、地域の人たちとの関わりも不可欠になる。市は商工会の会長や漁協の担当者、そして永森さんなどキーマンを集めた協議会を立ち上げようとしている。

協議会に参加することでつながりが生まれ、仕事や空き家を探すときにも動きやすくなるはず。

「いきなりプロデューサーみたいな立場で入るんじゃなくて、まずはプレイヤーになって動ける人がいいですね。企画とかクリエイティブなことって、できるかどうかは情報量の差だと思います。自分の手足を使って引き出しを増やすほど、いろいろと思い浮かぶと思いますよ」



最後に紹介したいのが、今回市役所職員という立場から新しく入る人たちをサポートする長谷川さん。

実は長谷川さんは、この4月に部署異動してきたばかり。新しく入る人とは同期のような立場で、活動することになりそうです。

「全然違う課からきたので、今はついていくのに必死です。逆に今までと違う視点から活動を見ていけるっていう良さはあるかもしれませんね。どんなことでも気軽に話しかけてもらえたらと思います」

南房総で生まれ育ち、東京の大学に進学。一度離れたところから見た地元は、長谷川さんにはどんなふうに映ったんだろう。

「緑豊かな景色自体は、もしかしたら東京にもあるのかもしれません。でもここには独特の静けさみたいなものもあって、すごくのんびりできる。やっぱり一番落ち着きます」

「ただ、海も山も食べ物もある豊かな場所なのに、南房総市と言われてみんなが思い浮かべるものはバラバラ。活かしきれていないところがあるのかなって。だからこそ、変わっていける余地がたくさんあると思います」

隣で話を聞いていた永森さんも、頷きながら言葉を続ける。

「これが鎌倉とか湘南なら、すでにイメージも出来上がっていて関わる余地は少ないと思うんですよ。ここでは自分が土地の文脈をつくる一員になったり、新たに手を加えたりしていける」

「それがこの場所に関わる面白さなのかな」



瀬戸川さんが来たことによってサイクルツーリズム文化が生まれたり、永森さんがまちに新しい人の流れをつくったり。

関わる人の個性や考えに合わせて、町は少しずつアップデートを重ねています。

ここで働く人も、そうやって一緒に成長していけたらいいんだろうな。

まずはぜひ南房総に、顔を出してみてください。

(2019/4/12 取材 並木仁美)

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